SoundBooth(サウンドブース)の使い方のメモ

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SoundBooth

 

ファイルについて:
Soundboothには全てのオーディイオファイルが含まれているが、ビデオはリンクだけ存在する。

 

スナップショット:
これはASNDファイルのヒストリーの保存で、上手くいった状態で一段落したら、スナップショットを取っておけば、いつでもその状態にできる。
バックアップの代わり。バックアップするとファイルが非常に増えるので、スナップショットをやっておくといい。

 

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単位

 

SoundBoothは1秒間に100フレームの単位しかできないが、AfterEffectはたとえば30fpsだと1秒間に30フレームになり、時間の単位が合わない。
SoundBoothとAfterEffectsの単位を完全に合わせる場合(音の位置とAEの位置を完全に一致させる必要がある場合)、一時的にAfterEffectsのプロジェクト設定で、フレーム単位を100fpsにすれば、完全にあわせることができる。
ただしこのやり方では、プロジェクトが30fpsでフレーム単位だけ100になると、カーソルを動かすときは30で動くので、0.3秒くらいで飛び飛びにカーソルが動く。さらに完全に値を一致させたいときは、プロジェクトを100fpsにしないといけない。

 

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ゲームのボイスの編集手順

 

ボイスファイルを分割して使用:
大量のボイスファイルの管理が面倒だが、声優さんにデータをもらったらそのまま置き換えで使用可能。音声を編集する場合、単一の音声をそれぞれ編集するため、下記の「音声のずれ」に対して強い。一つ編集するだけでいいので、初心者向け。
プレボイス(時間を測るための自作ボイス)を用意する。まとめておいても分割されていてもいい。
各ボイス、あるいはまとめたボイスを用意し、マルチトラックに入れてクリップ分割でひたすら分割する(クロップだと元のファイルのほかの部分を削るので注意)。各トラックの音声をクロップし、きれいにしたらその後AEにそれぞれWAVファイルに変換して保存。
マルチトラックでそれぞれのトラックを保存するとき、「別名で保存」で保存すると、マルチトラックのデータ全てが保存されるので注意。「書き出し」「クロップをミックスダウン」で各トラックを保存する。
声優さんからボイスをもらったら、すべてWAVファイルにし、WAVと置き換える。SB内で編集の必要があれば、編集してからWAVにして保存する。こうすればファイルを置き換えるだけですむ。元に戻せるよう、ファイルのバックアップは忘れずに。

 

ボイスファイルを一つにまとめて使用:
ボイスファイルをそれぞれ分割保存した場合、ファイルが大量にできて管理が非常に面倒。そこでボイスファイルはすべてまとめて一つにし、WAVデータとして保存し、それをASNDファイルでリンクさせ、エフェクトなど入れながらAEに読み込むのが一番いい。
ただしこのやり方は、声優さんからファイルをもらったら、AE上での切り貼りは一からやり直さないといけない。プレボイスはあくまで声の長さの目安を測る目的。
下記の「音声のずれ」に弱い。音声を時間伸縮した場合、ASNDファイルの残りの部分の位置がすべてずれてしまうため、AE上での切り取り位置などは再度変更が必要になる(タイムリマップで調整するとピッチまで上がったり下がったりする)。このため、まずボイスの時間伸縮を絶対に行わないという確信がないとできない。初心者に向かない。
プレボイス(時間を測るための自作ボイス)は2つ以上ファイルがあれば、すべて一つにまとめてしまう。まずボイスチェンジャーで声を変えたら、SBでマルチトラックを用意し、トラック内で右クリックか「挿入」でファイルを読み込む。まとめたら「書き出し」でマルチトラックのミックスダウンをすれば、一つのファイルになる。
まとめたほうのファイルをノーマライズし、ASNDファイルでそのまま保存。
AEでASNDファイルを読み込む。ここでは何の目印もついておらず、ただ波形が表示されるだけ。これを分割して指定の場所へ置いていく。
プレビューはAlt押しながらRAMプレビューで行う。これはAE環境設定で何フレームプレビューするか指定できる(最大100)。実際は現在のフレームから後方へ向かってプレビューするらしいので、声の終わりの部分でAlt+RAMプレビューする。通常のプレビューでは音声が出ないので注意。

 

