シナリオ(ストーリー)の作り方メモ

シナリオあるいはストーリーの作り方のメモです。
あまりにも膨大な量のメモなので、上から目で追っていくのは不可能でしょう。Ctrl+Fで単語を検索するといいと思います。

 

 

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手順

 

///サンプル収集
まず作品の方向を決め、似たような既成の作品をいくつか眺める。
それらをもとにして、変形してインスピレーションを出す。
実際、どれだけ独創的に作ったつもりでも、いくつかの作品を真似たものである。

 

///注意
具体的なイメージなしに構成を作ることはできない。
もし構成の時点で進まなければ、インスピレーションによって具体的なイメージを出すしかない。

 

二次創作:
人物設定は変えることができない。世界設定・テーマも変えないほうが無難(テーマを変えると人物の価値観も変わるため)
障害のみ変えるのがもっとも無難だが、変化にも乏しい。

 

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ゲームの企画

 

最初に納期と予算があり、それにあわせておよその素材の個数を決める。そこからシナリオの長さを決め、シナリオを書く。
しかしアマチュアの場合は考えないほうがいいかもしれない。
シナリオを書いた後、決めた素材の個数にあわせるように削ったりして調整する。

 

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テーマの斬新さ

 

テーマの設定に関しては、技術がない。
何をテーマに選ぶかは作者本人の価値観によるので、普段からいろいろなことに着目しつつ、テーマやアイデアが浮かんだらどこかにメモする癖をつけておく必要がある。
音楽や美術のテーマに関してもある程度にたようなことがいえるが、シナリオは特にテーマというものがはっきり現れるため、ここで作者によるバリエーションが出せる面ではある。
最も個性が出せる部分なので、普段からメモ帳に書きとめておくように。

 

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コンセプト

 

ジャンルと方針を決める。市場調査を参考に。

 

///ジャンル複合について
実際の製作では、複数のジャンルを同時に投入することが必要。
これらは「読者についてマズロー欲求を仮想的に満たすもの」と考える。

 

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素材

 

素材表を作成するときの注意。素材を少しでも減らすと総時間が減る。

 

///素材の創作時間を減らす工夫
シナリオ、音楽、絵の3要素において、ゲームの総時間を決めるのはシナリオであり、シナリオを増やすと音楽と絵も増える。
シナリオを増やすのは比較的容易だが、音楽と絵を増やすのは時間がかかる。
そこで、シナリオを増やしても音楽と絵の負担が増えないようにするにはどうすればいいか。

 

使いまわし:
イベントCGを使わず、人物を立ち絵にすれば絵の負担は増えない。
音楽はいくつかのBGMを用意しておき、使いまわせばいい。

 

写真:背景は写真にすれば、ものすごい枚数でも対応できる。
影絵:人物の表示に、主要人物以外は影絵にすれば比較的短時間で作成できる。
沈黙:音楽の代わりに効果音か沈黙で対応する。

 

クオリティを落とす:
気にならない程度にクオリティを犠牲にして数を稼ぐ。
どうしても描かなくてはならないが、枚数が膨大な絵など。

 

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選択肢について

 

禁則:
選択肢によってキャラクタの(過去の)設定が変わったりしてはいけない。周囲の状況も変わってはいけない。
たとえば「右に進んだら爆弾が爆発して、左に進んだら爆発しなかった」とかいけない。
あくまで「選択を変えたぶんだけ未来が変わるように」する。
選択には主人公の意思が加わっていなくてはならない。「ハッピーエンドにたどり着く選択は運しだい」のようなのはいけない。選択で先が予測できることが必要。

 

選択肢とその内容:
「多く選択肢があり、どれか一つだけ正解」というのもあるが、古いやり方。これだとなかなか正解に行き着けず、シナリオは何度も途中で途切れるため、一気に感動させられないかもしれない。
「多く選択肢があり、選び方で展開が変わる。終末は変わったり変わらないときもある」のが最近の風潮。
エロゲだと、主に選択肢によって「Hする相手」「Hのやり方」が変わり、エンディングは結ばれる相手が変わるくらい。
選択肢で「Hする相手」と「Hの仕方」のみ選べるようにし、エンディングが全て同じなら、シナリオが途切れることはないので感動させやすいだろう。その後アナザーストーリーなどをフリースタートで組み込んでいくやり方が考えられる。
ホラーでは、選択肢を間違えると死ぬことが多い。

 

///独創性の問題
絵では独創性が発揮しにくい。
かわいらしさやエロを求めるとなると、表現力の多彩さなどではなく、答えが一点に集中しがち。「こうすればかわいく見える」というのが決まっているため。
作業量的にも絵は人数が多いため、ノーマライズ(平均化)されがちで、プランナーライターと兼任しにくいのと外注する都合上、これはあえて独創性を抑えたほうが無難になる。
独創性が発揮できるのはシナリオと音楽とシステム。これは自分が担当すればいい。

 

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基本的手順

 

アイデアスケッチ:
思いついたシナリオのイメージがあれば、とにかくその場でアイデアが出なくなるまで書き込む。
微修正は後で行えばいい。アイデアはたくさんあればあるほど、後で使える素材が増えるため、楽になる。
以下の手順は、基本的に「思いつき次第書く→訂正する」という手順をたどる。

 

決められた方針と内容に応じて、テーマを決める(ただし散在テーマを用いる場合は先に目標と設定を決める)
下調べ。テーマに沿った事件や問題について、調査が必要。テーマの訴求力はリアリティを求めるため。特に障害の設定に盛り込む。またテーマへの見方でエンディングも変わる。
決められた長さに応じて、形式を決める。

 

設定の繰り返しについて:
一度に一つの設定をすべて決めることはできず、ある設定をするとほかの設定まで影響することが多い。なので、以下の手順を繰り返し行う。
世界設定→人物設定→人物配置→障害設定→(はじめに戻る)
決められるところから決めていくといい。たくさん決めていくほどほかも決まっていく。

 

世界・人物設定:
まずはアイデアを思いつき次第書いていく。
テーマをもとに設定する。
世界設定。まずはこれをある程度やらないと、人物の設定もできない。設定したらある程度詳細化の手順を使って詳細化する。
人物配置。主役と脇役を配置する。これも詳細化する。
また、何もないところから障害や動機を出すことはできない。常に設定しながら障害を決めるようにする。
世界・人物設定をしながら、人物配置を行う。
以降、障害や解決を決めるときには、常に世界、人物設定をしながら決める。

 

全体プロット:
この時点では、アイデアを思いついたら全部書き込んでいく。訂正は後。
以下は世界・人物の設定をしながら決める。また決めるごとに詳細化をする。
主人公について、部ごとに全体動機を決め、そこから全体目標・全体障害(テーマ障害)、部分障害(テーマ障害)、その解決を決める。とにかくテーマを最もよく表せるように設定する。大まかでいい。
特に最も強いテーマ障害となる「動機」をまず決め、それを元に障害と設定を作っていくとやりやすい。
このとき、テーマを満たせばクリアできると同時に、「もし満たさなければクリアできない」ことを提示するように。
できたら詳細化する。
部の切れ目(メインとアンチの境目を初めに決める)では前の結果に応じてその後の内容を決める。葛藤があればそれも決める(障害・目標は世界・人物設定と常に同時に作成される。以下同様)
各章における主な動機、目標、障害、解決行動を設定する。
人物設定、特に性格設定が、ストーリーと矛盾していないかどうか確認する。矛盾があれば変更する。
人物・世界設定と全体プロットが出来上がったら、詳細プロットへ進む。

 

性格・世界の設定について:
最初にテーマを決め、ストーリーを決めてから性格を決めるため、性格を決めるときは、当然にストーリーの流れに従う設定にしていく。
問題は、ストーリーやテーマと関係ない性格や価値観で、これらは「台詞のしゃべりかた」や「外見」「小障害」などで提示していく。これらは後から詳細プロットに加えていっていい。
テーマ性格は、その人物が登場してからできるだけ早い段階で提示する。その後ストーリーと共にしっかり提示される。

 

詳細プロット開始:
以下の過程をある程度のまとまりごとに繰り返す。情報提示、心理描写、設定紹介に分けて。
基本的な繰り返し手順は、「人物・世界設定、障害・目標・情報提示、心理描写、解決行動・結果」→「5W1H」→さらに詳細へ。
人が出てきたら、伏線でない限り、以下の「必ず提示する内容」は、ストーリーとは関係なくできるだけ早くに提示する。「名前、呼び方、テーマ価値観、基本的人間関係、およその年齢、関わる組織の設定」ただし「職業」「年齢詳細」は、必ずしも提示しなくてもいい(提示したほうがいいが)
詳細化は、まずは設定、情報と障害、心理描写、行動だけで考えて作り、一度最後まで作る。次に5W1Hを詳細化する。通常は、2回も通して詳細化すれば十分である。
アニメなどの映像つきストーリーである場合、あまり神経質に詳細化する必要はない。映像があるので、文字だけのときよりも自然に理解しやすくなる。少々情報が足りなくても問題が起きないことが多い。
ストーリーで提示しきれていない人物、世界設定を提示するための小障害を入れていく。可能なら早い段階に入れていく。
足りない伏線を入れる(重要な解決や、唐突な、あるいは都合のよすぎる疑問障害・解決などないか確かめる)疑問伏線の強さを調整(疑問伏線は解決の回収が多いほど強い)する。紙に話中のすべての伏線を書き出し、解決とそれに対応する複線をすべて書き出してやるとよい。

 

シナリオの詳細プロットのやり方:
最初にプロット通りに書く。思いつきのまま書いてしまい、後で足りないと思われる情報を追加していくといい。
どこが足りないかどうかは、各情報ごと(世界設定とか障害情報とか)にチェックしていけばいい。
最初から詳細プロットを書き、あらゆる部分の情報の提示不足がないか書いてしまうやり方は、効率が悪すぎる。
少し時間がたってからチェックするといいかもしれない。もともとは「誰かが読んでみて情報が不足していて理解できない」のを防ぐのが目的なので。

 

推敲:
以下の内容は、このファイルにある「資料」を見ながら追加、修正していくのだが、ストーリーを追いながらどの項目がふさわしいか考えるのではなく、「項目を順に見ながらどこに入れたらいいか」を考えたほうがよい。そのほうが効率がよく、複雑な項目間の組み合わせも考えられる。
たとえば障害の推敲なら、まず不明型障害の種類を見て、ストーリーのどこに入れられるか、と考える。次に任務推敲型障害について同じことをやり……の繰り返し。
障害の強さ、量、種類を調整する(CLに近づくほど大きくするなど)。また人物・世界設定と同時に障害の追加(SP)を行う。同時に動機の強さ、種類を調整する。動機が十分であるかチェックする。
心理描写の推敲を行う。感情の種類(下記参照)、反応の種類、強さが適切であるかどうかチェックする。心理描写の時、様々な種類のものを入れてみて、より適切なものを探っていく。
行動の推敲を行う。その反応が適切かどうか。解決の行動としてそれが最適かどうか。より適切な行動があるかどうか、下記参照して探る。
人物、世界設定が適切かどうか。テーマに最適かどうか、もう一度チェック。
全て終わったら、途中で設定した世界設定と人物設定を見て、矛盾がないかどうか調べる。

 

本書き:
詳細プロットを書き終えたら、テキストの本書きに入る。この時点では絵や図は描かない。
テキストファイルでセリフや状況説明なども書く。
本書きは、性格設定を見ながら、適切な台詞を用意する。
本書きでも詳細化手順を参考に、情報不足がないように注意する。5W1Hだけでなくほかの詳細化手順にも注意する。

 

絵コンテ:
絵コンテを描く。ここでの絵コンテの目的は、セリフとト書き(状況説明)などを作成し、画面との対応を示すことなので、あまり細かい動きやカメラの配置までは考えない。
主に「大まかな人物のポーズ(棒人間でもいい)」「カメラの配置」「人間の表情」を「セリフとの対応」で示す。
この時点で、人物のポーズとカメラの配置は、動きを細かく描かない。人間や物体の、大体の構図とポーズ、配置だけ描いていく。カメラもおよその動きや枠だけ書く。
人間の表情もだいたいでいい。文章でこんな感情だと書いておくだけでもいい。
背景も描く。だいたいでいい。どの物体がどの位置、どのあたりにあるかだけ描けばいい。

 

キーとなる動き(3DCGのキーフレームではない)を描いていく。動きの中から、キーとなる重要なポーズを取り出し、それを描いていく(キー・ポーズ。動きの特徴を現す何枚かの静止画)
カメラは、カメラの位置と方向を矢印で書いておく。枠は棒人間のところにどの部分が写るかを示せばよい。
人間やカメラの細かい動きは後で考える。およその動きだけでよい。
音楽、効果音のタイミングを書く。音楽はどんな雰囲気のものを入れるかを具体的に描く。

 

推敲:
この時点で推敲を行う。詳細プロットとシナリオ本編を見ながら、人間の動きと表情、カメラの位置が適切かどうかチェック。さらに適切な動きや表情がないか、いろいろ試してみる。心理描写と行動の提示が適切であるかどうか、身体機能を表せているか、光源は適切かどうかなど。
特にキーポーズが適切であるかどうか、ほかにもっとよいポーズがないかチェック。様々な種類のポーズを探るには、人物画の理論を参照。
背景が適切かどうかチェック。もっとよい物体の配置があるかどうか、不要な物体の削除、足りない物体の追加。
音楽、効果音の位置が適切かどうかチェック。そこに本当に入れていいかどうか、音楽の雰囲気はそれで適切かどうか、ほかにもっといいものがないかどうか。効果音は本当にそのタイミングで入れていいのかどうか。

 

詳細絵コンテ:
この時点では「人物のポーズと動き」「カメラの配置」「表情」「セリフとの対応」を詳細に書く。
動きとカメラの配置を決める。カメラは、位置と方向と枠を3次元的に決める。動きは、まずは別の紙に思いつくポーズを次々と描いていき、ベストなものを本書きする。軌跡まで書く。
表情は、眉毛、目、口の形と、顔にできるシワが、だいたいどんなものか描く。
セリフとの対応は、主に「セリフのどのタイミングでその行動が開始するか」と「その行動が終了した後にどのセリフが開始するか」である。これらのタイミングを示す。

 

時間と空間の詳細:
詳細絵コンテの後に、動き(人間、物体、カメラ、ライトなど)を3Dモーションで入れるための細かい情報を書いていく。
紙にキーフレームの場所の関節の状態を、棒人間で描く。棒人間は関節を回転させる要領で(バンク回転も示しておく)正面、側面の全身と、顔面モーフとカメラの枠。重心位置も書く。ポーズから次のポーズへの秒数を書く。
力動部とその伝播範囲を描く。予備動作と静止振動を描く。
キーフレームの場所の関節の軌道を描く(伝播含む)。軌道によって動きの大きさもおよそ示す。
その中でどの位置がキーフレームかを書く。キーフレームの中割りポーズがあればそれも描く。軌道の変曲点がキーフレームと考える。ただし変曲点は「位置軌道の変曲点」と「回転の変曲点」二つあるので注意。これらが時間的に異なっていることがある。両方キーを打つ必要がある。
軌道に関しては、その軌道の秒数(フレーム数)、予備動作と静止振動はその回数を書く。
加速があるかどうか、あれば軌道の加速度を書く。f,s,n(fast,normalslow)くらいで。またランダム性(ウィグラー)、一時停止があればそう書いておく。

 

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シミュレーション

 

頭の中だけで動きを作っても、なかなか正確にならないため、以下のどちらかの方法でシミュレーションを行っておくのが望ましい。
ビデオで自分で動いてみて、それを分析しながら作る方法と、フォトショップの棒人間の動きを作って、それを見ながら作る方法の2通りがある。
正確さはビデオのほうがずっといいため、可能ならできるだけビデオを録る方法をとる。現実で不可能な動きや、2人以上必要な場合は、フォトショップによる棒人間を使う。

 

///ビデオを録る方法
ビデオを使って自分で動きをシミュレートする。あまり現実離れした動きは不可能なのが欠点。
一度の動きでは満足な動きが取れないかもしれないので、何度が同じ動きをすることになる。動きがわかりやすい位置からカメラを録るように。動きが奥行き方向だと、動きの速度がわからないので注意。
モーションの「位置」に関しては、この動画を見ながら作っていく。
これをエンコーダでaviファイルにし、モーショントラッカー(Mocha)で分析する。Mochaはaviでないと分析できないので注意。無圧縮でなくてもよく、普通のNTSCで、データはどこかに保存しておくといい。
分析点はさまざまで、自力で動かす関節部分や、ボーンで動かす衣服などになる。
分析したらAfterEffectsに取り込み、ヌルオブジェクトや平面レイヤーで動かす。
その動きをAfterEffectsのグラフエディターで見て、動きの「加速」や「ぶれ(ウィグラー)」などを見る。これを参考に、動きのグラフ編集の参考にする。

 

///フォトショップで棒人間を動かす方法
細部下書き:
動きをもっと細かく棒人間で書き、動きが正しいかどうか見る。これをやらないと、試行錯誤で時間のロスになる。
フォトショップで空白ビデオレイヤーを用意し、低めのfpsでオニオンスキンを指定し、1コマずつ棒に棒人間を描き、再生する。
どうしてもおかしい場合、実写の動きを見ると間違いがわかることが多い。
時間の間隔は、特に自分で行動ができる場合、ストップウォッチを使っておよそのタイミングを計っておくと、後で修正が少なくすむ。

 

実写と棒人間:
実際の動きの再現は厳密で難しく、特に移動を伴う下半身の動きが大きい場合、棒人間と実写の動きがかなり異なることがある。
この場合、棒人間で下書きをしてもなかなかリアルな動きにならないことも多い。
面倒に感じるが、Webビデオなどで実写の動きを録画しておいたほうが、最終的に要する時間は少ないことが多い。慣れないうちは、面倒でも実際の動きをよく観察することがよい修練になる。
どうしても現実に不可能な動きは無理だが、たいていの動きは自分で演技可能なはず。そんなに時間がかかることではないので、面倒がらずにやる。

