私が調べた穴場投稿サイト

私が調べた穴場投稿サイト

 

また文章のみで申し訳ありません。
毎日仕事、いや死事で忙しく、映像作ってる時間がありません。

 

前回のニコナレで申し上げた通り
ニコニコ動画では新参が何を投稿しても伸びません。
その理由は、突きつめたところ「供給過剰」です。
動画にしろ生放送にしろ、投稿者は放送主があまりに多すぎて
視聴者が分散されてしまいます。
特に動画は、コメント順やマイリスト順という、格差を広げるシステムのために
さらに伸びにくくなっています(詳細は前回のニコナレをご覧ください)

 

どうすれば期待の新参が知名度を上げられるのか?
今のところ私が思いついた方法は「ニコニコを脱出する」でした。
もっというと「穴場サイトを探す」ことです。

 

(これの執筆は2016年3月ごろです)

 

 

穴場サイトを探す

 

まず穴場サイトは、どのような様相をしているでしょうか?
率直に結論を申し上げますと

 

「質の悪い作品が羅列されており、
それらが軒並み再生数(ダウンロード数)が多い」です。

 

質が悪い作品なのに、投稿すれば簡単に伸びるような場所です。
そこが投稿者にとってベストです。

 

逆に最悪なサイトとは

 

「超クオリティ作品がずらずら並んでおり
しかもどれもさほど伸びてない」

 

です。典型的なのはYOUTUBEやニコニコ動画です。

 

 

80年代のファミコンの例

 

1980年代、任天堂の出したファミリーコンピュータ。
今のコンシューマーゲームより、ずっとクオリティの低い作品ばかりでした。
プログラマがたった一人、半年かけて作ったゲームがバカ売れしたりしてました。
映像も音楽もボリュームもない。ゲームバランスもめちゃくちゃ。
それでもゲームは、相当のクソゲーでさえ、狂ったように売れました。
売れて、売れて、売れまくりました。

 

今はどうでしょうか。昔に比べ、映像、音声、ゲームシステム、バランス・・・
どれをとっても以前とは比較にならないほど洗練されているにもかかわらず、作っても作っても売れません。

 

 

1980年代、誰も「ゲーム」なんてものを知りませんでした。
ゲームを見るのが初めての子供たちは夢中になりました。
それから30年もたち、そのころの子供たちも大人になり、すっかりゲームに対して「舌が肥えて」しまいました。
今やもう、相当のクオリティのゲームでさえ、彼らを満足させることはできません。
こうしてゲームは、どうやっても売れなくなります。

 

もちろんゲームに触れたことのない子供にやらせればすぐに夢中になるでしょうが、
子供たちは最近の質の高いゲームに慣れているので、相当の質のものを与えないと満足しません。
こういったことはどんな産業でも起こります。

 

 

黎明期→ピーク期→衰退期という流れ

 

どんな産業でも、盛衰のグラフのようなものがあります。

 

たとえばゲームでいえば、1980〜90年ごろの、ファミコンやスーファミなどと騒がれていたころが
「黎明期(れいめいき、産業の起こりはじめの時期)」です。
将来大きくなる産業は、この時期が一番おいしいです。なぜなら、参入業者にとっては

 

  • 技術が確立されておらず、ライバルが弱い
  • 客が慣れておらず、低クオリティでも満足する

 

という特徴があるからです。おいしすぎます。

 

ピーク期は、ゲームでいえば2000年あたりでしょう。
プレステ2のピークあたりで、最も競争が激化し「大企業」も生まれてきます。
こうなると中小企業では競争に勝てなくなり、個性よりも資金力で決着がついてくる傾向になります。

 

そして最近あたりが「衰退期」でしょう。
開発企業は既に大企業のみで形成され、正社員は社会的に十分なステータスを得られるようになり
日経新聞で毎日記事が書かれるようになります。

 

いうまでもなく、一番おいしいのは黎明期に乗り込むことです。
ニコニコ動画でも、おそらくは黎明期の2007年あたりにゲーム実況動画を投稿しまくっていれば
あなたも有名人になれていたかもしれません。
でも今にそれをやっても無駄です。産業はピークを過ぎ、衰退しつつあります。
この時期に大企業(有名実況者)には、どうやっても勝てません。
いまさら個人の自動車技術者が「俺は一人で起業してトヨタに勝つ!」といっても
笑いものになるだけです。それと同じです。

 

 

廃墟に穴場を探す「ブルーオーシャン」戦略

 