動画と音声のずれの対処:
ボイスの長さの伸縮はSBで(ピッチとタイミング)、動画の長さの伸縮はAE内で行う。
動画の長さはタイムリマップあるいは時間伸縮、タイムワープなど使うが、どれにしても動画全体がずれるため、調整が必要。

 

トリミングによる容量の膨大な増加について:
マルチトラックで読み込んだファイルは、ctrl+kで切り取った場合、2倍に増える。マルチトラックの切り取りは、そのファイル全部を含んでいる(トリムで増やしたり減らしたりできるため)
なので、大量に切り取って配置する場合、最初に切り取っておいてから読み込みにしないと、とてつもない量になってしまう。
ただし音声全ての部分にかけるエフェクトや編集がある場合(生音など)、切り取る前の状態を保存しておいて全体にエフェクトや圧縮などかけてから分割する。そうでないと、バラバラにしたあとにそれぞれ同じエフェクトなどかけていかなければならず、恐ろしく面倒になる。

 

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一般的な動画の音(ボイス・効果音)の編集手順

 

最初に映像を作っておく。映像は完全でなくてもよく、低画質の試作版でいい。
新規でマルチトラックにし、一番上にビデオファイルを読み込み、下に細切れのオーディオファイルをいくつも並べる。
マルチトラックのそれぞれに音声ファイルを読み込み、そのまま編集。音声ファイルごとASNDに保存される。ソースファイルは何も起きない。
最初にオーディオファイルを編集する。必ず以下の順番で行う。
まずノーマライズする。切り貼りする前に全体の調整を行う。

 

ボーカルエンハンサによるノイズ除去:
歯のこすれる音やリップノイズを消せる。これは最初にやったほうがいい。
歌でなくても、ボイスにとりあえず使っておくだけで、不快なノイズを消せるので、とりあえず声にはやっておくといい。
よくわからないが、歯のこすれる音とリップノイズの除去機能に関しては、音楽モードが一番強い。次に男性モードで、女性モードではあまり消せない。

 

ゲート(エクスパンダ)による圧縮とノイズ除去:
リミッタは音の最大付近を調整、ゲートは音の最小付近の調整、コンプレッサは音の中間音量を調整を調整するもの。
しかしリミッタとコンプレッサは、やり方がまずいとリップノイズが増幅するため、ただの「ハードリミット」を最後に使うほうが安全。
よって安全のため、ノイズゲートを使ったノイズ除去だけ行うことにする。
エクスパンダ(ゲート)でノイズを消すためのスレッショルドを設定。波形を見ながら、およそ消したいノイズのデシベルの見当をつけるが、ノイズ部分を再生してデシベル確認して、その辺にスレッショルドを設定すると確実。実際は再生した平均値よりも下の値でノイズは消えるので、必ず音を聴きながら設定すること。
比率は10〜30程度。面倒ならとりあえず30。
ノイズの聞こえないギリギリまでスレッショルドを下げる。スレッショルドが高いと主な音まで削れるので注意する。できるだけ下げる。

 

ノイズが瞬間的な音の場合はアタックとリリースをそのぶん小さくする。
問題がなければ、全体を選択して「エフェクトを適用」でノイズを消してしまう。

 

ノイズ除去:
周波数を見て、主な音から独立したノイズは「自動修復」で消してしまう。ノイズを消すと主な音まで消えてしまうノイズは消せない。
超低音にザーというノイズがある場合、低音域を選択して音量を限界まで小さくすればいい。
歯のこすれる音や唾の音のノイズは、EQで6000Hz付近を下げることで対応できる場合がある。エンハンサ→音楽でもかなり消える。
主な音といっしょに消えてしまうノイズは、まずそのノイズが独立した部分でノイズをプリントし、ノイズ除去で消す。ただしこれはきれいに消えないので、最終手段として行う。
クリップ・ポップ、ランブルノイズもこの時点で消す。

 

音の距離・位置のエフェクト:
以下、作曲ストラテジーより引用。応用して音の距離感と位置を調整する。

 