 

///Lightwaveで作業
Lightwaveのストラテジー参照。

 

///AEとLWの連携作業
Lightwaveのストラテジー参照。

 

///AEの作業
動画や静止画を読み込み、テキストなど作成。

 

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全体構成

 

///テーマの決め方
テーマ、アンチテーマを決める。サブテーマがあればそれも決める。
○○はよいあるいは悪いの形で。
「テーマを決め、その後およその人物像(テーマ性格=成長要素)を決める」か「まずおよその人物像(テーマ性格)を描き、そこからテーマを決める」(どちらが先でも良い)
普段から現代のさまざまな問題に目を向けておく。特に、多くの人に「身近な」「現代の」問題、社会情勢などにも注意する→参考:世界設定の項目
心理学的テーマ、童話のような教育的テーマ、社会問題など。
発達心理学のテーマは常に安定したテーマになる。無条件の愛(幼児期)、アイデンティティの形成(目標を持つこと、虚無感や使命、少年期)など
例)いじめ、虐待、性の低年齢化、学力低下、ゆとり教育、無職・ニート、心の病、宗教のなさ、学歴社会、少年時代の幻想的目標

 

イメージ・ストリーミング:
作ろうとするとき、思いついた言葉をなんても片っ端から挙げていく。
テーマでもキャラクターでもシナリオでも、関係することならなんでもいい。

 

心理学的テーマと社会的テーマ:
本テーマ、つまり主人公の動機には心理学的テーマ(個人レベル)を選び、サブテーマ、つまり敵のテーマには社会学的テーマ(多人数レベル)を選ぶとバランスよくできる。
個人レベルとは、例えば友達を助けたいとか将来の職業を決めるなどで、多人数レベルとは、例えば人類を救済しようとか、虐げられる人々を救うとかいうもの。
多人数レベルの問題は、しばしば個人レベルで悪となることも多いため、適役に設定しやすい。例えば人類を救済するために働けない人たちを抹殺するとか、動物を守るために人類を滅ぼすなど。

 

複数テーマ:ある一つのテーマを満たすため、ほかにいくつかのテーマを満たさなければならないような複数のテーマを作ることができる。長編になる。
テーマの詳細化:メタモデルにかけ、テーマを詳細化する(比較があればそれをアルゴリズム解決と真の解決に分けられる)

 

///話の長さ
大長編にする場合、テーマを細分化する(例:愛はよいものだ→家族の愛、友愛、恋愛、人間愛の4編構成
CG枚数、曲数、プログラム時間などスケジュールから、適切な長さを決める。
厳密には、部数と各部の中に含まれる障害数で決まる。だから先に部数と障害数を決める。
障害数は後になるほど減る。

 

///資料集め
テーマに関連する資料を集める。リアリティのために必要で、必ずしも必要ではない。

 

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世界観の作り方について

 

音楽や絵画と違い、作家の場合は何か問題を提示し、それに対して答えを出さないといけない。
提示すべき問題は、現代の問題を「比喩」するものである。直接いうのではなく、何かに例えていう。
またその問題は、現代の、特に視聴者(アニメの場合は若者たちの)の問題に直面していなくてはならず、解決は現実的なものでないといけない。
これらは細部にわたって詳細に調査しなければならず、それを作品に反映させなければならない。ネットや書物で調べまくるのもいい。そういう友人と話すのもいい。若者が視聴ターゲットなら、できるだけ普段から若者と接点を作っておくことが重要。説教じみた内容になってはいけない。
希望を持たせる内容でないといけない。それを見た視聴者が「そうだな。これを見て希望が持てた」という内容にする。でないと視聴させている意味がない。
「あー楽しかった」以上のものを作るには、視聴者との深い共感が必要。頭ではなく、本当に理解すること。視聴者側の立場になって考えること。カウンセラー的に。
普段から日記をつけるように。特に個人・社会の内的問題に対し、自分の中で議論し、よく共感し(ここが一番重要)、答えを出さなくてはならない。
我々が「今どんな状況で」「こういう問題があり」「どう生きるべきか」を提示する。
調査するとき、「どういう状況で(設定)」「どんな問題があり(障害)」「どんな心情で(心理描写)」「どう解決するのか(解決行動)」の4つが必要。詳細に調べる。

 

例:
例えば流行の「あきらめムード」は、将来に希望を持てない若者が多数おり、労働に価値を見出せないこと、ならば労働は最低限で、しかし安定していること、多くの財産は不要なこと、ビジネスとプライベートをしっかり分けることなどと提案する。
「ファランクス」では、もう一つの世界「ファランクス」は極端な現実世界からの逃避のたとえだが(オンラインゲームの中に世界がある)、そこにどっぷり浸かるのではなく、「現実世界でも生きつつ、もう一つの仮想の世界の建設に努める」というエンディングになる。絶望してどうにもならない現実があるから、一時にでも避難すべき場所を作ることで、人々は少しでも幸せになれるのである。
それを阻害する障害がある。例えば現実逃避を悪と決め付けるマスコミ、あるはずのない希望にしがみつく年寄りなど。

 

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シナリオ形式とテーマ・目標

 

全体をアンチテーマ部とメインテーマ部に分ける。アンチでは主人公はアンチテーマの性格で、アンチテーマの目標へ向かう。
一つの部分で、主人公がアンチに向かっていればメインの障害キャラがおり、メインに向かっていればアンチの障害キャラがいる(ソナタの応用)
複数テーマの場合、各々で一つのシナリオを作る(それで一つの形式を作る)

 

第三のテーマ:
脇役1がメインテーマ、脇役2がアンチテーマとして、通常は主人公がこの2つをうろうろしながら、最後にはメインテーマに行き着くのだが、それでは単純すぎて面白くない。
複雑な形式では、脇役の持っているメイン、アンチテーマだけでなく、それ以外の「主人公が到達すべき最終結論」があることがある。
最初に提示したメイン、アンチテーマは、一般的に考えられる短絡的、即決的な解決方法。ここまでは普通の人でも考え付く結論である。
第三のテーマは作者が到達した最終的な結論で、短絡的な結論であってはいけない。これには作者の価値観が反映されるため、普段から日記などつけておき、メモしておくことが望ましい。
第三のテーマは最終的に主人公が行き着く結論なので、「最後の障害に対する主人公の行動」と「エンディング」に関係する。非常に重要。

 

一部形式:
主人公は成長しない。メインテーマで目標達成して終了するか、アンチテーマで目標達成できず終了する。

 

二部形式:
アンチ→メイン(主人公はアンチ目標・性格からメイン目標・性格へ変化するか、あるいはアンチで主人公が消失し、メイン価値観の別キャラが目標を継承)、またはメイン→アンチ。

 

三部形式:メイン→アンチ→メインあるいはアンチ→メイン→アンチ。
応用形式:メインテーマとアンチテーマが交互に来る(ロンドの応用)交互の数は2つ(アンチ→メイン)と3つ(メイン→アンチ→メイン)が多い。長編ではそれ以上もある。ただしキャラクターがわかりにくくなるので、普段はあまり使わない。

 

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テーマと目標の関連の定義

 

///テーマと目標達成

 

テーマは「○○(名詞)は○○(形容詞)だ」の形にする。

 

成功型:
テーマを満たした「ので」目標が達成できる。しかし「もし満たしていなかったら達成できなかった」のを提示する。

 

失敗型:
テーマを満たさない「ので」目標が達成できない。しかし「もし満たしていたら達成できていたのを提示する。
失敗型の場合、目標をクリアできないため話が終わらないことがある。主人公が「テーマを満たさないから目標をクリアできない」場合、別のキャラクタがテーマを満たして目標をクリアすることがある。もちろんそのキャラクターはテーマを満たした価値観を持つ。

 

変化部分:
アンチテーマ部では、主人公一人では基本的に「テーマを満たさないので目標を達成できない」が、仲間のおかげで達成できる。

 

///目標の継承・主人公の交代

 

主人公の目標を、別のキャラクタが継承して話を続けることが可能。

 

同じ部内で継承:
主人公(メイン価値観)が死亡したり消失したりして、そのまま同じメイン部で別キャラ(メイン価値観)が主人公の目標を継承して主人公となり、クリアすることもできる。
逆に、別キャラ(メイン価値観、最初は主人公)が死亡や消失して、主人公(メイン価値観)がその目標を継承してクリアすることができる(例:必殺仕事人)

 

異なる部内で継承:
主人公(アンチ価値観)が死亡したり消失後、メイン価値観の別キャラが目標を継承してクリアすることができる。
逆に、アンチ価値観の別キャラが死亡、消失後、メイン価値観の主人公が目標を継承することができる。

 

///テーマと目標
テーマ障害は、主人公の動機のテーマ部分を剥奪する。そして行動を起こすが、必ずしも障害を取り除きにかかるわけではない(取り除けない場合、防衛機制が起こる)
主人公の行動がテーマに沿っていればよく、障害を取り除けなくてもいいし、目標が達成されなくてもいい。
主人公の目標の一部が達成されて終わるものもある。目標というより「欲求が満たされて終了」のような感じ。あまり悲惨に終わると終わったかどうかわからないので。

 

///終了提示の方法
解決される。
解決不可能であることが完全に証明される。
主人公が死亡、再起不能、完全に問題を放棄。

 

///順次積み重ね型と繰り返し挑戦型
目標は、順次積み重ね型と、繰り返し挑戦型がある。
動機がより剥奪されれば、目標はまったく異なる種類のものをつなげてよい。
目標が達成されなければ動機は剥奪されたままなので、話は進まない。
同じ目標へ再び進む(繰り返し挑戦型)か、異なるアプローチで達成(順次積み重ね型)を試みるかのどちらか。これらはすべて完全補完。
防衛機制では普通解決しない。

 

///目標の作成
内的には、剥奪された欲求を満たすことが目標となる。
外的には、欲求を剥奪した障害を取り除くことが目標となる。

 

///平行複数目標、ツリー型目標
障害と同じく、重ね型、チェーン型、フェイク型などある。
平行複数型:同時に複数の目標を達成する必要がある場合。
ツリー型:目標が複数ある場合、ある目標を満たさないと次の目標を満たせない場合。例えばお金を儲けるために仲間が必要など。
どちらでも「分割・統合(章の部分に分けたり、1章にまとめたり)」が可能。長さの調整に。

 

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価値観(テーマ)の変化(複合可能)

 

テーマの変更ポイント:
アンチ→メインやメイン→アンチの瞬間では、主人公が何らかのきっかけで価値観が変更される。
現実にこのような方法で価値観が変わることはないが、シナリオではそれらしく示さなければいけない。
そのため、テーマ変更点では主人公の価値観を変えるための専用の障害を用意し、helpキャラに助けてもらうようにするのがよい。
多くはhelpキャラと障害キャラの介入によって信頼度が変化し、価値観が変わる。

 

テーマ人物が障害を解決→主人公はテーマ方向へ
テーマ人物が障害を促進→主人公はアンチテーマへ
アンチテーマ人物が障害を解決→主人公はアンチテーマ方向へ
アンチテーマ人物が障害を促進→主人公はテーマへ

 

///全体目標の変更
成長要素による動機の変更で目標も変化することがある。
部の変化と同時に目標変更(全体目標は一つの部分で同じ。テーマがアンチ⇔メインに移り変わると、それに応じて目標が変わる)
防衛機制⇔完全補完、防衛機制⇔防衛機制、完全補完⇔完全補完がある。

 

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散在テーマ(特殊技法)

 

各キャラクターにそれぞれ固有のテーマをつけ、別のキャラをそのアンチにする。これでその2人を主人公役、アンチ役として最低長のストーリーが作れる。これを各キャラクターごとに作る。
通常、並行的にそれぞれのストーリーを作る。ただしまったく関連がないと順次につなげられないので、それぞれテーマは異なっても、目的が一致しているとやりやすい。
このやり方は、先にテーマを決めるのではなく、先に目標を決めてからテーマを決めるやり方のほうがやりやすい。
目標を先に決めるので、先にある程度の設定(世界、キャラクターともに)まで決めておく必要がある。したがって、オーソドックスなシナリオ技法とは順番がかなり異なる。

 

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人物の配置

 

最低限の配置:
最低限の人物設定をまず行う。
最低次の3人(主役と脇役)は必要(いなくても話が成立するのが端役)(一部形式では主役と敵のみでもいい)
どうしても省略するとき、単独の人物でなく「世間」「組織」なども目に見えないものにしてもいい。
主人公が最後アンチなら、敵はメイン、仲間はアンチとなる。

 

主役(主人公)→アンチテーマからテーマ性格(唯一性格変化が可能)
脇役(仲間)→テーマ性格・テーマ手本(変化不可能)
脇役(敵あるいは味方)→アンチテーマ性格・キャラ障害(変化不可能だが最後に変化する例外はあり)

 

1部形式(1st仲間Helpメイン解決,CL主人公メイン解決)→主役、メイン役のみ決定。
2部形式(1stアンチ役Help解決,2ndメイン役Help解決,CL主人公メイン解決)→主役、アンチ役、メイン役を決定。

 

///いなくてもよい人物配置
端役(テーマ障害):メイン部ではアンチ、アンチ部ではメインの障害として発生。アンチ設定した世界設定の「人々」に相当する。障害を増やし、シナリオを盛り上げる。
端役(メイン):メイン部ではメイン、アンチ部ではアンチの手本役として発生。主人公の目的を先取りして行動し、主人公の動機を作る役割をする。主人公の「不可能」という思い込みをなくすので、シナリオが滑らかに進む。

 

///テーマ価値観・性格
主役と脇役のみが持つパラメータ。テーマより導き出された性格で、テーマを満たすために必要な性格要素。
このパラメータが変化するのは主人公のみ(成長する)。脇役は固定だが、アンチがクライマックス以降でメインに変化するのはあり(解決後に改心する)
主人公に成長要素がある場合、物語序盤では主人公は「アンチテーマとメインテーマの中間」あたりにしておく。完全にメインかアンチでは脇役になるし、脇役による成長が無意味になるため(変化しないのは無意味)つまり最初から葛藤があるテーマ価値観となる。
端役以下はひとくくりにして「世間の価値観」としておく(→世界設定)
詳細化し、各人物に価値観を振り分ける。テーマを解決するために必要な性格の設定と成長具合(成長は主役のみ)
アンチ脇役が最後の最大の障害に配置するのがベストで、これを倒したり改心させたりすると、速やかにエンディングへ向かい、それ以上障害が出ないようにするのがベスト。

 

設定とテーマ価値観:
人物、世界設定は、各キャラクタのテーマ価値観と合致するように設定する(主人公以外)
主人公はテーマを満たせないような障害になるようにする。

 

///主人公以外の成長、派生パターン

 

主人公以外の脇役、メイン脇役やアンチ脇役を「成長(価値観の変更)」させることは可能で、特にテーマを損なうこともない。
これらでバリエーションを増やし、脇役の人数を増やすことができる。
以下のパターンがある。

 

メイン脇役が、アンチのHelpでアンチに転向する。
アンチ脇役が、メインのHelpでメインに転向する。

 

転向した後は、勝利しても敗北してもよい。
ただしやりすぎると主人公より魅力が出てしまい(成長性は魅力が増すため、主人公と同じ役割になってしまう)、主人公の行動に最も注目されなくなることがあり、そうなると「どのキャラの行動が最も正しかったのか」というテーマ性が失われてしまう。
これを防ぐために以下の条件を全て満たすようにする(特に3が重要。転向後はそれ以上ストーリーに関わらせないこと)

 

1.Helpを出すのは主人公にする。Helpを出すのは非常に魅力ある行動であるため、特にメイン脇役に何度もこの役をやらせると、主人公よりも目だってよくない。
2.転向したキャラにHelpをさせない。これをやらせると非常に魅力的になってしまい、主人公より目立ってしまう。
3.転向した後、そのキャラに何か障害を乗り越えさせたりしない。障害を乗り越えさせると、転向後のテーマ価値観を強く出してしまい、そのキャラ本来のテーマ価値観がメインかアンチかよくわからなくなってしまう。転向は「おまけ」のようなもの。できればクライマックス付近で転向させ、以降は物語に参加しないのがよい。

 

///Helpと仲のよさ

 

脇役のHelpによって、主人公との仲のよさが変化する。
アンチ脇役のHelpによって、主人公とアンチ脇役が仲良くなる。
メイン脇役のHelpによって、主人公とメイン脇役が仲良くなる。

 

サブテーマに発達心理学を用いる方法:
これによって、主人公と脇役の間に、人間設定による障害(劣等感や利害関係など)があった場合、Helpの瞬間に解決させることができる。主人公の人間的成長が望める。
また、発達心理学では、本人と周囲との人間関係が重要な役割を果たすので、まず主人公に発達心理学的な障害を設定しておき、脇役のHelpで解決させる。すると主人公の年齢に応じた発達心理学的な人間関係の作り方において、成長を描くことができる。

 

///発達心理学の概要

 

発達心理学の人間関係と課題は以下のとおり。
ただし個人差があり、必ずしも年齢と段階は一致せず、むしろずらしたほうが楽しいストーリーができることが多い。
たとえば青年なのに老人のように死後のことばかり考えたり、子供なのに家族の世話をするために必死で働いている場合もある(本人にとっては不幸かもしれないが、話としては魅力的になりやすい)

 

 

小学生:
周囲の複数の友人たちが最も重要な人間で、次いで親と教師。その中で与えられる課題があり、能力を競う時期で、有能か無能かが重要になる。
なぜそれをするか、誰にためにするかというのは、重要ではない。
また人間関係は、何か目的を持った集団ではない。なんとなく集まるため、近隣の子だったり、同級生だったり、隣の席だったりする。

 

