計画を忘れてはいけない
先生や親に言われて計画表を立て、「今日は何時から何時まで勉強する予定!」と計画したにもかかわらず、いつの間にか遊んで終わる、というようなことは誰でも経験があると思います。
計画表を立ててもなかなか思い通りにいかない理由の一つして、「計画を忘れてしまう」というのがあります。これを防がなければなりません。
この「忘れないようにする」というのは、単に計画表の内容を思い出すだけではありません。
勉強開始直前に今日の時間と量をチェックする
まず行動を、つまり勉強する前に、計画表を見直して「今日はこの時間からこの時間までに勉強するんだった」と確認する必要があります。
別に計画表を見直さなくても、内容を覚えていればそれで問題ありません。
大事なことは、勉強する前に「この時間までに何問終わらせる」というような、数字で目標を改めて確認しておくことです。
ちょっとしたことですが、とても重要です。
勉強計画は、立ててしまえばそれで終わりと思うかもしれませんが、本来は計画を立てることで自分を監視しながら自分自身に注意するのが目的です。
紙に書けば終わりではなく、計画から外れないように常に注意し続けなければ書いた意味がありません。
勉強を始める前に、ほんの数秒でいいので、時計を見て
「この時間からこの時間まで勉強し、何問終わらせる」
と思い出してください。
ほんのわずかな確認作業ですが、この確認をしっかりしておくことで成功率がずっと上がります。
そして勉強しながら時々時計をチェックし、計画が順調に進んでいるかを見ます。今日の勉強が終わるまでそれを続けます。
昨日計画した「数字」と「やる気」を思い出す
私たちはどうしても時間とともにいろいろなことを忘れていきます。
目標や計画自体は紙やデータに残しておけば見直すだけで思い出せますが、計画を立てたときの「決意」や「やる気」までは記録されていません。
昨日に習慣を変えるための技法を使っていたとしても、今日はそれを忘れているかもしれないのです。忘れていけばいつもと同じことが起こってしまい、うまくいきません。
計画表を見直すと同時にやる気や決意も思い出せると思います。特に計画は、自分で頑張って作ったものなら、見るだけでもたいていその時の決意がよみがえってくるはずです。
計画を他人に作ってもらったりすると、やる気は出ません。計画は必ず自分で作るようにしてください。
無意識の阻害
私たちの習慣行動は、そのほとんどが無意識的に行われています。
何も考えずにいつもの調子でいると、いつもの悪いパターン、つまり勉強しないパターンが行動として出てきます。
行動を変化させるときには、意識を集中して「昨日はこれだけの計画を立てたんだった」と思う必要があります。
時計を見ながら「この時間までに○問」と確認します。この過程が必要です。
「数字」と「やる気」を思い出す
心理学と行動の話ですが、人間はなぜか計画が具体的になればなるほど行動できます。
そして具体的とは「数字」のことです。
たとえば「今日は一生懸命勉強するぞ!」よりは「今日は30分勉強するぞ!」のほうが、その通りに勉強する可能性はずっと高いのです。
さらに「今日は9時から9時半まで勉強するぞ!」と開始時刻まで設定したほうがよく、さらに「今日は9時から9時半まで、この問題集の第12問目から第16問目までやるぞ」のほうがさらにいいです。
目標は詳しくすればするほど行動できる可能性が上がります。
そして間違えないようにしてほしいのですが
やる気が出る(あるいは感動する、強く念じる) = 行動できる
わけではありません。
実のところ、数字で目標を立ててもそれほどやる気が出るわけではありません。感動もしません。
しかし確実に行動はしやすくなります。数字があいまいだと怠けてしまいます。
人間、何かつらいことをやろうとするときは、数字によって自分の時間を縛り付けないとうまくいきません。
スポーツ選手のように、毎日勉強する前に「気合」なんてものを入れる必要はありません。
派手なパフォーマンスや聞こえのいい言葉は必要ありません。やる気を出すために何かに「感動」とかする必要はありません。
本当の学力は、毎日静かに身についていきます。