ブルーオーシャン戦略という言葉があります。これは、要するに「穴場を探そう」というものです。
「血で血を洗う、あまりに競争の激しい海・・・それをレッドオーシャンと呼ぶなら
競争のない静かな市場をブルーオーシャンと呼ぼう」とか、そういう意味だったと記憶しています。

 

たとえばド田舎に点在する不動産屋は、なぜか潰れません。
理由は簡単です。その地域では、不動産屋がそこにしかないからです。
大企業はそんな儲けにくそうなところに目を向けなかったので、競争が存在しないのです。
(厳密には、零細企業は経費が非常に小さいために潰れないという事情があります)

 

こんなふうに、この世のどこかにポツンと、忘れ去られたような場所に、儲けの場所があったりします。
そしてそれは、私の経験的には、意外にも産業的には衰退しており

 

「誰も目を向けなくなったようなところ」

 

にあったりするものです。

 

 

どうやって穴場を探すのか

 

穴場産業がどのようにできるかとか述べてきましたが、肝心な「探し方」をまだ提示していませんでした。
探し方は、簡単です。これは企業の営業と同じで、

 

「ひたすら自分の足で探す」

 

です。根気がいるかもしれませんが、これしか思いつきません。
根気が要ります。穴場というのは、普通の人が気付かないところを探すことです。
普通の人と同じくらい探索したのでは見つかりません。もっともっとたくさん探さないと見つかりません。

 

そして重要なことは、数字を自分の目で把握することです。
人間、どうしても偏見が入ると、穴場が見つかっているのに見逃しがちです。
そういう感情的な障壁を壊してくれるのが数字です。ちゃんと数字だけで考えることが重要です。
おいしい場所がどんな数字になっているかは、最初に述べた通りです。

 

クオリティが低い作品ばかりなのに、軒並み数値が上がっている

 

ところです。

 

たとえば動画投稿サイトなら、「動画」「投稿」などで検索してみて、
さらにカテゴリ分けするなら「動画」「ボーカロイド」「投稿」で検索するといいかもしれません。

 

ただ、検索の一番後ろまで探す必要はないようです。
あまりに後ろだと、そもそも人が少なすぎて、穴場にならないからです。
(おいしい場所というのは、供給が少なくて、その割に需要が多い場所です。
動画でいえば、作る人が少ないのに、見る人が多いところです)

 

 

 

ボーカロイド作品

 

さて、前置きが長くなりましたが、ここで私が探した穴場サイトを紹介いたします。
これは現在(2016年3月時点)での探索結果です。時間がたつと変わっているかもしれません。

 

 

まずは「ボーカロイド作品」です。

 

歌ってみたとか、そういうのではなく、いわゆるボカロP、作曲して発表する場所です。これは

 

FC2動画

 

が超穴場です。
FC2動画といえば、アダルトと著作権違法動画(テレビや映画)が有名ですが
実は全年齢向け動画の部分に「DTM・ボーカロイド」というカテゴリがあり、ここに投稿できます。

 

ここに投稿すると警察に捕まりそうな気がするかもしれませんが、
ボカロオリジナル動画を投稿しても、もちろん捕まることなんて絶対ありません。
なんとなく治安が悪そうなイメージがあるからでしょうか、ここにボカロを投稿する人は非常に少数ですが
なんと、見ている人は非常に多いのです。

 

ボカロ作品は、新参がニコニコに投稿しても全然伸びません。
私の場合ですが、ボカロ音楽を投稿しても150程度でピタッと止まり、以降は一切伸びません。
FC2動画に投稿すると、およそこれの100倍程度伸びます(誤差を見ても10〜1000倍程度)

 

 

FC2動画の特徴

 

FC2動画は特殊な並び替えシステムを持っており、
動画として投稿された作品は、デフォルトで新しいものから並べられます。
一応「人気順」で並び替えることもできますが、あまりあてにならず
結局は新作から目で追っていくことになります。

 

このため事前の知名度に関係なく、皆さん新しいものから順にみていくことになります。
このシステムは、究極といっていいほどのゼロ格差の状態で
新参を発掘するという意味では、私はこのシステムを非常に評価しています
(単にFC2が評価システムを作るのが面倒だっただけかもしれませんが)
ボカロの「千本桜」と、無名の素人の曲が同じくらいの再生数になるのはここくらいです。

 

欠点として、なぜかコメントやフレンドのような、人間関係はほとんど作られないようです。
これはニコニコのように、コメントする習慣がないためかもしれません。
あるいはあまり熱狂的にボカロを好む人が非常に少ないかもしれません。

 

