ソフトの選び方

3DCGソフトの選び方

世の中の3DCGソフトはいくつか種類があり、機能も価格もさまざまです。
このウェブサイトでは、読者の方はあくまで絵を描く人を想定しており、3DCGの知識がない人を前提にしていますので、プロがどのソフトを使っているかとか、そんな話をしても参考になりません。

 

用途についても、「3DCGでフルアニメーションを作りたい」というような最上級のものではなく、「BOX理論をすばやく描くための方法」とします。
難しくても「背景を3DCGを作りたい」程度の目的とします。

 

ソフトをどのように選んだらいいかは、慎重に考える必要があります。
考えるための基準がいくつかあり、これらは通常の2Dソフトとは異なるので、注意してください。

 

 

価格・習得難易度・性能・持続性

3DCGソフトを選ぶときは、価格、取得難易度、性能、持続性、という4つの項目について考える必要があります。
これらが私たちの目的にかなっていなければなりません。全部考える必要があります。

 

 

価格

価格は何かというと、3DCGソフトは非常に高価なものがたくさんあります。
たとえばプロが使う有名なソフトでは、「3DS MAX」「MAYA」が代表的なものですが、これらは1本あたり40〜50万円します。
またアップグレードするためにも20万以上したりと、よほど経済的に余裕のある人でない限り、素人では到底使うべきものではありません。

 

よく3DCGソフトでどれがいいのかという記事がネットにありますが、多くの場合は機能にのみ焦点を当てた議論が延々と繰り広げられているだけなので、ふつうの人たちにはほとんど参考にならないのです。
まずこれらプロ向けのソフトは除外できます。

 

実は私が使っているソフトは「Lightwave」という中級向けソフトなのですが、これはできることはそれなりにありますが、新規で買うと15万以上するので、正直おすすめしません。
用途を考えても、これはしっかり使うと3DCGのフルアニメーションを作ることができます。
背景画像を作るとか、BOX理論の計算をさせるだけなら、これは必要ないでしょう。

 

これくらいの目的なら、できれば無料のものを使いたいところです。高くても1万程度でしょう。

 

無料のソフトで有名なものは、「Blender」というのがあります。
またベーシック版が無料で、プロ版が1万〜2万程度のものに「メタセコイア」というのがあります。
「Shade」というソフトも有名で、価格帯は1万〜7万程度です。
現在使っている3Dソフトが特になければ、このあたりから選ぶといいと思います。

 

 

習得難易度

3DCGソフトは、基本機能を把握するだけでもかなり苦労しますので、自分の目的に応じて、できるだけ簡単にマスターできそうなものを選んだほうがいいでしょう。
最高級のソフトだと、完全機能を習得するには数年かかります。私はLightwaveという中級クラスのソフトを使っていますが、これをしっかりマスターしようとすると、最低でも3年程度はかかると思います(私はすでに10年近く使っています)

 

3DCGで計算させるか、あるいはパースを計測したいだけなのに、とんでもない時間をかけて使い方を習得するのは時間が無駄すぎます。

 

絵を描きたいだけなら、まず難しすぎるソフトは使わないようにしましょう。
またソフトの全機能を把握する必要はありません。目的にのみ使用すればいいのであって、全機能を使おうとすると、場合によっては途方もない時間がかかることがあります。
もちろん使っているうちに3DCGに興味が出てきて、本格的に使ってやろうという気になったなら別ですが、そういう気がない場合、目的の機能だけ使えるようになったら残りの機能は無視したほうがいいでしょう。

 

習得難易度を考えると、「メタセコイア」がおすすめです。
メタセコイアは機能があまりなく、これだけで本格的なCGを作るには向いていませんが、とにかく使いやすいのが特徴です。

 

BOX計算をさせるときには「ボーン」という機能が必要なのですが、メタセコイア(2015年時点)では無料のベーシック版ではこの機能は付いていません。
もしボーンを使ってBOX計算をさせる場合、1万円の少しグレードの高いものを買う必要があります。

 

無料のソフトで「Blender」というのがあり、これは完全無料であるにもかかわらず、中級〜上級くらいに非常に高機能です。
しかし上級クラスに匹敵することから、習得難易度も非常に難しくなっています。
無料だからといって安易に飛びつくと、とてつもない苦労をする可能性もありますので、少々お金を出してでも、私はメタセコイアのほうがいいと思います。

 

Blenderはマニュアルが英語で、日本語訳サイトもありますが、未完成です。わからない部分は、部分的には英語のマニュアルを読む必要があるようです。
それでもとにかく使いこなしたいという方や、どうしてもお金を使えないという場合は、やってみるといいかもしれません。

 

 

性能

メタセコイアは、習得が簡単な分、できることも限られています。
Blenderは習得が困難な分、できることはたくさんあります。

 

そしてメタセコイアは有料で、Blenderは完全無料というのは、ちょっと納得がいかないかもしれませんが、そうなっているものはしかたありません。

 

Blenderはほぼ何でもできますし、3Dで人間のアニメーションも作れます。

 

