作曲の技法のメモ

作曲のしかたのメモです。
あまりにも膨大な量のメモなので、上から目で追っていくのは不可能でしょう。Ctrl+Fで単語を検索するといいと思います。
内容はクラシックな音楽を作ることを目的にしています。

 

 

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0.サンプル
まず作品の方向を決め、似たような既成の作品をいくつか眺める。
それらをもとにして、変形してインスピレーションを出す。

 

///このようなことをする理由
実際、どれだけ独創的に作ったつもりでも、いくつかの作品を真似たものである。

 

///注意
具体的なイメージなしに構成を作ることはできない。
もし構成の時点で進まなければ、インスピレーションによって具体的なイメージを出すしかない。

 

二次創作:
群の切り取り・貼り付け・コピー・削除は可能。それ以外の変奏は評価が悪い(原曲のイメージと離れる)
形式は変化できない。群の新規追加は不可。

 

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DS(デフォルト・スタンダード)について

 

一言で言うと「美しく見せるための法則」
表現の内容が広範囲(時間的に)、使い回しが多いなどの場合、全体を平均した表現にしなければならない。
共通要素以外は表現してはならず、その分を埋めるのに「美しい」と思えるようなデフォルトを設定する。
特に必要がなければ、このデフォルトを使用することにする。
厳密には完全にデフォルトになることはない。一定割合でデフォルトを含む。

 

///音楽のデフォルトスタンダード
日本人は歌謡曲や演歌が根本的に好きだといわれている。
旋律をはっきりさせることが重要で、歌いやすい形になっているといいかもしれない。それは旋律の項を参照。
あまり難しい音楽はウケがよくない。特に3度6度以外の和声、無調はあまりやらないほうがいいかもしれない。
展開がはっきりしているほうがいい。だらだら同じような音を並べるのはよくない。

 

///デフォルトの例→BGM
長時間の内容を音楽で表現するとき、環境音などを音に変換すると共通因子が少なく不可能。心理描写などが表現のメインになる。

 

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手順

 

企画段階:
長さが決まっていればまず長さを設定する。
テーマとコンセプト、また全時間を決める。
これらは制限がなければしなくてよい。

 

インスピレーション:
最初に思いついた音を片っ端から描いていく。五線譜は使わず、白紙に音符だけ書いていく。
もし可能であれば、この時点ですべての部分のおよその音符だけでも全部書いてしまう。

 

形容詞と形式:
およその長さから、大形式に分解し、各部を形容詞・形容動詞で結ぶ。中形式でも同じことをやる。およそでいい。
必要に応じてストーリーを作って形式と関係付ける。ストーリーの作成はシナリオ作成と同じ。
各大形式・中形式を小形式に分解し、中形式の各部の長さを比率で示す。
各中形式の中をそれぞれ現状、障害変化、解決に分解する。小形式内の強弱関係を書く。
決めた比率に従い、各部の小節数をおよそでいいので決める。
およその楽器編成を決定する。各部ごとに決定。全ての楽器の中から使えそうなものをすべて書き出す。

 

以下、具体的な音を決める。はじめに楽器で音を確認しながら「必ず」五線譜に書き、その後打ち込みをする。

 

各部(AやBなど)の特徴を決める:
各部についてのおよその特徴を決める。部全体についての特徴。
最初に第1、第2主題の特徴を決める。それ以外は後で。
縦要素(各群の音階と高さ・同時発音数・音数密度、縦密度、和声、度数、調内か固定か、最大高と最低高)
横要素(各群の旋律波形、長さ、強弱、高さ、およその音程、極大音と極小音)
単音(絶対高、絶対大きさ、絶対長さ、音色)
横連続音(音程、方向性、相対長さ)
1フレーズ間(平均高さ、全体強弱、全体長さ、開始点、横密度)
複数動機間(平均高さ、最大開離幅、同時発音数、縦密度)
これらすべての部内での変化率。速く小さく変化、速く大きく変化、遅く小さく変化、遅く大きく変化、のどれか。

 

さらに細分化し、各部を障害や解決に分け(たとえばA=F1F1z(現状)F2F2z(障害)F3F3z(解決)など)、その各部の特徴も決める。

 

基準動機の作成:
基準動機を作成する。初期動機ではない。
まず主旋律の楽器を決め、旋律の形を作成。思いつく限り書いてみる。すべての部分の基準となる動機で、平均的な形を作る。これをすべての基準とする。
次にそれと同じ群の旋律全てにつき同じ手順で作成(半音固定か音階内固定か)。群の最高音と最低音を決める。
次に別の群も同様に作成(主張度の高い順で音を決めるといい)
すべての群の作成を終えたら和音の輪郭(中心和音)のみを決める。具体的な和音は決めない。同時に強弱記号も書く。
もし基準動機が思いつかなければ、クライマックスや出始めなど、どこでもいいので動機を作り、そこから変奏して基準動機を作ればよい。

 

変奏方法を決める:
基準動機の次の部分を考える。基準動機の2倍くらいの長さまで考える。
この基準動機からどのように変奏して別の部の最初の動機を作るかを決める(元の動機の修正も含めて)。変奏の方法(変奏の遠さ含む)だけ決め、具体的な音の形はまだ決めない。
変奏方法を参考に、各部の最初から順番に音の形だけ決める。具体的な音の高さなどはまだ決めない。そのまま続きも作っていく。
各部につき、同様の手順でこれを繰り返す。経験的には、各部の続きを作ってから別の部を作ったほうがいい。変奏だけ全て決めてから、というやり方では進みにくい。
変奏には「部分間の変奏」と「部内の変奏」があり、両方決める。部内というのは、1つの部内でどのように変奏されて時間変化が示されるか、というもの。
まずは主題の基準動機を決めるといい。第1主題の基準動機、第2主題の基準動機、必要があれば第3主題の基準動機をまず作る。その後それ以外の部分の初動機を作っていく。

 

作曲の変奏法の考え方:
変奏法の一覧をすべて試すのでは時間がかかりすぎる。
音の塊ごとの意味(縦密度と か)で適切な方法を選んで変奏するといい。
変奏は意味をもってなされるべきなので、このように「意味」と考えながら変奏法を考えるのは理にかなっている。

 

推敲:
推敲時はシナリオ作成と同じく、資料を参照するが、そのときは「資料の項目を上から順に見ながら、当てはまる部分はどこか」というふうに探したほうがよい。そのほうが効率がよく、項目間の組み合わせも考えやすい。
テーマを表すのに最適な形式を使っているかどうかチェック。いろいろな言葉を出してみて、もっといい方法があるか探る。より適切な並べ方があるかどうか探る。並べ方、数、の増加、削除などシミュレーションし、適切なところを探る。また時間の長さが適切かどうかチェック。
各形式の中の、現状、障害、解決の順や内容が適切かどうかチェック。並べ方、数、の増加、削除などシミュレーションし、適切なところを探る。ほかの表現のしかたがあるかどうか探る。いろいろな言葉を出してみて、もっといい方法があるか探る。
ラフスケッチした動機が適切かどうか探る。動機を様々に変奏してみて、より最適な動機があるかどうか探る。

 

具体的に音を決める:
主旋律と最下音(バス)の音を決める。音階、和音もこのとき決める。つまり主張度の高い2つの音を、和音を考えずにピアノで弾いて決めていくと割と出来がよく決めやすい。和音から決めると旋律による表現力に欠けてしまう。
各部の縦幅(和音)を決める(各旋律ごとに調が異なる可能性と、幅が固定か調内にも注意)
高音と低音で開きすぎている部分があったら埋める。どれかの群に弦楽器があれば弦で埋める。弦がなければ金管、金管もなければ管楽器で埋める。
各部の中の音を具体的に決める。
旋律が決めにくい場合は、主張度の高い旋律を取り出し、対位法を用いて「旋律の太い線(強拍部分、あるいは変奏の「簡単化」した旋律)」を見ながら作っていくといい。ここに旋律の理論を適用し、美しく仕上がっているかどうか検査する。その後非和声音を付け足して旋律の形を作っていく。
対位法の規則は、各旋律の流れを優先したほうがよく、不協和音の連続は2回までやってもさほど気にならない。不協和音が3回以上連続になるとさすがにまずいが、2回までは許容できる範囲。
各旋律を弾いてみて、それだけでも優良かどうかを検査する。

 

楽譜の作成が終わったら、打ち込みに入る。
まず楽譜のとおりに打ち込み、ベロシティを調整し、エクスプレッションを調整し、速度を調整する。
音量の調整は、メインメロディを取ったり、それぞれの類似楽器ごとに(弦楽器ごと、管楽器ごとなど)行うとやりやすい。
ダイナミクスは、CDアルバムとアニメでは作り方が違うので注意。アニメではボイスとの兼ね合いや多数楽曲の関係で、あまりダイナミクスのある曲は音が小さいと聞こえないし、大きすぎるとボイスが聞こえにくい。アニメではあまり極端なダイナミクスを付けないように最初から注意すること。
最後にSoundBoothで最終処理をする。

 

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インスピレーション

 

スケッチ:
最初に思いつく音を曲のすべての部分について作ってしまう。ただし具体的な音はまだで、音符の形だけ。
このとき各部の関連性(変奏具合など)は考えない。まったく無関係な形でもいいので、とにかく最後まで作る。
そのままではまったく統一性がないので、あとで各部が関連するよう、変奏の理論に従って音符を作り直していく。

 

通常は最初の動機を作った後、それを変奏して続きを作っていくのだが、このやり方は最初に全部作ってしまい、あとで各部おかしくないように修正する、という手順になる。
このやり方は、とにかく作業が早い。時間がない時に作曲するときに重要になる。
完全にすべての部分を思いつかなくても、できるだけたくさん音符を書けばその後の作業量も減る。

 

具体的に:
この後具体的な音を決めていくのだが、これもやはり理屈は考えず、思いつき(心象の音)を頼りに作っていく。作業は早い。

 

作曲家の意図を反映しやすい長所がある。
欠点としては、ひらめかないと作業が進まないこと。

 

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テーマ

 

この二つはプランナーが決める要素で、シナリオ音楽ではまずはじめに決められる。

 

イメージ・ストリーミング:
メインテーマを一言で表せる言葉を出す。初めは品詞を問わず、どんな言葉でもいい。ふさわしそうな言葉を思いつき次第、片っ端から並べる。

 

テーマを示す言葉は、できれば「人物(主人公や脇役)の心情」
アンチテーマ(第2主題)があれば、それに関係する形容詞・形容動詞を片っ端から出す。第3主題以降あれば同様に。
主題の形容詞を出し終えたら、展開後の形容詞・形容動詞も出す(A-2やB-2以降)
同時に、全体の形式(主題数、展開数)と楽器編成を決める。楽器は使う可能性のあるものは全部出す。
テーマは形容詞か動詞で表す。サブテーマはテーマと対立していなくてもいい。むしろ単なる時間的経過の変化を表す?

