数値計測と等分

5分割・7分割……

2分割や3分割の連続で4分割、6分割など出せますが、5分割や7分割はこのような方法では出せません。
なので分割するとなると、いきなり5分割することになりますが、このあたりになってくると、直感で正確に分割するのはかなり難しくなります。

 

 

あまり大きな値は使わない

5分割、7分割程度ならありうる値ですが、13分割や17分割などになると、分割後の長さも非常に小さな値になるため、近くの割りやすい値とほとんど変わらなくなってきます。
たとえば13分割なら12分割と同じ扱いにしても、ほとんど位置は変わりません。

 

これがもっと大きくなり、37分割とか79分割とか、仮に人間の体にそんな割合の部分があったとしても、そんな値はまず使いません。
なので相当に長さの正確さを追求しても、せいぜい13分割程度が限界です。

 

 

数字を出して定規を使う

では5分割や7分割程度の場合、どのようにして分割すればいいでしょうか?
これは私が試行錯誤した結果なのですが、素直に割り算をして、定規を当てて測ったほうがいいと思います。

 

たとえば100センチの長さに対して7分の5の場所を出したいときは、まず100を7で割り、その値に5をかけます。
すると71.4センチになるので、定規で71.4センチのところをチェックすればいいだけです。

 

 

実測値はややこしい値になることがある

私は割合という言葉をよく使いますが、これらは写真などを見て、実際に自分で測定した結果を使っているということです。
なのでもちろん、あなたがほかの写真を見ながら測定し、自分で割合を出してもいいわけです。

 

そういう場合に、ややこしい割合がよく出てきます。
たとえば仮にある写真の人物を測定したとき、頭部の縦の長さが4.5センチで、肩からへその長さが11.7センチだったとします。
すると11.7÷4.5で2.6、つまり5分の13になります。

 

こういう場合、わざわざ5分割して13の位置を直感で出すより、定規で5分の13の長さを出して、素直に定規を当てて線を引いたほうが速いです。

 

 

短い線はあまり細かくなくてもいい

短い線は直感で引いても誤差も小さくなるので、あまり長さに神経質になる必要はありません。
あまり短い線まですべて定規で測っていると、効率が悪くなってきます。

 

たとえば計算上で、ある線の78%の位置をチェックしたいとしましょう。
この場合、78という数字は等分割では出しにくい数値ですが、「4分の3(75%)より少し長い」というようなやり方でもいいのです。

 

ただしこれはあくまで短い線の場合で、非常に長い線を引くときにはわずかなパーセンテージでも大きな誤差になることがあるので注意してください。

 

 

L型定規

話を進めていくと、よく「右に○センチ、そこから上に△センチ」というような表現が出てきます。
紙面上である位置を正確に言い表すためには、このような言い方をすると速くて楽です。ほかに「○○度の方向へ△センチ」という表し方もありますが、こちらは分度器を使わなくてはならないので面倒です。

 

このようなとき、まず定規で真右へ○センチのところを測ってチェックし、そこから真上に△センチのところをチェックするという二度手間ですが、L型定規があると一発ですむので作業が早くてすみます。

 

L型定規はホームセンターで売られていますので、作業に慣れてきて時間を節約したいと思い出したら、これを使うといいでしょう。

 

画像:L型定規(さしがね)
L型定規(さしがね)
三角定規でこれをやろうとすると、ちょうど直角の角のところがゼロ目盛りになっていないため、使いにくいです。
このL型定規なら、角の部分がちょうどゼロになっているので、一発で目的の位置を出せます。

 

このL型定規は大工・製図用の道具の一つで、正式には「さしがね」という道具です。