関節による動きについて

関節による動きについて

関節についてですが、人間の体の大部分は、関節の「回転」によって動かされます。
つまり、関節部分を中心に、周辺の筋肉や脂肪は回転の動きをします。

 

ただしすべての筋肉や脂肪の部分が、関節中心に単純な回転をするわけではありません。
関節の内側部分は肉が集められる動きをしますし、外側は骨の形状によっては骨の形が現れ、単に回転、という動きにはならなくなります。

 

さらに回転運動ではない、一部例外があります。たとえば肩甲骨を動かした場合、腹部の筋肉と脂肪まで動きますが、これは回転の動きではありません。単に引っ張られているだけです。

 

第1章では関節の回転位置だけ説明しましたが、第2章ではそれら関節の回転によって、具体的に筋肉や脂肪がどのような動きをするか、というところまで見ていきます。

 

 

関節の回転方向について

関節の回転方向についてですが、第1章でも述べたとおり、3方向あります。
3DCGではピッチ(前屈と後屈)、ヘディング(側屈)、バンク(回旋)と呼びます。

 

画像:3DCGの画像。3方向の回転。
3DCGの画像。3方向の回転。
このうち周辺の筋肉と脂肪の動きについては、ピッチとヘディングは同じような動きになります。
関節の内側は肉が集められ、外側は肉が伸ばされます。

 

画像:ピッチとヘディングの関節の周辺の肉の動きの図。
ピッチとヘディングの関節の周辺の肉の動きの図。
しかしバンク(回旋、ひねり)だけは少し異なります。
たとえば自分の下腕を回旋させてみてください。肘の近くの肉はほとんど回りませんが、手首の近くはかなり回っているでしょう。手首に近づくにつれて、たくさん回っています。

 

画像:肘から手首の回旋時の肉の動き。
肘から手首の回旋時の肉の動き。
バンク(回旋)だけはこのような動きをするので注意してください。ほかの種類の回転とは肉の回り方が異なります。
骨の長さに応じて、外側へ向かって少しずつ回るようにできています。

 

部分によってはややこしい動きをするところがあり、たとえば太ももを回旋させると、ひざまで回りますが、ひざから下は回りません。
ほかにもたとえば腕の場合、回そうとすると最初は下腕だけ回りますが、もっと大きく回そうとした場合にだけ、上腕も回るようになります。
胴体はこれと異なり、胸部と腰部は動きませんが、腹部のみ回旋します。

 

このように関節は複雑な機構を持っている場合があるので、それらについてもすべて見ていきましょう。

 

 

自分で回してみる

関節の動きを把握するための最も簡単で確実な方法は、自分の体でやってみることです。
関節の動きについては、男女ではほとんど差はありません。なので自分でやってみた動きは、ほとんど全人類で共通の動きといっていいでしょう。

 

ただし自分があまり高齢の場合は、若い人と比べるとあまりまわらないかもしれません。