 

ストーリーとの関連:
まずストーリーを作ってしまい、それを形式と関連付ける方法もある。
たとえば山中に遊びにいき、山姥に追いかけられるストーリーであれば、山中の穏やかな場面→山姥を発見する場面→追いかけられる場面のようにし、変奏曲形式で展開するなど。

 

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形式

 

サブテーマ(B以降)がある場合、対照性のため、各部に共通の言葉を作らないようにする。
形式は繰り返し(ゼクエンツ)も含めて決定する。

 

DS:歌曲形式か2部、3部形式。変奏曲形式では5回以内くらいの変奏。いずれも単純明快なものがよい。

 

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表現可能な形容詞

 

音楽で表現可能な形容詞は限られているので、形容詞を出すときはこれらの表現を使う。
複数の動機間の意味、一つのフレーズ(動機)の意味、横の連続音の意味、音の要素と意味で表される言葉を使えば、音楽で表現できる。

 

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形式分類と繰り返し(ゼクエンツ)

 

記憶するため、最低2回は同じものを繰り返す必要がある。基本的に2回以上の繰り返しは不要。
本当に最低限必要なのは「動機のゼクエンツの1回繰り返し」で、その他の繰り返しはまったくなくても何とか音楽としては成立する(重要でない部分は繰り返さなくてもいいので)
繰り返しのタイミングや部分の分解のしかたは自由。
繰り返しは、「変奏なし」か「縦平行移動かほかの非常に変化の少ない変奏」で結ばれる。記憶するのが目的なので。
人間の記憶は時間によって決まる。あまり短い部分で一まとまりになって次へ移ると、短時間で異なるフレーズがいくつも出てきて理解できなくなる。よって、短い部分なら何度も繰り返す必要があるが、長い旋律は2回で十分。
形式の時点で考えるのは小部分と大部分のゼクエンツのみ。動機のゼクエンツは初動機を作った後に考える。

 

繰り返しと変奏の遠さ:
簡単に言うと「同じものが2回出てきたら次に移っていいし、その後また記憶を補完するために出すか」くらいのもの。
小さい部分で遠い変奏を使ったら、もっと大きい部分では近い変奏をつかう(またはまったく同じ繰り返し)などして、バランスを取る。
小さい部分で近い変奏で何度も反復したら、大きい部分はすごく遠い変奏にしてもいい。特に完全な繰り返しを一回やったら、それ以上繰り返さなくていい。

 

ゼクエンツの全体変奏:
ゼクエンツする部分では、以下の変奏法が、部を一つのフレーズのようにみなして使われうる。
切り取りはどこでもどれだけでも切り取られうる。大きく前半を削るものもある。

 

変奏法→切り取り、付け足し、切取貼り付け、コピーペースト、楽器変更、縦平行移動(移調)、横拡大縮小(テンポ変更)

 

///大形式

 

意味:
AとBなどの各主題の並び。ABACAなど。数字をつけてA1B1A2B2A3などと表す。これらはテーマやサブテーマの並びを意味する。ロンドの要素。
概略が詳細かで分ける。ソナタの要素。A概略→B概略→A詳細→B詳細……など。
AとBは遠い変奏で結ばれる。
主題の変化はかなりの時間経過による変化を示す。これはテーマ、すなわち主人公の内面的変化を示す。
より全体を象徴する音楽(オープニングやエンディングなど)では、特に概略→詳細→概略(まとめ)のソナタ形式がふさわしい。
大形式の一つ(Aとか)で「現状、変化、解決」を表すので、厳密には大形式1つで最大3つの形容詞を入れられる。
A,Bのほかに、前奏、カデンツァ、コーダなど、中途に入る「別の部分」もこの中に入る。
第1主題と第2主題はF1F2(フレーズの2つ)とは関係ない。

 

大形式の形容詞:
その曲が流れる章を全体から見渡し、「テーマ」を一つの形容詞・形容動詞で表してみる。マクロな時間帯。
形式によってはサブテーマ以降(第2主題)も決める。第3主題以降あればそれも決める。各主題に対応する言葉を入れる。

 

大部分のゼクエンツ:(全体 = ABABAに相当)
別の部分(AやBなど、「小部分のゼクエンツ」をいくつか集めたもの)を挟んで再び繰り返すもの。音楽形式でいう繰り返し。
忘れた頃にやってくる。これで記憶を補完。
音楽がループされるゲームなどでは、しつこくなるために不要なことがある(たとえばABA、終わってまたABAだとAが重なってしつこい)
長期記憶を補う繰り返し。

 

意味:
長期的な時間変化を示す。中形式と異なるのは、主題が変化することで、つまり提示すべきもの(テーマ)が変化する。その時間的変化を捉える。
これ主題の変化を考慮しつつ、部分を示す形容詞や雰囲気などを、言葉で書いていくとよい。

 

 

///中形式(現状・障害・解決あるいは結果)

 

意味:
中形式の意味は、現状→障害・変化→解決・結果に分けられる。変奏曲形式の展開。現状、障害、解決をまとめて合わせてA1、という風になる(要するにF3の繰り返しまでいったらこの部分は終了)
各部は大形式のときより近い変奏で結ばれる。
こちらはある程度の時間経過による変化を示す。
シナリオ音楽では、かなり長時間の主人公の感情(声)や環境音を提示できる。
後半ほど激しくなるのが一般的。これは(シナリオ的な)障害の程度・強度の増幅、数の増加によるもので、シナリオの流れによっては後半でおとなしくなることもある。
前半はわかりやすいものにする。
大形式B以降は「現状」の部分は省略してもよい(Aの解決の時点でBの現状がわかるため)
前後をいっしょにして省略できる。例えば「変化と解決」をいっしょにするとか、「前の結果と現状」をいっしょにするとか、可能。あまり厳密に全部設置すると、長くなりすぎてくどくなるため。
障害でなくてもよく、ただの「時間的変化」でもいい。障害はなくてもいいが、時間的変化は必ず起きる。

 

現状、障害、解決:
これに関しては、シナリオ作成の項を参考にし、どんな障害や解決方法なのか、ちゃんと具体的に言葉で記述する。これによってイメージが出やすくなる。
どんなものなのか、思いつく限り言葉を出してみるといい。

 

///小形式

 

意味:
小形式のまとまりは中形式の1つ分に相当する。これ自体の流れの本質は、単なる時間的進行。
これらはそれぞれいくつかのフレーズ(とそのゼクエンツ)の塊。
フレーズは小形式の中に、だいたい2つくらいある。1つの場合もある。

 

小形式のゼクエンツ:(F1=aaabなど。たとえば現状=F1、障害=F2、解決=F3という感じ。F1F2F3はそれぞれある程度遠い変奏で結ばれる)
4小節〜16小節くらいの、幾つかの別の動機の固まりの部分を繰り返す。「フレーズ(一息)」の繰り返しに相当するが、長さはいろいろで、16以上の大きなものもある。
普通は初めてその部分が演奏されて、その次にすぐ来る。別の部分を挟むこともある。そうなると「大部分のゼクエンツ」と似てくるが、長さが違う。
曲の速度に関わらず必要。
変奏種類のうち、反転や拡大縮小などの大きい変奏はほぼ使わない。小さな変奏でも部分的にわずかに変奏するくらい。主旋律が似ていないと同じものと認識できないので注意。
和声は似ていなくてもいい。
まったく同じものを繰り返すことも多いし、古臭くもないので全然かまわない。
切り取った部分をそれぞれ別のものにし、何度も繰り返したりする。
「動機のゼクエンツ」が何度も繰り返されると、これが不要になることもある。
記憶では短期記憶を補う繰り返し。

 

動機:(aやb)
初動機を作り、その次に来る動機。別の動機を挟まずにすぐ来る。たいてい1回繰り返したら十分。
2,3回以上繰り返したら「小部分のゼクエンツ」は不要にしてよい。
繰り返しが存在しない部分がある。切り取り付け足しにより足された部分などは繰り返しは不要。
これは下の二つに比べて遠い変奏でもいい。変奏種類のどれを使ってもいい。
遅い曲ほど遠い変奏でいい。遅ければ覚えやすいため、厳密な繰り返しが必要でなくなるため。遅い曲ではこれが存在しないことがある。
繰り返し不十分で通り過ぎてもよく、その後は小部分のゼクエンツで厳密な繰り返しを行い、しっかり記憶に定着させるようにする。
超短期記憶の補完で、記憶よりは理解させるための繰り返し。
aとbは無関係。

 

形式の例を出すと:
F1(現状)=aaab
F2(障害)=abab
F3(解決)=abbb

 

中形式(A) = F1 F1z F2 F2z F3 F3z
全体 = ABABA

 

///典型的な形式(参考)
二部形式:アンチテーマ→メインテーマ
三部形式:メインテーマ→アンチテーマ→メインテーマ
変奏曲形式:テーマ1→テーマ2→テーマ3……
複合形式:(変奏曲+ソナタ)テーマ1-1→テーマ2-1→テーマ1-2→テーマ1-3→テーマ2-2……

 

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楽器編成

 

どんな組み合わせでも可能。以下から自由に選択する。
部分によって編成が異なる場合があるので、各部分についてそれぞれ決める。
使用する際の音の高さもだいたい決めておく。

 

///管弦楽
弦:バイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバス
管:フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルン弱
金管:トランペット、トロンボーン(テナー、バス)、チューバ、ホルン強
減衰打楽器:弦ピチカート、ピアノ、ハープ、木琴、鉄琴、
打楽器:ティンパニ、シンバル、トライアングル、タンバリン、カスタネット、マラカス
その他:パイプオルガン、クラシックオルガン、

 

///ポピュラー
減衰打楽器:ギター(スチール、ナイロン、エレキ、エレキベース)、エレキピアノ、クリスタル系など減衰系エレキ、
打楽器:ドラムセット(バス、スネア、ハイハットクローズ、ハイハットオープン、クラッシュシンバル、木のやつ)
エレキ管弦楽:シンセストリング、シンセリード、シンセ金管
空気系:エレキパッド、オルガン、

 

///その他
和楽器:琴、三味線、太鼓、笛、

 

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基準動機を考える

 

基準動機とは:
すべての部分の基礎となる動機。初動機ではない。
まず基本となる形を伴奏も含めて考え、初動機を含めすべての部分の最初はこれを変奏して作る。
これ自体をそのまま使うことはあまりない。
初動機を基準動機にしてもよい。

 

ABとも作る:
AとBの2つ主題がある場合、両方の基準動機をそれぞれ作っておくとやりやすい。

 

要素:
縦要素(各群の音階と高さ・同時発音数・音数密度、縦密度、和声、度数、調内か固定か、最大高と最低高)
横要素(各群の旋律波形、長さ、強弱、高さ、およその音程、極大音と極小音)
思い浮かんだ初動機をさらに少し変奏し、本当の初動機にする。
無駄な音を入れない(ただ和音を満たすためだけの音を入れない。できるだけ旋律的に考える)
同じゲームや映画の中では、別のトラック(メインテーマなど)から動機を取ることがある。

 

旋律:
初めに作る部分はどこでもよく、クライマックスから作り始めてもよい。シナリオと同じく、CL、1stという順番が最良かもしれない。
どの楽器を使うか決めたら、まず調を決める。次に波形(形)を書く。
音のおよその高さ(ト音記号とか書いてわかるように)、大きさも書く。
同じ群のほかの旋律は、楽器、音程の度数、音程が半音固定か音階内固定かを書く。

 

動機a,b:
a,bの約2〜4小節で構成される。aとbはまったく無関係でよい。
aのみでもよい。この場合は1〜2小節になる。
c以降もできないわけではないが、記憶・理解しにくくなる。c以降に見えてもaかbの変奏であることがほとんど。

 

和声の輪郭:
和声の輪郭は「中心和音」を先に決めるといい(ある程度は旋律と和声は必ず同時に考える。和声よりも旋律の法則優先)

 

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動機の変奏

 

初動機の各群の旋律を変奏して初動機の次の動機を考える。
初動機の2倍くらいの長さまで考える。部分の終わりまで考えてはいけない。

 

すべての変奏パターンを出さない:
変奏は、表現すべき雰囲気によって、どの変奏方法が最適かを考える。あらゆる変奏を書き出すのは効率が悪く、表現の意向を考えればある程度制限されるはず。
大事な要素は残す。どうでもいい部分を変奏する。

 

最初に思いついた変奏がボツでも、それをさらに変奏すればいいものができるかもしれない。
変奏は動機すべてに適用しなくてもよく、たいてい部分的に適用する。
複数の変奏パターンを一つの動機に適用することが多い。
主旋律とベース以外は、あまり続かなくてもいい。それぞれ途切れ途切れに出て、一つが休んでいる間にほかのものを出したほうがむしろ自然。
主張度の高いものほど大きく変奏することに注意(理解しやすいので大きな変化に耐えられる)

