家庭内では性格は補い合うが価値観は同じ

家族ではふつう価値観は似ている

家庭環境は、あらゆる人が最も価値観の影響をうけます。人生の重要な決定に至るまで、もっとも重大な影響を及ぼします。
家族の中で、あまり価値観の異なる人はいません。どこの家庭でも、ものの基本的な考え方は、家族でかなり似通っています。

 

よく犯罪者の心理研究などでいわれるのですが、特に凶悪犯罪者となる性格異常(人格障害)の問題は、ほぼ99%が異常な家庭環境で育っています。
具体的には、虐待(暴力、性的虐待など)や育児放棄などです。

 

犯罪者でなくても、何らかの性格異常を持っている人は、多くが普通でない家庭環境で育ち、それが実質的な原因となっている場合がほとんどと推測されています。
特に家庭内で、問題を解決する能力が低い場合や、問題を先延ばしにしたり特定のことに異常に固執する習慣があるとかいう場合に、社会に不適合性を示すことが多いそうです。

 

たとえばひきこもりの子供を生み出す家庭は、何でも問題を先延ばしにする傾向があり、親が子供に非常に甘く、過剰に受容的な雰囲気(つらいなら無理しなくてもいいんだよ、とか)であるそうです。

 

逆に引きこもりと無縁な家庭の特徴は、子供に小さいころから独立することの重要性をはっきり述べたり、問題があるときは期限を決めて計画的に実行するなどの能力を持っているそうです。

 

このように、家庭環境とその家で育った子供の価値観(性格ではありません)は、強く影響している場合が多いです。
強く影響しているというのは、家族で同じ価値観を持っている場合が多いということです。

 

 

家庭内で性格は違うことが多い

家族間では価値観は似ていることが多いのですが、実は性格は逆の人間が集まっていることが多いです。

 

たとえば夫婦では、夫はのんびりしているが妻はせっかちだとか、兄はおとなしいけど弟は明るいとか、ある程度反対であることが多いです。
これは家族としてこの世界を生きていくとき、性格が反対のほうが柔軟に問題解決しやすいという原因にあるようです。

 

特に子供に関しては、家族の中にある何らかの「問題」を敏感に察知し、自分がその問題を補うような性格に成長することがよくあります。
たとえば両親ともにのんびりした性格だと、何か物事を決めて実行するとき、スピードが遅れて不利になるかもしれません。
こんなときに子供が「お父さんもお母さんものんびりしすぎ!僕が早く決めてしまわないと!」と思って、子供がせっかちな性格になったりします。

 

兄弟でもたとえば、近所の子供たちで遊んでいるとき、お兄ちゃんがおとなしすぎてなかなか近所の子供たちとなじめていないのを見て、弟は明るくふるまって近所に溶け込むように努力し、お兄ちゃんが周囲になじむのを助けようとしたりします。

 

こういった特徴は実は、機能不全家族といわれる、いわば家庭崩壊しているようなところではもっとはっきりみられます。
アルコール依存症で家庭内暴力をふるう父親と、浮気を繰り返してずっと家にいない母親がいたりすると、その子供が案外ものすごくしっかりした子に育つことがあります。
それは、親がこれほどまでにだらしないため、子供がしっかりしないと家族としてやっていけない、兄弟姉妹たちがめちゃめちゃにならないよう、自分が何とかしようとするために起こります。

 

そういう子どもは、年齢に全く似合わず、まるで大人のようにふるまったりします。
長男の男の子はものすごく成績優秀でクラスの指導的立場だったり、長女の女の子はものすごく献身的で兄弟の面倒見が良かったりします。
しかし現実はひどい両親のもとに育ち、満足に親に甘えることのできない子供時代を過ごしたため、心底で到底抱えきれないくらいの不満やストレス、人間関係に対する不信や恐怖を持っていたりします。
このような子供は「大人のようにふるまうことを余儀なくされた子供」という意味で、アダルトチルドレンなどと呼ばれます。

 

このように程度の差こそあれ、家庭内では多くの場合、特に子供においては、家庭全体の欠点を補うような形で性格が形成されることが多いのです。

 

 

価値観が違うとけんかになり、性格が違うと助け合える

家族観では性格は違うことが多いのですが、価値観は同じであることが多いです。

 

なぜなら、価値観が違うとけんかになるからです。性格は違うと、お互い助け合う関係になります。

 

けんかが起こるのは価値観が違うという原因が多いです。
あれがいい、これが好き、嫌いという意見の食い違いによって、けんかが起きます。

 

でも「お前は明るい、よくしゃべる」とか「お前は人懐っこい」とか、そういう「性格」が違うからといって、けんかになることはありません。

 

そして家族というのは通常は長い時間一緒にいるので、仮に価値観が違ったとしても、そのうち妥協して似てきます。
夫婦が結婚当初、価値観の食い違いでけんかばかりしていたのに、何年もたつとけんかもしなくなり、おとなしくなってたりします。
時間がたつと、お互い妥協して似たような考え方になってしまうのです。

 

しかしもちろん、あまりに価値観の違いすぎる場合だと、とても同じところで過ごすことなどできないというふうになり、離婚になることがあります。
価値観が違いすぎる人間は、一緒に暮らすことはできません。

お知らせ

次回の「関西創作交流会(主に自分の作品を見せながら雑談する会)」は9月9日(土)寝屋川市で行います。参加費無料なのでぜひご参加ください。

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