しかし再生数が伸びることは確かなので、もしあなたの近くに新参のボカロPがいて
「いくら投稿してもちっとも伸びない」と悩んでいるなら、これを教えてあげてください。

 

 

ホラーゲームの制作・発表の場

 

最近はゲーム実況でホラーゲームが盛んですが、作っても誰もやってくれない、というのが
よくある製作者の悩みのようです。
日本でフリーゲームといえば「ふりーむ」が有名で、ホラーゲームも多数投稿されています。

 

ふりーむのダウンロードランキングは、時代の流れでしょうか、およそ
有名実況者に実況されたゲームばかりがランキングしています。

 

これを受け、ゲーム製作者も、何とか実況してもらおうという意図でゲームを作ったりしています。
実況されることで知名度が上がることを期待して「実況歓迎!」となるのです。

 

製作者は「有名実況者でなくでもいい、無名の人でもいいから実況してほしい」
と思っているかもしれません。
しかし残念なことにそれもほとんど期待外れに終わってしまいます。なぜかというと・・・

 

ゲーム実況者も自身の知名度がほしくて実況をします。
ところが有名でないゲームをやっても、誰も見に来てくれません。
ニコニコ動画は「タグ」システムによるため、無名のゲームを検索する人はいないのです。
視聴者はまず有名なゲーム名を入れて検索するので、自分の知名度を上げるためには
有名なゲームをやるしかないのです。

 

有名なゲームとは、有名実況者が取り上げたゲームです。
よって、一度有名実況者がゲーム実況をすると、無名実況者も皆そのゲームをします。

 

これと似たようなことで、少し前「マリオメーカー問題」が話題を呼びました。
実況者が知名度を得たいため、皆がこぞって有名な新作ゲームをする、という事態です。
これにより、ランキングが一時「マリオメーカー」で埋め尽くされてしまいました。

 

(しかしこんなことはずっと昔から起こっていたことです。たとえばコミケのような同人即売会です。
新作の萌え系アニメが一度流行すると、次の同人即売会では、そのアニメ関連のエロ同人誌が
山ほど売られている、という状況が起こります。流行が終わると、皆サッと引いてしまい
次の流行のアニメのエロ同人誌の制作に入ります)

 

このような都合があるため、一度有名実況者が取り上げたゲームはずっと長いこと流行し続け
無名のゲームはいつまでたっても無名のままです。
著作権を野放しにし、なすがままにしておくと、格差はどんどん広がります。

 

実況を狙ってホラーゲームを制作するときは、こういった事情を考慮しておかないと、
後でがっかりすることになります。

 

 

ホラーゲームの穴場サイト

 

少々敷居が高くなりますが、外国の「FREE HORROR GAMES」というサイト

 

http://freehorrorgames.net/all

 

です。
ここは英語で「horror game」と検索すると、上位に出てくるにもかかわらず、
ゲームが50程度しかありません。
とんでもない穴場サイトで、適当に作って放置しておくだけでどんどん伸びます。
ここ出身の有名なゲームは「The Grudge」「The House」などです。

 

私が最初ここにいったとき「Lakeview Cabin」というゲームが新作として出ており
プレイ回数が20程度だったので「よほどつまらないんだな」と思っていました。
実際やってみると、事前情報なしで攻略するのはほぼ不可能で
「こりゃだめだ!再生数が伸びないのも当たり前だ!」と思っていました。
今では再生数が800超えています。

 

英語で制作しなければならず、かつブラウザで動かなければならず、少々敷居は高いのですが、
最近では、新作のRPGツクールMVはブラウザで動かすこともできますし(少々難しいようですが)
FLASHやUNITYでもブラウザ上で動かすことができます。
ゲーム制作に慣れている方なら、狙ってみるといいと思います。
(なお私は投稿したことはないので、個人で、また日本人が投稿できるかどうか知りません)

 

 

いかがでしたでしょうか。
再生数、ダウンロード数が伸びずに悩んでいる製作者はたくさんおられると思います。

 

制作側の大変悔しい思いの一つに
「クオリティや個性に自信があるのに、資金や人脈、前評判がないために広がらない」
というのがあります。(この思いは製作側の方にはご理解いただけると思います)

 

有名実況者の気分次第で、自分の知名度を左右されるという現実を
心底ではよく思わない製作者の方も、きっとおられるでしょう。

 

こういった穴場サイトで知名度が広がり、世に本当に面白い作品が出ていけば、と思います。

 

もしあなたもこのような穴場サイトを発見したら、ぜひ教えてください。