 

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変奏と変奏割合

 

///旋律の変奏の種類(変化の少ない順に)
切り取り、付け足し、切取貼り付け、コピーペースト、レガート・スタッカート、強弱変化、楽器変更、分割(動機を短く分割し、いくつかの楽器に振り分ける)
和音の変更
平行移動(縦、横)
細分化・単純化、分散・統合(和音を同時に打つか分散和音にするか)
ab変更(動機の順序を変換、ababやabbbなどいろいろな順番がある)
反転(縦、横)
拡大縮小(縦、横)
1フレーズの長さを変える
変奏の遠さ(先に近い変奏をしたら次は遠い変奏を、先に遠い変奏をしたら次は近い変奏を、など)

 

///和声の変奏の種類
切り取り、付け足し
細分化と単純化
順序変換
平行移動(横)、拡大縮小(横)、機能反転(中心和音変換)

 

変奏度合い:
ゼクエンツは記憶するためのものだから、変奏は小さめにする。
別の動機を作る変奏は大きく変奏する。
これら中間くらいの中途半端な変奏は作らないほうがいい。

 

変奏の使いどころ:
切り取り(+貼り付け)、付けたし、削除、コピーは常にどこでも使われる。
細分化や単純化は、少し離れて使うことが多い(部分ごとの変奏など)
部分の終わりには単純化や切り取りがよく使われる(必要なものが削られるため)
クライマックスは音程を上げるため、拡大がよく使われる。
3度の平行やオクターブなどはコピーに相当し、一度単旋律で出した後に、繰り返しでよく使われる。
上下反転は、異なる群で反行カノンなどの形で使われることが多い。

 

伴奏でよく使う変奏:
統合:分散和音⇔同時和音
横拡大

 

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変奏の種類

 

○について:
切り取り、付け足し、切取貼り付け、コピーペーストは、あまりに頻繁使用するので、4つひっくるめて「○」と省略する。
レガート化、スタッカート化→レガスタ

 

///単音
絶対高:縦平行移動、縦拡大縮小、
絶対大きさ:強弱変化、
絶対長さ:横拡大縮小、横反転、細分化・単純化、レガスタ、
音色:楽器変更、

 

///連続音
音程:縦拡大縮小、縦平行移動、単純化、
方向性:縦反転、横反転、分散・統合、
相対長さ:横拡大縮小、横反転、細分化・単純化、レガスタ、

 

///一つの動機
平均高さ:縦平行移動、○、
全体強弱:強弱変化、
一つの動機の長さ:横拡大縮小、○、
開始点:横平行移動、○、
拍と横の数密度:横平行移動、横拡大縮小、横反転、○、細分化・単純化、分散・統合、
横の数密度:横拡大縮小、切り取り、○、細分化・単純化、分散・統合、

 

///複数の動機間
全動機の平均高さ:縦平行移動、○、
最大上下開離幅:縦拡大縮小、縦平行移動、○、
同時発音数(群数):○、分散・統合、レガスタ、
縦方向の音数密度:縦拡大縮小、○、
主張度:縦拡大縮小、横平行移動、横拡大縮小、○、細分化・単純化、レガスタ、

 

///その他の意味を持つもの
記憶させるための反復:○、ab変換
1フレーズ全体のベース素地決定:和音機能変換

 

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部分の初動機

 

全体の各部分の初動機を、あらかじめ作っておくとよい。部分の続きを作るより、先に各部の初動機を作る。
初動機はすべての群を作っておく。部分の残りは後で作る。
各部分ごとに、初動機の変奏のしかたが異なるようにする(さもないと単調になる)
先に部分ごとの変奏を決める。先に細かい変奏を決めてはいけない→細かい変奏は小さく、部分の変奏は変化を大きくするほうがおもしろい。
部分の変奏は大きく変化、大部分の変奏はさらに大きく変化させる。

 

和声と調の輪郭:
部分の調を決める(最初より+か-かなど)
部分の最初と最後の和音の機能くらいは出しておく(部分で対照する)

 

群単位で行う変奏:
群間で変奏する(ある群のものを別の群へ持ってくる)
群を新規に加える。あるいは群を取り除く、コピーなど(付け足し、削除、コピー)

 

表情:
強弱、速度の変化も書く。
どのように変奏したか書く

 

///各部分について白紙に設計
各部分ごとに、群を明示して音符だけ書く。五線譜には書かない。
最初に必ず各部分の初動機をすべて書き、その後各部分の続きを書くようにする。いきなり一つの部分すべて完成してはいけない。始めに大部分で次に小部分。

 

///チェック
白紙設計が終わったら、簡略化してピアノで弾き、大まかな形をつかみ、いいか悪いか判断する(チェック)

 

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五線譜に設計(慣れればこの過程を直接打ち込みにする)

 

///紙(五線譜)に書くときの注意
楽器は、弦、管、金、その他に分ける。
旋律を書くときは、3度以上の音程は印( [ )を付けてわかるようにする。
最高点と最低点に印

 

///ほかの群の調や旋律を作る(何群かを書いておく)
多くの場合、主旋律群・対旋律群・リズム部に分けられる。
主張度の低い群はリズム部として機能することが多い。
最高音と最低音は目立つ(主張度が高い)

 

この段階では詳細に音を決めるので、対位法を厳密に使っていく。
また楽器についても厳密に設定していく。

 

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音の要素と意味

 

音の出し方によって分類する。
音の出方→衝突、摩擦、空気振動(声も含む)
特殊な音の出方→爆発(化学反応)、放電(雷など)
単音の意味は以下のとおり

 

///絶対高
高い→高い、軽い、明るい、小さい、危険、叫び、女性的、幼い
低い→低い、重い、暗い、大きい、安全、凶暴、男性的、大人びた

 

///絶対大きさ
大きい→近い、強い、大声、激突、
小さい→遠い、弱い、ささやき声、接触、

 

///絶対長さ
長い→長い、遅い、(横に)広い
短い→短い、早い、(横に)狭い

 

///音色
管楽器:空圧軽楽器という特徴から、小動物の「鳴き声」「叫び」に近い。
金管楽器:空圧重楽器のため、巨大生物の「鳴き声」「吠え」に近い。
弦楽器:音色に表情があるため、最も「声」に近い。
打楽器:衝突音の再現に適する。高音では水滴など。小物の衝突。

 

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横の連続音の意味

 

///音程
大きい→急激、突然、

 

///方向性(旋律波形)
上行→上昇、緊張、高揚、
下行→下降、弛緩、落胆、
平行→無変化、無表情、平坦、退屈

 

///相対長さ
短い→長い:初めが強い、突然
長い→短い:後が強い、ゆっくり

 

//速さ
速い→速い
遅い→遅い

 

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一つのフレーズ(動機)の意味

 

///平均高さ
単音の高さと同じ。

 

///全体強弱
強くなる→近づく、大きくなる
弱くなる→遠ざかる、小さくなる

 

///一つの動機全体の長さ
長い→人間の感情、言葉、動物、
短い→植物、自然物質、人工物

 

///開始点(発するタイミング)
早い→(時間的に)早い、前衛、こっち、最初、
遅い→(時間的に)遅い、背後、向こう、次、

 

///拍と横の数密度
拍の最初に音が密集→強い
拍の後方に音が密集→弱い

 

///横の数密度
密集→速い
発散→遅い

 

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複数の動機間の意味

 

///全動機の平均高さ
単音と同じ。

 

///最大開離幅(最高点と最低点の幅)
大きい→(上下に)広い、開放
小さい→(上下に)狭い、密閉

 

///同時発音数(群数)
多い→多い
少ない→少ない

 

///縦方向の音数密度(同時に鳴る動機の数密度)
密集→(上下に)密集
発散→(上下に)発散

 

///主張度

 

基本的に、主張度の高い順から主人公の感情(口)から離れていく。

 

主張度の高い音(主旋律):
主旋律は変奏が複雑なため、人の声と考えていい。
シナリオでは主人公の声、想像の中の声と考える。

 

主張度が中間あたりの音(副旋律、対位旋律):
主人公と環境との接点の音(地面を蹴る音など)や、体内の音など、主人公の「口(声)」から少し離れた位置の音。

 

主張度の低い音(リズム伴奏など):
主人公を囲む環境や障害などの音と考えていい。
リズム的伴奏がない場合、環境が沈黙しているか、環境が主人公にとって不明な場合。

 

/////////////////////
部内の変化率

 

これらすべての要因について、変化率というのがある。
ある部分内で、どれだけその要因がめまぐるしく変化するか、の割合。

 

変化率は「速く変化する」「遅く変化する」さらに「変化があまりない」「多く変化する」がある。
まとめると

 

速く小さく変化する。
速く大きく変化する。
遅く小さく変化する。
遅く大きく変化する。

 

の4種類ある。

 

縦要素:高さが早く変化、同時発音数が変化、密度(縦、横)が変化、和声が変化、度数が変化、調内か固定かが変化、最高と最低音の範囲が変化。
横要素:旋律波形が変化、長さが変化、強弱が変化、高さが変化、音程が変化、極大極小位置が変化。速さの変化率。
単音:高さ、大きさ、長さ、音色が変化。
横連続音:音程、方向性、相対長さが変化。
1フレーズ間:平均高さ、全体強弱、同時発音数、開始点、横密度が変化。
複数動機:平均高さ、開離幅、同時発音数、縦密度が変化。

 

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音の各要素と自然界との関係(参考資料)

 

音楽は基本的に、自然界に存在する「音」の模倣である。
旋律は人声の模倣と考える。
植物や無生物は声を出せないので、音は単調な繰り返しが多い。

 

絶対高:
大きく、重いものほど、空気を振動させる波長が長いので、衝突・摩擦・気圧で低い音が出る。したがって「地」は低く(大地は重いので)、「空」は軽いために高い。太陽は「高い」音。
声では、危機状態では高い声に、威嚇などでは低い声に。人声では声変わりによって、低い音は男性的となる。

 

大きさ:
近いものほど大きく聞こえるので、大きい=近い。
衝突、摩擦、気圧、いずれにしても、「速く」ぶつかり、「強い」力がかかることで大きな音が出るため、大きい=強い、激しい(瞬間的に速い)

 

一つの音の長さ:
気圧、摩擦時間と関係がある。衝突では一瞬のため、長さの調整は厳密には不可能。
物理現象では、連続的な衝突・摩擦などを一つの音として、持続性を意味する。
声では肺活量の都合で、長い声ほど弱くなる。つまり長い=弱い。

 

音色:
たいていは、空気の震え(人声、空圧の差)、摩擦、衝突、弾きの四つの方法で音は出る(機械音・爆発・放電などは除く)。それぞれの出し方で特徴のある波形が出され、それが音色となる。
楽器は人工物だが、似た音があればそれに似せることができる。
自然界の音からの連想で、たいていのイメージが出来上がる。
自然界の音は大きく分けて、動植物(鳴き声、環境との接触音)と物質(水、空気、火、地面……)に分けられる。
人の声は別に考えたほうがよい。人声の要素は、大きさ、長さ、高さの三つで、各々「絶対値」と「変化率」があり、計6要素。

 

一つの動機全体の長さ:
動機全体が短いと、繰り返しが多くなるので単調になる。単調=無機質。
主旋律の普通の1フレーズは、呼吸の長さに関係する。

 

横の数密度:
密度が高いと、単位時間当たりの衝突、摩擦、弾きなどの回数が多いと考えられるので、速いイメージ。

 

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器楽法

 

以下、管弦楽オーケストラの編成について。

 

///音量の問題
弦楽器→あらゆる音域で、あらゆる強さが可能
管、金管楽器→その楽器内で、低音域は強くするのが不可能。高音域では弱くするのが不可能。

 

