人間関係は私たちの価値観に絶大な影響を及ぼす

私たちを取り囲む人たちの影響

この章では、私たちの身近な人間関係について考えていきます。
私たちの周囲の人たちは、自分のものの考え方(価値観)や性格に多大な影響を及ぼし、ひいては私たちの習慣や行動、進路決定などの人生の重大な部分に至るまで、強く影響してきます。

 

周囲の人間関係によっては、勉強しやすい環境だったり、逆に勉強しにくい環境だったりします。
そしてこれらは、ある程度までは自力で変えることができます。

 

他人の考え方や行動を自分の思うようにコントロールすることはできませんが、周りの人たちになにか働きかけることによって、何かいい影響を及ぼし合う、ということは、ある程度まで可能です。

 

 

身近な人間関係は私たちの価値観に強い影響がある

私たちは普段あまり意識していないかもしれませんが、自分の考え方や行動、つまり価値観・価値基準というものについて、周囲の人間関係に絶大な影響を受けています。
特に身近な関係、家族や友人、仕事仲間からです。
場所でいえば、家、学校、職場で特に、非常に大きく影響を受けています。

 

 

性格と価値観は意味が違う

ところで周囲の人間関係で影響を受けるのは価値観とか価値基準といわれるもので、性格ではありません。

 

よく兄弟で性格が違うとか、親子で全然性格が逆だとかありますが、それは「性格」です。「価値観」とは異なります。
性格というのは明るいとかおとなしいとか、人懐っこいとかおおざっぱだとか、表面的な言動の特徴のことです。

 

価値観は「あれはいい、これはだめ、こういうときはこうするべき」というような、いい悪いの基準のようなものです。
あるいは好き嫌いのことです。食べ物の好き嫌いとかではなく、「こういう考え方は好き」あるいは「こういう人は嫌い」とか、人やそのものの考え方の好き嫌いとも言えます。
文字通り価値の基準です。これは大切なもの、これは大切でないもの、とかそういう判断の基準のことを価値観といいます。

 

ここは混同してはいけません。

 

「大学へは行かなくていい。高校卒業したら地元で卒業して働けばいい」とか「もっと裕福になるために大学へ進学して都市部で就職すべき」とか、そういうのは価値観です。性格ではありません。

 

「あの人はよくしゃべる」とか「彼はのんびりしてる」とか「あいつはしつこいなあ」とか、そういうのは性格です。
性格というのは、何がいいとか悪いとか、「こうすべき」とか「これは普通はやらない」とか、そういうことを言っているのではありません。

 

そして価値観が周囲の影響を受けるというのは、周囲の価値観と自分の価値観が同じになりやすいということです。
自分の価値基準、何がいいか悪いかという判断は、まず家族、次に友人や学校の先生、職場の上司などに影響を受けていることがわかると思います。

 

 

私たちは周囲の価値観に流されやすい

もし周囲の価値観が自分の望むものとまったく異なるものばかりだった場合、これに抵抗するのは難しくなります。
たとえば家族が「大学へは行かなくてもいい。高校卒業したら当然就職」といっており、友人も同じことをいっており、学校の先生までそのようにいっていると、多くの場合自分も大学へ行く必要はないと思いがちです。

 

しかし何らかのきっかけで「やっぱり大学に行こう!」と思った場合、その決意はなかなか続きにくいのです。
一瞬「大学へ行こう」と強く思ったとしても、次第にその感情も薄れていき、数日で元に戻っていることも少なくありません。
それほど周囲の人間関係による価値観の「刷り込み」は強力なものです。

 

問題は、心底で「大学に行ったほうがいいのに」と思っていながら、なんとなく周囲の雰囲気に流されて勉強する気にならない、それで実際勉強しない日々が続き、しかし毎日心のどこかで「このままではまずいんじゃないか?勉強すべきなんじゃないか?」と思っているような場合です。
そして大学に行かず、その後何年もしてから「やっぱり大学に行っておけばよかった!」と後悔するようなことになると、何とも後味の悪いものです。
一生後悔します。

 

こういうことは何も学生だけではありません。大人でも起こります。
地方出身の人だと、仕事を探すときに都市部へ出るか田舎に残るかという選択があります。
たとえば古い習慣の残っている田舎だと、「長男は家の仕事を継ぐのが当然」という価値観があるところがあります。

 

しかし仮に自分が長男で、家の仕事は継ぎたくないけど、周囲の価値観に流されて家業を継いだとしましょう。
そしたら家業の会社が倒産し、多額の負債を自ら背負うことになり、しかし仕事も見つからない。
借金まみれでやむなく都市部へ出て仕事を探しているけど、歳を取ってしまってどこも雇ってくれない。

 

「あのとき都市部で仕事を探していれば」と後悔するかもしれません。

 

ひそかに「こうしたほうがいいんじゃないのか」と思っていながら、周囲の価値観に流されてずるずると進路を決めてしまい、ずっと後になってから後悔する、ということは、実際のところ少なくありません。

 

でも周囲の価値観に抵抗しながら生きるのは難しいものです。
周囲の皆が「高校卒業したら当然就職」といっている状況と、周囲の皆が「大学進学は当然」といっているような状況では、後者のほうがずっと大学進学に対するモチベーションを保ちやすいです。

お知らせ

2017/7/29(土)「関西創作系オフ会」を開催いたします。ご参加お待ちしています。

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7章のまとめ
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伝統的な心理療法は相談者の話を聴くことを最重要視していますが、勉強や中毒の治療ではそれだけでなく、行動を促すためのアドバイスが必要です。
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