///音の近さと左右の位置
遠くの音ほど、高周波が小さくなり、音量も小さくなり、リバーブ成分が多い(ウェットになる)
近いほど左右の定位に音量のずれが生じる。PANを大きくずらす。しかし完全に中央の場合はずれない。
遠くても、真横から来る音は逆方向の耳には進行方向的に入りにくいため、左右の定位のずれは大きい。「角度が深いと遠距離でも左右のずれは大きい」
障害物を挟むと、高周波音が極端にさえぎられる。
近くの音は、相対的に、原音が大きくリバーブは小さい。よって、音量を上げてリバーブへ送る量は減らす(リバーブの音量が相対的に減るだけで、持続時間は不変。絶対音量は不変)。さらに高周波音が大きい。

 

///リバーブ
残響音は遠距離音と同じで、高周波が小さくなる。左右のずれは厳密にはほとんどない。
残響音は、広い場所では残響音が小さく、長い。狭い部屋では残響音が大きく、短い。
大きな音ほど残響の時間が長い。

 

EQ調整:
マイクで録音すると、低温が強くなりがちなので、ローパスフィルタのEQで少し弱めるといい。150Hzくらいにするとちょうど聴きやすい音になる。

 

複数のボイスあるいは効果音のボリューム調整:
ハードリミットで音量を増幅させる。足りなければハードリミットを繰り返せばいい。繰り返しても音の歪みはほとんど出ない。
気をつけるべきこととして、ハードリミットはエフェクトを全て「適用」したあとでかける。エフェクトがそのままだと、ハードリミットしたあとにエフェクトがかかり、順番が違うので音が変わってしまう。
「ボリュームレベルを平均化」では、時間的に圧縮率が極端に異なることが多く、音量が激しく上下して音が不安定なので、やらないほうがいい。
各ボイスの音量が違ったり圧縮率が違うと不自然に聞こえてしまう。また一人のボイスでも、音量の大小があるため、小さい声が聞こえなくなったり、特定の効果音や音楽が全く聞こえなくなるため、圧縮の必要がある。
総合芸術の場合、オーケストラの音楽でも、小さい音はボイスや効果音にかき消されるため、圧縮は必要。圧縮はCubaseのマキシマイザーで行うが、足りない場合はSoundboothでさらに圧縮するといい。
一瞬のピーク音が原因で全体の音が弱くなり、かつ圧縮によって取り除けない場合(圧縮すると全体の音が歪む場合)、一瞬のピーク音は無視してそのままクリップしたままにしたほうがいい。一瞬のクリップ程度、普通の人はほとんど気にならない。

 

///マスタリング

 

環境の想定:
最後にマスタリングを行う。これは音を聞く環境に合わせて調整すること。まず聞く環境と同じ環境を作る。Webの場合、ボロいスピーカーを用意し、それを聴きながら最終EQなど調整する。これはSoundboothでやったほうがいい。主にEQと圧縮を調整し、そのスピーカーで聞こえやすくする。スピーカーで聞こえにくい周波数の音をブーストし、音質によってはリバーブ・エキサイタ(エンハンサ)、ステレオ幅を調整する。
客が曲の途中であまりに音量を頻繁に調整するような上げ下げの激しい曲は、これをいじって音量をある程度一定にしたほうがいい。
客は最大音量部分で音量の調整をする。その設定で一番小さい音が聞こえるようにしなければならない。
PCゲームのような静かな環境ではそれほど音圧を上げなくてもいい。

 

スピーカーの特性:
安物のスピーカーでは、低音があまり聞こえず、高音がやかましく聞こえる。
自分のスピーカーが上質で、想定されるスピーカーが安物の場合、低音をブーストして高音を下げるといい。

 

ボイス・効果音との兼ね合い:
圧縮すると抑揚(エクスプレッション)が少なくなるので注意。クラシックでは音圧が低いのはそのせいで、クラシックでは控えめにする。ただしゲームやボイス付の場合、ほかの音との兼ね合いで音楽が聞こえなくなるような場合は、高く圧縮したほうがいい。
ボイスと効果音がはっきり聞こえるようにするため、まずボイスと効果音の調整をする。これらははっきり聞こえなければならないので、できるだけ音圧を上げる。その後ボイスと効果音を邪魔しない程度に音楽の音圧を上げる。

 