管楽器の「聞こえなさ」:
管楽器の数が少ない、音量が低い、音域が低い場合、弦楽器や金管で音が消されることがある。
管楽器より金管のほうが音量が大きい。金管は小さくすることが難しい。
したがって、管楽器が楽器内で低音域では、金管はゼロか弱い音、数が少ない場合でないと管楽器は聞こえなくなる。
金管が強いあるいは数が多い場合、管楽器は高音域で数多くユニゾン・オクターブなどで強くしないと聞こえない。
金管だけでなく、弦楽器がうるさすぎても管楽器は聞こえにくくなる。

 

///音色の問題
弦楽器:全音域でもっとも均一な音が出るので、主張度の高いものでも低いものでもいける。
金管:かなり均一な音が出る。
管楽器:音域で音色のばらつきが強いため、主張度を低くする(和音を埋める)のに向かない。

 

均一性の問題:
楽曲のほとんどは全音域で均一な音色の出る弦楽器が入る。弦のない部分はふつう非常に少ない。
弦楽器、管楽器、金管の群が混ざっていて主張度の異なるものがある場合、基本的にはまず弦楽器を主張度の低いほうにする。
よって、弦楽器が旋律を弾いて管楽器が和音を埋めている、ということは不自然。
特に低音では、チェロやコントラバスが旋律でファゴットやチューバが伴奏ということはまずない。
ただし管楽器のみ、金管のみという組み合わせはある。
管楽器と金管のみで、弦楽器がないということはまずない。

 

各楽器の音色:
似た音色であれば、片方の演奏できない音域でもう片方を代わりに使用できる。
似た音色は同じ群として使用して安定。異なる音色を同じ群にする場合、ユニゾンかオクターブでないと苦しい。これは他の楽器でも同じこと。
管楽器としてのホルンは、ほかのどの管楽器とも似ていないので、独立した音色として扱う。基本は4本あるので音域にはあまり困らない。
金管としてのホルンも、他のどの金管とも似ていないので、やはり独立した音色として扱う。
管楽器の音域のばらつきをなくすため、異なる音色を同じ群として使用する場合、上から交互に入れていって少しでも均一にする「嵌め合わせ」を使う。たとえば高音から順にfl,ob,fl,obなどとする。fl,fl,ob,obとしない。

 

///似た音色ごとに分類

 

管楽器:
1.フルート、低・高音クラリネット、
2.オーボエ、ファゴット、中音(C5付近)クラリネット
3.小音量ホルン
の合計3群。

 

金管楽器:
1.トランペット、トロンボーン(テナー、バスとも)、チューバ
2.大音量ホルン
の2群。

 

弦楽器:
すべて均一のため、1群しかない。

 

減衰楽器:
ピチカート(全音域で均一)
ピアノ、ハープ、木琴鉄琴など、すべて異なる音色。

 

///音域ごとの使い方

 

根音(バス音):
和音を示すためのバスは旋律的にしにくい。和音を示すのが一つの役割。
このバスのために使われる楽器は、主にコントラバス、チェロ、ファゴット、チューバ、バストロンボーンだが、全体が高ければその中で一番低いものがこれを担当する。
コントラバスがバスでチェロが旋律をしてもいい。同様にチューバがバスでその他トロンボーンが旋律をしてもいい。
オクターブあるいはユニゾンで強力なバスを担当させられる。
低い音ほど音程は大きくなる。倍音の関係。

 

///楽器の音の長さの制限
弦楽器:ほぼ自在。強く長く弾くこともできる。
管楽器:強いと長く吹けない。定期的に息継ぎが必要。
金管:強いとほとんど一瞬しか吹けない。定期的に息継ぎが必要。

 

///演奏速度の制限
DSでは以下。ただし木管でも同音連打は可能で、金管で速い旋律も可能(難しい)
弦楽器:ほぼ自在に演奏可能。
管楽器:異なる音をすばやく演奏するのが得意。同音の連打は高速だと不可能。
金管:異なる音をすばやく演奏するのは不可能。同音連打が得意。

 

///通常の編成
DSでは以下の編成。
木管:fl2,ob1,cl2,ho2,fag2
金管:tru2,tro3(ten2+bas1)
弦:vln2,vla1,cel1,con1
打:tim1

 

少し大きい規模では、ob2,tru3,ho4,vla2,cel2となる。
小編成では金管抜きでやる。
弦のみでも可能。弦と木管は可能だが、弦と金管のみというのはあまりない。
金管のみ、木管のみ、金管と木管のみというのは通常はない。

 

減衰系楽器:
オプション的に減衰系楽器が付属する。
ピアノ協奏曲ではピアノが付く。
オプションとしてharp,glocken(鉄琴),xylo(木琴),タンバリン、トライアングルなどがある。

 

///低音の楽器にベース
エレキベースはどんな編成にも合う。オーケストラでもチェロ、コントラバス、ファゴットの代わりにエレキベースが使える。

 

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音階

 

短時間で音階が交代することがある。
各音(各群)ごとにそれぞれ決める

 

DS:長調、短調とそれの±1の教会旋法。ほかは美しくはない。

 

///全音階

 

長調短調:
楽器との組み合わせで、音の高さの都合で選ぶことが多い。
♯や♭が多いのが嫌なら半音ずらせばいい。

 

教会旋法:
長調短調の+1か-1。
短い期間で近親の長短や教旋へ移動してもいい。

 

教会旋法の応用(自由な基音):
教会旋法は長調短調の±1なのだから、2以上でも可能なはず。
つまり、一つの音階において、基音がどれでもいい、という考え方が理論上は可能なはずである。
例えばハ長調でレやミを基音にして和声を形成することも可能なはずである。

 

///数学音階
転調が存在しないため、長いこと使っていると飽きる。
したがってこれらの音階はメインというより、一時的な挿入でしか使い道がない。

 

全音音階:
3度堆積で3和音が多いが、2和音も多い。
複数調にする場合、全音音階と半音音階以外の調とは相性が悪い。
あまり長く続けられない(和音が2つしかないので単調になる)

 

半音音階:
単旋律(1和音)、ベースでよく使う。
半音レベルで同じ度数で堆積していく。
実際は2度(長短)か7度(長短)で堆積する(それ以外だと別の調の和音と同じになる)

 

減音音階:
3種類あるうちどれかを選ぶ(3つある減和音を2つ組み合わせる)
基準音を決めた場合、2種類しかない。
出だしが半音のものは長調と単調のTが含まれるのでよく使われる。

 

///その他の音階

 

5音(日本): 陽旋法、陰旋法ともに、どの音を基準にしても成立しそうである。

 

12音技法:
できる限り協和音が含まれないように主旋律を構成(2,4,7度を使用)
ほかの群は主旋律以外の音を使用する。

 

スクリャビンの和音:
全音音階の第5音が半音上がったもの。
全音音階を4度で堆積するときに使うことがある。

 

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同じ群内での旋律の強化

 

///音程
同じ音色では、ユニゾンは不可能なので、オクターブで強化することを考える。
異なる音色では、ユニゾンか、あるいはオクターブで同じ群に重ねることで強化できる(単に強く演奏するのとは意味が違う)

 

ユニゾン(1度):同じ旋律を重ねる。DTMでは異なる音色でないといけない。
オクターブ(8度):8×整数、離した音を重ねる。同じ音色でもいい。

 

一定音程:
音階内でその音程重ねる場合と、完全固定音程(半音単位で固定)の場合がある。
完全固定音程では、各旋律はすべて異なる音階になる。最初に主旋律の音階を決める。
その部分の和音(体積度数)によって重ねられる音程が異なる。

 

8×整数+一定音程、離すことができるが、最初にこの一定音程離した後に8×の分を足す。たとえば最初3度の音程を重ね、足りなければ11度を足す。

 

古典和声→体積度数は3のため、3,6度になる。
近代和声→体積度数は4,5があるので、4,5度。2,7度和声では2,7度。6度和声では3,6度。

 

一定音:
和声内の一定音を連打するだけ。
和声内の異なる音を行き来すると分散和音になる。

 

///群が変わらない変奏
以下の変奏を単独で行っても、群は変わらないものとみなす。

 

一部切り取り、付け足しレガート・スタッカート、強弱変化、楽器変更
細分化、単純化、
平行移動(縦)、反転(縦)、拡大縮小(縦)

 

 

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対位法

 

以下の項目はすべてDSである。美しくするための法則のため。

 

///禁則事項

 

不協和音程の定義:
和音を構成する音はすべて協和音程として扱い、解決してはいけない。
たとえばドミソシの場合、シドは和音内の音なので、このまま解決しないようにする。
ただしドミソの和音でシが出たときは、もちろん解決する。これはドミソシと区別する。

 

不協和音と対位法:
主張度の高い音は対位法として使用する。主張度が低い旋律はあまり気にしなくてもいい。
基本的に「協和音程」の定義は「そのときの和音の堆積度数」になるので、主張度の高い旋律同士の音程はこれに従う。
4和音以上だと和音内でも不協和音程ができるが、これはできるだけ不協和音程にならないようにする。不協和になったら解決する。
たとえば和音がドミソシだったら、主張度の高い旋律同士がドとシだった場合、解決しなければならない。主張度が低ければさほど気にならないので放置してもよい。

 

必須事項(絶対に禁止):
不協和音程は、片方が固定の長い音(同音連打でもよし)でない限り、2回以上続けてはいけない。最悪でも3回以上続けてはいけない。不協和音程の、片方が固定の長い音(同音連打でもよし)である場合、長いほうの音が移動するまでは解決しなくてもよい。
協和音→協和音の場合、現在の和音の堆積度数でのみ、平行移動してよい。たとえば3,6度堆積和音では3,6度平行移動が可能。4,5度、2,7度は禁則になる(連続不協和になる)。4,5度堆積和音では4,5度の平行移動が可能。3,6度、2,7度は禁則になる。
半音→1度はいかなる場合にも禁止。
短9→8,長7→8は、直行のみ禁止。

 

任意事項(できれば禁止):
不協和音の解決は、片方が2度進行であるほうがよい。特に最高音と最低音は、2度進行で解決するほうがよい。
音符が1対1でないとき、協和音を4回以上続けてはいけない。3回に1回くらいは不協和音を入れる。
異なる群で、音符が1対1のとき、同じ音程で4回以上続けない。
対位法的な二つの異なる音が1度になるのは、できれば禁止。8×整数はかまわない。

 

///旋律作成の必須事項

 

以下は必須事項で、絶対に守る。
特に「3度以上の度数」「極大点と極小点の比較線」「旋律の波形(音符の上をなぞるだけ)」は書きながら進めるとよい。
これらは小部分だけでなく、大部分でも適用される。

 

全体:
同じパターンの変奏を繰り返し過ぎない。
強くしたい部分(主にクライマックス)に最高音・最高音程を持ってくる。

 

度数:
1度と2度(半音含む)ばかりにならないようにする。かといって3度以上の音程が何度も続くのはよくない。
3度以上の音程は3回以上続かないようにする。飛びすぎると歌いにくい→旋律的でない。
3度以上の音程は、「同じ度数ばかり(6度ばかりとか)」使ってはいけない(3度以上は度数を書いてチェックする)
2度音程でも、少しでも半音と全音が均等に混じるようにする。
同じ2度音程でも、半音と全音をまんべんなく入れる。全音だけ長く続くとかよくない。

 

高さ:
極点(部分的な最高点と最低点)がずれるようにする。
同じ高さの音が何度も続くのはよくない。できるだけさまざまな高さの音が均等に入るようにする。
複旋律の場合、同じ音程ばかりにならないようにする。

 

方向:
方向が偏りすぎていないか(波を書く。上行、下行が交互に来るようにする。)
複旋律の波が、平行進行、反進行、陰復のどれかに偏りすぎていないか

 

///旋律作成の任意事項

 

必須というほどでもないが、できれば守ったほうがよい。

 