メタセコイアは、アニメーションどころか、静止画で満足するくらいのクオリティを作るにもけっこう苦労します。
なのでメタセコイアは、それだけで背景画像を作る、という用途までには使いづらいと思います。
背景のパースを取るくらいならできます。それ単体で完成した画像を作ろうと思ったら、BlenderやShadeを使ったほうがいいでしょう。

 

3DCGソフト単体だけで十分なクオリティの静止画を作りたい場合は、「SHADE」というソフトを使うといいでしょう。いくつかグレードがあるので、機能を見て自分に合ったものを買うといいと思います。グレードによって1万〜7万程度まであります。
ただしこれはアニメーションには向いていない、といわれています。
3DCGだけでアニメーションまで作りたい場合、「Lightwave」がおすすめですが、15万近くするので、それなりの準備が必要だと思います。

 

 

持続性

3DCGはかなり習得難易度が高いものが多く、さまざまな種類のソフトを一人が習得する、というのが困難な場合があります。
プロになると会社の指定したソフトを使うことになりますが、時間のないアマチュアですと、一つのソフトを使いこなすだけでせいいっぱい、ということは少なくありません。

 

いくつもの3Dソフトを使いこなすのは非常に大変なのです。
絵を描きたいだけで、3Dは補助的に使いたいだけなのにこれに途方もない時間を費やすのは明らかに時間の無駄です。

 

ソフトの選択を間違い、あれもこれも使ってみたりすると、それだけで相当な時間を消費します。
十分情報を仕入れておき、最初から間違いないように選んだほうがいいです。時間を無駄にはできません。

 

ところで持続性というのは、「ソフトの開発が中止にならない」という意味です。
これは何かといいますと、3DCGは一つのソフトの習得に時間が少々かかるわけですが、もし習得したソフトが突然開発中止になったりすると、また新しく別のソフトを使わなければならず、使い方を覚えるためにまた時間がかかるからです。

 

そんなに時間がかかるのかとおっしゃるかもしれませんが、ハイエンドのソフトは使い方を覚えるだけでも1年とか2年とか、そういう時間がかかります。
ここの目的だけなら1〜2週間、せいぜい1ヶ月といった程度で、たいしたことはありませんが、ハイレベルなソフトを使おうとすると、それが開発中止になるだけでまた同程度の新しいソフトの使い方を覚えるのに1年消費したりと、笑い事では済まされない事態になります。

 

できるだけ開発中止にならなさそうなソフトを選び、ずっと使い続けられるほうが安全です。

 

では開発中止になりにくいソフトの条件は何でしょうか?
基準として考えられるのが「ユーザー数が多い」「企業の製品」です。

 

ユーザー数が多いというのは重要で、使用者が多いとやはり開発が続きやすいものです。
ユーザー数が少ないということは、それを購入する人も少ないわけで、開発側にもお金があまり入りません。

 

たとえば2015年に「Softimage」という有名なハイエンドソフトが開発中止になりましたが、これは同じレベルの「3DS MAX」「MAYA」に比べると、ユーザー数がずっと少ないものでした。
開発会社もやはりユーザー数が少ないという原因をにおわせており、単に「プロ用のもの」「ハイレベルなもの」が生き残るとは限らないのです。
いわゆる定番ソフトは、とりあえず安全です。

 

使用ユーザー数がどれくらいか調べる方法に、たとえばmixiのそのソフトのコミュニティの人数を見てみるとか、グーグルのキーワードプランナーでソフトの検索人数を見てみる、などの方法があります。

 

また企業の開発でいけないという理由として、個人が趣味で開発しているようなソフトだと、開発を続ける義務は特にないため、やはり何らかの理由で開発中止になりやすいと思われるからです。
企業製品であれば、個人の都合で突然開発中止になる、という心配もありません。安いソフトでは一応、個人開発か企業開発かはチェックしておきましょう。

 

 

結局どれがいいのか?

これらを総合的に考えて、おすすめなのは「メタセコイア」か「Shade」です。
まずどちらも企業の開発によるもので、ユーザー数も多いです。

 

Blenderは無料なのでユーザー数が増えていますが、機能がハイエンドに相当するために使い方が難しく、その上マニュアルが一部しか日本語で読めないという状態なので、習得難易度が相当に高いと思われます。
どうしてもお金を出したくないならしかたありませんが、できれば少々出費してでも、習得が簡単なほうがいいと思います。

 

そしてBOX計算をさせるだけなら、メタセコイアで十分です。
メタセコイアはとにかく習得が簡単です。無料版を使ってみて、ちゃんと使い方を覚えてから有料版を購入してもいいでしょう。
ただしメタセコイアは、十分なクオリティの静止画像を作るのは難しいです。

 

背景画像など、十分なクオリティのものをソフト単体で作りたければ、Shadeを買うといいでしょう。
アニメーションは難しいそうですが、静止画像はかなり上質に作れます。

 

またこの2つのソフトは、日本国内でもかなり普及しているため、使い方に関する書籍もかなりの数売られていますので、勉強しやすいです。
無理にBlenderで安く済まそうとすると、使い方がわからず想像するよりはるかに苦労する場合があるので注意してください。

お知らせ

次回の「関西創作交流会(主に自分の作品を見せながら雑談する会)」は9月9日(土)寝屋川市で行います。参加費無料なのでぜひご参加ください。

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