音圧の注意:
コンプレッサーを付ける前から音が限界以上に達して歪んでいると、コンプレッサーをかけると普通の音量になるけどものすごい雑音が入っているので注意。
一瞬だけピーク音量が強い音があるために、ほかの音が弱く聞こえてしまうことがある。これを無理に圧縮して音が歪んでしまうと見た場合、一瞬のクリップ(音われ)は無視してしまうほうがいい。
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保存:
そのままASNDで保存したら、それをAEに読み込む。オーディオ部分だけ読み込まれる。
元のWAVやMP3など消してしまわないように注意。ASNDファイルは元のデータとのリンクで音を出している。
Soundbooth内のマルチトラックで音声を切り貼りすると、元のWAVファイルはそのままで、ASNDファイルでは音声が分割されている。大量に切り取らなければならないボイスでは、WAVファイルの数を増やさずに、SoundboothまたはAEのどちらでも切り貼りし、動画を作ることができる。
どちらで切り貼りするかは、優先順位で決まる。アニメのような画像に音声を合わせる場合はAE内で切り貼りしたほうが早い。ボイスドラマのように音声に画像を合わせる場合は、Soundboothで切り貼りし、AEでASNDファイルにあわせて画像を貼り付けていくといい。

 

オーディオ書き出し:
できあがったASNDファイルは、マスターをエフェクトなどで編集できない。
WAVに書き出しておくと、さらにマスターにハードリミットをかけて聞こえない音を減らせるので、こちらのほうがいい。
よって、AEに読み込むときは一度書き出したWAVかASNDがいい。

 

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ロード時間の問題

 

Soundboothは、ロードを含め、読み込みや書き込みに非常に時間がかかることが多い。
編集がいったん終わったらそれで完成とし、切り貼りなどはAE上で行うといい。個々の音量調整など、SB上でしかできないことだけSBでやる。
波形を見るだけなら、いったんミックスダウンしたほうがいい。SBは元のデータを読み込むのに時間がかかりすぎる。

 

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マルチトラック:
ファイル→マルチトラックにすることで、複数のオーディオファイルを並べて出力・編集が可能。
実際は、まずこれで新規ファイルを作成し、トラックで右クリックしてどんどんファイルを挿入していけばいい。
ドラッグで位置を変更できる。
編集するときは右クリックからファイルを編集する。マルチトラックのままでは編集できない。
ASNDファイルにはマルチトラックもセーブできるが、ファイルにはリンクのみ含まれている。
クリップ→クリップを分割で分割可能。
左右の端をつかんでトリミングも可能。

 

Bridgeの製作効率:
Soundboothは大量の音声ファイルを読み込むことになることが多いが、マルチトラックで全部一度に読み込むと移動が困難で、かといってそのつど「ファイルを開く」で開くのは時間がかかる(ファイルを開く前にプレビューしたいが、できない)
そこで、Bridgeで参照にして、ブリッジを開いておき、マルチトラックのそこへドラッグして入れると非常に効率がいい。プレビューもできる。

 

キーフレーム:
波形の中央当たりに水色の線がある。これをドラッグすることで音量の変化が調整可能。
ホールドではステップ状に変化させる(急激に変化)、リニアは普通の直線。

 

AfterEffectsとの連携:
AEで編集→SoundBoothで編集をやると、音をSoundBoothで編集でき、変更はすぐにAEに反映される。
AEに読み込むとき、ファイルはASNDでやると、SBのエフェクトやフェードなどが適用される。

 

ビデオファイル:
ビデオを読み込むことができるが、そのままではオーディオの編集はボリュームとパンしかできない。
マルチトラック右上の「オーディオを抽出」をやることで編集可能になる。

 

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ファイル

 

新規:ここでマルチトラックを作ることができる。

 

ファイル形式:
劣化させないようにするにはASNDファイルで保存。

 

//環境設定

 

ビットデプス:
音質の何bitかは、振幅の範囲を示す。高いほど広い値を使えるため、音量の幅が細かく強弱が利く。
16bitでCD音質、24bitでDVD音質。
よって、編集中は32bitで行い、出力のときに出力の値にあわせる。

 

メディアキャッシュファイル:
処理を高速にするため、一時ファイルを形成しているのだが、それをどこにするか。
「可能であればメディア……」は、元のファイルと同じ場所に一時ファイル(キャッシュ)を形成する。有効でいいだろう。

 

メディアキャッシュデータベース:
キャッシュのファイルの場所がどこなのか、という情報が保存されている場所。デフォルトでいいだろう。

 

.pek,.cfa:
処理を早くするための別の一時ファイルをいったん削除するかどうか。処理が終わったらこれをやっておくといい。

 