4度以上飛んだら、次は同じ方向へ2度進行するか、できないなら逆方向へ行く。ただし分散和音なら問題なし。
跳躍進行したら、できるだけ次は逆方向に進むように。さらに同じ方向へ進んだら、できるだけ早めに逆方向に進む。
旋律進行の後に同じ方向に跳躍進行するとややおもしろくない。
跳躍音程のうち、明らかな不協和音程は避ける。たとえば3度和音での減5度、長7度など。
刺繍音の中には半音上げたほうがいいものもある。

 

///チェック

 

複旋律で不協和音の連続がないか、解決しているか
旋律のみ弾いてみて、よくできているかどうかチェックする。
各群を単独で弾いてみて、良い旋律かどうかをチェック。

 

///主張度
主張度は、低くすべき旋律群が高くなりすぎてはいけない。
主旋律・対位旋律・リズム部(和声を埋める)に順に低くなる
旋律の法則に従っているほど主張度は高くなる。
もともと主旋律、バス、内声の順に低くなる。
もともと主張度の高い群は、複雑に変奏される(バスの変奏は単調になりがちなので注意)

 

主張度を決める要素:
非和声音の多さ(多いほど高い)
動機の長さ(休符が多いと低い、横分割と関係)
変奏の多さ(単調なほど低い)
音高(高いほど高い)
すでに何度も繰り返されている(繰り返されているほど低い)

 

主張度と音階:
主張度の高いものは、短時間で音階を代えないほうが自然。
主張度の低いものは、短時間で音階を代えてもかまわない。

 

///次の部分を決める
再び変奏して次の旋律を決める。

 

///五線譜に書く
五線譜に丁寧に書き込んでいく。
その後打ち込み。

 

///その他技法

 

速い音階:
単純化して、旋律の太い部分を取り出し、それが自然になるようにし、後に細分化すると自然になる。

 

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和音

 

DS:3度堆積による3和音、もしくは4和音くらいまでがデフォルト。調数は1。

 

堆積度数(2〜7):
3,6:調和、4,5:空虚、透明、2,7:鋭い
展開度数の和音は混入させても違和感がない。例えば4,5度の和音は混合で使っても違和感がない。3度和音に6度和音を混入させてもかまわない。

 

堆積数(1〜12):
通常は3くらい。1は単旋律。2は空虚な2和音。
6以上はあまり使わない。
4以上の場合、4以上のその部分の音はできるだけ解決(2度下がって別の和音に行く)したほうがいい。

 

付加和音:
その調内の音か調外の音かで効果が異なる。
また、元となる和音に全音で付加されていれば安定だが、半音で付加されているとかなり悲痛。

 

無解決前打音:
解決しないままの前打音。普通3和音での3音が4音のまま終わる場合が多い。
やや空虚な終止感。
実質は4度堆積和音の転回形。本当の前打音ではない。

 

持続音群:
ある和音の根音を持続させることで調性を維持、安定させることができる技法。
遠隔転調を何度も行うとき、調性を安定させられる。
ある一つの和音を維持するための音。最低音か最高音であることが多い。
根音だけでなく、その調のいくつかの音をまとめて繰り返し、ずっと持続音にし、持続音群とするようなものがある。

 

平行移動(半音レベル、音階内レベル):
縦の音の間隔を維持したまま次の和音が形成される。近代和音。
音階内でできるものと半音レベルで完全に間隔を維持するものがある。

 

半音変化和音:普通の和音のどれかが半音変化している。

 

///複数調
元調の半音下の調を第2調にし、元調の高音部に第2調をつけることが多い。
調数が増えると、堆積数も減る。

 

///配置

 

音の移動度数:
和音が変わるとき、基本的に最も近い音に移動する。これが旋律的であるから。
ただし旋律性が優先であり、旋律的な都合があれば、もちろん遠い音にも移動する。
同じ楽器で「交叉」が起こると、どちらがどちらのメロディなのかわからなくなるのでできるだけ使わないようにする。異なる楽器ならよい。

 

縦の配置(密集配置と開離配置):
倍音の都合で、低音域はできるだけ離すように配置。高音域は近くてもよい。
バスとアルトは13度以内、その以外は8度以内が安定。
次の音はなるべくさっきの音と近い位置に付けると主張度が低い(伴奏時に重要)
3和音では省略できるのは5音。つまり根音と共鳴しやすい部分から除いていく(類似音とみなすため)

 

///機能
中心和音を決めるときに機能を参考にする。
T、V、Y→トニック、X、Z→ドミナント、U、W→サブドミナント
終止法とは、要するに「区切りをつけるための方法」で、形式論的に「ここで部分が終了」と示すためのもの。

 

古典和声と終止法:
古典ではD→Sは不可。あとはどんな進行でもできる。
全終止:Tが中心で、最初と最後を担当。曲の最後や、部分の最後は全終止。
半終止:DはTの前に用い、半終止が可能。半終止はそれ以降に、前と同じ部分が繰り返される。つまり繰り返し部分のつなぎに使う。
全終止、半終止ともに、2か4を5の前につけることで、よりはっきりと区切りの感じを出せる。
終止時の短調の5の第3音を半音上げるが、上げないのは教会旋法の一種とみなすので、近代和声の範疇とする。

 

近代和声と終止法:
近代ではTやDのみなど、機能にとらわれない対照を持つ。
どんな和音でも半終止、全終止できる。平行終止→UやZから、T終止→VやYから、
近代では、終止法は和声はなんでもよく、旋律の形による部分が大きい。最後の音符を簡単化して(長く伸ばすことで)終わった感じを出す。

 

///根音旋律と転回形

 

根音旋律の傾向:
転回とは、一言で言うと、根音が何になるか(バスが何か)という問題である。根音はバスとして和音を決めるので、ただの旋律ではない。
普通に聞いている限り、主旋律の次に主張度が高い。メロディの次に目立つ旋律。
根音そのものは和音であるので、通常はゆっくり移動する。
転回は基本的に、根音を滑らかにする目的で使う。つまり旋律的にするために「いつの間にか使っている」というもの。

 

3度和音の根音旋律の必須事項:
基本的に、最初と最後は転回なしを使う。それ以外ははっきりした規則はない。
曲の開始時点で調を示すためのT(出だし最初がTでない場合がある)は、転回を使ってはならない。
曲の最後のTでは、転回は使ってはならない。

 

3度和音の根音旋律の任意事項:
区切りを示す終止法の、区切る瞬間の和音(半終止のXや全終止のTなど)では、できるだけ転回を使わない。
あまり連続で長い間転回を使い続けないこと。適度に転回と転回なしの和音を混ぜるのが最もよい。
連続で長い間第2転回を使う場合、別の和音と解釈される場合がある。たとえば3度和音の第2転回をずっと使い続けると、6度和音と解釈すべき。

 

近代和声の転回:
どう使うかという問題は、対位法的に使えるかどうかという問題になる。

 

3,6度和音→1転回は連続でも使用可能。2転回は偶成和音以外では使えない。3転回はバスが2度下がる。4以上の転回形は使用不可能。
4,5度和音→転回すると多くの場合2度音程ができる。対位法的に使えるかどうか、2度が適切かどうか考えて使う。偶数回数の転回形(2転回や4転回)は、2度和音がたくさんできるので、あえて2度を出したいときは使える。
2,7度和音→よほど理由がない限り、転回は使わない。転回を入れると2度と7度が重なるので使いにくい。対位法的に使いづらい。2和音だと2度和音は7度和音になり、7度和音は2度和音になる。

 

///非和声音

 

非和声音を解決させることでその部分の和音を示すことができる。
適当に非和声音が入るようにする。まったく入らないと不自然。
前打音、繋留音はそれで近代和声を構築することがあるので注意。
前打音、繋留音が直行2度、直行8度が不可能な理由→対位法的に直行2度、直行8×整数度が悪いから。

 

経過音、刺繍音、先取音

 

//////////////////////////////////
転調

 

DS:近親調以外の転調はしない。

 

古典的転調:
転調先にしかない音を特徴音といい、それが出て始めて認識される。
特徴音は、和音内でなくても、各旋律のどれか一つに出ていれば転調を認識できる。
突然特徴音を出すと、突然の転調で不自然なこともある。特徴音を出すタイミングは、遅いほうが自然に聞こえる。

 

一般論:
どんな調にでも転調は可能。バスの流れで決まる。
一瞬変化して元に戻る「代理和音」「借用和音」は転調ではないとみなす。
借用和音は、同じ形の調(同形調)か同じ基音の調の和音(同基調)から借りること。長調短調、教会旋法から減和音まですべて含む。
代理和音は根音の基音からの度数が同じだが遠隔調のもの。たとえば長3度と短3度を根音に持つ2つの和音は代理の関係。

 

代理和音:
遠隔調(特に3度の調)へ転調し、すぐ元の調へ戻った場合は「代理和音」とする。
転調してずっとそのままなら文字通りの転調。

 

代理和音の機能の判断:
遠隔調へ転調し、すぐ元の調へ戻るとき(代理和音)、その遠隔調和音の機能はベースからの度数によって決める。
度数は長、短、増、減含めて度数で数える。たとえば増4度ならS。
1,3,6:T
2,4:S
5,7:D

 

///ベースの度数と転調、和音
ベースの流れは曲全体の雰囲気を決める。下方なら落ち込んで行き、上方なら高ぶっていく。
ベースの度数は和音と調と直接関係する。
ベースは半音階で作ることもできる。積極的に半音を入れると良い。

 

転調の雰囲気は、機能感と調感と移調感がある。

 

完全4,5度:S、D機能の度数なので、機能感が変わるが、近親調の範囲が多いので調感は変わらない。
長、短3度:3,6度はTなので機能感は変わらないが、遠隔調が多いので調感が変わる。
2,7度(減、増含む):バスが旋律的な動きなので、移調した感じがある。全音より半音のほうが移調度、変化感は少ない。遠隔調で機能も変わるが、それらはあまり感じない。
増4度:かなり不安な感じ。調感、機能感、すべて大きく変わる。

 

///その他チェック
一つの群の音域が中心から離れすぎていないかどうか
無駄な部分がないかどうか(すでに十分記憶されていると思われる繰り返しなど)
退屈と複雑のちょうど中間にあるかどうか(大きな変奏は部分間で、小さなものは近接で)
不要な音は取り除く。

 

////////////////////////////////
演奏

 

調整の順番:
アーティキュレーション、(およその)ベロシティ、エクスプレッション、ベロシティ(ヴォリューム)、EQの順に調整する。
ベロシティは楽器の弾き方影響するので最優先、次に単音ごとにエクスプレッションをつける。それにあわせてボリューム、最後に足りない周波数域をEQで補う。
ボリュームは全体を全て変えてしまうため、部分的に、例えばメロディを目立たせたいときなど、メロディが異なる楽器で演奏されるオーケストラでは都合が悪い。この場合はボリュームではなくベロシティで部分の音量を調整する。

 

ベロシティ:
ベロシティレイヤーが変わるとき、突然音の質が変化したり、音量が変化しすぎたりする。同じフレーズ内でベロシティレイヤーが変化すると、その音だけおかしな音になってしまう。
ベロシティレイヤーが少ない少ない楽器では、フレーズ内ではベロシティを一定にし、エクスプレッションだけで強弱をつけていくといい。特に弦や管のレガートの強ベロシティレイヤーは、値が100〜127の範囲のためほとんど強弱がつかない。
ベロシティレイヤーがたくさんあるピアノなどは、ベロシティだけで強さを調整する。
短い音ばかりの部分はアーティキュレーションも多いため、エクスプレッション一定でベロシティだけで調整したほうがやりやすい。
短い音は強弱を極端につけたほうが面白いことが多い。長い音はあまり強弱をつけすぎると不自然に聞こえる。

 

