具体化

具体化

悩みを具体化させることで、解決のしかたもわかりやすくなります。
先ほどの5W1Hも具体化の一つですが、これだけでは足りないことも多いです。

 

たとえばその問題が「入浴後にリビングで、ついゲームしてしまいます。勉強しないといけないのに」という状態だとします。
このとき、より具体的にどういう問題なのか説明してみましょう。たとえば

 

「入浴が終わるのは午後9時くらいで、そこから2時間くらいゲームして遊んでしまう。ゲームはいつもやっている○○というゲームだ。これが面白くてやめられない。ゲームが終わるころには眠くなって、そのまま布団に入ってしまう」

 

のようにです。
ここからさらに詳しくするために、

 

○○というゲームはどんなゲームなの?
ほかのゲームでも同じようになるの?

 

などと自分に質問してもいいでしょう。

 

もしそのゲームでだけ問題が起きるのなら、あなたにとってそのゲームはほかのゲームと違う、特別なものだということがわかります。
そのゲームにだけ何か制限をつけるとか、あるいはそのゲームソフトだけ捨てれば問題は解決するかもしれません。

 

もしどのゲームでも同じように問題が起きるなら、特定のゲームをやりたいという衝動を抑えればいいというものではなく、ゲームそのものに対して何か制限をつける必要があると分かります。
この場合はそのゲームソフトを捨ててもほかのゲームをしてしまう可能性が高いです。なのでゲーム機をまるごと捨てたり、ゲームできるような機械(スマートフォンなど)も、何らかの形で目に入らないようにするような対策が必要かもしれません。

 

このように問題を具体化することで、取るべき対策も変えなければいけないことが分かってきます。

 

 

あいまいさをなくす

問題をあいまいなまま認識していると、解決策が出せません。あいまいな言葉であらわされた悩みは、具体化する必要があります。

 

「人は争い続けるのだ」という言葉を例にとってみます。

 

これだけだと、国どうしの戦争とか、なんだか大規模な争いごとのように聞こえます。
しかし実はこの言葉を言った人は、誰かと誰かが取っ組み合いのケンカをしていることを示しただけかもしれません。

 

人は争い続ける、という意味は、AさんとBさんが取っ組み合いのけんかをしている場合にも使えるし、国と国が戦争しているときにも使えます。

 

「人」「争う」というのがあいまいだからです。あいまいな言葉は多くの意味に解釈できます。
でも問題を解決するとき、意味があいまいなままだと解決する方法がわかりません。

 

「人が争っているのだ。この問題を解決してくれ」といわれても、AさんとBさんのケンカを止めればいいのか、それとも国どうしの戦争を終わらせるにはどうしたらいいのか、どちらかはっきりさせばければ解決策は出せません。

 

物事があいまいなまま解決策を出してみると、解決案もあいまいなままで、具体的にどう行動すればいいかが出てきません。

 

「人が争う」という問題をそのまま解決しようとすると、「皆が平和な心を持てばいい」とか「他人の痛みが分かるようにしよう」とか、そんな解決が出てきそうですが、これらは具体的にどう行動すればいいのかまったくわかりません。

 

こういう解決は、言葉としての響きはいいのですが、まるで解決になっていないのです。
「皆が平和な心を持つ」とは、どうすればいいのでしょうか?誰かに怒りそうになった時に、踏ん張って怒らないようにしたらいいのでしょうか?
そもそも「皆が」という時点で不可能な解決案です。他人の心の動きをコントロールしたり強制することなどできません。

 

勉強の場合だと、たとえば「いろいろ気になることがあって集中できないんです」という問題があったとしましょう。
「いろいろ」では何が気になっているのかはっきりしません。「いろいろ」という言葉があいまいすぎます。

 

何が気になっているのでしょうか?友達と喧嘩でもしていらいらしているのでしょうか?好きな人がいて気になって集中できないのでしょうか?仕事で上司に怒られて落ち込んでいるのでしょうか?内容をはっきりさせないと、その解決策も出せません。

 

このようにあいまいな意味を具体化することを、専門用語で「チャンクダウン」、逆に具体的な意味をあいまいにすることを「チャンクアップ」と呼びます。
この言葉自体は覚える必要はありません。ここで覚えておいてほしいことは、問題は具体的に説明しないと、解決方法がわからないということです。

 

 

具体化によって不適切な思い込みを解消する

この具体化というプロセスによって、ネガティブな思い込みを修正できることがあります。

 

たとえば「みんな私のことを頭が悪いというんです」という悩みが出たとしましょう。
ここで「みんな」というのはあいまいで、誰の事だかわかりません。
みんなというのは、学校ならクラスの人全員でしょうか?職場なら自分の会社の人が全員そういっているのでしょうか?

 

たぶんそんなことはめったにありません。おそらくは数人程度の人が言っているのでしょう。
「AさんとBさんが私のことを頭が悪いという」のだとしたら、実はたった2人しかいっていないことがわかります。
たった2人の意見が、まるで周囲の人全員がそういっているように聞こえている、という状態です。

 

よくよく考えてみると、そんなに悪い状況ではないということがわかります。

 

さらに「その2人以外は誰も自分のことを頭が悪いと思っていないのではないか?」と自分に質問してみます。
実際、自分が頭が悪いとか仕事ができないとかいう思い込みは、周囲のほんの数人だけがそう思っていて、大半の人はそんなふうに思っていないことが多いです。

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8章のまとめ
この章では問題を具体化し、詳しく分析・認識することで問題の具体的な解決を探る方法を学んでいきます。
問題を認識する
勉強の習慣を身に着けるために、勉強できない自分の悩みを取り上げる必要があります。しかし問題の根源は勉強と一見関係なさそうな場合もあります。
一見無関係そうな問題の根源を処理する
悩みを解決するためにはその原因を探る必要がありますが、それは意外な原因であることもあります。自分のストレスの原因がなんなのか説明してみましょう。
問題を詳細に探る
問題が分からなければまず目標を立てて勉強してみます。うまくいかなければこれを分析し、問題行動がなんなのか探っていきましょう。
5W1H(いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どうやって)
自分の悩みに対して、いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どうやって?と質問してみましょう。問題がはっきりすることで具体的な解決策が見えてきます。
「もし〜ならば」と問いかけてみる
自分に「もしこのままいくと将来どうなるか」「もしこの悩みを解決したら将来どうなうか」と問いかけてみましょう。それで問題解決の必要性がもっとわかるはずです。
「過去に一度でもできたことはないか?」と問いかけてみる
過去に問題を解決できたことがあれば、その時のことをを詳しく思い出して再現することで問題解決ができます。
他人に説明するときに役立つ「たとえ」
誰かの協力やアドバイスを得るとき、自分の感覚が理解されにくい時にたとえを使って説明すると分かってもらいやすくなります。
思い込みをなくすための「比較・判断・読心術」
ネガティブな思い込みで勉強する気が出ない場合「何と比べて」「誰がそういうのか」「なぜそれがわかるのか」と質問することで誤った思い込みを減らせます。
意識と無意識を理解する
大半の習慣は無意識で行われるため、それを変えようとした場合、問題が起こる瞬間に意識できるようになる必要があります。

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