中学〜高校:
親友の存在と、アイデンティティ(社会的役割、何をすべきか、どうありたいか、誰のためか)などを問う時期。
与えられた課題において、「なぜするか」「どうありたいか」いうことが重要になり、友人や家族の間だけでなく、広く社会全体の中での自分の位置づけを決める。
ただし、誰か特定の人のために努力する、という時期ではない。
人間関係は、より特定の友人や仲間との交流が多くなり、人間関係も何か同じ目的を持っている集団に属するようになる。具体的には、成績の似たもの同士だったり、クラブやサークル、または何かの教室だったりと、目的を持った団体である。

 

青年期:
社会の中で明確な位置づけがなされており、人間関係は明確な同じ目的を持ったもの同士で作られる。労働のための仲間であり、クラブではない。
家族を持つ前段階で、恋愛と労働が主軸になる。
重要な人間関係は、同じ目的を持つ仲間と、恋愛あるいは配偶者との関係。

 

壮年期:
家族を養う時期。「誰のために働くか」が明確になっている。重要な人間は、養っている家族。
自分の能力は成長しつくした段階で、次の世代を育て、継承少しずつ継承させていく時期になる。

 

老年期:
特定の誰かを養うことが終了した後の段階であり、不特定多数に向けて継承する段階。
重要な人間関係は、全人類つまり、不特定多数の人々。
すべての人生を振り返り、「何を残せるか」が重要になる。

 

////////////////
魅力的な人間像

 

登場人物の性格は、技術的によくできていても、大多数の人にとって不快なものであってはならない。基本的な魅力が必要となる。
自己実現の性格より抜粋。根本的に、主人公の性格は普遍的な魅力がなくてはならない。

 

///自己実現の人間
単純、統合、完全、適合、正義、公正、秩序整然、不滅、躍動、自発、複雑、豊富、正直、本質、美、正確、独自、徳行、個性、新奇、優雅、戯れ、歓喜、快活、ユーモア、無疑、純粋、一途、真髄、自己決定、環境超越、自律、民主的、献身、弱者擁護、善意、逞しい、活発、清潔、優しい、知的、力持ち、芸術的、博愛的、愛敬、明朗、厳格、情緒、世話好き、有名、包容力、忍耐、潔さ、真剣、生真面目、自己犠牲

 

///魅力的な人間
善:良心がある。正直。悪いことに罪悪感がある。公正な判断。
純粋:一途で裏切らない。単純。迷いがなく、完全を求める。真面目。楽しんでいる人たちがいても、困っている人がいれば見捨てない。
不屈:諦めない。逞しい、強い。忍耐力がある。
愛:博愛的、弱者擁護。優しい。世話好き。自己犠牲。共感。見捨てない。
知:知的判断ができる。より先のことまで予測して行動する。立派な人間ほど、より長く先のことまで考える。
躍動:動機が強い。
快活:喜び、楽しみを知っている。
美:清潔な外観。品性、礼儀作法がある。
個性:自発的に行動できる。
完成:責任がある。

 

///魅力的でない人間
サイコパスの人間を参考にし、魅力的でない人間(主人公に設定してはならない性格)を挙げる。

 

口達者
誇大的な自己価値観/表面的な魅力
刺激を求める/退屈しやすい
病的な虚言
同情を引こうとする
人を操る
良心の呵責・罪悪感の欠如
感情が浅く、思いやりが無い
冷淡で共感性の欠如
寄生的生活様式
欲望を抑えるのが苦手
放逸な性行動
問題行動
現実的・長期的な目標の欠如
衝動的
無責任

非行、犯罪

 

/////////////////////////////////////////////////
動機

 

///マズローの欲求理論

 

欲求の充足には最適値があり、そこから外れるにしたがって欲求不満は強くなる。
しかし片方の極は欠乏欲求(充足しないと成長が止まったり病気になったりする)で、もう片方の極は成長欲求(過剰充足と関係)であり、成長欲求よりは欠乏欲求が優先される。

 

最大の欲求の個人差:
普通は下層欲求が最大に強く、上層になるにつれて弱くなる。下層欲求が最強。
しかしどの段階の動機が最強かは非常に個人差があることがある。例えばある人は自尊心のためなら死をいとわなかったり(自尊心>精神・肉体維持)、未来の不安に耐え切れずに自殺する者もいる(安全安定>精神・肉体維持)
最も欠乏を感じている動機が、最も強くなる可能性がある。例えば先進国では安全が保障されているため、愛情や自尊心が肉体の維持を上回り、愛や自尊心の欠乏によって自殺したりする。

 

葛藤と基本的欲求・成長欲求:
欲求が複数の階層に渡って剥奪された場合、常人は下層から優先していくが、より上層の欲求を優先することが一般に高潔な行動だと思われている(終結部のメインテーマ状態)
強さに個人差があり、下層が上層より強いとも限らない。人によっては自尊心のために命を捨てることもある。
同層の葛藤から、上層と下層との葛藤まである。

 

///下層欲求(欠乏欲求)
下層欲求は外的要因のため、「世界設定」や「人間関係」を調整して剥奪する必要がある。

 

精神的健康・自我の維持:
剥奪手段→長期間および強度の緊張、身体機能不全(病気、けが、その他物理的介入)、時間(寿命や加齢)による。人為的には無理やりの教育や洗脳、強制的改宗など。
剥奪の効果→軽度(弱度、短期間)、不機嫌、長期間の強度剥奪により、病気(疲労からガンなどの深刻なものまで)、自我崩壊、発狂、最悪の場合は死亡する。

 

身体的健康・生命維持:
休息(疲労の回復)、空気、水、食物、性、睡眠、五感の使用(光、音、臭い、寒暖、痛み、味)
病気のないこと(ウィルスや毒から逃れていること、適正水準の体力、体重、視力聴力などの維持も含む)
睡眠や食物は、時間的規則性を持たせないとストレスとなる。
肉体の維持については、脳(これは精神の維持に属する)を除くと、首、胴、手足の順に優先順位が低くなっていく。
精神・身体維持は防衛機制が起きないので注意(後述)

 

安全安定:
予測可能→すべての欠乏欲求の充足が未来に保障されている。変化への恐怖、未来への安定性指向。
健康・愛情・名誉などが、原因不明で突然崩されたりすることを恐れる。
これらの中には平和・公平・秩序・法律・治安や両親の保護を含む。
未来への予測は、主に過去の経験から(多くは線形的に)推測される。過去に何度も裏切られた平和・健康・愛情などは、対抗手段が開発されない限り(線形性を崩さない限り)未来にもやはり裏切られると予測される。
線形的予測→欲求が充足されれば次回もそうなるだろう、上手くいかなければ次回も上手くいかないだろうという、いわゆるオペラント条件付け。
最も不安なのは、オペラント的にさえ予測不可能な場合(線形的予測が不可能)
このタイプの不安の原因を端的に言うと、「予測が不可能」と「未来が絶望的」の二つ。未来が絶望的とは、病気で死期が近いとか、貧窮で食っていける見込みがないというもの。

 

愛情:
人間関係、性格を調整して決める。
愛する人が死ぬ、苦しむ、いなくなる、会えない、などもこの種の障害。
愛する人の欲求の剥奪が自分の愛情の剥奪となる。
愛情だけでなく、期待や怒り、恨みなども含まれる。

 

///愛情・集団所属欲求と発達心理学
各年齢によって、必要とする重要な人物が異なる。
低い順から、両親、兄弟、友人、親友、恋人、同僚、妻、子供、人類
下層精神年齢に相当する「必要な人」以降の集団はあまり重要視しない。彼にとって定義されない集団であることが多い(たとえば5歳以下の幼児には友人、親友、恋人……などの概念がなく、知識として知っていても「一般人」という扱いになる。8歳くらいだと「友達」はいても「親友」はおらず、14歳なら「親友」がいても「恋人」や「同僚」はおらず、それらは「その他大勢」として認識される)

 

集団所属:
所属には「組織」が関わる。
協力、共同、疎外・追放の恐怖

 

///他者承認と自尊心
他者→評価、尊敬、注目、理解、
自尊心→恥、侮辱、自由、自信、能力、達成、自立、自己肯定、存在価値、判断、勇気

 

///恥について
自尊心と直接関係がある。自尊心を剥奪するとは、侮辱する、恥を被る、と同意義である。
恥は、自己理想(アイデンティティ)あるいは一般集団より「劣っている」「逸脱している」と感じられるとき、恥を感じる。
自己理想と集団と拮抗する場合、強いほうが恥と感じられる(皆が恥と感じていても、自分の理想がその状態で、理想への思いが集団従属感より強い場合には恥と感じられない)
未成熟なレベルでは自尊心欲求よりも集団所属欲求のほうが強いため、集団の恥のほうが優先される。
恥に対する動機は強く、「恥をかくくらいなら死ぬ」という武士の思想があるくらい。

 

下層欲求に基づく恥:
食事(マナー)→下品な作法など
性(男らしさ女らしさ)→男なのに女のような服装・言葉遣い・態度をするなど。その他、恋愛・性に関するすべての行動・言葉は恥となる(年齢・経験・文化にもよる)
排泄→排泄行為が一人でできない、排泄に関する言葉、露出、
身体維持→身体的病気、身体の弱さ。痛みに耐えられず泣いたりするHelp反応。休息(精神力の弱さ、環境による)
精神維持→精神的病気、通常・病的な防衛機制すべて。
愛情→意思疎通の拙さ、嫉妬、
承認・自尊心→退行現象(子供じみた行動・思考、成長不十分)、わがまま、迷惑、目立ちたがり、身だしなみ、おねだり(自立の不足)

 

上層欲求に基づく恥:
認知・知性→礼儀作法、一般常識行動・知識、経歴・学歴、
善行・道徳→悪癖、悪徳、弱いものいじめ(投射の一つ)、嘘つき(逃避)、

 

///上層欲求(成長欲求)
上層欲求は内的要因のため、「人物設定(特に性格)」を調整する必要がある。
このカテゴリーの中では上層・下層による強さの変化はない。

 

身体維持の上層:運動
愛・集団の上層:美、教育、純粋、環境をよくする……
認知:好奇心、現実認知、現実適合性、学習
創造:個性、自発性、生産力、努力、新奇さ、期待、運動
道徳:善行、正義、信頼
完成:価値、意味、能力

 

罪悪感:
罪悪感はかなり高次の感情で、高潔な感情の一つ。
具体的には「道徳」の一つで、良心がなければ罪悪感は存在しない。
すでに罪を犯した後であるため、完全補完が不可能な場合が多い。防衛機制の「補償」が起こる。

 

///欲求の過剰供給とその反動
上層も下層も、欲求を過剰供給するとストレスとなる。
過剰供給に対し、通常の行動反応としては自分で欲求を剥奪する方向へ向かう(これが完全補完)
うまく自分で剥奪できない場合はストレスとなり、防衛機制が出る。
過剰供給が起きている間は剥奪と同じストレス状態となり、それより上層の欲求が現れない(成長不全)
このストレスもきわめて強くなることがあり、例えば空虚感による自殺などがある。
以下は過剰充足による苦痛の原因。

 

精神的健康:
精神的緊張のなさすぎること、精神的単調・退屈、教育・討論の機会が得られない、周囲がすべて自分の思い通りにいく、自発的な精神的成長が不可能かその機会がない

 

身体維持:長時間の静止、食べすぎ飲みすぎ、
安全安定:戦争シミュレーション、社会的スリル(万引きやギャンブル)
愛と集団所属:過保護への抵抗、孤独への欲求、

 

///////////////////////////////////////////
完全補完と防衛機制

 

以下の完全補完と防衛機制は、障害に対する反応であって、全体障害を含むすべての障害に対する解決になりうる。
完全補完が最も理想的で合理的な解決だが、ほかの方法でも解決することがある。
防衛機制の種類の区別は明確ではなく、複数の領域にまたがるものもあるが、シナリオではそれは重要なことではないので細かくは論じない。

 

完全補完:
基本的欲求が剥奪された場合、どんな人でもまずは完全補完(元に戻す)を試みる。これが目標になる。このとき葛藤はない。
完全補完が不可能だとわかる(絶望(誰もしたことがない)、無力(不可能が確定)、無価値(価値がないと思う))と、欲求不満状態になる。そのときの反応は人によって大きく異なる。
精神・身体維持の欲求に関しては、防衛機制は起きない。これらは完全補完以外に解決方法はなく、これらの欠乏は仮に耐えられたとしても、病気、発狂、自我崩壊、死などの症状を引き起こす。

 

Help:
他人の助けが必要なとき、通常は合理的に協力を求める。

 

泣く:
本来は助けを求めるためになされる行動。
泣いたり叫んだりするのも完全補完の一つで、羞恥を伴うが、病的でもなく、建設的な反応。
泣いた後は、ストレスが大きく軽減されることに注意。

 

欲求不満反応と目標:
完全補完に絶望・無力・無価値である場合、欲求不満の反応が新しい目標になる。これには複数の選択肢が用意されていて、よく葛藤が起きる。
下層欲求の足りない人に上層欲求を満たす機会を与えると、恐怖・混乱して防衛機制が起こりやすい。攻撃の場合、上層欲求を必要とする人が攻撃対象になりやすい。

 

耐久力:
一般に、欲求不満に対し、剥奪される訓練を十分受けている場合は剥奪に耐えられる。訓練不足では耐えられない。
個人間で、欲求ごとに耐久力は異なる。
耐えている(我慢している)間は防衛機制は起きない。ただし耐久力が十分高くない間は、その障害が去るまでは、不安や苦痛が常に付きまとう。
耐久力が十分高いと不安や苦痛さえ感じない。その場合さらに上層欲求へと移れる。
耐えられないと防衛機制が起きる。

 

///通常の防衛機制
軽度から重度にまで反応する。
いずれの防衛機制も仕損じることがあり、その場合は欲求を満たせず、もう一度完全補完に向けて努力するか、さらに強力な防衛機制が起きる。

 

昇華:
まったく別のことでうっぷんを晴らす。ストレス解消。
スポーツ・ゲーム・おしゃべり・遊びなど。重度になると固着、嗜癖、やけくそ行動となる。
重度の場合、対象に夢中になりすぎて本来の目標を忘れることがある。

 

代償・妥協:
程度を減らして目標を満たすようにする。
物的代償(代替物で我慢)、程度の妥協(要求水準を下げる、開き直り)がある。
物的代償は重度になるとフェチズム(本来の目標よりも代替物に執着する)になる可能性がある。

 

補償:
完全補完が不可能なため、別の手段で償うこと。

 

理解:
欲求が充足されなくても、原因を理解したり先が予測できたりするとストレスは緩和される。

 

自己正当化:
責任転嫁(言い訳を含む)による直接的な自己正当化。
同類への擁護・媚び・過剰な賛美による他者正当化による自己正当化。
異種への批判・攻撃による他者批判による自己正当化。
いずれにしても筋の通らない屁理屈になっており、論理的な反撃には太刀打ちできないのが特徴。
重度になると自己愛的傾向、誇大妄想、同類への異常執着、異種への強度の攻撃反応となる。

 

同一化:
理想の人になりきる、あるいはなりきったと思い込むことで自分を安心させる。
自己正当化の一種で、重度になると自己愛傾向、誇大妄想になる。

 

摂取:
自分の組織の業績を自分の業績と思い込むこと。自分は何もしていないが、自分の属する組織が高い業績を出すと自分のことのように喜んだりする。

 

注目を集める:
自分に注目を向けさせることで自己満足して心の安定を得ること。

 

打ち消し:
悪いことをしたあとに償いをする、やり直し。
重度になると、原因がないのに罪悪感だけ残ったりする。

 

軽度の分離:
自分を抑えて周囲に適応する。
重度になると病的な抑圧反応・重度の分離へ発展する。

 

軽度の逃避:
意識的な逃避→逃げる、無視する、沈黙する、話をそらす、騙す、裏切る、仮病・嘘をついて逃れる、幼児退行して周囲の注意を引く、意図的な感覚遮断(耳をふさぐ、目をつむる・そむける)

 

罪悪感:
自分への攻撃の一種。
他人に向けられると、いらいらしたり八つ当たりのような反応になる。

 

///強烈な(病的な)防衛機制(感情が強いことを示す)

 

無意識的抑圧:
耐えているように見える(なんともないように見える)が、心底では耐えられていない。
本人もストレスを自覚していないことが多い。
軽度では目に見えた症状はないが、重症になると精神疾患、心身症(身体的病気)、神経症になる。つまり体を壊したり頭がおかしくなる。

 

非理性的攻撃:
通常の防衛機制とは異なり、抑制できない攻撃性。
物理的な攻撃、精神的な攻撃がある。
本人の性格によって攻撃対象が異なる。

 

関係人→復讐をする。軽度では罵倒、威嚇、重度では脅迫、暴力、最悪では殺人になる。間接的復讐(対象の友人や親類を攻撃、道具を使う攻撃、匿名を維持して攻撃など)もある。
無関係人→軽度の八つ当たり、場違いな怒りに始まり、重度では万引き、器物破損、暴走行為、無差別殺人など。
自分→罪悪感、自傷、ひどくなると自殺、発狂。

 

重度の分離:
精神的ダメージを減らすため、別人格を発生させ、本来の自我を別の取っておくことで自我を保持する。無理に適応させる反応。
適応反応→従順あるいはマゾ的反応。別人格は非常によく周囲に適応し、本来の自我は別に取っておく。無意識的抑圧と似ている。ひどくなると多重人格になり、本来の自我を守る。守られない別人格は無感情・無反応となり、行動・感情がなくなり、本来の自我にはダメージがない。

 

重度の逃避:
無意識的逃避→忘却、気絶する、病気になる。病気になると、疲労、身体各部の痛み・不快感、嘔吐、過剰睡眠、失禁、感情の過敏反応などとして表れる。
自殺などもこれに含まれる。

 

固着:
解決しない依存行動。嗜癖ともいう。瞬間的な快楽、スリルに依存する。
酒、タバコ、薬物、万引き、犯罪、ギャンブル、自傷行為。最近はインターネットやオンラインゲーム依存症もある。
手洗い、病的に何かが気になるなどの神経症的行動を含む。

 

