5章のまとめ

5章のまとめ

今まで何度も「習慣を変える」つまり勉強する習慣の重要性について説明してきましたが、習慣を変えるためには心的な「段階」のようなものがあります。

 

人間が何か習慣を変えるとか、行動パターンを変えたりするとき、だいたいなのですが、次の段階を踏んで心的な変化が行われます。
少しわかりにくい言葉を使いますが、内容は後で説明します。

 

1.無価値・無力・絶望への対処が済んでいる

 

勉強する価値がわかっていないとか、できないという思い込みがないことが前提です。
この2つに当てはまっていると、そもそもやる気が続きません。

 

2.アドバイザーあるいは周囲の人々との関係が適切である

 

これは誰かからアドバイスを受けていたり、誰かにアドバイスしたり、あるいは誰かと協力して勉強しようというときに必要な段階です。
まったく一人で勉強する場合はあまり関係がありません。

 

もしあなたが誰かからアドバイスを受けて勉強の習慣を変えようとしているときは、そのアドバイザーとの信頼関係がなければなりません。
このサイトを読んでも、サイトの内容が信頼できない場合は当然、その通りやる気にはなれません。
あなたがもし管理人である私と対面し、私があなたにアドバイスしても、あなたが私のこと(実力や人柄など)を信用していなければ、あなたは私のいうことを聞かないのでアドバイスも効果がないでしょう。

 

もしあなたが勉強をしない子供の親で、何とか子供に勉強させようとしているとき、子供があなたのことを信用していなければ、あなたのいうことは聞きません。

 

アドバイザーや協力者は、実力ややる気、人柄が信頼できる人でないといけません。

 

3.問題の認識と望む結果をはっきりさせる

 

何か行動に問題がある場合、それを具体化してしっかり認識することで、その行動をコントロールできるようになります。
ただ漠然と「勉強するぞ!」と思っているだけでは、普段行っている悪い習慣を変えることは難しいです。

 

4.目標を詳細化し、課題とする

 

非常に具体的な目標を立て、それを達成するための計画を立てます。
たとえば1日何問の問題をやるとか、数字で課題を示します。
どんなに心理的な準備ができていても、何をやればいいのかわからないのでは行動の起こしようがありません。

 

5.自分が当事者であるという認識があることを確認

 

目標を立てた時点で、コントロールできる範囲が自分以外のものにあることに気づくことがあります。
またそうでなくても、自分が行動しなければならないのにかかわらず、他人が変わらなければ勉強が進まない、と思い込んでいることもあります。
しかしこれでは問題は解決できません。今自分が何をすればいいかを知ることが必要です。

 

6.習慣を変化させるための技法を実施する

 

設定した目標を達成するため、また問題行動があればそれを解決するための様々な技法を試してみます。
ただしここでいう技法というのは、実は上記の複数の段階にわたって効果があります。
なので何も考えず、適当にいろいろ試してみても、うまくいくことがよくあります。
あまり難しく考えすぎずに、たくさん試してみましょう。

 

 

 

ただし絶対にこの順序を守り通さなければ変化は起きない、というわけではありません。
人間の心の中には、これらを自然に進める力があり、放置していてもある程度習慣は変化します。
しかしある一点でつまずいていて習慣がかえられないという場合、そこに集中して乗り越えれば、後の段階も自然にクリアできることがあります。