エネルギーの正体

何でもできる人と何もできない人がいる?

世の中にはすごく元気?な人がいて、何でも頑張ってやる人がいます。
学校でも勉強ができ、スポーツもでき、それでいて生徒会長をやっているような人がいます。

 

逆にいつも無気力で、何もやる気の出ない人もいます。
勉強もできず、運動もできず、何にも打ち込めない人、無気力、無関心。

 

あの人はものすごくいろんなことに頑張っているのに、かたや何にもやる気が出ず、無気力で自堕落な毎日を過ごしている人もいる。

 

何が違うのでしょうか?これこそ「才能」みたいなものがあって、生まれつきのものなのでしょうか?
こういうのを人によっては「あの人はエネルギーが多いから」「私はエネルギーが少ないから」みたいな言い方をすることがあります。
エネルギーってなんでしょうか?「やる気」のことでしょうか?

 

先のページで、「やる気」の正体は体の中を駆け巡っている化学物質の違いだといいました。
そしてそれは気分によってどれだけ出るかが変わるともいいました。

 

このわかりにくい「エネルギー」の正体は、体の中にある科学的物質の量の違い、といってもいいと思います。

 

 

うつ病患者の化学的状態

うつ病というのはよく言われる病気ですが、これは何も「やる気が出ない」「疲れている」とか、そういう状態を指すための言葉ではありません。

 

うつ病の患者というのは、体内の化学物質の出方が普通の人と違う状態になっています。
やる気を出すような物質が、長期間のストレスなどによって慢性的に出なくなってしまうような状態です。

 

単に「やる気が出ない」「無気力である」というのと、「うつ病である」というのは全く違います。
健康な人でも一時的に落ち込んだりしてやる気が出ないことはあります。でもしばらくすると元に戻ります。
これが元に戻らないのがうつ病です。「健康な人が落ち込んでいる」のとは全然違う状態なのです。

 

 

健康な人でも体内の化学的状態は異なる

しかしながら、そういった化学的状態というのは、人によっていつもやる気ホルモンが出ぱなっしみたいな人から、病気ではないけど慢性的にあまり出ていない人もいます。普段からの心理的状態に左右されます。
たとえば仕事で、ほとんどの時間ストレスもなく楽しくて仕方がない仕事をしている人と、ほとんどの時間が苦痛でいやいやながら仕事をしている人では、化学的状態の違いによるやる気の違いというものが出てきます。

 

普段から苦痛なことばかりしている人は、やる気の出ない状態に慣れており、楽しいことがあってもあまり楽しく感じなかったりします。普段からやる気ホルモンのようなものが出ない状態になっています。
これがあまりひどくなるとうつ病のような病気にかかり、普段からもずっと「やる気ホルモン」が出ない状態になってしまいます。できればこういうことにならないよう、普段からストレスは適度に解消していたいものです。

 

 

しっかり結果を見ながら自分の行動を決める

これらエネルギーと呼ばれるものは、必ずしも思った方向には作用しないことがあります。
たとえば今、勉強しなければならないと思っていても、ほかに楽しいことがあるとそちらにハマってしまうことがあります。

 

私は高校生の頃、勉強そっちのけで音楽ばかりやっていたのですが、このエネルギーをもっと勉強のほうにむけることができたら、もっといい大学に進学できていたと思います。
エネルギーがたくさん有り余っているけれども、どうしても「こうしたい」という方向に向かってしまい、「こうすべき」と計画した方向に行かない場合、自分で計画したようにはなりません。
しかしだからといって、なるがままにしていては自分の思うような結果が出なくて困るので、少しずつ方向を変えていく必要があります。

 

そのためには、まず冷静になって、常に「それによって出る結果」を予測しながら、今から何をやるかを決めることが必要になります。衝動の赴くままに行動してしまうと、その時は楽しくてもまとまった結果が出ません。
そして衝動を抑えることに慣れてくると、それも次第に苦痛でなくなってきます。結果の出せる「勉強」に、ずっと集中できるようになってきます。

 

衝動を抑えるために鎮静剤を飲んだりする必要はありません。エネルギーの量はそのままでいいのです。その方向を、少しずつ「勉強」というものに変化させていくだけです。