メタデータ:
ここで使われた全てのファイルは一意のIDがつけられ、これを有効にすることですぐにそれらのキャッシュファイルにアクセスでき、処理が早くなる。

 

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タスク

 

///サウンドを削除
解像度:
高いと周波数は正確に表示するが、時間が不正確。低いと時間が正確で、周波数が不正確。
ノイズの種類の中で、時間の長いものの判別にはこれを高くし、瞬間的なノイズは低くして処理する。

 

自動修復:
普通に削除するとそこだけまったく無音で、前後のつなぎが不自然。
これをやると削除した後に前後を参考にして滑らかにつないでくれる。
ただしサンプル数が25000以下でないと機能してくれない(48kHzで0.5秒以内)

 

垂直スケール:
周波数が、高くすると対数表示に、低くするとリニア表示になる。

 

選択した周波数のみ再生:
再生時、選択ツールで選択している範囲の周波数だけ再生する。

 

///ボリュームを補正
ボリュームを一致:
一致させるファイルをここに指定すると、これらのファイルの音量を変化させる。いま波形表示しているファイルを変化させるわけではないので注意。

 

虫眼鏡マーク:ボリューム、知覚ボリューム、ピークを計算する。参考に。

 

ボリュームに一致(平均RMS):
指定した値にボリュームを変化させる。全体をそのまま上下するのではなく、コンプレッサーのように平均化しながら変化する。そのためあまり大きく変化させるとダイナミックレンジが小さくなってしまう。

 

ファイルに一致:ここに指定したファイルと同じくらいの音量になるようにする。これも平均化しながら変化するため、大きな変化はダイナミックレンジを減少させる。

 

知覚ラウドネス補正:人間の耳に聞こえやすい中音域を中心に音量を変化させる。周波数に極端なばらつき(高い音と低い音しかないとか)がない限りはオンにしておいたほうがいいらしい。

 

ピークボリュームに一致:全体のボリュームをそのまま上下。

 

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ノイズ軽減

 

ノイズプリントをキャプチャ:
典型的なノイズのあるところを選択し、これをやると、コンピュータがノイズとそうでないものを判別しやすくなる。

 

リダクション:
この値以下の音量であればノイズ減少を適用する。スレッショルドに相当する。
つまり背景の音楽が、ダイナミックレンジの大きいクラシックなどでは小さい値を指定し、ポピュラーのような大きい音量のものでは大きくするといい。

 

削減値:どれだけノイズ部分の音量を減らすか。

 

キャプチャしたノイズプリントを使用:ノイズプリントを参考にする。

 

クリック&ポップ:
クリックやビニールのこすれるような音がこれに相当する。瞬間的なノイズを自動で削減。
値が大きいと大きく削減するが、メインの音も消す可能性がある。

 

ランブル:
自動車の音とか、長時間のノイズを削減。
値でノイズの周波数を指定する。

 

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ループを作成

 

ループを取り出してその部分を保存するだけの機能。
それを使ってSoundbooth内で自由に連続で使えるようにする。

 

インポイント、アウトポイントを決め、「ループを別名で保存」すればそれで終わり。
ただしmp3はファイル構造上、ループさせようとすると前後にわずかな空白が入り、上手くいかない。WAVやwmaでは可能である。

 

拍の検出:
タスクのイン、アウトポイントには右、左向きの矢印があるが、これを押すと検出した「拍」単位で移動できる。
拍を自動検出することで、非常に正確にループポイントを取り出すことが可能。
「拍検出」で、最小・最大周波数を設定すると、その範囲の音を取り出して拍とみなす。周波数を見ながら設定するといい。
「感度」を大きくするとより多く検出する。
「テンポによる検出」は、音楽のような一定のリズムの場合に最適に検出する。
「デュレーションをロック」で、長さを固定する。
スムージングで、ループのつなぎをクロスフェードさせて滑らかにつなげる。

 

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ピッチとタイミング

 

ピッチの上下とスピードの変更が可能。スピード変化はピッチを維持する。
詳細はよくわからないが、以下の特徴を付与できる。
独奏楽器または独唱:ソロまたは独唱の場合、これを有効にすると自然に変化するらしい。
スピーチ特性を維持:臨場感を維持しながら変化させるらしい。

 

