もし可能であれば、絵を描く時間を時計やストップウォッチで測りながら練習してください。
絵を描く速度は、目的によっては非常に重要になることがあります。
画家や趣味のイラスト描き
もしあなたが画家や「趣味の」イラストレーターとして活動する場合、つまり1枚の絵を描くための時間制限などなく、好きなだけ時間をかけ、好きな絵だけ描くだけ、という場合は、時間を計測する必要などないでしょう。
画家という職業は、現在あるのかどうかは知りませんが、この世界は徹底的にクオリティが求められます。
「どんなに時間がかかってもいいから、超クオリティの作品を作ればよい」という世界です。
たとえばあなたが、ピクシブのようなイラスト投稿サイトで、特に時間制限もなく、枚数をこなす必要もなく、ただ超クオリティの画像を求めるだけなら、時間はあまり気にする必要はありません。
しかしそれくらいのクオリティを求める場合、このウェブサイトの内容を全部読んでもかなり不足です。より高度な技術や感性が求められるでしょう。
クオリティにこだわらず、本当に純粋に趣味として描いていきたい場合も、さほど時間を気にする必要はないでしょう。
ただ社会人で毎日忙しいなどの理由がありますと、1枚の絵がいつまでも完成しないのでいらいらすることもあります。そんなときは少しでも速く描く方法を模索するとストレスも減るかもしれません。
総合芸術系
総合芸術系とは、絵だけでは終わらないジャンルのことです。たとえば漫画、アニメ、ゲームなどです。
これらはストーリーがあり、音楽があったり、ゲームシステムがあったりします。いずれにしてもある程度の長さを持っていて、大量の絵が必要になることが多いです。
たとえばマンガを考えてみましょう。仮に自分が考えた、そこそこボリュームのあるストーリーをマンガで表現するとします。
およそ単行本1冊程度のストーリーを考えたとしましょう。単行本1冊だと、100〜200ページとなり、仮に1ページあたり8コマあったとすると、全コマ数は800〜1600となります。
1コマあたり1人のキャラクターが入ったとしても、全部で800〜1600のキャラクターを描かなければ物語が終わりません。
1キャラクター描くのに、ある人は30分、またある人は3時間かかったとしましょう。
30分で描ける人は800人描くのに400時間、3時間で描ける人は800人描くのに2400時間かかります。
どれくらいの時間か想像が付くでしょうか?
400時間というと、1日あたり休みなく3時間描いたとして、約130日、4ヶ月と少しくらいです。
これが2400時間となると、同様に1日3時間描いたとしても、3年弱かかることになります。とんでもない違いです。
ほかの総合芸術系でも同じで、ゲームにしろアニメにしろ、1作あたり膨大な時間を費やすことがよくあります。
すると1キャラクターあたりの描画時間は、制作総時間に大きく影響するわけです。
大きな企画をやる場合、特に自分ひとりでゲームやマンガなどを作ろうとしている場合は、自分の描画速度を計っておき、全体枚数でどれくらい時間がかかるかしっかり計算してから始めましょう。
もしかしたら、あなたは完成までに数十年かかるかもしれないプロジェクトをやろうとしているのかもしれないのです。
無計画に描き始めたところ、数ヶ月しても一向に進んだ気がしない。そんなときはちゃんと描画時間を計算してみましょう。意外ととてつもない総時間になったりします。
そして上記したように、描画速度が少しでも速ければ、数ヶ月、下手すれば数年単位の時間の短縮が可能です。
だから、少しでも速く!少しでも速く!!
描けるように練習してください。特に大量の枚数をこなす大きなプロジェクトをやろうとしている場合には、です。