問題を認識する

自分の悩みを認識する

このサイトを読んでいるあなたは、勉強に関して何か悩み事があって来ているに違いありません。

 

心理療法の現場でも当然、相談者は何か悩み事があって来訪します。
何も悩みがなければ、来る必要がありません。

 

その問題について、よくよく調べる必要があります。
といっても、難しいことではありません。普通に友達にやるような「悩み相談」と同じです。

 

悩み事について、いろいろ話すだけです。話し相手がいなければ、自分の頭の中で悩み事についてあれこれと思いを巡らすだけです。

 

勉強できない問題(勉強する習慣が身につかない問題)としては通常、どんな悩みが考えられるでしょうか?たとえば・・・

 

  • 勉強自体がつまらなすぎて集中力が続かない
  • 勉強しなければと思っているが、友達とラインしたり電話したりして時間をつぶしてしまう
  • マンガやゲームが面白すぎて、ゲームそっちのけで夢中になってしまう
  • 勉強の内容が難しすぎてついていけない

 

などなど、人によって異なる悩みがあることでしょう。

 

 

わかりやすい勉強の悩みと解決

勉強する習慣がつかないという悩みがある場合、それをもう少し詳しくしてみます。

 

本来勉強すべき時間に何をしているでしょうか?

 

単に漫画やゲームが面白すぎて勉強をさぼっている場合を取り上げてみます。
この状態で、漫画やゲームをなくしてしまうと悩みが解決してしまう場合は、もっとも単純な形の悩み・解決であるといえます。

 

つまり、この状態で無理やり漫画をすべて捨ててしまうとか、ゲーム機を捨ててゲームができなくしてしまい、それで遊んでいた時間がすべて勉強時間に変わってしまえば、簡単に問題が解決したことになります。

 

これはこれでOKです。漫画を捨てる、ゲーム機を捨てる、という行動で問題が解決したことになります。これで終わりです。

 

しかし実際のところ、これほど簡単に解決できる例はあまりありません。簡単に解決しないことのほうが多いです。

 

 

一見勉強と無関係そうな悩みでも関係あるかもしれない

ここでは勉強に関する問題を取り扱うので、一見して勉強と関係なさそうな悩み事は考える意味がないと思われるかもしれません。

 

しかし今現在の、何か勉強に無関係そうな悩み事が、間接的に勉強という習慣に関係しているかもしれません。
なので関係なさそうな悩み事でも、考えてみる意味はあります。

 

たとえば自分がテニス部に入っていて、どうやったらもっとテニスがうまくなるかとか、そういうのはあまり考えても意味がなさそうに見えます。
しかしテニスがうまくならないことで劣等感を感じ、それで家に帰ってもずっと嫌な気持ちが残り続けているというような場合、その悩みが勉強に影響しているかもしれません。

 

「ゲームが面白すぎて、勉強すべき時間にもゲームして遊んでしまう」という場合は、ゲームという行動が勉強の邪魔になっていると考えられるので、これについて考えなければなりません。

 

「日々のストレスが溜まって、そのせいで睡眠時間が減っている」という悩みはどうでしょうか?
夜更かしするだけなら勉強と関係なさそうに見えますが、睡眠時間が減ることで次の日に疲れが残り、結果として次の日の勉強時間や勉強の集中力が減っているかもしれません。

 

私たちが日々行っている行動は、一連の流れとして習慣の中に組み込まれています。
いわば一つの巨大なシステムであり、このうちどこか一部を変更させると、別の部分も同時に変更される、ということがよくあります。

 

先の例でいうと、ただ夜更かしをやめただけなのに、次の日から急に勉強できるようになる、ということもありうるのです。

 

これは不思議なことのように見えますが、専門的な言い方をすれば、問題行動というのは心理的に何か不満なことがあると、何かしらの形で表面上に現れることがあります。
それがたとえば夜更かしだったり、あるいはゲームだったりするわけです。

 

この2つの症状が同時に現れているとき、元となる問題を解決してしまうと、2つの問題行動も解決します。
つまりゲームも夜更かしも治ります。

 

そしてその「元となる問題の解決」というのが、たとえば「誰かに聞いてもらうこと」だったり「自分で問題を認識して整理すること」だったりするわけです。
これだけではちょっとわかりにくいと思うので、次のページで悩みの例を出してみてみましょう。