反動形成:
本心と反対の行動を取る。
方法1→相手から望む反応を引き出すため、意図的に障害を作る。好きな人をいじめて「愛しているなら抵抗しないはず」とか、忠誠心を試すためにわざといじめたり極端に過酷な任務を科したりして、それに耐えられるかどうか(耐えられれば忠誠心があるとみなす)試験する。
方法2→本心を隠したり、弱みを見せないようにするため、意図的に反対の行動を取って知られないようにする。好きな人に冷たい態度を取ったりする。
罵倒、弱点攻撃、中傷、悪口、悪い噂、陰口。

 

投射(同種攻撃):
不安から逃れるための反対行動。結果的には同類への攻撃反応となる。
自分に自信がないとき、同種を攻撃して優越を示すことで、自信がその同種を超えていることを示そうとする。

 

投射(反対攻撃):
自分の弱点をさらすのを恐れているとき、同じ弱点を持つ他人を攻撃して自己防衛する。周囲から見ると、自分はその弱点を持っていないかのように見えるため。
自分に向けられると被害妄想になる。
虐待、いじめを含む。

 

否認:
現実を認めないと思い込む、対象を消滅させる。

 

///その他の価値観の変化の原因
情報の投入:勘違いを証明・選択肢の増加など。アンカー(小道具)を伴うことが多い。
防衛機制:欲求不満への反応として価値観が変化する。
再現:何らかのきっかけ(小道具や人物)で、「以前テーマ(アンチテーマ)を満たしていた自分」を思い出すことでそのときに戻ることがある。
環境変化:目的を阻害する環境要因(物理的・精神的)が変化し、可能になる。
覚醒:人間関係の追加・消滅(裏切りなど)・変化により、生まれつきの本能・潜在能力(愛や憎悪)が覚醒する。

 

/////////////////////////////////////////
各章の技術

 

1ST:
最初の障害で疑問伏線を張ると効果的。
型:張り手型(初SP→紹介の順)か撫ぜ型(紹介→初SPの順)か。
切り口:最初の場面の適切なWhenとWhereを決定。
テーマ性格紹介:主役か脇役が初めて登場するときはとにかく必要。SP→SSを使う。
目標提示:その部の目標が提示される。
世界設定提示:時代や場所は最も最初のみ提示でいい。ものすごい時間が過ぎたり場所が移動したときにも、随時必要。
人物→テーマに関係する人物は早いうちに全員紹介しておく。

 

CL:
葛藤と障害→+と−の数が、どのほかの章より多い。障害の難易度も最高。
疑問伏線回収→伏線はすべてここで回収される。各章であらかじめCL専用の伏線を張っておくと効果的。
よせ玉→登場人物ができるだけいっぺんに集まっているほうがいい。
見せ場→多人数、非常に広大か美しい風景、スリル、争闘、ラブシーン、天変地異、ショックなどあったほうが迫力が出る。
大きさ→大量、最強、最大など、とにかく「大きい」要素があるといい。

 

///////////////////////////////////////////////
記述内容での分類

 

基本的にシーンの流れは一つの事柄について、人物・世界紹介→情報入手・提示・伝達→心理描写・障害への反応→解決への行動の順で行われる(知る→思う→する)
これらはできるだけ同時に提示する。無駄をなくすため。併用すると説明セリフを避けられることが多い。
同じ種類の文を長く続けない。退屈になる。
説明セリフになりそうなら、独白か地書きにしたほうがいい。読者の混乱を防げる。

 

1.人物・世界設定の紹介と現在の状態の情報提示:
初めて出る人物は紹介が必要。
時間が飛んだり移動したりすると、時と場所を提示する。
設定が途中で変わることがあるが、変ったらそのつど紹介する。

 

2.障害と目標、情報入手・提示・伝達:
障害発生→心理描写→動機剥奪→目標提示のうち、障害と目標は情報として提示する。
登場人物が情報を入手し、障害を認識したなど、これらの情報を読者に提示することが必要。さもないと「なぜ何も知らないのにこう思うのか、こうするのか」がわからない。ちゃんと人物に情報提示されたこと、心理が動いていることを提示すること。
すでに提示された情報(障害や目標など)があっても、その場に居合わせない人物はそれを知らないことになるため、その人物に情報を伝える場面が必要である。そういう場合は「時間の経過」を使って省略する。

 

3.心理描写・障害への反応:
障害発生→心理描写→動機剥奪→目標提示のうち、心理描写と動機の発生を描写する。
あらゆる行動(目標への行動・解決への行動)への動機が十分説得力のあるものでなくてはならないため、その動機の強さを示すために心理描写は必要。

 

4.解決に向けた行動・結果
誰が何をするかを描写。

 

///主な記述方法
これら4つの要素について、記述方法は大まかに以下に分類される。

 

SP→SS:障害と解決によるもの。人物の行動やセリフによる。
セリフ埋め込み:行動を伴わず、セリフの中で説明するもの。
独白・ナレーションまたはセリフ中で説明:臨場感に欠けるが、とにかく早い。重要でない説明はこれを使うことがある。
CG・映像のみ:明らかに見るだけでわかるものはこれだけですます。

 

/////////////////////////////////////////////////////
1.人物・世界設定

 

///性格・世界設定の紹介の必要性
障害、動機、解決が示される以前に、それに対して妥当な性格・世界が設定され、紹介されていなければならない。
突然都合のいい障害が投入されたり、一貫性のない性格でストーリーが進むのは、読者の理解を妨げる。それを防ぐため。

 

ストーリーと関連がなさそうでも作る:
ストーリーと無関係そうに見える部分でも、とりあえず作っておく。
テーマを無関係でも、読者に入り込ませるために必要なもので、技術的手法の一つと考えてもよい。
無駄になる設定もあるが、障害や解決など、設定していくうちに思いつくことがある。バリエーションを出すことにおいてヒントになりうるので、とりあえず設定しておいた方がいい。
絵や音楽では使える要素・材料が限られているためにこのようなことは不要だったが、シナリオは使用可能な要素範囲が非常に広い。だから何でもだしておく。

 

気を付けること:
妥当な設定ばかり選んでいたのでは障害も解決も増えないので、ある程度障害や解決を意識して作ること。

 

///デフォルト設定について
人物設定と世界設定にはデフォルトを用意する。デフォルトは「大多数」や「平均」の概念がある場合に適用する。「特に何も言わなければこれくらいだと読者が勝手に解釈する要素」のこと。
デフォルトのままなら提示しなくても読者は理解できる。デフォルトのない要素は、ストーリーやテーマに関係する場合のみ、必ず提示しなければならない。関係なければ無視してよい。
必要がない限り(障害として設定したりしない限り)デフォルトを使用する。
デフォルトはかなりあいまいなことしか表現できない。設定を詳細化した場合は必ずその詳細を提示しなければならない(もはやデフォルトの範囲内ではない)

 

///デフォルトから外させる
人物など、リアリティから大きく外れる場合、ほかの設定をデフォルトから大きく外させると良い。

 

////////////////////////////////////////////
各記述内容の記述方法

 

///人物・世界設定の紹介

 

紹介タイミング:
基本的にはできるだけ早く紹介する。
世界設定→時代、場所がデフォルトでないなら、物語のできるだけ早いうちに紹介する。「いつ」「どこ」が変わったときは、変わり次第紹介する。
人物設定→その人物が登場したらすぐ紹介する。

 

伏線:
例外として、疑問伏線のように障害の一つとなっている場合は解決時に紹介。
人物・世界設定は基本的に最初(場所変化や人物登場時)にすぐ紹介しなければならないが、疑問伏線の障害として使う場合は情報提示が遅れる。その場合はあらかじめ疑問伏線として紹介しておく。どちらにしろ変化したらすぐ紹介あるいは伏線を投入しなければならない。

 

1stシーン初頭での紹介:
物語初頭では以下の二通りがある。張り手型のほうがインパクトがあり、できればこちらがいい。
張り手型→まずSP提示。次にすぐ時代、場所を提示。最初のSPは軽い疑問伏線となる(読者はまだ理解できていないから不明型要素となる)
撫ぜ型→時代、場所を提示してからSP提示。

 

紹介方法:
SP→SS:「問題の提示」と「行動」によるもの。非常に強調される。テーマ性格など非常に重要な要素はこれで紹介する。基本的人間関係、境遇、性格と価値観はこれ。障害にした設定はすべてこれで提示。
セリフ埋め込み:強調しなくていい要素はできるだけこれで紹介する。
独白・ナレーションまたはセリフ中で説明:上記二つで紹介できない要素はやむを得ずこれで紹介する。複雑な推理などは理解しやすくするため、セリフでやりにくいときに使う。
CG・映像:明らかにセリフで説明しなくてもすぐわかるような要素、あるいは言葉にすると説明が無駄に長くなるものはこれであらわす。外見(端役除く)、およその年齢、およその時刻と場所はCGで示される。CGで示せないときは文章で示す。

 

特殊な紹介方法:
回想・想像:広義にはSPSSやCG映像に含まれる。わかりやすくするため、退屈を紛らわすためにこの方法を使うが、あまり長くやるとテンポを損なうので注意。短く済ますように。

 

退屈さの回避:
アニメにおいて、シナリオの提示方法(SPSS、映像CG、セリフ、独白ナレーション)のうち、セリフと独白は長時間同じパターンが続くと画面が退屈になってしまう。
それの回避方法として、カメラの位置、距離、角度の変更、焦点キャラを変える、カメラを移動する、ジェスチャーを大げさにして動きを大きくする方法があるが、できるだけシナリオの時点でさまざまな提示方法を混合して使い、また人物紹介、障害提示、解決、設定紹介などを同時に入れるようにすることで回避するように。
ただしゲームのような完全1人称視点ではこれがまったく不可能で、単調な視点になることがある。

 

///現在の状態の情報提示
障害解決後、その状態を情報として提示。タイミングは当然、障害解決後すぐ。
内容は、依然と変化のあった部分のみ。同じ部分は重複紹介となるので不要。
詳細化は5W1Hのほか、五感による感覚情報を提示する。

 

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人物設定

 

主人公の人物設定は、基本的に(テーマ)障害にする方針でいく。
メイン脇役はメインテーマに適合するような性格、アンチ脇役はアンチテーマに適合するような性格にする(障害にしない)
脇役に障害になるような性格を盛り込み、障害を克服させるような展開にしてはならない。それができるのが主人公だけ。でないと、誰が主人公かわからなくなる。

 

テーマ性格は主役と脇役にしかない。
各人物で、性格が拮抗しないように注意。
性格は極端にしたほうが面白い。
一人の中で矛盾した性格を設定しないように。

 

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必ず提示するもの

 

1.デフォルトのない要素
以下はどんなシナリオでも必ず提示する。これらが提示されないと、たいていのシナリオでは理解しにくくなる。
ただし18禁もので明示しないほうがいいもの(年齢や「学校」のような表現)は避ける。
主人公は誰でも感情移入できるよう、設定を明確にしないほうがいいことが多いので注意。

 

名前:
各人物で、文字数が異なるようにしたほうが読みやすい。
文章中では、最初だけ()で読み方を書いておく。
主人公(円形)か脇役(半円形)か端役か、性格にふさわしい名前、区別しやすい名前、実際に有りそうな名前を避けているかどうか(カタカナとかよい)。

 

テーマ価値観:
SP→SSによる紹介で提示。

 

年齢:
発達心理学の観点から、テーマによって無理のない年齢を設定しなければ不自然になる。
発達心理学上の精神年齢と実年齢を分けて書いておく。
主人公はCGがない場合に文章で年齢を提示。
必要がなければおよその年齢でよく、数字で示す必要はない。

 

基本的人間関係:
各登場人物との関係。すべての人間関係図を書いておく。
一般人との交友関係(端役以下の価値観→組織を人と例えて)
人付き合い(性格に近い)
家族・親類・友人・恋人・先輩後輩・上司部下などどれに相当するか。
過去にどんな関係だったか、必要があれば。

 

人間関係の行動への影響:
仲のよさを設定し、それが行動でわかるようにしなければならない。
仲がいいほど近くにいる、会う頻度が高い、楽しそう、安心している、よくしゃべる、自己開示度が高い(プライベートをよく知っている)、知られたくないことでも知っている、行動が予測できる、

 

呼び方:
一人称→僕、私、俺など。状況(仕事中、プライベート)で多少変化する。相手によっても多少変化する。
二人称→対象人物ごとに明らかに異なる。君、あなた、お前など。
三人称→名前を含めて呼ぶとき。○○さん、○○君、呼び捨てなど。

 

現在の職業:社名・学校名、学部・学科、役職・所属・地位・階級・収入、
境遇:家族構成、住所、既婚か未婚か、
外見:身長、体型、服装、

 

必然提示要素:
CGや映像によって必ず示されるもので(ただしメディアに左右される)、デフォルトであってもなくても設定はしなくてはならない。ただし必要がなければデフォルトにする。
必然提示要素→名前、性別、(およその)年齢、

 

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必ずしも提示する必要のないもの

 

///デフォルトのある要素
何も設定しなければ登場人物は以下の設定になる。

 

性格と価値観:対立する二つの性格要素の中間。
交友:(中学以降で)親友は1〜2人、友人は5人前後。年齢によってそれぞれデフォルトがある。
結婚・家庭:30歳くらいで初婚。子供は1〜3人が平均。
職業:会社員(年収500万前後)・主婦、学生、
境遇・経済状況:中流階級、
住所:都会の住宅街
宗教:なし
能力:平均
経歴:平均的高校からそこそこ(三流私立)の大学に入って卒業。
将来の見通し:
スケジュール:土日休み、7時出勤・登校、16時下校、18時退社(残業なし)、

 

///デフォルトが「なし」であるもの
健康:現在病気(健康がデフォルト)、過去に重い病気、手術経験
特殊能力:特技、魔法
経歴:自分と家族の再婚暦、死別暦、腹違いの兄弟、前科、(過去含め)褒賞、
団体:部活・クラブ所属など課外活動、習い事、地域団体所属、(趣味などの)サークル活動
その他:ジェンダーの不一致、趣味と特技、悩み事、隠し事、軽蔑・コンプレックス、トラウマ、強み・弱点、属性?(兄弟、職業的属性などが性格に及ぼす影響)

 

注)ジェンダー不一致→男(女)なのに男(女)らしくない、異性全般を軽蔑している、異性全般が怖い、など。

 

///状態ステータス(動機→精神・肉体維持、安全安定以降に関係)

 

職業:
過去の経歴(出身校とそのレベルや専攻、賞、成績、前科など)、将来の夢(人生の目標あるいはそれがあるかないか)、所属団体(○○会員、クラブなど)、(過去の)習い事やクラブなど

 

境遇:
自分含め家族とその職業・年齢・国籍・住所(既婚か未婚か)、特殊な家庭事情(誰と血がつながっているかなど、またそれを本人が知っているかどうか)、経済状況(暮らし向き、上流中流など)、将来の見通し、過去の状態、親類との関係(良い・悪いなど)、経歴、家の造り

 

一日のスケジュール:
平日、休日の平均的スケジュール(最低限、出勤時刻と帰宅時刻くらいは書いておく)
平日:起床、朝食、出勤(登校)、仕事(学業)、残業(放課後)、帰宅(下校)、夕食、風呂、団欒、部屋で何するか、勉強、寝る。

 

趣味:
学生の間はクラブに入っていたりする。
人の趣味は、ある程度仲がよくないと知らない。仲のよさを示すために「趣味を知っている」というのがある。
芸術系:文章(小説や漫画など、鑑賞、制作)、絵画・音楽(鑑賞、製作)
運動系:球技、陸上競技、器械運動、走る、歩く、自転車、冬季スポーツ、格闘技など。

 

趣向:
食、遊び、衣服、人、価値観、

 

身体の状態:
健康状態(頑強、持病、病歴など)、力(腕力、体力など)、頭脳(賢さ、得意分野など)

 

///性格・人間関係(動機→愛・所属・承認・自尊心以降に関係)

 

設定のしかた:
人間関係は障害のほか、動機のためにも使える。
程度によって動機や障害の強さに影響するので、程度も同時に決定する。
性格と人間関係は、異なる相手・状況・話題など、さまざまな要素によって無限に変化するため、一律に設定することができない。ただし同じ相手・状況では当然同じ性格にしなければならない。
(「なぜそのような性格になるのか」は考えなくてもよく、「その性格が何を意味するか」が重要。意図のない性格決定は無意味。)
人物設定の「性格」はキャラで重ならないように、順番に全員一気に書くといい(たとえばキャラAに優しいと入れたらキャラBには冷たいと入れる、というやり方)
次の二つは紙を使用する。人物の人間関係と葛藤→人間関係表(葛藤含む)、世界設定→マップ(地図)

 

ステータス:
素行、友人付き合い、恋愛(異性の好みなど)、経済感覚、政治意見、宗教、世間の見方、直情・偽装度、信条、社交性(よくしゃべる、静か、聞き上手など)、正直さと誠実さ、品位、癖(口癖)、隠し事(他人に知られたくないこと)、楽しみ(趣味)と(慢性的な)悩み、能力(学問、芸術、運動)、趣味特技、物の好き嫌い、得意分野と苦手分野、不安、恐怖するもの、(人生の)目標・願望、期待していること、性的役割性格(男らしさ女らしさ)、性的倫理(男・女をどう見ているか)、思考感情(主観と客観の強さ)、直感感覚、家族的属性(姉、妹、母…)、職業的属性(看護婦、教師…)、トラウマ(過去の失敗)、特殊能力(魔法など)、欲求不満耐性、規範意識の高さ、

 

弱み・コンプレックス(動機→承認・自尊心):
人物設定のうち、特に悪い方向に逸脱しているものがコンプレックスや慢性的な悩みとなる。

 

人間関係:
大切・どうでもいい、好き・嫌い、親密・疎遠、交友が広い・狭い、尊敬・軽蔑(どの部分を)、恨みがある・恩がある、劣等感がある・ない、妬み・卑下、信頼・不信、利害関係(利益・損失)、支配・被支配、依存・独立、

 

