過去にうまくいった状況を再現する

過去に勉強に集中できた状況を再現する

どんなに家で勉強しない人でも、一度くらいは本気で勉強したことがあるでしょう。
それがいい成果を出したかどうかはともかく、勉強したという状況が過去に一度でもあれば、それをできる限り再現することで同じことが起こる可能性があります。

 

たとえば私なら、このような記事を書いているのは勉強するのに似ています。割と大変で、受験勉強のように毎日習慣づけないと書き続けられません。
普段は自室でパソコンを使って記事を書いているのですが、パソコン上で記事を作っているため、ついYOUTUBEなどで面白い動画を探したりして時間をつぶしてしまう、というようなことがよくあります。
また遠くの友人とツイッターで会話したりして、気が付くと何時間も過ぎていることがあります。

 

ところが場合によっては、こういった遊びに興じることなく、何時間も非常に集中して作業ができる場合があります。
私は出張でたまにビジネスホテルに泊まったりするのですが、夜は割と暇なものです。それでノートパソコンを持っていき、寝るまでの間に記事をいくつか書いたりします。
また翌日もホテルで朝食を取った後、出発するまでの間に1、2くらい記事を書いたりできます。

 

ホテルで作業すると非常に集中できます。理由は単純で、遊ぶものが何もないからです。
ホテルにノートパソコンを持ち込んでも、インターネットにつながらないので遊んだりはできません。なので作業にとても集中できます。

 

このように、以前に勉強に集中できた経験があれば、それを再現することで同じように集中できるだろう、ということです。
もちろんこの私の例では、毎日再現するのはちょっと難しいです。毎日わざわざビジネスホテルに泊まることはできません。

 

しかしこれもよく分析してみると、だいたいはYOUTUBEやツイッターで遊んでしまうのが私の悪い癖のようなので、この2つに注意しさえすれば、ホテルで集中できているのと似たような状況を再現できることに気づきます。
そこで私は、動画を見るときには必ず、あまり注意しなくてもいいような動画をつけっぱなしにするようにしました。

 

「作業用BGM」といわれるような動画があります。これは動画の画像自体はほとんど意味がなく、音楽が流れるだけの動画です。
私はクラシック音楽が好きなので、動画を見るときはこの音楽動画を流しっぱなしにしています。音楽が流れるだけなので、動画に気を取られることがなく、記事作成に集中できるというわけです。
動画の中でも、たとえばゲームのプレイ動画などを見ていると、動画の画面を見てしまって記事作成に集中できません。こういう動画は見ないように注意することにしました。

 

たったこれだけのことですが、集中力が上がり、記事作成のペースが上がりました。
過去にうまくいったことといっても、すべて全く同じ状況を再現しなくてもいいのです。上手くいった要素を部分的に取出し、再現するだけでも効果があります。

 

 

あなたの行動の「原動力」を理解して再現する

たとえば「テスト前になると危機感で必死で勉強した」という経験があったとしましょう。
それならテスト前と同じ状況を再現すれば勉強できそうですが、毎日学校でテストが行われるはずもないので、これは毎日再現できません。

 

しかしあきらめるのはまだ早いです。
テスト前になると必死になるというのは、どういう恐ろしい結果を予想してそうなるのでしょうか?
テストで悪い点数を取るのが怖くてそうなるのでしょうか?悪い点を取ったらどう嫌なことが起きるのでしょうか?
友達に笑われるのが嫌で必死になるのかもしれないし、親に怒られるのが嫌だからかもしれません。
あるいは「なんとなく点数が悪いと不安になる」というものかもしれません。

 

そのあたりを部分的に再現することはできないでしょうか?
もし友人に笑われるのが嫌で必死になるのなら、あなたの勉強の原動力の一つは「友人に対して見栄を張りたい、よく思われたい」というものです。それを利用しましょう。
毎日か、あるいは数日おきに、友人と勉強の進み具合を報告しあうのです。あるいは友人と一緒に勉強してもいいかもしれません。
そうすればあなたは友人に見栄を張るため、必死に勉強するはずです。

 

親に怒られるのが嫌で必死で勉強しているなら、親に頼んで勉強をさぼっているときに注意してもらうようにすれば、うまくいく可能性が高いです。

 

あなたの中にある「勉強できたことのある原因」を再び引っ張り出せば、同じように勉強できるというわけです。

 

 

詳細化を行って行動の原動力を見つける

この「行動の原動力」を見つけるというのは、言葉の響きでなんだか難しそうに思えるかもしれません。
しかしこれはコツがあります。過去にうまくいった例を取り上げ、これを詳細化します。
以前の章で、問題を詳細化するために「メタモデル」というのを紹介しましたが、これを使います。

 

上の例ですと、「テスト前ならやる気が出た」という状態です。
これを詳細化し、いつ、どこで、だれが?なぜ、なにを、どのように?などと質問してみましょう。
それで「テスト前に、自室で、私は、テスト前の危機感で、数学の問題集を解きまくった」と出たとします。

 

さらに「テストでいい点数を取るとどうなるか?悪い点数だとどうなるか?」と質問します。
すると「いい点数だとうれしい、友達に大きい顔ができる、親に褒められる」逆に「悪い点数だと落ち込むし、友達にバカにされるし、親に怒られる」という結果が出たとします。
このあたりで、テスト前に頑張る理由というのは友達や親への見栄が関係していることが分かってきます。

 

このように状況を詳しく分析していくことで、行動の原動力を探っていきます。
もちろんやってみてうまくいかない可能性もあるので、まずは思いついたらすぐ試し、効果があるかどうか試してみましょう。
うまくいけば継続、いかなければ中止すればいいでしょう。