ベロシティレイヤーの極端な変化:
VIENNAのレガートのように、ベロシティレイヤーが2つしかなく、強いときと弱いときで音の強さが極端に異なると、普通に使っていると弱いレイヤーの音が小さすぎて、まったく使わなくなってしまう。
これを防ぐため、強いレイヤーではエクスプレッションを低く制限し、弱いレイヤーではエクスプレッションを高く制限すると、滑らかに音量を変えられる。
強いレイヤーでは30〜100程度に制限し(強いレイヤーより30下げる)、弱いレイヤーでは64〜127くらいに使ってみる。
ピアノはベロシティレイヤーしか使わないので、急激な音量変化にはエクスプレッションを変化させて調整する。
エクスプレッションを急に変化させる場合は、次の強くするべき小節やフレーズのわずか手前で滑らかに音量を上げ下げさせるといい。ちょうど音の切れ目は音量が減るので、不自然さがなくなる。

 

部分と音の強さ:
ある程度、動機やフレーズのまとまりでで部分わけし、それぞれの部分の音量、というものを決めたほうがいい。
音量は急激に変化させたほうがよく、部分によって平均の強さというものがあり、別の部分に入る瞬間は急に強くあるいは弱くなるようにしたほうが、ダイナミクスがついてよい。
強さは相対的に感じられるため、どれくらい強弱をつけるかは、前後のつながりによる。絶対音強で決めるわけではない。

 

主張度と強弱:
旋律のいわゆる「主張度」によって必要なダイナミクスが異なる。主旋律などの主張度の高いところは変化を激しくしないと退屈に感じるが、主張度の低い和音伴奏などは、変化があまりなくてもよい。対位旋律は主張度が高いのを忘れずに。
主張度の低いところは、強弱が遅れてつく。緩やかに強弱がつき、主旋律ほど短時間で強弱が代わらない。より滑らかに変化することが多い。

 

ダイナミクス(フレーズ間、大きな塊ごとの強弱):
音の強さも表現の一つのため、強弱がわからないようではいけない。ある程度強弱が聞いていてわかるようにする
よって、強弱は一般的に、短い時間でできるだけ急激に変化させたほうがわかりやすい。あまり長い時間かけて少しずつ強くしたのでは、聞いていて変化がわかりにくい。
短い時間に音の強弱があまりたくさんあると不自然。例えば一音一音音の強さが強くなったり弱くなったりすると、つなぎが不自然でおかしくなる。強弱はある程度の長さを持って強さが変わる。
簡単にいうと、1つのフレーズの中では音量はあまり変わらない。フレーズや部分が変わるときに音量が急に変わると考えていい。
開始点や終了点の「無音」や、部分の開始・終了の「分け目」を強調・わかりやすくするため、開始・終了時は音を弱くすることが多い。つまりフレーズのはじめと終わりは弱い。
経験的には、およそ滑らかな山をいくつも描く要領でエクスプレッションをつけるといい。あまり急に変化させてもおかしくなる。
アクセント(VEL上げる)は普通、極大か極小点に使用する。
歌は強い音量の場合、呼吸の都合でフレーズそのものが短くならざるをえない。短いのに強くしないように。

 

音の長さとダイナミクス(フレーズ内、塊内での強弱):
基本として、音の長さや音程が単調で、飽きはじめた頃からダイナミクスをつけ始めるようにする。飽きてない頃からダイナミクスをつけ始めると、情報が混在して理解しにくくなる可能性がある。
短い音と長い音が混じっている普通のフレーズの場合、短い音符ではあまり変化がなく、長い音符でダイナミクスをつけるようにするのが普通。長い音符は、単音では変化がなくて単調なため、ダイナミクスをつけて飽きないようにする。短い音はすぐ音程などが変化するので、ダイナミクスがなくても飽きない。
長い音でも、飽き始めた頃からダイナミクスをつける。つまり最初からダイナミクスがあるわけではなく、長い音の中間辺りから音量が変化する。ちょうどビブラートのように、退屈し始めた頃に変化をつけ始めて飽きないようにする。
長い音ばかり、あるいは短い音ばかりの場合、その塊の最初の部分では一定だが、少ししてからダイナミクスがつき始める。これも原理は同じで、同じ長さの連続音に飽き始めた頃からダイナミクスがつき始める、ということ。
短い音の連続では、似たようなフレーズが続く場合はダイナミクスをつけて飽きないようにするが、まったく異なるフレーズが次々と表れて、音程だけでも飽きないならダイナミクスをつける必要はない。
かなり長い音符では、ダイナミクスをつけると強弱が大きすぎることがあるため、一度反対方向へ変化させてから変化させることが多い(強くするところでは、いったん初めに弱くし、後でもっと強くする。弱くするところではいったん強くしてから弱くする)

 

エクスプレッションの書き方:
エクスプレッションの書き方はオーケストラでは非常に重要。
書き方だが、直線ツールでマウスで直線でつないでいくのがいい。タブレットで手書きで書くと、実際は音がふらついて不自然になってしまう。
経験的な感覚だが、エクスプレッションは64以下で音が小さすぎる。すべて64〜128の間で調整したほうが無難。

 

アーティキュレーション:
あまり短時間内でアーティキュレーションを変えまくるのはやめたほうがいい。基本レガートで、たまにsfz、長い音ではsus、短い音の連続ではstacという風にしていくと無難。

 

ポルタメント:
通常、非常に強い部分の、長い音符の直前で使用する。
少なくとも早い演奏ではポルタメントそのものが不可能で、長い音符かゆっくりの部分で使用する。

 

速度:
最も強調する部分では遅くなる。遅いほうがよく聞こえるため。特に強調したい部分、音の強い部分・高い部分の強拍では遅くすると効果的。
音量にアクセントの付いた部分や極大点、極小点では遅くなることがある。
曲あるいは部分の開始や終了時は遅くする。これは無音部分からの「つなぎ」のようなもので、客に耳を慣れさせる意味がある。
速いとすぐ通り過ぎるため、頭に残らない。繰り返しが多い部分など、退屈になりそうなときは速くする。

 

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機械上の作成手順

 

///ミキシング・マスタリングの手順
順番は、センドで各楽器にEQ、リバーブをかけてから、必要があれば全体をリミッター、全体をEQして、最後にマキシマイザで圧縮する。
純粋なクラシック音楽では、普通はマキシマイザは使わないか、ほんの少しだけ使う。
オーケストラでは、ボイスや効果音との兼ね合いがあるため、あまり音量が小さいと音楽がまったく聞こえなくなる。なのである程度の圧縮はどうしても必要。
まずバス(音の流れ)を作ったら、リバーブ、EQを設定。その後各楽器の音量を調整。
EQは楽器数が増えると調整が必要になる。音が重なると、重なりがちな帯域の音量が増えすぎ、その部分の各音が聞こえにくくなるため。したがって楽器数が少ないうちは調整の必要はない。
生音を扱い場合は雑音処理が必要(小さい音、大きい音ともに)雑音処理はSoundboothが強いので、そちらで行ったほうがいい。
最後にマスタリングを行う。これは音を聞く環境に合わせて調整すること。まず聞く環境と同じ環境を作る。Webの場合、ボロいスピーカーを用意し、それを聴きながら最終EQなど調整する。これはSoundboothでやったほうがいい。主にEQと圧縮を調整し、そのスピーカーで聞こえやすくする。スピーカーで聞こえにくい周波数の音をブーストし、音質によってはリバーブ・エキサイタ(エンハンサ)、ステレオ幅を調整する。

 

///セットアップ
最初にミキシングの状態を設定して、音量の調整をする。ソフト音源を出して、同じベロシティ、エクスプレッションで、すべての楽器が同じ強さで聞こえるようにする。EQやリバーブでさまざまに音の強さが変わるため、まずはこの設定をする。

 

大衆に受け入れやすくするには:
ダイナミクスをつけすぎると、クラシック慣れしていない大衆には聞きにくく、ゲームや映画ではボイスや効果音のせいで聞こえなくなることが多い。
よって、強弱があってもいいが、後で圧縮してある程度音圧が平均化されるようにしたほうがいい。

 

各楽器EQ:
オーケストラでは中音域が大きくなるため、基本的には、高音は高音を、低音は低音をブーストする。面倒なら中音域を下げるだけでいい。
楽器が多くなればなるほど、ブースト量が多くなる。そうしないと各楽器が聞こえにくい。共鳴する最低音をブーストすることで、音量の割りによく聞こえるようになる。
各楽器のEQの高音をブーストすることで、楽器との「距離」を近く見せかけられる。近い楽器は普通は高音・メロディ担当の楽器。
反対に、高音を抑えると距離が遠くにあるように聞こえる。
各楽器の2BandEQは、BASSは250Hzくらい、Trebleは6300kHzくらい。ブースト量は5dbくらいが限界。足りないなら全体EQで中間800Hzくらいを少し下げると、理論的に線が滑らかになるはず。
またEQの周波数帯域は、なるべくほかの楽器と重ならないようにしたほうがそれぞれよく聞こえるため、不要な帯域はEQを下げるとそれぞれよく聞こえる。具体的には、高音では低音を下げ、低音では高音を下げ、中音では高音と低音を下げる。
本物のオーケストラでも、ガンマイクで各楽器の音を取ることは可能で、各楽器にEQをつけることはできる。

 

リバーブ:
リバーブはかなり控えめにしたほうが安全。響きすぎると(ウェット成分が多いと)主音が聞き取りにくくなり、これだけは絶対に避けなければならないため。
リバーブは通常、高い音になるにつれて強くかかるようにする。低い音にリバーブをかけると、ほかの楽器に音が混じりやすく、ほかの楽器の音が聞き取りにくくなる。
しかし楽器によってリバーブの強さを変えると、最終的に出力される音は、高い音が強く出てしまい、低音が聞こえにくくなる。この問題の原因は、楽器ごとにリバーブへセンドする音量が異なるためであり、解決するには楽器ごとに元の音量を変えればいい。つまり、低音ほどミキサーでの音量を大きくすることで解決できる。リバーブ直後にEQをかけると音が変わってしまうので、こうする。
ピアノの音はリバーブを小さくしたほうがいい。元々ペダルによって残響音が出せるため、ペダルを使ってオーケストラで合わせると、残響音がうるさくなる。

 

ノイズゲート:
生音の場合、雑音が入ることがある。微小な雑音はこれで取り除ける。

 

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以下は主にCubase以外の、Soundboothですること。
リミッター、マキシマイザーはCubaseにもあるが、これはバスの最後の過程でつける上、波形が不明なためにどれくらいかけていいのかわかりづらい。
よって、リミッター、マキシマイザーなしで、適当な程度でオーディオミックスダウンしてしまい、後でSoundboothでリミッターで突き出た音の削除をし、ノーマライズ、ハードリミットで音圧を上げると一番安全にできる。
Soundboothでエンコードするため、24bitから16bitへの変換は、Cubase上ではやる必要はない。先にやってしまうといわゆる動画でいう「圧縮したものをまた圧縮する」ような形になるのでよくない。

 

リミッター:
一瞬だけ音量が大きくなってそれが原因でノーマライズしてもなかなか大きくならず、全体音量が小さくなることがある。
その一瞬だけ突き出た音をなくすために使う。マキシマイザー前に使う。マキシマイザー後に使うと、突き出た音に近い音量の音まで削れてしまう。
だいたい-10db程度で、圧縮レシオは最大(30くらい)にする。波形を見ながら、突出した音だけ削るようにする。

 

ハードリミット(マキシマイザー):
リミッターが終わったら後は全体を圧縮して聴きやすくするだけ。やりすぎると音が歪むので注意。
サウンドトラックなどでは、圧縮しないとボイスや効果音にかき消されて何も聞こえなくなってしまうので、強めに圧縮しておく。オーケストラでも圧縮しておく。
マキシマイザに関してはCubaseのほうが音が壊れない。

 

マスタリング:
想定されるスピーカーに合わせて音質調整することをマスタリングという。
これはSoundboothでやったほうがいい。多くの音質が出来上がるため、Cubaseでは基本となる高音質スピーカー想定のみのものを一つ作り、それをSoundboothなどのWAVE編集機器で編集していくといい。