性格(相手で変わる):
正直・うそつき、怒りやすい(短気)・穏やか、恥ずかしがり・開けっぴろげ、大胆・小心、明るい・暗い、強気・弱気、強引・気弱、優しい・冷たい(厳しい・甘い)、肯定型・否定型、ボケ型・突っ込み型、独立・依存(甘えん坊)、無神経・神経質、世話好き・放置型、心配性・無視、恐ろしい・侮れる、だまされやすい・疑い深い、勇敢・臆病、競争心旺盛・競争を嫌がる、妥協する・しない、協力的・非協力的、

 

性格(相手で変わらない):
男らしい・女らしい、感情的・思考的、プライド高い・低い、真面目(インテリ)・不良、おとなしい(淑やか)・やかましい、がさつ・丁寧、傲慢(自慢好き)・謙遜、幼い・大人っぽい、素直・偽装、純粋・腹黒、上品・下品、堅物・好色(スケベ)、従順・反抗的、お人よし・自己中心(意地悪)、即決型・優柔不断、頑固・柔軟(寛容)、妥協しない・流されやすい、衝動的・理性的、好奇心旺盛・無関心、能動的・受動的、外向(流されやすい、人あたりがいい)・内向(思慮深い、頑固)、おもしろい(冗談が好き)・退屈(冗談が通じない)、孤立型・群れ型、ドジ(おっちょこちょい)・抜け目がない、天然ボケ・スレてる、賢い・愚か、すぐ笑う・むっつり、大雑把・まめ、せっかち・のんびり、慎重・無謀、単純・複雑、熱血・冷静、はねっかえり・穏やか、楽観的・悲観的、型破り・型どおり、勤勉(努力家)・怠惰、タフ(ド根性、我慢強い)・軟弱、浪費・倹約(ケチ)、収集癖・すぐ捨てる、アウトドア・インドア、凝り性・飽き性、頭脳派・行動派、

 

セリフスタイル:語尾の特徴、助詞の多さ、発音のイントネーション、修辞法の使い方など

 

人間関係の好き嫌い:
好きな相手が嫌いなものは嫌い、嫌いな相手が好きなものは嫌い。
人間関係を線で結び、±をつけ、全てかけてプラスになるようにすると自然。

 

///親密度の心理学的法則
人間関係の密度と独占欲、優先順位:
交友範囲が広くなると密度は低くなり、範囲が狭いと密度は高くなるのが普通。
広い交友範囲で密度を上げることはできないが、狭い範囲で密度が低いことはある。
人間関係に優先順位があり、独占欲があるために優先順位を上げようとする。
同性間でも独占欲は起こりうる。
親友の範囲→通常1、2人。優先順位が他の友達よりも高くなる。
広い交友範囲では信頼が薄く、信頼を計るためにテストすることがある。孤立の恐怖(集団所属欲求)が原動力となる。

 

///シャドウ(二重人格的性格)
性格がわかりにくくなる可能性があるため、最初にこの性質を出しておくか、疑問伏線を張るなどの注意が必要。
端役にシャドウをつけてはならない。主役と脇役のみ。

 

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病的な性格の問題

 

医学的に病的といわれている性格で、一般的には魅力のない要素である。
ただしこれらの問題を抱えていても、悩みながら成長することができる。これらの設定は主人公や主役キャラに設定しても問題のないことも多い。

 

///精神疾患

 

統合失調症の症状:
幻覚、幻聴。ほか、身体感覚の妄想。
妄想が進み、他人に興味をなくす。自閉的傾向。思考に忙しいためにほかのものに興味をなくし、引きこもる。
被害妄想、関係妄想(周囲の出来事をすべて自分に結び付ける)、注察妄想(監視されていると思い込む)、追跡妄想、心気妄想(病気だと思い込む)、誇大妄想、嫉妬妄想、恋愛妄想、毒妄想、血統妄想。
誰かに操られている、自分の思考が読まれている、自分の思考が流れ出ている、という妄想。
極度の興奮。自分は神だと思い込んだりして、狂ったように興奮する。
昏迷。無反応、無表情、無言、不自然な姿勢をいつまでも続けたりする。拒食もある。
同じ事を繰り返して考え、言う。常同思考という。
自発性、意欲の低下。
認知機能障害。記憶、集中力、問題解決、思考、計画などに障害が出る。
不安、焦燥感、緊張感が出る。

 

統合失調症の治療:
薬物療法を行う。ほか、スキル訓練、心理療法もある。
原因だが、厳密なメカニズムは不明。

 

躁うつ病の症状:
躁状態では、自分が何でもできると思い込む、睡眠時間の減少、よくしゃべる、電話をかけすぎる、次から次へ思考(話)が飛ぶ、気が散って集中できない、よく動く、破壊行動、金を使いすぎる、性的逸脱行動。
うつ状態では、ぼーっとする、会話が減る、学校・会社を休みがち、不登校、集中力・注意力の欠如、運動神経の低下、自尊心の低下、興味・喜びの喪失、自殺企図、睡眠障害、胃炎、体重増加・減少、吐き気、腰痛や頭痛、対人関係の悪化。

 

躁うつ病の治療:
薬物、心理療法、認知行動療法など。

 

神経症の症状:
特定の恐怖に遭遇したとき、めまい、吐き気、動悸、息切れ、手足のしびれ、痙攣などが起きるが、命に危険を及ぼすものではない。
広場・閉所恐怖、社会恐怖(赤面、発汗など)、強迫性(不潔、確認、加害、被害、自殺などの恐怖で、それらを避けようとする過剰な反応をする)

 

神経症の治療:
薬物よりも心理療法が中心となる。

 

解離性障害:
不快な記憶を記憶喪失したり、ショックな現場で気絶するのは正常な反応で、これに含めない。
原因の多くは、幼少期のいじめ、虐待、トラウマが原因とされている。
症状は複数ある。
離人症。自分自身が別の人間のように感じる(離人症、夢の中のような感じになる)、これによって本人が非常に苦痛を感じている。
解離性健忘。一時的に忘れているが、本人が著しくそれによって苦痛を感じている場合。
解離性同一障害。これが最も重い症状。多重人格障害。ある人格は別の人格の記憶を共有しないのが普通だが、統合失調症のように別人格の声が幻聴として聞こえる場合もある。トラウマの記憶はどの人格も健忘していることがほとんど。
治療法だが、恐怖症の治療に加え、問題解決の適切な指導と、安全な生活の指導、スキルの向上、信頼できる人間との親密さの向上による安心感の取得などがある。

 

///人格障害

 

以下はDSMによる診断。

 

妄想性:猜疑心、信頼できない、善意を悪意として受け取る、恨みやすい。
スキゾイド:孤独を好む、性への興味の欠如、喜びがない、友人がいない、賞賛にも批判にも無関心、冷たさ、平板な感情。生活するに困らないことが多い。
統合失調:統合失調症の軽い感じのもの。
反社会性:犯罪、詐欺、衝動性、無計画、攻撃性、安全を顧みない、罪悪感がない。
境界性:見捨てられ不安、理想化とこき下ろし、不安定な自己像、自傷行為、性的逸脱、自殺、気分の急激な変調、空虚感、場違いな怒り、解離性症状。
演技性:注目されないと気がすまない、挑発的な対人関係、誘惑する、感情が希薄、他人の関心を引きたがる、印象的だが詳細のない話し方、芝居がかった態度、誇張した情緒表現、暗示を受けやすい、対人関係を実際以上に親密なものとみなす。
自己愛性:自分が重要だと思い込む、成功・権力・美しさ・才気の空想、特別で独特で地位の高い人にしか理解されないと思い込む、賞賛を求める、特権意識、他人を利用する、共感性の欠如、嫉妬しやすい、尊大で傲慢。
回避性:非難を恐れる、好かれていないかも知れない、恥をかく、笑われる排除されるなどの心配のため、人と関わらないようにする。過剰に低い自尊心で、社会や他人と交流しない。新しいことを始めない(失敗の恐れから)
依存性:過剰に助言を求める、自己決定できない、一人で責任を負えない、反対できない、一人で物事ができない、無力感。常に保護を求め、保護されない状態になると新しく保護してくれる人を求める。
強迫性:規則にとらわれすぎて主要点が不明になる、完全主義、娯楽や友人を犠牲にして仕事をする、道徳や倫理に過剰に誠実、物を捨てられない、他人が自分の思い通りにならないと仕事を任せられない、ケチすぎる。頑固すぎる。

 

///自閉症

 

以下はDSMによる診断。治療は不可能とされている。

 

視線を合わせない、合わせすぎる、表情や姿勢、身振りが適切でない。
発達心理学の発達水準に合わせた仲間関係がうまく作れない。
楽しみを共有しようとしない。
話し言葉に遅れ、あるいは全くない。
会話を継続するのが困難、あるいは同じ事を繰りかえし言う。
特定の興味だけに集中する。
特定の機能的でない儀式などに強くこだわる。

 

///その他

 

対人恐怖症:
赤面、表情恐怖(自分の表情が気になる)、視線恐怖、醜形恐怖(自分が醜いと思い込んで対人関係ができない)、手が震える、電話恐怖、会食恐怖、吃音、多汗症、自臭恐怖、男性・女性恐怖。

 

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外見(動機→愛・所属・承認・自尊心以降)

 

人物設定を示すための要素。特に平均的な性格を表すことが重要。
職業や年齢も表すことができるが、およそしか表せないため、これが外見設定の目的ではないことに注意。あくまで性格設定が目的。
服装は、「そうありたい自分」または「これが妥当だと思う自分」を表している。前者はシャドウ的なのでシナリオ中の性格とは逆に、後者は順ずる方向で決める。
通常は「これが妥当だと思う自分」を現す服装をしている。
「こうありたい」と思う服装は、一人だけのときは抵抗があるため着ることはあまりない。誰かに見せたい意図があるときにだけ着る(そういう人間と会うときなどはこの服装になるため、服装で動機や目的が作れる)

 

見た目:
体型(平均・肥満・痩せ型・筋肉質・プロポーションなど、スリーサイズの特徴)、目(色、大きさ、太さ、目つき、視力)、髪(色、長さ、クセ、太さ、分散度、本数)、肌(色白・日焼け、つやつや・かさかさ、きめの細かさ、しわの多さ、人相、人種の特徴(白、黒、黄色))、ひげ・もみ上げの有無、顔形(縦長、横長、卵型、円形、アゴが張っている…など)、顔の印象(美しさ、感情的印象(優しそう、怖いなど))、表情(喜怒哀楽などどのような感じか)、全体の雰囲気(性格の反映)、リズム(スピード、テンポ、連続性、姿勢、歩き方、階段の上り方、椅子に座るときなど)、アクセサリ(眼鏡、タバコ、ヘアバンド、松葉杖、包帯、ネックレス、指輪など)

 

年齢を示すもの:
身長と体重

 

///体型(平均からの体重のずれ)の示すもの
太っている体型が示すもの:
食いしんぼう、でかいほうが有利なスポーツをしている、食い過ぎれるほどお金がある、地位が高い、年齢が中年

 

やせている体型が示すもの:
神経質、頭脳労働者、病弱、老年期

 

筋肉質な体型の示すもの:
スポーツが好き、身体を使う職業や部活に所属、

 

性格を示すもの:
髪型:長短、そろい方(特に前髪)、分け目、クセの強さ、色、つや、量、硬さ)
声:高さ、大きさ、明瞭さ、しゃべる速さ・テンポ・連続性、トーン・感情表現の強さ

 

///服装

 

服の種類:
制服系→仕事・学校関係の服装は制服やスーツとなり、職業と所属組織の性格を示す。個人の性格は示さない。
私服系→家庭内、お出かけ、就寝時、スポーツ時など、これらは服自体が性格を示す。
例)硬い・ラフ→真面目・寛容、動きやすい・にくい→アウトドア運動好き・インドア運動苦手、色・柄・模様が派手・地味→開放的・慎ましい、色・柄・模様が上品・下品→上品・下品、
性的表現……女性フィット度高い・露出度高い→女として自信満々、ふしだらな性格、値段→高級志向、ごだわらない、

 

ほかに示せる要素:
清潔かボロボロか→経済状況、性格

 

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世界設定(動機→主に身体・精神維持、安全安定あたり以降)

 

以下、矢印で示したものはデフォルトである。矢印のないものはデフォルトがないので、示す必要がある場合(上記)は提示する。
詳細化した場合はデフォルトの域を超え、提示の必要が出てくる。
時と場所は、変えると以下の設定もその時代・場所に応じて替える必要がある。非常に難易度が上がるので注意。
架空の時代、場所なら以下の設定は自由に替えることが可能。替えた部分はすべて話の中で提示しなければならない。
基本的に、物語の舞台となる場所のみ設定すればいい。あるいはその周辺(関係する地域)、登場人物に関係する部分くらいまで設定しておくと、障害設定に都合がよくなる。

 

時:時代→現代、西暦→2010前後、季節→現在のもの
場所:国→日本、都市→都市部の住宅地域、
気候:雨量・気温(服装・背景に関係)、環境問題→CO2温暖化、水質・大気汚染など
産業:舞台となる場所のメインの産業、職業など。隆盛産業→IT、衣食住→アパレル・外食・コンビニ・建築・住宅・自動車・家電、インフラ→電気・ガス・水道、金融機関→銀行・郵便局、
情勢:平和か不穏か→戦争のない時代、飢餓・荒廃・伝染病の有無、
経済:豊かか貧困か、体制→資本主義、問題→不況・バブルの連続・人口問題、地価、
災害:自然災害→地震大国・台風、事故など
宗教:数→多神教あるいは無神教、内容、影響力→盆と正月のみ
民族:気質(人物設定を参照)→日本人の平均、衣服→現代、民族数、衣服(質・流行)、食べ物、遊び、
文化:芸術→映画・アニメ、(ネット)ゲーム、テレビ、ビジュアル音楽など総合芸術、スポーツ→たくさん、
言語:主要言語→日本語、言語数→1
技術:学術・研究機関→大学、研究所、通信→電話、メール、書類、情報→ネット、新聞、特殊な手段(魔法とか)
衛生・医療:死因→ガン・脳卒中、最新技術→抗体医療・再生細胞
交通:手段→車・電車・飛行機
政治:体制→共和制・民主主義、統括者→内閣・消費税、国際問題→テロ問題・景気悪化・漁海域(北方領土)問題・制空権、
福祉:問題→介護問題・医療保険・少子高齢化問題、

労働:問題→雇用不足・格差問題・不正雇用・解雇・過労死・不正経理・天下り、
家族・暮らし:問題→核家族・離婚・心の病、婚姻と年齢→18歳可・平均27歳前後、主食→白米とおかず、格差の有無→なし
学校制度:体制→小中高大学(院)、男子女子校制度の有無→あり、問題→不登校・引きこもり・いじめ・学力低下・理系離れ・親密さの低下・教師の雇用・懲戒問題
治安:問題→死刑問題・無差別殺人(奇怪な殺人)・児童買春・麻薬・万引き・暴行・少年法、
通念:価値観→バラバラ・自由、差別問題→部落・障害者、尊敬される人物像→金持ち

 

///ファンタジーの舞台
あまりに現実に近い設定だと、それが同様の現実に対して不快な感情を持っている読者は拒絶する可能性がある。
例えば学校や会社にいいイメージを持たない読者は、学校や会社が舞台になると、それだけで拒絶される。
そこで、シナリオ的には同じだが、舞台を現実にはありえないようなファンタジーの世界にしたり、誰も見たことのない非現実の世界(地下、海中、天空、惑星、異世界など)にすることで、そのような拒絶を防げる。
また現実は辛いことが多いため、あまり現実的な内容にした場合、それだけで疲れてしまう。芸術は、ある程度健康な現実逃避によってストレスを和らげることも重要な目的であるため、舞台は非現実世界にしたほうが、拒絶されないという点では安全ではある。

 

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地形・地理:

 

舞台となる場所の地形・地理を設定する必要がある。
これがないと映像が作れないし、背景描写で矛盾が生じたり、障害が設定しにくかったりする。
上空から見た地図のようなものを描いておくとわかりやすい。

 

地形:
舞台となる場所の地形。平地、山村、傾斜地など。
施設の傾向。住宅地域、商業地域、工場地域など。

 

建築物:
舞台となる施設。居住施設はどんなものか、舞台となる施設はどんなものか。
住宅、アパート、マンション、学校、病院、会社など。

 

 

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組織・コミュニティ設定(動機→主に愛・所属、承認・自尊心以降)

 

定義:
会社組織だけでなく、サークル、学校のクラス、家族、友人など(コミュニティと定義する)もすべて組織として考える。
現実には組織がないと人間関係はほとんど生まれない。
組織全体は人間と同じで性格や動機がある。
組織内で分けられた部や課も一人の人間のように動機・目標・障害がある。
臨時で作られる組織もある(委員会)

 

コミュニティと組織:
コミュニティの例は、家族、親友、恋人など。目標を持たない。あえて言うなら現状維持が目標。
組織の例は、会社、学校、部活動、サークルなど。目標がある。
病的なコミュニティは組織に近い構造を持つ。
無能な組織はコミュニティに近い構造を持つ。

 

///目標・業務配分、動機、障害、解決
組織は目標があり、各人や部や課に業務配分する。
独占について→暴利や独占があるとほかの組織が不利になるため、禁止される傾向にある。経済的に権力を持たれると面倒。
組織に生じた問題は、解決されなければ組織が崩壊する。何らかの形で解決されている(平衡が取れている)
さまざまな決定は会議や寄合、非公式な集会などで行われる。

 

///コミュニティ
明確な目標を持たない集団をコミュニティと定義する。
以下、組織と共通する部分があるので、それらを参照(特に組織の交友以降)

 

