ストーリーとサイコドラマ

サイコドラマという方法

これは勉強することとはあまり関係ないのですが、心理療法の一つに「サイコドラマ」という方法があります。
どんなものかというと、演劇のような舞台を用意し、悩みを抱えた相談者たちで実際に演劇をしていくというものです。

 

ある程度大まかなシナリオを決めておき、ある程度即興で本人たちにストーリーをその場で作らせると効果が高いといわれます。
また演劇の道具などは、あまり本格的なものをそろえる必要はありません。これは舞台をやるためではなく、あくまで心理療法なので、そこまで質にこだわる必要もありません。

 

サイコドラマで期待される心理療法的効果というのは、そのシナリオのキャラクターになりきることで、問題を見つけ出し、同時に解決も見つけ出せないかというものです。

 

 

ストーリーの中に自分の悩みを見出す

架空の物語でも、読んでいるととても共感を得るような内容というのがあります。
またそこに出てくるキャラクターも、自分と同じような悩みを抱えていたりすると、ますます共感できます。

 

「共感」というと、心理療法の基本です。
つまり、共感できるストーリーを読むという行為は、心理療法の治療者に悩みを聴いてもらっているのと似たような効果あるということです。
通常の面接型の心理療法では、相談者は治療者に悩みを共感的に聞いてもらうことで、自信の問題を整理し、無意識に眠っていた問題について深く分析することができます。分析することで解決の方法も見出せるようになってきます。

 

これと同じように、実際に自分がキャラクターになりきって演じることで、自身の悩みを舞台で自由にしゃべることで、悩みを分析し、解決策もそれに応じてわかることがある、というものです。

 

別に舞台に出なくても、漫画や小説を読んで共感するキャラクターに思い入れすることで自分の悩みが分析でき、解決する方法がわかるようなこともあります。

 

 

悩みの解決にストーリーを使う

これを自分の悩みの解決に応用しようとすると、ちょっとわかりにくいです。あまり積極的におすすめする方法ではないのですが、相性がいい人もいます。

 

まず自分と共感できるストーリーを読むというのは、それだけで気が楽になります。
特に自分と同じ悩みを抱えている主人公がおり、その悩みをストーリーの中でうまく解決しているのを読むと、それだけで自分も解決できたような疑似体験ができるので、実際に解決できるかどうかはともかく、精神的に楽になれます。

 

架空の世界にはまり込んで憂さ晴らしをするということです。恋愛できなくて悶々としているとき、恋愛漫画を読んで恋愛した気になればすっきりできます。

 

要するに、何かストレスがたまっているときには、その解決を疑似体験できるようなストーリーを観賞することでストレスを減らすことができ、その分勉強にも集中できることが期待できます。
またそのストーリーについて、友達や家族と自由に感想や意見を言い合えると、さらに楽しいです。よりストレスが減るでしょう。

 

以前の章で「再刷り込み」という方法を紹介しました。これは過去の成功体験を再現することで問題解決を図る方法ですが、サイコドラマはストーリーの中から成功体験を引き出すといったところでしょうか。

 

ただこの方法は、実際の心理療法ではあまり使われていない方法のようです。
理由として、まず舞台に上がって演じるというのは、ある程度の人数を要します。演者にある程度の人数が必要で、また彼らをまとめて演劇をしなければなりませんし、そもそも演劇というのに抵抗がある人が多いです。
また舞台を用意するのにはある程度の設備が必要で、金銭的にも敷居が高いです。日本ではあまり聞いたことがなく、心理療法は面接型が一般的のようです。