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///編集
ミックスペースト:上から付け足す。
クロップ:その範囲だけ残して後は全て消す。PSの切抜きと同じ。元のファイルは残るので、一つの大きな音声データを分割して保存するのに便利。

 

///プロセス
フェードイン・アウト:波形表示の前と後ろの、四角が三角で分割しているアイコンをドラッグすると、詳細なフェードイン・アウトの設定が可能。

 

ノーマライズ:ノーマライズは処理の最後の行うといい。
ハードリミット:マキシマイザー。
ボリュームを平均化:ボリュームを均一にする。ハードリミットより効果が極端で、相当音量が小さくても無理やり大きくする。

 

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エフェクト

 

最大5つまでしか同時に使えない。ただし「適用」するとレンダリング(オーディオ化)され、また5つ追加できる。
標準と詳細があり、詳細のほうはDAWのように細かく調整が可能。

 

アナログディレイ:
フィードバックでディレイの回数を増やす。
トラッシュ、スプレッドで音の広がりを加えられる。やってみればわかる。
ディレイ時間を小さくすれば、擬似ステレオのようにできる。
音楽だけでなく、効果音やボイスに適用することで、独特の効果を得られる。

 

コーラス・フランジャー:
トランジエントで瞬間的な音を増幅する。

 

コンプレッサ:
アタックとリリースは、音の長さに比例する値を入れる。ドラムなど短い音では値も短くする。
特に理由がなければ、アタック10ms、リリース100msのデフォルト値を使用する。
コンプレッサをかけるとアタックが強くなりがちなので注意。リップノイズが大きくならないように注意。

 

コンボリューションリバーブ:
ミックス:元の音との割合。
ルームサイズ:部屋の大きさ。大きくするとリバーブも長くなる。
低域・高域ダンピング:普通にリバーブを生成すると、低域、高域に不快な音が発生するのだが、それを抑える効果の強さ。
プリディレイ:リバーブ発生までの時間。普通は0〜10ms。大きくすると特殊な効果になる。
幅:ステレオ幅。ゼロだとモノラルになる。
ゲイン:音の大きさ。

 

ディストーション:
グラフのXが入力、Yが出力。音の大きさを調整して歪ませる。
正と負は、たぶん位相のことで、どちらをいじってもさほど変わらないようだ。
リニアスケールでデシベルをリニアにする。あまり意味はないと思うが。
dB範囲で調整するデシベル範囲を決める。
タイムスムージングは、ディストーションが起こるまでの時間。

 

///ダイナミクス
リミッタ・コンプレッサは圧縮、ゲート(ノイズゲート、エクスパンダとも呼ぶ)はその逆で、指定値以下の小さい音をさらに小さくする。ゲートを強くかけると小さなノイズを消去できる。
リミッタはそれ以上の強さの音が出ないようにする。つまり目的のデシベル値を入れる。ただし圧縮はコンプレッサより強烈。
リミッタ、ゲートの比率(レシオ)は通常、10〜30の値をかける。コンプレッサは通常は2〜5程度。
主な用途は圧縮による音の明瞭化をノイズの除去。使い方は手順の項を参照。

 

以下は除去の手順のうちリミッタとコンプレッサの使い方だが、やり方がまずいとリップノイズがひどいので、ただの「ハードリミット」を使うほうが安全。

 

リミッタ:
まずリミッタで目的最大音量を設定。マイクで録音すると、必ず突出した無駄な音が含まれるので、これを消すのが目的。
特に一部突出した音がある場合、それを抑えるのが最大の目的となる。比率は10〜30程度。面倒ならとりあえず30。
波形を見ながら「どのへんで圧縮限界にしたいか」を見ながらリミッタのスレッショルドを設定。一瞬突出した音だけ消すように設定する。ノイズが増えるのはなんとしても避けるべきなので、値は控えめに。
リミッタだけで完全に上限を削れるわけではなく、コンプレッサも使って中央あたりから削り始めないと上手く削れない。コンプレッサも併用するように。

 

コンプレッサ:
次にコンプレッサで圧縮。スレッショルドは波形を見ながら、波の(ノイズを除く)一番小さいあたりで設定する。つまりゲートのスレッショルド付近にすると無難(考えるのが面倒ならゲートと同じ値でいい)。比率は2〜5程度。しかしダンス音楽のように高圧縮にしたい場合は、比率を大きくする。