5W1H:いつどこで、誰が何をどのようにやるか。
方針:基礎方針ポリシーなど。目標とは異なる。
基本事項:組織名
業務内容:組織の目標、そのための各員に割り当てられた業務内容。
情報:組織が知っている情報、知らない情報、隠している情報など。
規則・習慣:校則、社則、恒例行事など、風紀、
事業計画:目標を遂行するためにスケジュールが作成される。目標、資源(金、設備、人員)など。
組織の部門:研究開発・設計、生産・材料・資材、社内運営(総務、情報、経理、人事など)、営業・宣伝、アフターなど
組織運営:税→組織内運営費、あるいは権力者が楽するための資金。払えないと逃亡したりする。
教育:その方法、内容。
組織図:各部署・役割・仕事内容・各代表者・階級制度
人員:能力、利害関係、仲のよさ、価値観のばらつき(一致していれば仲がよくまとまりがいい)

 

組織の編成:
組織間→合併や分裂など
組織内→配置変換
非公式→派閥、孤立化

 

人事配置とコミュニケーション:
車輪型→官僚制、樹木型で上下関係がはっきりしている。層状の権力配分で、基本的に意思疎通は一つ上層か下層へしかできない。個々の満足度が低いが効率は良い。
自由型→一人から全ての人員へ意思疎通が可能。上下関係はほとんどない。満足度が高いが効率は悪い。

 

組織内部のコミュニケーションの型:
脅迫型と親和型がある。下層欲求で動くタイプの人間には脅迫型が有効で、上層欲求の人間には親和型が有効。
脅迫型は創造力が低下し、自己防衛になりがち。
コミュニケーションが少ないと非効率、多いと効率がいい。
業績が高いほど衝突も多い。
個々の価値観が似ているほどコミュニケーションはスムーズに進む。しかし価値観が異なるほど業務効率はいい。
共有時間と仲のよさはだいたい比例する。

 

リソース:
リソースは人、物、金など。
取引は同時に行われるとは限らない。
負債を背負って後で払うシステムもある。

 

規模:
人数、資本、設備。
少ないほど個々の権力・組織への影響力が強い。
大型組織では業務の多様性のため、細分化が必要。したがって中央集権型になる。
大規模組織で派閥がある場合、多数派の勢力がかなり強い。

 

ストレスと満足:
満足度が高いと、生産力・効率・態度がよく、協調性が高くなる。
ストレスが高いと、反抗、拒絶、欠勤、離反(退職)が増える。

 

ストレスと満足に影響を与える要因:
報酬(給料、力量にふさわしいかどうか)、権力配分、人間関係。
業務の内容・量・価値・明確さ・難易度。
自分のアイデンティティ、目標との一致。
自信・自己効力。
能力、技術力。異なる能力を集めたほうが業務効率は高い。
自分が好きかどうか。
人間関係。個人の間に不信感、疑いが少ない。
責任が明確。
自由さがある。

 

組織とマズロの欲求階層理論:
組織全体で個人の欲求階層理論が当てはまる場合がある。
例えば承認が不足している場合、ストレスの刷毛口として誰かがいじめの対象になり(防衛機制)別の誰かがなだめる(これも防衛機制)
バランスが取れている場合、周囲は傍観したりする。

 

権力:
支配階級と被支配階級がある。
権力を持つほど組織の動機などと一体化する。
権力が強ほど責任が重い。
組織全体が自由であるほど権力の統制力は弱い。
権力でできることは主に人事権で、業務配置、権力配分、採用・解雇。
強く見せることで組織を思い通りに動かす。できないとき、見栄を張ったりする。

 

権力の変化・移動→昇進と降格。明確な条件があることもないこともある。権力が金で売買されたりする。権力者を選ぶのに「選挙」がある。
権力への動機→組織のコントロール(自由さ)、報酬(金、名誉)、自己実現(やりたいことができる)これらの動機に興味のない個人は権力を求めない。
権力の範囲:権限の物理的範囲の中に(縄張り)がある。所属不明の縄張りを争う(北方領土)
権力の継承:血縁、友人など親しい者へ(世襲制)、あるいは能力制。

 

責任:
目標を達成できなければ責任を取らされる。責任は罰則。
通常は権力の強さに比例して責任が重くなる。
責任を強化するため、連帯責任の方法がある(五人組)

 

///規律・規約
刑法、軍事、民法、政治など。
統制のために必要で、主に罰則と報酬でコントロールする。
公式なものと非公式なものがある。
不平等(条約含む)なものでは、治外法権。

 

刑法と罰則:
刑罰とその実権(この権力は非常に強い)
治安維持が目的。
この権力者は外部に設定するほうが公平で安全。内部だと別の報酬(賄賂など)で不正が行われる可能性が強い。
非公式なものでは村八分など。
刑にそれ以外の者たちへの脅しが含まれることがある。見せしめ刑。
死んだのを確かに確認するため、公開処刑にすることがある。
もし刑法がないと、すべて私刑(非公式)で制裁が行われるため、社会が危険で混乱する。

 

物理的特徴:
所在地→中心施設からのそれぞれの距離くらいは考えておく(歩いて○分とか電車で○分とか)
施設の特徴→位置(他施設との距離など)、外観とその周囲、大きさ、広さ、階数

 

コミュニケーション:
以下の場合、個人は説得されやすくなる。

 

話し手→能力が高い、信頼されている、魅力がある、自然に振舞う(説得しようとしていない)、類似性がある
受け手→自信がない
その他→報酬や罰がある、弱みを握られている(握っている)

 

///組織間の交友・敵対

 

原因:
基本、似たもの同士で集まり、組織ができる。
組織内でも組織間でも、敵対の原因は価値観の相違であり、目標も異なる。

 

国交:
目的は資源(人、金、物)や知識の入手。
国交手段には戦争・侵略(一方的)と取引・貿易(対等・分配)がある。
戦争は資源の入手のほか、価値観の違いでも起こる。
戦争放棄は、別の脅しと引き換えになっている。戦争をしない代わりに経済制裁が可能であったり。

 

交友条件:
組むことで今より利益が増えると予想されるなら協同する。
交渉以外に、政略結婚で無理やり近親者となる方法がある。
国交がないと(鎖国状態だと)独自の文化が創られる。

 

敵対条件:
組織間で価値観が違うと敵対しやすい。
目標の遂行が他組織に害を与える場合、敵対する。

 

グループでの交友・敵対:
交友関係の組織戸と対立関係の組織がどうなるかで、自分の損得が決まる。
組織の有利さは、交友関係にあるグループ全体の総和になる。対立グループの総和が低ければ自分グループの有利。
取引先や依頼先が利益を出せば、自分も利益が出る。損をすれば自分も損。
ライバルが不利になれば自分は有利になる。

 

組織グループ外からの信頼:
外部からの信頼が厚いほど、個々の人員は誇りが持てる。
自己評価が低い、権力が強いと、所属組織の評判を気にするようになる。
評判は利害関係者の情報で決まる。
評価が悪化すると直りにくく、一部の悪評が全部の悪評になりやすい。
信頼の条件→公正、誠実、利他的

 

///組織内の交友・敵対

 

信頼・不信:
相互に信頼があると民主的で、多数の意見を取り入れる。不信だと独裁しようとするものが現れ、他人の意見を受け入れなくなってくる。
信頼があると結束が強く、反乱は起こらない。会社組織でなければ、皆が対等に扱われる。不信だとクーデタや反乱、阻害、追放などが起き、不要な上下関係ができる。
信頼があると、問題が起こると、協力して解決に向かう。不信な状態だと、誰かがほかの誰かを搾取して解決へ向かう。
信頼があると苦労や努力に応じて報酬が大きくなるが、不信だと苦労しても実績を上げても報酬が低かったりする。
反乱を防ぐため、下克上のリソース(武力、経済力)を奪ったりする。

 

規律:
全員が人格者であれば、厳しい規律は不要で、規律を決めなくても自然に規律を守っている。
組織の中に、非人格者が紛れ込んでいると、問題を起こさないように規律が必要となる。
規律が厳しいと、異質なものを排除する傾向になることがある。この場合にはいじめや派閥形成による反乱が起きやすい。
何かで劣っていたり、目立っていると疎外されやすい。

 

いじめ:
原因は些細なことだが、継続性がある。また一方的なものをいじめと定義する。
原因は、弱者(力、頭脳、動作など)への「投射(防衛機制の)」、強者(力、頭脳、動作など)への嫉妬、異質な者を排除する傾向(組織的傾向による)、仲間に引き入れるため(組織を強化するため)
いじめ件数は、学校では中学校が最も多いが、職場や村のコミュニティなど、どこでも起こりうる。
コミュニケーション操作系は、操作している者がわからないようにする、あるいはほとんど自明であっても特定する証拠がないようにすることが多い。例えば明らかにAが物を隠したり悪い噂を広めただろうとしても、証拠がないため特定できない、というような状態で、問い詰めても知らん顔されればどうしようもない。

 

暴力・羞恥・直接操作系→物理的攻撃、服を脱がせる、恐喝、犯罪・危険なことを強要
コミュニケーション間接操作系→直接悪口、悪い噂を広める(評価や信用を貶める噂)、本人の物を隠す、物を隠すなど悪いことをして濡れ衣を着せる、
無視→全員で無視する、孤独にする、葬式の真似事(いなくなることにする)など

 

部門間の強さ:
以下の条件ほど組織内で力が強い。
業務内容が重要、代替が利かない、

 

///地位の比較

 

犠牲:
一部の人間を犠牲にすることで、その他多数の人間を引き上げる方法。一般には悪徳に分類される。
犠牲の種類には、問題放置・いじめ・降格・最悪の仕事などがある。

 

忠誠・友情・結束力のテスト:
テストにより反対勢力を排除・処刑し、その脅しにより反体勢力の一部は賛成になり、賛成勢力はより服従心を増す。
踏み絵や村八分、儀式的なものに従うかどうか、軍役に参加させるなど。

 

差別問題:
大半の人員に自尊心を与えるため、一部少数の人間を卑下できるような環境を作る。
エタや非人に最悪の仕事を与え、農民の自尊心を引き上げるなど。
避雷針の役割の人間を一人作成し、皆のストレス解消にする。

 

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参考:ユートピアとディストピア

 

理想郷社会の概要。これらは社会図だけではなく、小規模から大規模にわたるコミュニティにまで共通点がある。
ユートピアとディストピアは共通点が多い。

 

ユートピア:
周囲の大陸と隔絶した孤島である。
科学と土木によってその自然は無害かつ幾何学的に改造され、幾何学的に建設された城塞都市が中心となる。
生活は理性により厳格に律せられ、質素で規則的で一糸乱れぬ画一的な社会である。ふしだらで豪奢な要素は徹底的にそぎ落とされている。住民の一日のスケジュールは労働・食事・睡眠の時刻などが厳密に決められている。長時間労働はせず、余った時間を科学や芸術のために使う。
人間は機能・職能で分類される。個々人の立場は男女も含め完全に平等だが、同時に個性はない。なお、一般市民の下に奴隷や囚人を想定し、困難で危険な仕事をさせている場合がある。
物理的にも社会的にも衛生的な場所である。黴菌などは駆除され、社会のあらゆるところに監視の目がいきわたり犯罪の起こる余地はない。
変更すべきところがもはやない理想社会が完成したので、歴史は止まってしまっている(ユートピアは、ユークロニア(時間のない国)でもある)。

 

ディストピア:
粛清がある。体制(指導者)が自らの政治体制をプロパガンダで「理想社会」に見せかけ国民を洗脳し、体制に反抗する者には治安組織が制裁を加え社会から排除する。
表現の自由が損なわれており、社会に有害と見なされた出版物は発禁・没収されることがある。
格差社会が存在する。社会の担い手と認められた市民階級の下に、人間扱いされない貧困階級・賎民が存在し、事実上は貧富の差が激しい社会となっている。
市民社会では貧困の根絶が達成されたことになっているが、実際には社会の統制の枠から爪弾きにされた者たちが極貧層となり、それらのスラムが市民たちの目の届かぬ場所に形成されている。
社会の枠の中で暮らす市民階級について、体制が市民階級を血統やDNAのレベルで把握・管理している。
産児制限が行なわれる。強制的に人口を調整ないし維持する必要があり、市民の家族計画、さらには恋愛・性行為や妊娠・出産など人類の繁殖にまつわる部分さえ社会によって管理されている。
愚民政策により、これら負の側面については、市民階級からは当然のものとして捉えられているか、市民階級の立場からは完全に隠蔽された社会となっている。

 

ユートピアとは、結局のところ、唯一の価値観、唯一の基準、唯一の思想による全体の知と富の共有は、たしかに反するものが存在しないという意味で平和で理想であるだろうが、その実現には人間的なものや自由をすべて完全に圧殺しなければ実現しえないことを明確に表したものであり、理性以外のすべてをそぎ落とした果てにあるものの機械的な冷酷さを表したものである。
それは外面的には牧歌的で平和主義であろうと、人間を抑殺する実態をそなえている。

 

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2.障害と目標、情報入手・提示・伝達、行動の結果

 

///障害の提示
人物に動機を与えるため、障害に巻き込ませるか、障害を口頭で伝達させる。
SP→SS(障害に巻き込ませる)→人物(主に主人公)に直接障害を与える。もっともわかりやすい。基本的にこれを使うように。
セリフ埋め込み(障害を伝える)→主人公に直接障害を与えることができないばあい(殺人など)、別の人物が主人公に障害発生の旨を伝え、目標を作らせる。
独白・ナレーションまたはセリフ中で説明:上記二つで紹介できない要素はやむを得ずこれで紹介する。複雑な推理などは理解しやすくするため、セリフでやりにくいときに使う。
CG・映像:明らかにセリフがほとんど不要で、文章であらわすと無駄に長くなるものはこれ。シャレード的になってしまうので普通はあまりやらない。

 

その他:
現在の情報を提示する。障害を乗り越えるに当たり、「現在はどういう状況か」を提示しなくてはならない。設定と重なる。
極度の非常事態では、目標を提示する前に行動するため、目標は提示できない。その代わりその行動の結果を必ず書く必要がある。

 

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障害・動機・解決

 

///テーマ障害
障害とは、欲求を剥奪する外的な影響。動機は内的影響。
テーマから障害を決める。メイン部でテーマを満たさせなくする障害(メイン障害)、アンチ部でテーマを満たさせようとする障害(アンチ障害)
主役・脇役までは動機と目標が必要。仲間役の目標はテーマHelpをすることで、敵役の目標はテーマ障害をすること。
この三つはこの段階で1stからCLまですべて決めてしまう。最初にテーマ変極点のを決める。
キャラクター(性格)をじゅうぶん完成させられるまで障害を投入し続ける
「カセを乗り越える(クライマックスの葛藤を克服する)とテーマを満たせる」ようにする。

 

///全体障害
目標を達成するにあたり、話全体にずっと流れている障害(全体障害)を決める(時間制限・敵・謎など)
部分ではなく、話全体にすべてにかかっている障害。これを解決すると、速やかにエンディングに向かう。
最も重要なテーマ障害であり、メインテーマを満たすことで、クライマックスでこれを解決できるように設定する。

 

///部分障害
1つのテーマの部分全体にかかっている障害。ラスト以外、これを解決すると、主人公の価値観が変わる。
これもテーマ障害の一つ。

 

///障害の難易度
最初は簡単に、後になるほど解決が難しくなるように設定。最初が最も簡単で、最後が最も難しい。
後になるほど動機の下層欲求を剥奪するようにする(苦痛が増す)

 

///伏線による障害の強化
単一の解決に対し、以前に疑問伏線を何度も張ると、解決したときの爽快感が増す。
伏線を大量に張ることで、その障害が重大であるという指標になる。
よって、後半、特にクライマックス時の最大の障害には、事前に何度もその疑問伏線を出しておき、爽快に解決させると、クライマックス感が増す。

 

///ファンタジー
障害を作るときにファンタジーも決める。
ファンタジーはまずテーマ障害として作成する(最も重要な障害にファンタジーをつける)
ファンタジーの障害で解決が通常ではどうしても不可能なら、解決にもファンタジーをつける。

 

障害・動機・解決の関係:
障害は常に解決になりうる(味方の障害は敵の解決、敵の障害は味方の解決になりうる)
解決は、変化(〜になる)、行為(〜する)で起こりうる。状態は解決にならない。
障害と動機は、状態(〜である)、変化(〜になる)、行為(〜する)で起こりうる。
障害・動機・解決の作成時、異なる種類の障害を入れること。同じ種類ばかりでは単調になる。

 

///障害の強化
定義→「障害の強さ」は障害が主人公に及ぼす心的影響の強さであって、障害自体に強さが設定されているわけではない。強い障害に見えても、人によってはゼロに等しいこともある。
(程度)×(出現タイミング)×(単一内の障害数)×(障害の種類数)で障害を強化することができる。
単一の部内(真の解決がなされるまで)では、後になるほど障害は強くなければならない。
直前より小さい障害が先にあり、その直後にどの以前よりも大きい障害を設定してもよい(フェイク)

 

程度:
数は変えず、単に障害の程度・強度を大きくして強化する方法。
程度の設定できない障害もある。それを強化するには別の種類の障害を追加するしかない。

 

出現タイミング:
複数の障害は、出現タイミングが近ければ近いほど強い障害となる。
したがって最も強い障害の出現タイミングは、すべて同時に出現する場合。
同時と順次の定義→先の障害がまだ解決されていないのに次の障害が出現した場合は同時と呼ぶ。解決後に出てきたら順次。

 

単一内の障害数:
まったく同じ種類の障害の数。
同時に出すのは問題ない。
順次に出すときはそれぞれ程度を変える。そうしないと同じ障害が同じ大きさで何度も来ることになり、単調で意味を失う。

 

障害の種類:
異なる障害の数。多すぎるとわけがわからなくなる。
同時でも順次でも問題ない。当然、順次に出すときは後のほうを強くするように。

 

不明障害の強力さ:
各部に最低一つは不明障害をいれておくべき。これは読者を強力に飽きさせない。

 

///複数の障害間の特殊な関係
地雷型障害:その障害を解決・あるいは回避しようすると、[その障害が強化される・同種の障害がさらに出現する、ほかの障害が現れる、すでにあるほかの障害が強化される]ようにできているもの。
反地雷型障害:その障害を解決・あるいは回避しようすると、[その障害が解決される・ほかの障害も一緒に解決される、ほかの障害も解決される、すでにあるほかの障害が弱体化される]もの。

