心理療法は相談者が何かをしなければ何も変わらない
他人に強制させられていない状態で、自分の力で勉強できる習慣をつけられるようになりましょう。
心理療法では、病院と同じように相談者を見てくれる「治療者」がいます。
でも普通の病院と違うところがあります。
普通の病院では薬をもらったり注射を打ったり手術をしたり、患者は特に何かするわけではなく、されるがままです。
ところが心理療法では、薬も注射も手術もない代わりに、相談者が何かをしなければ何も変わりません。
臨床心理学と釣りの話
心理療法の世界でよく使われる作り話があります。
ある川のそばで、飢え死にしかけている人がいたとします。
そこを偶然、釣りをしに来たあなたが通りかかります。
その人にどうしてあげますか?という質問です。
普通の人なら、魚を釣ってあげてその人にあげるでしょう。そうすればその人は飢え死にせずに済みます。
しかしその後はどうなるでしょうか?その人は今度また同じ状況になったら、また同じように飢え死にしそうになるでしょう。
そのとき偶然釣りのできる人がそこを通りかかるかどうかはわかりません。
次は飢え死にするかもしれないのです。
心理学の世界では、このような問いかけに対し、こう答えます。
「その人に魚を釣ってあげるのではなく、釣りの仕方を教えてやればよい」
釣りの仕方を覚えさせれば、もう二度と飢え死にはしないというわけです。
自力で変わる
これから勉強する習慣を身に着けようというとき、その能力自体をあなたが身に着けなければなりません。
もし学校の先生や予備校の講師、あるいは勉強専門のカウンセラーがいないと勉強できないというなら、その先生たちがいなくなったらどうすればいいのでしょうか?
あなたは最終的には「魚を釣れる人」にならなければなりません。
つまり「自分で自分の問題を解決できる人」にならなければならないのです。
たとえばあなたがゲーム大好きで、ゲームに夢中になるあまり勉強しない人だったとしましょう。
誰かのアドバイスでゲームの誘惑を断ち切ることができ、その時は勉強に集中できたとします。
でも時間がたち、またゲームをするようになったとき、そのアドバイザーの人がいなければ、ゲームの誘惑に打ち勝つ方法が見つからないかもしれません。
もしあなたが、誰の力も借りずに自力でゲームの誘惑を断ち切る力があれば、もう永久に心配はいりません。
他人の力によらず、自分の力だけで習慣を変えられるようになるのがベストです。