BOXの描画

ポーズを決める

まずはポーズを、およその形でいいので決めてしまいましょう。それと「枠(体のどこ辺りまで描画するか)」も決めます。
ただ直立させているだけでは面白くないので、頭からひざの辺りまでやわらかく曲線を描いているポーズにします。そしてひざ立ちポーズにして、ひざ以降は描かなくてもいい事にします。
腕は後ろで組んでいて、手は見えないことにします(手のひらや指まで入れると説明が非常に長くなるので)
モデルは私が考えたキャラクター用の成人女性とします。図のようなポーズになります。

 

画像:ひざ立ちでC曲線ポーズの女性。関節ラフスケッチ
ひざ立ちでC曲線ポーズの女性。関節ラフスケッチ
このように関節の形を描いておきます。ラフスケッチするのに詳細まで描く必要はありません。

 

 

BOXの長さを出す

次にBOXの長さを出していきます。平面回転なので、各辺の値をそのまま入れるだけです。
その前にそれぞれのBOXの辺の長さを復習しておきましょう。単位はモジュールです。

 

画像:各BOXの辺の長さ。頭部、首、胴体、上脚、腕のBOX。単位はモジュール。
各BOXの辺の長さ。頭部、首、胴体、上脚、腕のBOX。単位はモジュール。
このような長さになっています。これでポーズをとったときの見た目の長さはこのようになります。

 

画像:ポーズをとったときのBOX各辺の長さ、単位はモジュール。
ポーズをとったときのBOX各辺の長さ、単位はモジュール。

 

紙面上での長さ

私はこのウェブサイトで「モジュール」という単位を決めて描いており、1モジュール=6センチメートルとしています。
しかし紙面上で1モジュールを6センチとして描くと、大きすぎて描ききれません。それで1モジュールの長さを紙面の大きさに合わせた長さにします。

 

とりあえずA4のコピー用紙に、縦向きでおよそいっぱいになるくらいの大きさで描くことにします。
A4の縦の長さはおよそ30センチメートルです。頭部からひざまでは26.5モジュールになるので、1モジュール1センチとして描くとちょうどいいでしょう。
つまりモジュール数がそのままセンチメートルとします。

 

このように、紙面上では結局は本物の長さを使うことはなく、比率だけ覚えておけばいいことがわかりますね。
ただ定規を使って自分の体の長さを測ったりするときのために、比率(モジュール)と実測値の関係も知っておいたほうがいいでしょう。

 

紙面上の長さがわかったので、後は定規で測りながら線を描くだけです。

 

 

関節点の接合

BOX同士は互いに関節点でつながれています。なので関節点がどこにあるかを把握しながらBOXを描いていかなければなりません。

 

まずは頭部のBOXを描いてみましょう。ポーズでは少し斜めを向いているので、そのように描きます。

 

画像:頭部BOX。
頭部BOX。
(いきなりBOXの各辺を描いてしまいましたが、本当はいきなり各辺から描くのはよくないのです。その理由については後で説明します)
頭部の関節点は、この箱のちょうど真ん中の一番下の部分です(正確にはもう少し上ですが簡単のために今回は頭部最下部としておきます)。関節点はバツ印で示しておきます。

 

画像:頭部BOXに中央線と関節点にバツ印
頭部BOXに中央線と関節点にバツ印
次に首のBOXを描くのですが、ちょっと待ってください。首のBOXは適当に各辺の位置を描けばいいわけではありません。
頭部を首は関節点で接合されているので、頭部の関節点と、首の上部の関節点の位置は同じでなければなりません。
なので首のBOXを描くときは、バツ印をした頭部の関節点から描き始めるのがいいわけです。

 

それでどうするかというと、まず首の真ん中を下る中央の線を描きます。長さは首の縦の長さと同じなので、1モジュール(紙面上で1センチ)です。

 

画像:頭部関節点から首の関節中央線。
頭部関節点から首の関節中央線。
この中央線は、首のちょうど真ん中を走っています。なので首のBOXは、これを中央とした箱の形になります。

 

 

画像:首の関節中央線から首のBOXを描く。
首の関節中央線から首のBOXを描く。
次の胸部BOXを描く場合もやはり首の下の関節点から中央線を描き、それにしたがって胸部BOXの各辺を描く、という手順を踏まなければなりません。

 

先に関節点を描き、次に関節点を通る中央線を描き、最後にBOXの各辺を描く、という順番でなければならないのです。
胸部BOXを描きましょう。やはりまずは、首の下の関節点から胸部BOXの中央を通る線を描きます。線の長さは4センチです。

 

画像:胸部BOXの関節中央線。
胸部BOXの関節中央線。
縦の中央線を描いた後、その真ん中を通る横の中央線を描きます。

 

画像:胸部BOXの縦中央線の中心を通る横中央線。
胸部BOXの縦中央線の中心を通る横中央線。
なぜ横の中央線を描くのかというと、これはずっと後で説明しますが、BOXを複雑に回転させた場合には、この中央線の中心点が非常に重要になってきます。
さらに中央線の中心点というのは、輪郭を描くときの指標としていろいろ便利であることがよくあるので、位置を測る目安としても便利です。

 

この縦横の中央線を見ながら胸部のBOXを描きます。

 

画像:胸部BOXを描く。
胸部BOXを描く。
同じ要領で、腹部、腰部のBOXも描いていきます。縦中央線を少しずつ曲げていって、目的のポーズを取らせます。
中央線の長さは、腹部が2センチ、腰部が3.5センチです。

 

画像:腹部、腰部BOXを描く。
腹部、腰部BOXを描く。
ずっと後で述べますが、腰や脚の関節を考えるとき、重心と接地点についても考えておかなければなりません。
重心というのは体の重さの中心となる部分で、重心の真下と接地点が一致していなければ人間は倒れてしまいます。
倒れないように脚の角度を設定します。

 

画像:脚の関節の縦中央線のみ描画。

 

脚の関節点は腰部の底辺ではなく、もっと上のほうにあります。ただし関節点から脚のBOXが出ているわけではありません。
位置的には脚のBOXの中に関節点が含まれておらず、しかしBOXはその関節点を中心に回る、ということです。
上脚のBOXの長さは4.5センチです。

 

画像:上脚のBOX。
上脚のBOX。
ひざ立ちなので下脚は描かないことにします。上脚の後ろへ隠れている、ということにします。

 

次に腕を描いていきましょう。腕の付け根には肩甲骨がありますが、これは動いていないので今回は考える必要はありません。

 

腕は後ろに組んでいて、手のひらは胴体に隠れて見えないこととします。
上腕の関節点は胸部BOXの上から6分の1の点です。ここから縦中央線を伸ばし、背後へ伸ばします。
上腕の長さは4センチです。

 

画像:上腕の関節点とBOX。
上腕の関節点とBOX。
肘は少し曲げさせたほうが自然です。下腕の長さは4センチです。

 

画像:下腕の関節点とBOX。途中で途切れて見えなくなる。
下腕の関節点とBOX。途中で途切れて見えなくなる。
これで体のすべてのBOXが描けました。後はこれに従い、輪郭線を描いていけば出来上がりです。

 

画像:輪郭線を描画。
輪郭線を描画。
体の輪郭だけではさびしいので、衣服や顔のパーツ、髪も、簡単でいいので描いてみましょう。

 

画像:完成図。
完成図。
後は下書きの線を消すだけです。

 

余裕があればもっと詳細に書き込んでもいいでしょう。ただし今の状態だと、BOXが正面を向いている状態、つまり体全体が真正面を向いた図しか描くことができません。
BOXを回転させる方法については次の章から学んでいきます。