 

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障害の種類

 

///情報の障害
伝達→伝達ミス・意図的遮断、(伝達が)遅い・早い、隠す・知られた(敵に)、誤解(勘違い)・嘘、隠す、遮断、正直・だます、脅迫、聞き漏らし、気づかない・気づかれた、偽(金、人、見せかけや大義名分)
伝達(発信者)→知識不足、評判(信頼・魅力・能力がない)、攻撃的・怖い、公平・誠実でない、誰宛てか不明、
伝達(受信者)→ストレスが強くて思考力が低下しているなど
情報量→知らない・知っている(敵が)、探せない・探し出した、理解できない・理解された、忘却、覚えている、言語が異なる、重点が不明、多すぎて取捨選択できない、
秘密→知られてはいけない・知っている、知られたくない・教えてくれない
論理→間違った推論・仮説、矛盾(理屈の破綻、一貫性がない)、嘘がばれる、疑い、あいまい(不明確、確信できない)・詳しい、捏造、改ざん、脅迫・詐欺による間違った情報、重点が不明、無駄が多い、

 

///不明
不明型障害、あるいは提示されていない情報(疑問系で提示される情報)は疑問伏線となる。
一つの解決につき、それに対応する疑問伏線が多いほど強力な障害になる。
伏線は読者の理解を助ける。

 

障害のすべての要素が[不明・予測不可能・推論と異なる]
例:リソース不明、存在不明、時間が不明など

 

5W1Hやメタモデルの詳細化のうち、必要な部分が不明である。
5W1H→行方・場所不明(Where)、時間・タイミングが不明(When)、人物不明(Who)、原因不明(Why)、対応不能(How)、誰のものか不明(Whose)
能力不足→理解できない、想定外、予測不能(このままだと〜、もしこうしたら〜)
程度不明→どれくらいか
数が不明→頻度、[物、人]の数
確率的不明→どれくらいの割合で障害が起こるか不明、信憑性が不明、
見た目不明→外見が不明

 

///心理的防衛機制
動機の欄を参照、反応が障害になる(攻撃や分離など)

 

///設定(人物設定・世界設定)
人物設定・世界設定を参照

 

///リソース
[金銭、設備、環境、道具、人数]を[失った・見つけ出した、持っていない・持っている、壊れた・壊れてない]

 

///任務と難易度
任務(仕事・義務・テスト・儀式など)がある・ない、負けそうな・勝ちそうな勝負(試合、ゲームなど)、難しい・易しい

 

///病気・災害
災害→気候変化(干ばつや冷害など)災害・事故があった・ない、地震、隕石、津波、洪水、超常現象、犯罪に巻き込まれる
生物→動物、害虫
病気→間違い、不注意、病気、疲労、過重労働、ミス、

 

///存在
敵や問題がある・ない、[いる(ある)はずなのに]いない・ない・[いない(ない)はずなのに]いる・ある、生きている・死んでいる、[姿、精神]が[紛れている・いない、区別できない・できる、隠れている・いない、同じ・違う、入れ替わっている]、数が合わない、特定できる・できない

 

///能力・性質・性能
できる・できない、強い・弱い、硬い・やわらかい、足手まとい(味方)・邪魔(敵)、拒否・肯定、怠惰・やりすぎ、信条の相違・合致、年齢的に不可能・可能、大きい・小さい、

 

///絶望・無力・無価値
絶望→成功例がない、あるいは見当たらない(環境の要因)
無力→自分にはできないと思い込んでいるとき(能力の要因)
無価値→やっても価値がない、あるいは価値観と反する感じているとき(価値観の問題)

 

///精神と肉体のファンタジー
変身、洗脳、生き返る、生命付加、死なない、(精神・肉体[の一部]を)コントロールできる・できない、乗り移る、

 

///時間:
時間が[速い(早い)・遅い・止まっている、飛ぶ、戻る、逆方向、すでに起こっている・いない]、時間制限(カウントダウン)、時間の食い違い・偶然ぴったり、時間不足・過剰、

 

///空間・世界
別世界・別空間、場所制限、夢、幻、過去・未来、

 

///地理・物理・化学
距離、高さ、空気、障害物、圧力、熱、光、磁力、電気、重力、音、速度、重さ、体積、長さ、移動、接着と分離、動きと停止、衝撃、
人力が及ばない(厚い壁、遠すぎる、多すぎる)、生存不可能(空、海中、地中)、地形(危険)、感覚的不可能(姿が見えない、触れない、暗闇)、熱い(暑い)・冷たい(寒い)
病気・ウィルス、治療、薬物、化学物質混入、睡眠、食事(栄養)、筋力低下・増強、免疫低下・増強、毒、腐る・石化

 

///社会
階級や地位が高い・低い、文化・法律から適合・排除、犯罪と認知される・認知されない、政治・政策

 

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障害とジャンル分け

 

ジャンルを決めるのは障害の解決のしかた。特定の種類の解決が多く含まれていると、そのジャンルとなる。
あまり異なるジャンルを一つの話に組み込むと理解しにくくなることがあるが、禁則でも不可能でもない。

 

不明、情報系→知的解決が要求される推理系、不明障害から逃げるのが解決のサスペンス系。地雷がよく使われる(謎が謎を呼ぶ)
人間→内面的解決が要求されるメロドラマ、恋愛もの
物理、能力→力による解決が必要な戦闘もの(バトル)

 

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葛藤

 

障害の補強で、動機がどの段階にあるのか明確にするために重要な要素。
後半になるほど葛藤が強くなるようにする。ラスト障害では最も強い葛藤をつける。
葛藤を作成→葛藤の2要素(±)を階層欲求(動機を参照)で比較して障害作成

 

葛藤の種類…++、−−、±あるいはそれらの足し算。接近型か選択型か。
+と−の大きさの程度も考慮する。すなわち++とか−−とか。葛藤は+と−のそれぞれ合計が同じでないと起こらない。それら+と−の数が多い葛藤ほど強い感情を示す。
障害=葛藤ではない。障害は常に必要だが、葛藤は必ずしも必要ではない。
葛藤を解決する方向へ主人公は成長し、またそれがテーマである(重要)。
葛藤の対象は人(動物)・物体・概念のどれか。
葛藤は、I系(感情、基本的欲求、下層欲求)、B系(価値観、成長欲求、上層欲求)、C系(可能か不可能か)の間で起こりうる。

 

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3.心理描写

 

///提示方法
顔画像とセリフ:心理描写は表情に現れるため、ほとんどは人物の顔とセリフによってあらわされる。
身体の一部の画像とセリフ:表情を映さずに、たとえば身体反応を映すことであらわす場合もある。こちらのほうが大きな感情を示し、正直な感情になる。
行動とセリフ:身体反応の次に正直な感情。
セリフ埋め込み:人づてで他人の感情を伝えるときは、これ。
独白・ナレーションまたはセリフ中で説明:非常に説明的になるが、素早く終わらせなければならない時はこれ。

 

///感情の種類と強さの原因
欲求の剥奪・充足のどの段階か・どの程度か(障害や周囲の人の反応)で、感情の種類と強さが決まる。
テーマの種類は主人公の感情の種類で、テーマ訴求力の強さは感情の強さに比例する。

 

///感情の反応
感情の種類と強さは外界から確認できないため、シナリオではそれらがわかるように提示しなければならない。
提示方法は、身体的反応、行動、セリフの三種類があり、この順番で信頼性が高い。
身体的反応、行動、セリフは同時にも順次にも起こる。

 

感情の種類と信頼性:
身体反応、行動、セリフは、隠す必要のない場合(秘密の障害がない場合)は、全て矛盾なく一つの感情に基づいた反応をする。
感情を隠したい場合(秘密障害、自尊心など)、身体反応、行動、セリフが異なるか、あるいは反対の反応をする。この場合、信頼性の高い順から、身体反応→行動→セリフとなる。身体反応は最も無意識的で、セリフが最も意識的に制御できるため。意識的に制御できる部分のほうが信頼性が薄い。
年齢が若い間か、あるいは非常に強い感情の場合感情を隠すのが難しくなり、全て矛盾のない反応をしがちである。
反応の強さには個人差がある。反応の小さい設定の人物でも、読者に感情をしっかり理解させなければならない。

 

///感情の種類と反応例
同時に多種の感情が起こった場合、当然それらの反応も同時の起こる。
感情は形容詞・形容動詞、反応は動詞。ただし心の中での動詞(要するに行動ではない)場合は感情である。
感情にはほとんど対になるものがそれぞれある。欲求が充足されたときには充足反応、剥奪か過剰供給の場合は不満な反応をする。

 

1.充足反応
嬉しい・楽しい:笑う、微笑む、
安心して・弛緩:一息つく、力が抜ける、
愛しい:見つめる、抱きしめる、
心地よい:浸る、興奮する、
尊敬して:見つめる、賛美する、
誇る:堂々とする、威張る、
感動して・充実して:見つめる、呆然とする、

 

2.不満反応
悲しい:落ち込む、泣く、無口、
不安な:怪しむ、困る、緊張する、考える、焦る、
怖い:萎縮する、緊張する、
憎い:睨む、悔やむ、怒鳴る、攻撃する
苦しい:耐える、嫌がる、離れる、絶望する、あきらめる、やけくそ笑い
軽蔑して:おどける、嘲笑する、
恥じる・惨めな:萎縮する、逃げる、

 

3.欲求の充足・剥奪とは関係ない感情
驚いて:聞き返す、叫ぶ、のけぞる、呆然とする、腰をぬかす、もらす、
不憫な:心配する、慰める、
悔しい:こわばる、歯軋りする、罵る、攻撃する、
後悔して:悩む、焦る、泣く、

 

///防衛機制について
防衛機制はストレス(不安な、哀しい、憎いなど)に対する行動反応。行動が解決しなければ単なる心理描写、解決に向かうなら構成に影響する。

 

///強化された感情の提示方法(一般的法則)
感情の種類に関係なく、以下の要素を強くすることでどんな感情でも大きくすることが出来る。
反応を弱くすると感情は弱くなる。
部内の後半になればなるほど感情反応は大きくなる。障害の強さと比例する。

 

筋肉の反応:
表情筋を含め、動くべき筋肉は全て速く動く。

 

声:
大きい声になる。セリフが文章の場合、文字を大きくして声の大きさを象徴する方法がある。大きな声なら、画面を揺らす方法もある。

 

セリフの内容:
意味を含まなくなる。擬音語・擬態語や叫び声のように、内容を伴わない。最強の場合は特定の母音を腹の底から叫び上げる感じになる(あーっ、おーっ、など)

 

持続性:
筋肉、声ともに、反応が大きければ大きいほど持続時間が短くなる。声は肺活量の限界のため、筋肉は疲労のため(短距離走のようなもの)
反復性:反応が大きいほど単調な繰り返しになる(意味を含めないため)。反応が大きいほど繰り返し回数は多くなる。

 

一貫性:身体反応、行動、セリフの反応が全て矛盾がなくなる。強い感情は意識的な制御がしにくいため。

 

精神支配性:そのことしか考えられなくなる。精神支配の持続性と強さが大きい。

 

///感情の大きさの最大点
感情の強さが限界まで達すると、様々な身体的コントロールが崩れ、外見にも反応をして現れる。
どんな感情でもほぼ共通の様子。以下はその反応とその原因と考えられるもの。

 

泣き出す:涙腺が絞られる?
筋肉の痙攣:筋肉に力が入りすぎているか、瞬間的劇的使用による疲労。表情筋も含め、全ての筋肉で共通。
筋肉痛:これも瞬間的に激しく使いすぎたため。笑いすぎると腹が痛くなるのはこのため。
目の焦点が動かない:自分の感情のことで精一杯で、ほかの事に全く注意しないため。
目の焦点があちこちさまよう:これも注意力の欠如から来る。
原因が除去されても激しい反応が続いている:注意力の欠如により、原因が除去されたことに気づかないか、終わったことを認めていないか、条件反射的トラウマとなっている。

 

///感情の強さと行動の関係
防衛機制が起きる(上記参照)
行動はストーリーに影響するため、構成の時点で決めなくてはならない。

 

///象徴表現(シャレード)
小道具は通常、障害や解決に使われ、背景は通常、時と場所を現すのに使う。
これらを強調表現し、それ以外の用途(主に心理描写)にすることをシャレードと定義する。
強調の仕方→通常、小道具は拡大、背景は前景の人物などを写さないことで強調する。

 

 

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4.解決に向けた行動・結果

 

///提示の仕方
SPSS:人物が行動する。ほとんどはこれ。
セリフ埋め込み→説得などで解決する場合はこのやり方だが、迫力に欠けてしまう。
独白・ナレーションまたはセリフ中で説明:本当の解決はこれであらわすことはありえないが、設定と同じ感覚で説明すべき過去に起こった障害解決などは(回想など)、これで片づけたほうがシナリオの速度を失わずにすむ。
CG・映像:たいてい行動とセリフを伴う。画像のみで解決することはほとんどない。

 

///
解決の必要性:
解決に向けて行動し、話が進行すれば解決していなくてもいい。アルゴリズム解決でも、真の解決でも同様。
ラストでの終了提示は、「障害がすべて解決する」「主人公が死ぬ、あるいは再起不能」「絶対に解決不可能なことが提示される」のため、CLでさえ必ずしも解決する必要はない。

 

解決への行動:
その解決よりもより効果的な解決が、当然誰にでも思い浮かぶようなものがある場合はいけない(なぜわざわざこんな効果的でない解決をするのか?と思わせてはいけない)

 

アルゴリズム解決(無解決):
最初にアルゴリズム的解決を何度か試み、失敗させ、次に真の解決がやってくる。
テーマに比較対象がある場合(○○より〜)アルゴリズム解決にその解決を入れる。
アルゴリズム解決とは、誰でも思いつく解決のことで、実質的には解決しない。
アルゴリズム解決は解決してはならない。解決しそうなとき、割り込みが入って解決に失敗するという方法もある。

 

真の解決のしかた:
疑問伏線→疑問伏線が効果的。読者に対して「疑問(情報隠蔽あるいは伏線)」を作っておき、解決するときに提示する。
後半ほど障害は大きくなるため、解決も大規模になる。
真の解決は必ず葛藤を伴う。そうでなければシナリオ的にはアルゴリズム解決と差がなくなる。
真の解決はアルゴリズム的解決(お決まりの解決)はしない。つまり読者が解決をあらかじめ知っていてはいけない(予想しにくい独創的なものを)
感情が激しい状態で解決する。障害の強さに比例させるため。
主人公がメインテーマに至ったことをはっきり示すこと。

 

解決の爽快さ:
解決と同時に、マズローの欲求を多く満たすとよい解決になる。
例えば愛情が解決なら愛情や性欲を過剰供給するくらいがいい。また複数の欲求を同時に満たさせるとなおよい。

 

真の解決の種類:
疑問伏線を伴うアルゴリズム解決、理解する・和解する・許す(謎が解けるのに近い)、「あらかじめ○○しておいた」、自分アイデア(思いつき)、環境を利用する、情報入手(思い込みの終了など)、仲間のアイデア・知識(助言、行動)、小道具(読者がその道具の存在をあらかじめ知っていてはいけない)、偶然のヒント、仲間(敵)の援護(物理的、精神的)、根性・精神力・勇気・愛情友情(アイデンティティや仲間への友情愛情が引き金になることが多い)、運・偶然・まぐれ(敵のミスや事故など)、潜在能力(眠っていた力が目覚めるなど)、逃走(一時的に)、思索(ひたすら考え抜いた後に答が出る)、自分・仲間・モノ・概念の犠牲(おとり・命と引き換え・所有物や能力、地位などと引き換えなど基本的葛藤を参照、クライマックスで特に有効)、時間、勘違い(実はたいした障害ではなかった、など)

 

解決しない伏線:
続編を出し、疑問伏線が作品をまたいで回収されることがある(ひぐらしの例)
わざと解決させず、読者に自由に考えさせる。読者にエンディングを作ってもらう、など。

 

危険度:
解決時、主人公はやられる直前まで行かなければならない。つまり、「ぎりぎりで助けが来る」
解決の直前の危機感は、後半になるほど苦しみや絶望が強くならなければならない(障害が大きい)。つまり、後半ほど解決の直前に読者に「もうだめだ」と思わせるようにする。絶望を大きくする。

 

結果:
ラストの結果、主人公やその仲間たちがどうなるかで、ハッピーエンドかバッドエンド(悲劇)に分類される。
どれが正しいとかいう法則はない。

 

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小構成(詳細プロット作成)

 

手順:
大構成に従い、人物・世界紹介、行動・結果、障害・情報・伏線、心理描写・動機、の4つにわけて詳細に書いていく。
以下の詳細度の調整に従い、必要な分だけ詳細化していく。
必要に思ったらここで小障害を増やしてよい。

 

注意:
疑問伏線は、そこで提示するか提示しないかを示しておく(提示しないものは括弧でくくるとか)
「セリフの強調表現」を使う重要な情報表示(特に目的や障害)は、この段階でチェックしておく。
設定した性格など、行動や心理描写が設定を逸脱しないように気をつける。

 

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詳細度の上げ下げ

 

ストーリーに対し、客が理解しにくい、納得できない(特に動機・障害・解決が不足・過剰になるとき)のを防ぐため、詳細度を上げる。
作文中、一、二度説明した内容は再び説明しないため、キャラに再説明させたくない状況では詳細度を下げ、省略する。
初めて登場した人物で何も言わなければ「何も知らない」という設定にする。知っていれば知っていることを示す必要がある。
強調したい要素は詳細度を上げる。

 

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どこで何を詳細化するか
When,Where,Who,Why,What,How,HowMuchのカテゴリーに分け、それぞれでどの詳細化手法が重要か。

 

///心理描写
Why:なぜ
What:何を思って
How:行動、セリフ、身体反応
HowMuch:どれくらい、er,est,as soon as,compare to,
その他:so,but,and→行動へ