 

スピーカーとヘッドホン:
ミキシングはスピーカーであわせる。スピーカーとヘッドホンではかなり聞こえ方が違うので注意。
ヘッドホンのほうが高音と低音がはっきり聞こえてしまう。実際にはラストのFinalMasterは中音域もそこそこ上げることになる。

 

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効果音とエフェクト

 

以下の理論は、通常の音楽にも使える。

 

///音の近さと左右の位置
遠くの音ほど、高周波が小さくなり、音量も小さくなり、リバーブ成分が多い(ウェットになる)
近いほど左右の定位に音量のずれが生じる。PANを大きくずらす。しかし完全に中央の場合はずれない。
遠くても、真横から来る音は逆方向の耳には進行方向的に入りにくいため、左右の定位のずれは大きい。「角度が深いと遠距離でも左右のずれは大きい」
障害物を挟むと、高周波音が極端にさえぎられる。
近くの音は、相対的に、原音が大きくリバーブは小さい。よって、音量を上げてリバーブへ送る量は減らす(リバーブの音量が相対的に減るだけで、持続時間は不変。絶対音量は不変)。さらに高周波音が大きい。

 

///リバーブ
残響音は遠距離音と同じで、高周波が小さくなる。左右のずれは厳密にはほとんどない。
残響音は、広い場所では残響音が小さく、長い。狭い部屋では残響音が大きく、短い。
大きな音ほど残響の時間が長い。

 

耳の構造:
前の音は、耳の構造上、近くの音と同じことになる。上、下、後ろは遠くの音に聞こえる。

 

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Vienna使い方

 

///手動インストール
DVDが壊れて読み込めなくなるが、インストールした際にできたdatファイルがあれば手動インストールできる。
主要データである.datファイルをパソコンのどこかに入れ、Directory Managerでそのフォルダを指定すればよい。このときdatが入っているフォルダを直接指定するようにする。上位フォルダを指定しても認識しないようで、ちゃんと詳しく指定しないと認識しないようだ。一つ一つやる。
この状態でCubaseを立ち上げてViennaを立ち上げると選べるようになっている。ただしViennaInstruments.dllがDAWのしかるべきところに入っていないとだめなようだ。

 

///新しいViennaInsturumentsについて
旧式とさほど変わりはなく、いじれるパラメータで新しいのは「ヴェロシティーカーブ」のみ。音量の出方を調整できる。
Learn Optimize機能だが、Learnで学ばせ、Enabledで不要な音を消し去る。Learnしたあとに演奏させてEnabledすればよい。再びすべての音を出させるにはoffすればよい。
ただしどういうわけか、LearnしてEnableしてoffにすると、どんどんメモリに音データがたまっていき、しまいに無限になってパンクしてしまう。バグか。これを防ぐには、LearnしてEnableしてから一度DAWを再起動させるとちゃんとメモリを節約した状態になる。

 

///パッチ
カスタムしたマトリックスやプリセットはマイコンピュータの共有ドキュメント、VSL……に入っている。
なぜかパッチの右側のマトリックスが自由編集できなくなるが、一度VSLエディタを閉じてから再度見ると編集できるようになる。
シフト押しながらスライダーでゆっくり変化できる。
コントロールチェンジ102,103はマトリクス変化できる。念のため取っておいたほうがいいかも。
DYN.Rはvelが0での音量を示す。0だとvelが0で音量ゼロ。
セル変化のプログラムチェンジに使えるのは101~112まで。
Velocity X fade→だいたいのところ、音量を均一にする。ベロシティで強弱がなくなってしまう。アーティキュレーションの強弱もなくなる
パッチはあまり頻繁に変えないほうがいい。むしろ短い間では、同じアーティキュレーションでベロシティやエクスプレッションを変化させたほうが自然。
ポルタメントとスフォルツァンドはたまに一発出す感じで自然。
レガートパフォーマンス→1オクターブの範囲内の旋律で「レガート」で演奏すると、弦と管のみ超リアルなレガートになる。

 

///エクスプレッションとベロシティ
1フレーズの間では、ベロシティは一定でエクスプレッションを変化させるほうがいい。ベロシティを変えると、ベロシティレイヤーが変わって急に音が変わったりするので。
そこで、まずベロシティを決め、次にエクスプレッションを決める。
どの楽器もベロシティを上げ下げしても大して音量は変わらない(DYN.Rの数値が小さいので)。そこでベロシティはレイヤーの変換のみ目的にし、絶対音量はエクスプレッション全体を上げ下げして決めるといい。

 

///USBドングル
なくしたらビエナごと買いなおし。
一つのUSBに一つのライセンス格納。これがないと動かない。
壊れたらクリプトンに直してもらえる。ただしビエナ以外のキー(スタインバーグとか)だとサポート対象外。
パソコンのUSBのどれかにこれが刺さっていれば動く。違うパソコンでも、ビエナインストールしてドングル刺せば普通に動く。移動とかは必要なし、ドングルUSBさえあればとにかく動く。シンクロソフトのモニターには、USBドングルをインストール時と別の場所に刺すとライセンスが見えなかったりしたが、おかしいのはシンクロソフトモニターで、ドングルはとにかく刺せば普通に動く。

 

///レガートパフォーマンス
VIENNAでレガートパフォーマンスが起こるのはレガートとポルタメントのみ。管楽器と弦楽器で起こり、その他は起こらない。
すべてのアーティキュレーションにレガートをクロスフェードすれば全ての音が滑らかにつながるが、平坦になってしまいアーティキュレーションを設定した意味がなくなってしまう。

 

///スピード検出
レガートの音では速度に応じて自動で切り替えるのがデフォルトで用意されているが、Fastとノーマルを早く行き来すると音がおかしくなるので、手動で調整したほうがいい。

 

///同時発音数
レガートパフォーマンスのきくもの(レガート、ポルタメント)は一つのシンセラックで同時に2つ以上の音を出すことができない。
その他のアーティキュレーションは何音でも同時に可能。

 

///リピテーション
repetitionは同音の連打のこと。

 

///実際の使い方
非常によく考えられて作られており、デフォルトのまま使えばいい。
たいていのアーティキュレーションはキースイッチで変化できるが、レガートや一部のものはスピードやペダルで自動で変わるように作ってあるため、単一のマトリックスで一つの楽器をすべて制御するのは難しい。
よってマトリックスを複数用意し、レガートなどはキースイッチでマトリックスを変えるといい。
これらをマトリックスではなくプリセットとして保存しておけば、呼び出しも楽。
注意点として、なぜかVIENNAのキースイッチは、キューベースのそれより1オクターブ低い。たとえばキースイッチがC0の場合、キューベース上ではCマイナス1になっている。
またキースイッチは、同じトラックでは一つ一つ時間的な位置をずらすように。同時に入力すると片方が認識されないことがある。
CCのほうがキースイッチよりも「時間のずれ」のようなトラブルがなく、またキューベースの仕様上、CCのほうが使いやすい。よってマトリックスだけはキースイッチでしか変えられないのでキースイッチにするが、通常のアーティキュレーションはCCで変えたほうが使い勝手がいい。

 

///不具合
なぜかファゴットの通常のアーティキュレーションの音が出ない。レガートとリピティションしか出ない。

 

///ピアノ
ベーゼンドルファーにはクローズとディスタントがあるが、クローズのほうがベロシティレイヤーの変化がスムーズである。

 

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Cubase

 

///起動の注意
まずVIENNAなどのVSTiのdllをCubaseのしかるべき場所に入れる。
デバイスを設定し(ASIOデバイスの「スピーカー」だとうまく音が出るようだ。
Cubaseを起動する前にヘッドホンを接続しておかないと音が鳴らないので注意。

 

///VST設定
VSTコネクションのところで、出すべきスピーカーのところを指定しておかないと、デバイス設定のオーディオシステムのところで指定できなくなり、VSTの音が出ないので注意。

 

///センド設定
FXチャンネルでは各楽器から一部の音だけ送れる仕様になっているので、、グループチャンネルだけ使うほうがいい。
グループなら音全てを送れ、かつ音量を時間的に調整でき、エフェクトも使えるので便利。

 

///速くエディットするためのテクニック
キーエディタで「コントローラーを自動選択」にしておくと、ノートを選択しただけで表示されているエクスプレッションやベロシティまで選択できる。
コントローラーを選択している状態で、その上や横の部分をドラッグすると、まとめてストレッチや平行移動、傾けたりできる。
キーエディタの楽器が表示してあるところにカーソルを乗せてマウスの中央ボタンを転がせば、楽器が変更できる。これで早い。
キーエディタのルーラー?の上の部分をドラッグするとロケータをどこでもすばやく設置できる。
速く演奏させたいときがある。前の部分のプログラム変更データ(キースイッチの場合など)を読み込ませたいときなど。この場合、トランスポートパネルのテンポを一時的にFixにして最高速度にし、読み込ませてからテンポトラック有効にすればいい。

 

///マニュアル

 

特にわかりにくい部分だけ説明する。

 

キーボードでステップ入力:
MIDIトラックで、キーエディタで「ステップ入力」で、「ピッチの適用」をオンにし、クォンタイズの長さで音符の長さを調整する。パネルを開いたままやると早い。

 

MIDIキーボードを使う:
デバイス設定でMIDIキーボードを指定し、MIDIトラックを作成(インストゥルメントトラックやオーディオトラックでは不可)し、音色を設定すればよい。音色は付属のHalionSE MIDIにでもしておけばいい。

 

e-Lisence:
2つUSBを挿して、片方が認識されないことがある。特に以前インストールしたときと別の差込口に差した場合。
この場合、2つ挿した状態で、e-Lisencerをもう一度インストールすればいい。

 

VSTiの追加:
例えばVIENNAの場合、steinberg→VSTPluginsの中にViennaInstruments.dllを入れると、以降自動で認識されるようになる。

 

ASIOデバイス:
Windows7ではCubaseのインストール時にデフォルトでアジオがインストールされるが、XPとかでは無理。
デフォルトの共通低レイテンシードライバ「Generic Low Latency ASIO Driver」では「選択されたポート構成をASIOホストアプリケーションだけに制御させる」を無効にしないと、なかなか音が出ない。これが無効だとどこのスピーカーでもこのドライバで音が出てくれる。
スピーカーにしないと音が出ない?ASIO DirectX Driverのほうがうまく音が出ることもある。
レイテンシーが気になるならトラックディレイで音のタイミングをずらせばいい。

 

音が出ない:
ASIOデバイスを変更したら、いったんCubaseを再起動しないとうまく音が出ない。
まずいきなりファイルを読み込むのではなく、音がすべて出るのを確認してからファイルを読み込むといい。

 

VSTiの最大数:
VSTi「ラック」の数+インストゥルメントトラックの数になる。
Artistでは32+32で64可能。

 

ショートカット:
キーエディターはEnterで開く、閉じるが可能。ショートカットをやると非常に作業が早い。

 

コピーについて:
音符をコピーする場合、下にCCが表示されていれば、その成分もコピーされる。エクスプレッションやCCなどもコピーされる。表示させなければコピーされない。

 

センドエフェクト:
複数トラックから入力し、そこでまとめてエフェクトをかけられる。
「FXチャンネルトラックを追加」で追加。
ミキサーを開き、送り元のチャンネルで「e」を出し、sendsで送り先のFXチャンネルを選択し、下のボリュームのような線で送る量を設定する。
プリフェーダーをオンにすると、入力元のフェーダー(音量)に無関係になり、FXへ送られる量はセンド値だけで決まるようになる。

 

グルーブトラック:
音量やEQなどを時間的に変化できる。
全体の音量の弱いところでこれを調整すれば、マキシマイザー的なことができる。マキシマイザーとは違い、圧縮しないので音は劣化しない。

 

