正確な線は1本しかない

正しい線とは?

よく美術の授業などで、友達が鉛筆で下書きをするとき、同じ場所を何度もなぞり、たくさんの重なった線を描いているのを見たことがありませんか?あるいはあなたもいつもそのようにして描いているかも知れません。
これはプロの画家も使う方法で、何かといいますと、近くにたくさんの線を描画することで、「この中のどれが正しい線か」を探るのに役に立つのです。

 

まったく何も書かれていない白紙をにらめつけて「どこが正しい線だろう」と想像するのは困難ですが、「たぶんこのあたりだろう」という所に何本も線を引き「この中からどれが正しい線だろう」と選択するのは容易です。

 

たくさん下書き線を引き、その中の1本もっとも正しいと思われる線を見つけ、最終的にはその線だけ残してほかは消すわけです。

 

しかし最終的には1本の線だけ残すのであって、要するに本当に正しい線は1本しかないのです。
このやり方はほかにも何本も線を描きますが、それは正しい線がどこなのかわからないからそうするのであって、最初の一発目から正しい線の位置がわかっていれば、何本も線を引く必要はありません。最初から本線を1本描けばそれで終わりです。無駄な時間を費やす必要はありません。

 

漫画のページなどの上に薄い紙を載せると、紙に透けて下の漫画のページが紙にうっすらと見えます。この状態で下の漫画の線を丸写しすることを「トレース」などといいますが、こうやって丸写しするときは何本も線を描いて下書きしたりはしません。最初から完全に正しい線がわかっているからです。

 

これから解説する方法は、計算によって最初から正しい線を見つけられるようにします。なので何本も線を引いて下書きをする必要はありません。
2,3本くらいは引いてもいいのですが、あまりたくさん引き過ぎないようにしてください。時間の無駄です。計算にそこそこ時間をかけるので、線を引くときにも時間を使う必要はありません。

 

線そのものは太くても細くてもかまわないのですが、線自体は1本しかありません。これは「正しい位置、輪郭部分は一つしかない」ということを意味します。