BOX理論の長所と欠点

BOX理論には長所と欠点があります。
もしかすると、あなたの目的によっては向かない可能性もありますので、これを使うかどうかの参考にしてください。

 

正確に描ける

BOX理論の利点といえば、まずは正確に描けることです。
何しろ数字で計算して概形の長さを出し、その後定規かソフトウェアを使って数字で計りながら概形を描きますので、少なくとも「長さ」「位置」に関しては非常に正確です。

 

またこれら長さと位置に関しては、体の概形だけでなく、内部のパーツの位置に関しても同じです。
たとえば目や口の位置も、計算が間違っていなければパース的に間違った位置に来ることはまずありません。

 

 

意外と作業時間が短い

数字を使っておよその位置を計算するため、とても時間がかかると思われるかもしれません。
しかし意外と時間はかかりません。かなり複雑な関節の回転をするポーズを取らせ、それで全身を下書きするのに1時間程度で済みます。
最初は時間がかかると思いますが、慣れると速く計算できるようになります。せいぜい2時間程度で下書きが完成します。

 

下書きを描くのに、プロの絵描きの仕事をしている人たちは非常に速く下書きをしなければならない事があります。
全身の概形を取るのに1時間どころか、30分もかけられない場合もあります。そういった場合にはこのようなやり方は使えません。

 

直感ですばやく正確に下書きできる人もいますが、そういう人に比べると速度が劣るやり方です。
それくらいの速度を求めるなら、やはり多くの訓練によって強力な直感を習得するしかないでしょう。

 

一方で、下書きをするのに非常に時間のかかる人もいます。
何本も下書き線を描き、消しゴムで消しては書き直し、これかこれかと迷いながら、なかなか正しい線画見えてこないような場合です。
このような描き方は、時間を計ってみると意外とかかっていることがよくあります。数時間かけて下書きをした後、本線を引いたらやっぱり狂っていた、というようなことも少なくありません。

 

ふつうに下書きしても、精度は必ずしも一定ではありません。
製作者の「カン」によって多少なりとも精度は変わるので、うまくいったように見えても間違ったデッサンをしていることがあります。

 

また細かく描きこむと問題が明らかになってくるケースもあります。これがもっとも厄介な問題です。
線画だけのときはきれいにみえていたのに、細かく陰影をつけるとおかしく見えるパターンです。情報量を増やし、よりリアルに描きこんでいくと、その分細かい欠点まで見えてくるようになります。
計算で概形を描いておくやり方では、このようなミスもほとんど起こらなくなります。

 

 

作業時間がほぼ一定

先ほど「ある程度の時間がかかる」といいましたが、ここで紹介する描き方は、計算で長さを出してから本線をほぼ一発で書くやり方です。
なのでいわゆる「たくさん試行錯誤して正しい線を見つける」という手間がありません。
試行錯誤がほとんどないため、作業にかかる時間は毎回同じくらいになります。

 

作業時間がおよそわかるということは、大量に絵を描くときには便利です。
すべての枚数描くのにどれだけの時間がかかるかわかっていれば、総時間をどれだけ確保すればいいかわかるからです。
そのため、量をこなすときにスケジュールを立てやすく、計画していた時間より大幅にずれ込んだりすることも少なくなります。

 

 

計算間違いの可能性

BOX理論は数字で計算して概形を描くのでとても正確に描けます。
逆にいうと、数字の計算を間違うと確実に間違った形になってしまいます。

 

計算自体は電卓などを使えば確実にできますが、計算式の作り方を間違えてしまうことがよくあります。
式自体はそれほど複雑ではないのですが、同じような計算を何度も繰り返すため、入れ違いが起こりやすいのです。
またその計算の答えが、どの変に相当するかを勘違いしてしまうこともあります。

 

こういったミスは慎重にやっていれば起きませんが、それでも同じ作業を何度も繰り返してやっていると、1回くらいは間違ったりしてしまいます。
画面の枠に入る関節の数も重要で、全身全部入れて計算すると、結構な計算の数になってしまいます。
一度薄い鉛筆で下書きをしてみて、明らかに形がおかしいと思ったら計算しなおして見ましょう。

 

単純作業なので、エクセルなどで自動計算させると効率よく、しかも間違いにくくなります。

 

 

正確にしか描けない

美術というのは写真と異なり、わざと長さをゆがめたりして表現することがあります。

 

たとえばアニメやマンガのキャラクターでは、現実ではありえないほど脚を長くしたり、顔を大きくしたりすることがあります。
こういう場合は、脚を長くしておいてから、あるいは顔を大きくしておいてから計算すればいいのですが、これ以外のパターンもあります。

 

体自体の大きさや長さを変える場合もありますが、たとえば腕や脚を大きく振ったとき、腕が鞭のようにしなって見せるような表現がありますが、こういう表現はできません。
現実には腕や脚をどんなに勢いよく振っても、腕や脚そのものが曲がったりはしません。
現実にありえないような誇張表現は、計算では求められない部分です。

 

 

三次元的に矛盾がない

計算で形状を出すため、三次元的に非常に正確に描けます。
しかしマンガやアニメの表現というのは、場合によっては正面から見たときと側面から見たときとで、三次元的な形状が異なる場合があります。

 

たとえばマンガのキャラクターは、閉じた口を正面から見ると1本線が引いてあるだけですが、横から見ると唇の形がちゃんと描いてあることがあります。
唇の形がしっかり描き込んであると、唇の厚さで唇の付近に陰影が付くはずなのですが、正面から見るとそれがありません。

 

正面から見たときと側面から見たときで形状が異なるというのは、マンガやアニメの表現ではよくあることです。
BOX理論では唇の厚さまで計算したりはしませんが、三次元的に絶対に矛盾が起こらないため、頭の中のイメージがそのまま投影されないことがあります。

 

お知らせ

2017/7/29(土)「関西創作系オフ会」を開催いたします。ご参加お待ちしています。

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