 

///世界・人物紹介
When:since,~ing
Where:ここ、このあたり
Who:このあたりの人々、本人、
Why:動機を参照
What:行動、セリフ
How:行動、セリフ
HowMuch:程度、頻度、数

 

///目標提示・解決への行動・障害・伏線、現在の情報提示
When:
時間の詳細、相対(after,before,while,soon,long,by and byやがて),絶対(以前は、未来は、from~by,till,for),~ed(したところ),~ing,every(いつもは),ever,never,未来の予想(これからは〜),過去と比較(以前は〜)
Where:絶対位置・部分の詳細、相対(front,back,side,above,around,near),範囲(in,at),方向(from,to)
Who:目的語や補語(が・に・を),from(〜から),for(のために),with(といっしょに),some(いくつか),most(ほとんど),anyone~not(誰もできない),someone~not(誰かが〜ない)
Why:動機、心理
What:
場合分け→if A will B, not A will C(もしAならBもしAでなければC), case~(〜の場合),Nothing(このままだと〜)
義務→need(必要がある),have to(しなければ),should(すべき)
未来の予想→may(かもしれない),must(に違いない),probably~will(おそらく〜だろう)
その他→which(どちらか),can(できる),as if(まるで)
How:行動、セリフ。情報として入手か直接障害に遭遇か。
HowMuch:程度、頻度、数,er,est,as much as,compare to

 

///5W1Hその他

 

Who:
Whoのうち、読者も含まれる。読者だけなら独り言(地書き)、それ以外含むなら普通のセリフになる。そのときのWhyは、5W1Hを知らせるためか、心理描写か設定紹介。
誰が何を知っていて何を知らないか。そして誰が誰に何を知らせたいか(主語と目的語の両方提示するように)
読者に情報を知らせたいとき、知っているキャラが知らないキャラに伝達するだけでもいい。

 

Why:
Whyは、今から起こす行動を促す・伝えるための理由が多い(何をするべきかを示す。すなわちSOを示す。逆方向に進んではいけない)
提示すべき情報をすべて提示しているかどうか注意→5W1Hなど構成を参照
「過去に○○であったから、今は○○である」というのもある。

 

What:
ストーリー進展のための情報や今していること。
何もしゃべらないうちは基本的に「知らない」設定になる(よほど自明なもの以外)
何をしようとしているか(未来のWhat)、何をしたか(過去のWhat)
「何をしているのか?」という「質問」も含む。
情報の詳細度が適切かどうか。
情報の重複を避ける。絵を見て自明のものは説明不要。情報のみでは確実に説明セリフになる。
「何が」と、Whatが主語になることもある。

 

///名詞
普通の名詞は、具象名詞、抽象名詞、代名詞に分類できる。
動名詞や数詞は名詞に含めないとする。

 

チャンクダウン:名詞の意味するチャンクを小さくする。抽象名詞はたいていチャンクが大きいので注意。
所有格追加:名詞・代名詞に所有格を追加。誰の〜、何の〜。
形容詞(句)・形容動詞(句)・数詞追加:名詞の先頭に加える。〜な、すべての〜、ほとんど〜ない

 

///代名詞・代動詞
内容をすでに読者に提示したなら、代名詞を使う。
代名詞の内容が読者にわかりにくい場合、代名詞を名詞化することで理解させる。
そのシーンが終わると代名詞の内容は読者の頭からリセットされると考えてよい。
二人称で名前を呼ぶときなど、あまり使わない。

 

代名詞の名詞化:代名詞の指すものを明らかにする。
指示副詞「コソアド」:こう、そう、ああ、どうを明らかにする。

 

///動詞
動作動詞、状態動詞、Be動詞があるが、Be動詞は形容詞と一体と考える。

 

How+副詞:どのように〜、どれくらい+副詞(多く、長く、早くなど)
目的語・補語追加:「〜を」「〜に」に相当する目的語を加える。
比較と判断の前置詞:「〜に比べて、〜がいうには、〜を基準にして」
状態副詞を追加:すぐに、ときどき、いつもなど。

 

陳述の副詞句:
頻度や数を動詞に追加する。
いつも〜[する、ではない]、必ずしも〜ない、決して〜、しばしば〜、たぶん〜など。

 

///形容詞・形容動詞(+be動詞)
How+副詞:どれくらい(多く、長く、早くなど)
程度副詞を追加(とても、かなり、もっとなど比較、最上級)

 

///文全体(主語と述語を含む文)
接続詞、あるいは応答話法によって情報を増やす

 

推論(if):このままだとどうなるか、もし〜したらどうなるか。
例外(But):〜を除いて、〜した(しなかった)のは一つもなかったか。
順接と逆接(so,but):○○だから〜、○○しかし〜
追加と選択(and,or):○○さらに〜、○○または〜
裏(while):〜の間に〜
理解否定への疑問:どうしてそれがわかるのか、なぜそう思うのか、
A=B理解への否定:どうしてそれが、あれを意味するのか。

 

///禁則
関係代名詞:分割して接続詞でつなぐ。一文は短いほうがよい。

 

///五感表現
できるだけ五感による表現に替える。理解しやすくなる。詳細化の一つ。
例)誰かが来た→人の足音が近づいてきた。朝食が用意してある→飯のいいにおいがする。

 

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本書き

 

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SP(小障害)

 

1シーン=時間が飛ぶまでの場面の最小単位、とすると、1単位あたり最低一つの小さな障害が必ず存在している。
小障害はたいていアルゴリズム的解決(お決まりの解決)がなされる。障害自体は、取るに足らない軽度の障害で、解決よりは「反応」に近い。

 

///アニメーションとノベルゲームの違い
プロットを作る時点ではどちらも変わらない。説明、心情、行動の記述が必要な点は同じ。
ただしアニメーションはテキストを使わず、画面で説明することが多いため、その違いは記述の時点で異なるようにしたほうが早い
ノベルゲームの要領で本書きしてアニメを作る場合、アニメ用の本書きへの変更が必要になる。

 

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記述時の禁則

 

本書きでいくつか注意することがある。以下に禁則をあげる。

 

1.知る→思う→するの順を守る
情報を知らないのに心理状態が変化したり、心理状態が変化していないのに行動させてはならない。
そうしても必ずしもおかしくはならないこともあるが、しっかり順番どおり提示したほうが滑らかで無理なく進む。不自然な唐突さを防げる。

 

2.心理状態は突然変化しない
心理描写は、ある程度時間をかけて変化させる。人間の心理状態は、すぐさま変化することはない。
無駄なように見えても、心理状態が急激に変化する場合は、少しずつ変化させるためにいくつかのセリフなど挟んで時間を書けるようにする。そうしないと話があっさり進んでしまい、不自然になる。

 

3.突然人がいなくなったり人がいたりしてはいけない
大きく時間が跳ばない限り、突然人が加わったりいなくなってはいけない。入退場時する場面を作る必要がある。さもないと「突然○○がいなくなった(いる)が、どうなっているのか」と思われる。

 

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セリフと独白(地書き)

 

文の長さ:
簡潔に書くようにする。余計な表現など加えない。一文を一段落にし、一文は短ければ短いほどよい。
一文を短くするため、助詞的な接続詞(〜だが、〜で)などはできるだけ避けるとよい。

 

///詳細化と段落
最初に段落ごとの「情報」「心理」「行動」を何も考えずに書き、その後詳細化して文章を書き直すと混乱しなくて楽かもしれない。

 

詳細化:
本書きの間も詳細化の手順を見ながら、常に読者に与える情報が不足しないように気をつける。
詳細化するとき、時間の進みを短くし、描写を多くして詳しくする。
ある程度、その場で詳細プロットにないSPなど作り、話を長引かせる。これでキャラクタがわかりやすくなったりする。またリアリティを高める(技術的な理由)

 

一文内:5W1H。順番はどうでもいいが、When,Whereを先に書くと安全かもしれない。

 

一段落:
複文のまとまりにおいて、地書きは「設定紹介」「情報提示」「心理描写」「行動の内容」を示す。セリフは「設定紹介」「情報提示」「心理描写」「行動を促す(自分が行動するときにセリフは不要)」
複文内の順番は、単純に時間順に書けばよい。
情報提示では五感の情報をそれぞれ書くとリアリティが出る。

 

///その他注意
セリフも独白も、設定を逸脱しないように気をつける。

 

セリフ:
セリフの「テーマ」は一つで、最後のほうにあるようにする。長いと理解しにくいため。
客がすでに知っていることはできるだけ書かず、客が知らないことは書かなければならない。
強調、魅力、リアクションの的確さ(妥当なリアクションを用意する)に注意する。
難しい言葉は避ける。子供でもわかるようなセリフで。
同じセリフを何度も使用しない。「え?」や「うん」などを連続で使わないようにする。

 

独白(地書き)の注意点:
独白は基本的に、「主人公の独り言をセリフでそのまま」、すなわち実況中継(説明文的なものが入ってないかどうか)
見てわかるもの(CGで表されているもの)も、一応説明するのが最近のやり方らしい。

 

ナレーション:
ボイスドラマではナレーションが入ることがある。小説ではそうでもないが、ボイスドラマでナレーションが入ると臨場感や迫力が失われがちである。セリフの連続するところではできるだけセリフで済まし、ナレーションで緊張感を失わせないように注意する。
足りない情報をセリフで提示する。多少説明っぽくなっても仕方ない。情報不足よりはマシである。

 

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人称の問題

 

主人公視点:
臨場感を出す、あるいは第三者視点では非常に都合が悪い場合、主人公視点にすることが多い。
主にエロやホラーのシーンで使用する。
注意点として、主人公はなるべくしゃべらないようにする。できれば一言もしゃべらないようにする。
主人公の具体的な描写を避ける。グラフィックでも、目を描かないとか、できれば体を一色にして半透明にするなど。
主人公がしゃべったはずの場面でも、言葉を省略し、脇役たちにその反応をさせる。脇役たちに確認させたりして、主人公のセリフの内容を読者に知らせる。
「あそこに行くのね、わかったわ」というように、確認させて内容を読者に伝える。

 

以下は3人称視点で書く:
主人公が実況中継している余裕がない心情(ひどく興奮しているときなど、特にクライマックス)
主人公が疑問伏線を持っていて、主人公の情報を出せないような状況。

 

独白とセリフのバランス:
地書きとセリフを、適度に入れること。長いこと地書きあるいはセリフのみで進めると、情報漏れ(特に心理描写、情報提示)がおろそかになっていることが多い。

 

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読者に与える情報量の問題

 

読者がすでに知っている情報をもう一度提示しては行けない。人物の板付きや、時間の経過で省略する。
同じ内容を何度も書かない。人物から人物への情報伝達、心理描写で重なりがちなので注意する(小説だと「○○は○○のことを話した」などと字書きで省略できる)
そういう場合は省略する。複数人数同じ心理描写なら、一人だけでよい。人物への情報は、時間経過の技術で省略する。
当然予測できること、誰にでも自明なことは省略する。
変化していない要素(When,Whereなど)は提示しない。同じことを書いてはいけない。

 

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時間の経過

 

///時間を経過させる方法

 

通常の方法:
フェードアウト(フェードの速さで時間の経過を表す)
場所移動:場所を変化させればそれなりの時間の経過を表せる
背景に変化:昼から夜などもOK。昼→昼、夜→夜でも少しは時間がたったように見える。あるいは舞台周辺の(ストーリーと無関係な)風景をわずかな時間挿入することで時間経過を表す。カットバックの一種。
カットバック:(場面を切り替えて長い時間を紛らわすモンタージュ。ゲームでは独白によるカットバックもあり)
省略可能な情報なら、以下の「直服説明を避ける方法」で時間を飛ばせる。
カメラを少し遠方や俯瞰図にする。カットバックに近い。カメラを遠ざけることで、そのシーンが終了し、次のシーンへ行くことを示す。
シャレードやモンタージュを使った瞬間、多少の時間は経過させられる。
「・・・・・・」で時間を経過させることもできる。
音楽の変化で時間の経過。1曲終了させると、そこで区切られる。

 

長時間経過させる方法:
以下は何ヶ月、何年という長期間の経過に用いる。
独白、セリフ、ナレーション、字幕でダイレクトに経過を言わせる
単に独白だけさせても、時間が経過しているように見える。

 

注意点:
無意味な時間経過を避ける(ただ待っているだけの数分など)。その間にも意味のある何かをさせる(カットバックなど有効)
これらの技を使っても、ドラマ的に「区切り」がなければ時間経過はうまく提示されない。
あまりに短時間で場所や時間を変えすぎないこと。時間の経過は、基本的にできるだけ少ないほうがいい。

 

///重複説明を避ける方法

 

あるキャラクターAが何か情報を得て、それはすでに読者に示した情報であるが、その内容を別のキャラクターBが知らないため、AがBに説明しなければならないような状況がある。
この場合、AがBにそのまま伝えると、読者に同じ情報を二度説明することになり、意味もなく時間を費やし、情報が重複する。これは許されない。
やり方は以下のどれか。共通する過程として、情報を説明する時間を省略し、説明後の場面からスタートすること。

 

1.説明直後のBの反応からスタートする。これが安定なやり方。
2.すでにABとも行動している。しかしこれだとBが情報を知っているかどうかわからないので、知っていることを「聞き返し」や「反応」などで読者にわからせる。

 

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強調表現

 

読者に覚えてもらわないと困る内容や人物の驚きを表したいときなど、聞き返しや確認、驚きの反応で強調する。
先の内容を言い換え、あるいはまとめたりして繰り返し、強調することもできる。

 

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特殊技法

 

///チャンクアップ
具体化の逆。多くの人に共通な言葉を使うことで、共感を得やすくする方法。
ただし頻繁に使うとキザになって質が大きく落ちるので注意。クライマックスでキャラクタが自己主張するときにわずかに使うくらいか。

 

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モンタージュによる強調と詳細化

 

場面の切り替え(正確にはカメラの視点を変える)によって詳細化すると同時に強調する技法。

 

例)When,Where,if→その場面に切り替え、Who→その人物視点に切り替え、Why→原因にさかのぼって事実を見せる。
比較と判断→比較・判断対象に場面を切り替え。

 

負担の少ないもの(CGを増やさなくていいもの):
同じ場面で、対象を拡大縮小することで強調する。
主人公以外に視点変更。
過去や未来に時間を飛ばす(新規追加CGがなければ負担は小さい)
空想シーンを加える(新規追加がないことが多いため)
わずかなアニメーション(カメラを上下左右にずらす、拡大縮小)を加えて、それを繰り返す強調技法。

 

負担の大きいもの(CGの増えるもの):
新規の場面を作る。
カットイン、場面分割。
カメラの角度を切り替えて心理描写の感情の追加をする。
小道具、背景、効果音を追加する。

 

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文法

 

注意点:
1文はなるべく短く。
「、」を多く取り、読みやすくする。

 

規則:
文頭は1マス下げる。
「?」や「!」の後は空白は、文の終了時以外は1マス取って続ける。
・・・は「……」
文頭が!?、。」にならないように。なる場合は改行する。
」の前に。はつけない。

 

 

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最終チェック

 

///18禁チェック
同人では規制がゆるく、以下の改正は多くのゲームではなされていないが、市販のものではなされている点。

 

学校は「学園」にする。
登場人物の年齢は18歳以上と断る。

 

///総合チェック
客観的にチェック(大衆の知らない知識を使わない、大衆の共感できそうにないことは書かないなど)
キャラの感情とストーリーの進行に無理がないかどうか。
表記揺れと漢字の使いすぎをチェック。
主人公以外の視点ではあまり書かないようにする。誰か主人公なのかわからなくなるなるのが最悪。
技を使いすぎていないかどうか(フェード、回想、ナレーション、アクシデントなど)
伏線はある程度わかりやすいものでなければならない(バレやすいほうが無難)

 

///セリフチェック
テーマと関係ないものは省く。
説明セリフ、英会話セリフ(単純な質疑応答)がないかどうか。
感情があるかどうか。
抽象的になっていないかどうか(形容詞や形容動詞が入っていないかどうか。
キャラのセリフを入れ替えると違和感があるかどうか(無性格セリフチェック)
声に出して読んでみて違和感がないかどうか(文章体セリフチェック)
演技できそうなものかどうか(俳優にやらせてもいいような魅力があるかどうか)
一つのセリフに複数のテーマがないかどうか、また連続する二つのセリフが同じ内容になっていないかどうか。
長さが適切かどうか。セリフスタイルが一貫しているかどうか。

 

///その他
五感の表現について
修辞法

 

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5.チェック:
各キャラ・読者の把握情報に矛盾がないかどうか(知らないことを知っていたりしていないか)
性格が最初から終わりまで一貫しているかどうか(感情は変わるが性格は変わらない)
わかりやすい性格かどうか(複雑すぎないこと)、一貫しているかどうか(○○だから○○な性格)
人物の重点の取り方。
スタイル(ジャンル)の統一性。
回想の濫用。
ペースの緩急(チェンジオブペース)、串刺し:各章が単調ではないかどうか。少しずつ感情の起伏が上がっているかどうか。
説得力があるかどうか。無理のあるところがないかどうか。

 

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目標を決めるのに参考

 

///事件
事故、天災、戦争、病気

 

///学校行事
遠足、合唱コンクール、体育祭、学園祭、雪祭り、修学旅行、職業体験学習、

 

///学校の進学イベント
試験、塾、受験(合格、不合格)、宿題、研究発表会、実験、体験学習、調査、論文

 

///学校のクラブ、習い事イベント
大会、演奏会、発表会、合同練習、合宿、

 

///仕事イベント
就職、失業、開発、販売、契約、起業、M&A(潰す、乗っ取る)、○○円儲ける、昇進

 

///人間イベント
縁談、恋愛、友人、仲良くなる、倒す(殺す)、育てる、治療する、救う、隷属させる

 

///趣味イベント
探す、集める、作る、勝つ、極める(最強になる)

 

///その他イベント
謎を解く、死ぬ