平面回転のみで描く

前章まででBOXの大きさや関節点について勉強したので、一度これらの値を用いて簡単な人体を描いてみましょう。

 

奥行き回転なしでBOXを描く

まずこの図の箱を見てください。BOXを真正面から見た図です。

 

画像:BOXの正面図
BOXの正面図
真正面から見た場合、BOXの各辺の長さがわかっていれば、そのままの長さを描けばいいわけです。
しかしこれを横にいくらか回転させるとどう見えるでしょうか。

 

画像:BOX正面図とBOXが横に30度回転した図を比較。縦の辺をA,横の辺をB,奥行き辺をCとする
BOX正面図とBOXが横に30度回転した図を比較。縦の辺をA,横の辺をB,奥行き辺をCとする
このようにBOXを回転させると、各辺の長さがわかっていても、見た目の長さは変わってしまいます。
横に回転させても縦の辺Aの長さは変わりませんが、横の辺Bは先ほどよりも短く見えます。さらに正面図では見えなかった奥行きの辺Cが新しく見えてきました。

 

実際に絵を描くときは、絶対的な辺の長さではなく、このような「見た目の長さ」を描かなければならないわけです。

 

しかしこの見た目の長さを計算で求める方法は、少しややこしいので後に回しましょう。
一度にいろいろ説明すると理解しにくくなりますので、今はとりあえず、このような回転のない状態で描くことにします。

 

ところでこのような方向に回転させた場合はどうでしょうか。

 

画像:BOXの正面図と平面回転した図
BOXの正面図と平面回転した図
先ほどは「奥行きを伴う回転」だったので、辺の見た目の長さも変わってしまいましたが、このように「平面的に回転」させた場合は、各辺の見た目の長さは変わりません。
なのでまずは、このような平面回転のみ扱って描いてみます。