センドとグループの違い:
センドエフェクトは、エフェクトを設定して複数トラックから入力して出力するもの。
グループチャンネルは一度に複数の音量やEQをまとめて変化させるもの。フォルダーかするのと同じ。
フォルダーは視覚的にまとめるだけで、まとめてミキサーで音量など変化させることはできない。

 

MIDIのテンポ読み込み:
テンポトラックはMIDIを読み込んだ時点で読み込まれるが、新規プロジェクトを作らなかった場合はテンポトラックが元のファイルのままなので、読み込めない。
なので、MIDIを読み込む場合、新規プロジェクトに読み込み、そこからMIDIデータとテンポデータをテンプレートにコピーするといい。

 

MIDIトラックからオーディオ化:
MIDIトラックをオーディオといっしょにミックスするには、MIDIはオーディオにしておかないといけない。
インストゥルメントトラックはフリーズしなくてもいい。
オーディオ化は、オーディオトラックを作り、録音状態にし、トランスポートパネルの録音ボタンを押すだけ。
ただしMIDIトラックにVSTインストゥルメントラックのVSTiを使っている場合に限り、直接ミックスしてオーディオ化できる。範囲をロケータで指定し、ファイル→書き出し、オーディオミックスダウンで可能。
ミックスダウンでは、オーディオトラックにチェックを入れるとトラックに読み込まれる。

 

フリーズ:
フリーズはオーディオ化するのだが、戻すことができる。VSTiなどは処理が重いため、フリーズすれば軽くできる。
テールサイズは最後の長さを増やすもの。リバーブがある場合、これを残響音を加える。
エフェクトも含めてフリーズされる。

 

MIDIインサート:
MIDIトラックのMIDIインサートで、簡単にコントロールチェンジの値を変えられる。ただし一定値だが。
音色を決めるのにはこれを使うと便利。

 

テンポ:
これは「プロジェクト」のテンポトラックが便利。途中で柔軟に変えられる。
クオンタイズのスナップをオフにすれば、非常に細かい時間で変化できる。
テンポトラックを出せば視覚的に調整しやすい。

 

オーディオファイル読み込み:
メディア→プール→読み込み、またはファイル→読み込みでもいい。
プールからドラッグしてオーディオトラックに配置できる。

 

共有コピーと独立コピー:
オーディオファイルを普通にコピーすると、ファイル名がまったく同じで「共有コピー」になる。元ファイルを変えると、全て変わる。
コピーした後にオーディオ→選択イベントから独立ファイルを生成をすると、ファイル名が変わり、「独立コピー」になる。これは別のオーディオファイルになる。

 

コピー時の表示:
キーエディタで、CCなど下の表示のものは、表示されているものだけコピーされる。
例えばCC3とCC1だけ表示している状態でコピーすると、3,1はコピーされるが11のエクスプレッションなどはコピーされない。
全てコピーするときは全部表示してからコピーすること。

 

トラック左:
トラックの左の一番上にそのトラック名が書いてあるところがあり、ここでボリューム、パン、トラックディレイが設定できる。トラックディレイは全体を横にずらせるもの。レイテンシーの遅れがある場合などに使える。ただし開始点以前には戻せず、無効。

 

ヒストリー機能:
編集→編集履歴で、ずっと前までアンドゥできる。

 

オフライン処理履歴:
ヒストリーで、特定の処理だけ戻すことができる。

 

重複ノート:
MIDI→重複ノートを解消で、完全一致して音が重なっているノートの重複を消す。

 

オーバーラップ:
MIDI→オーバーラップを解消(ポリ)で、部分的に音が重なっている部分を消す。
これをやると同時に2つ以上音が出ている部分をなくせる。VIENNAのレガートがおかしいとき、これをやると直る。

 

レガート:
全ての音のゲートタイムを調整してすべての音をレガートにできる。
VIENNAでレガートがうまく出ていない場合、オーバーラップ解消してからレガートをやると簡単に補正できる。

 

オートフェード:
プロジェクト→オートフェードを設定すると、これは全てのトラックに対して適用される。

 

クロスフェード:
2つのオーディオを重ねてクロスフェードをやると、重なっている部分でクロスフェードが可能。

 

タイムストレッチ:
オーディオイベントの右下あたりを、矢印の「タイムストレッチしてサイズを変更」でドラッグすると、時間的に伸縮が可能。

 

エンベロープ:
オーディオ→処理にあるエンベロープは音量の曲線のこと。
オーディオ→処理の項目はほとんどが音量に関するもの。

 

インサートエフェクト:
順番だが、上から順番に実行される。上下はドラッグで入れ替え可能。
「最初に選択したチャンネルをコピー」と「貼り付け」でインサートエフェクトはコピーできる。
i7とi8はポストフェーダー(フェーダー通過後のもの、つまり最後の最後にかかるエフェクト)になる。

 

UV22:
24ビットから16ビットなど、ビット数を変換するときに必要なエフェクトで、通常は最後の最後にかける(マスターエフェクトのi8にかける)
24から16に変換するとき、そのままではノイズが発生するので、それを軽減するエフェクト。
Viennaなんかは24ビットなので、16ビットwavにするときはこれが必要。
Autobackで無音部分のディザノイズを無音にする。普通はhiでautoback有効にする。

 

ミキサーのオートメーション:
ミキサーのWを点灯させると(同時にRも点灯)、再生しながらミキサーの値を変更させ、記録することが可能。
オートメーション記録したものを有効にして再生するには、Rを点灯させていればいい。
何度もやれば上書きで記録されていく。
オートメーションはタッチ、オートラッチ、クロスオーバーがある。タッチはクリックで記録開始でマウスを離すと終了。オートラッチはマウスを離しても終了せず、停止するかWを消灯すると終了。クロスオーバーは前回の記録と重なったときに記録が終了。
これは各トラックに記録されているので、トラックで表示させて鉛筆などで修正が可能。
まとめてやる場合はグループトラックを使うと効果的。

 

マスターボリュームについて:
通常、最終ミックスダウンするとき、マスターボリュームは開始、終了のわずかな時間でフェードイン、フェードアウトするらしい。これによって開始と終了時に発生する「ブチッ」という雑音をなくす。開始と終了はマスターフェーダーがゼロになっていることが普通らしい。

 

ロケータ:
ミックスダウンするときは、ロケータの範囲しか行われない。

 

書き出し:
ミックスダウンするとき、「実時間で書き出し」でないと入らないエフェクトがあるらしいので注意。

 

XGの音色を読み込む:
MIDIデバイスマネージャーで、デバイスのインストールでXGの音色を読み込み、出力にそれを設定すれば、トラック左の一番上のやつで、出力(アウトプットのルーティング)にXGを、その下のプログラムセレクターで音色を直接選べる。

 

アレンジャートラック:
音楽形式のA-B-Aなどを作ることができる。
このトラックを作成したら、鉛筆で部分分けする。
次にアレンジャートラックのeをクリックし、右の部分を左へドラッグして、順番を設定すると、その順番で演奏してくれる。繰り返す場合はリピートの回数を増やせばいい。
「展開」をやると、この設定順にしたがってアレンジャートラックを無効にして譜面に書き出す。完全に同じ繰り返しではなく、少し変化させて繰り返したいときなどに有効。

 

///プラグイン

 

マキシマイザー:
Outputは出力の音量で、Optimizeが圧縮率。
アニメの場合、ボイスとの兼ね合いも考えて、ある程度の圧縮は必要。聴きやすい範囲では、Optimizeが50くらいあるといい。パソコンで聴いて音量調整が不要なくらいになる。
Optimizeの値が大きい場合、圧縮前の音量が大きいと、ピーク時に音がゆがんでしまう。音がゆがんだ場合、圧縮前の音量を小さくし(グルーブトラックのところ)、最終音量とOutputの値を大きくすればゆがまなくなる。
調整の仕方として、ピーク音量の場所でループさせ、Optimizeを50付近にし、できるだけ音量をぎりぎりまで上げる。音がゆがんだら圧縮前の音量を小さくし、最終音量とOutputを大きくして調整。
マキシマイザーの後にEQを入れると、音量の上げ下げでクリップが発生したりするので注意。
オーケストラの目安として、Optimizeは50、Outputは-8、ソフトクリップありにすると、だいたいマキシマイザをかける以前と同じくらいのピーク音量になる。
SoundBoothでハードリミットをかけると、ピーク音量の部分がゆがんでノイズが入ることが多いが、Cubaseのマキシマイザはノイズが入らないことが多い。Cubaseのほうがノイズが入りにくいようにできているようだ。Cubaseのほうが上等なのか、あるいは音楽向けに調整されているのかもしれない。

 

RoomWorksSE:
リバーブ。パラメータの詳細は
PreDelay:リバーブ音が出始めるまでの時間。
ReverbTimeリバーブ音が続く時間。:
Diffusion:音の広がり。
Low,High:Lowが大きいと低音のリバーブが大きく、Highが大きいと高音のリバーブが大きくなる。
Mix:大きいとリバーブ音だけ聞こえるようになってくる。
方針として、まずPreやTimeが大きすぎると、次の音と混じって一つ一つの音が聞き取りにくくなるので注意。
Diffusionが大きいと、広がり感が強くなり、残響音が両方の耳に入るので、違和感がなくなってくる。
Low,Highの値が極端に違うと、後でEQ調整が必要になって面倒である。
したがって、面倒なのが嫌ならPre,Time,Low,Highは小さめ、Diffusionは大きめのものを選ぶと無難である。
特にオーケストラは楽器が多いため、ミキシングによってはどれかの楽器の音が聞こえにくくなるということが容易に起こるため、無難な設定で行ったほうが安全である。
Cubaseデフォルトでは、LargeLivingかGrandChamberが無難でお薦め。

 

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Cubase不具合

 

キーエディターでクラッシュし、以降キーエディター使用不能になる:
「深刻な不具合」と表示され、キーエディターや場合によってはメニュー画面まで使用不能になる。
アップデータを適用すると直る。

 

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SoundBooth

 

最後にSoundBoothでの処理が必要。
1枚のCDアルバムを作ったり、ゲームやアニメなど作るときには、複数の楽曲で音量や音圧がある程度一致していないと、曲によってボリュームが小さく聞こえたり大きく聞こえたりして都合が悪い。
どの曲も同じ位の音量で聞こえるといい。そのための調整が必要。
曲によって聞いた感じの音量にばらつきがあると、視聴者は曲ごとに音量をいじらなければならず、非常に面倒である。それを防ぐための処理。
あまり極端な補正はできないので、Cubaseでのマキシマイザーはやっておいたほうがいいと思う。

 

手順:
Cubaseなどから持ってくる場合、最初に最高音質にしておく。つまり、Cubaseなら96000Hz、24bitのような、できる限りの高音質にする。SoundBoothはほとんどどんなファイルも読み込めるので、できるだけ劣化のないものを先に作っておくように。
まずすべての曲をノーマライズする。必要があれば前後に無音部分を入れる。
次に、「ボリュームを一致」で、全体のボリュームを一致させる。「ボリュームに一致」か「ファイルに一致」をやる。
「ファイルに一致」は指定の曲に合わせる。一番音量の小さい曲にあわせれば、ダイナミクスはほとんど維持できる。これはCDアルバムのように、音楽だけ入れて全体の音量を一致させたいときに行う。音の大きい曲に合わせると、ほかの曲を圧縮して音量を増やすので、音は歪む。
「ボリュームに一致」は、平均音量を指定できる。例えばアニメなど、ボイスが入っているときにはそのボイスが聞こえる範囲に音楽の音量を押さえないといけないし、かつ音楽がまったく聞こえないようでもいけない。そういう調整が必要な場合、これで厳密に音量を指定する。
「ピークボリュームに一致」は、ダイナミクスを完全に維持できる。しかし聞こえる感じの音量は、曲によって非常にばらつきがある。クラシック音楽など、ダイナミクスを絶対に変化させたくないときにだけ使う。