ニコニコ動画はなぜ新参が伸びないのか

ニコニコ動画はなぜ新参が伸びないのか

 

インターネットにおける検索システムは、どの情報を前に出すかという、いわば「並び替え」が極めて重要になってきます。
たとえば私はニコニコ動画で動画を検索するとき、まず検索ワードを入れます。
すると最初は普通「コメントが新しい順」に並び替えられることでしょう。
このような「並び替え」に関するお話です。

 

 

グーグル検索エンジン

 

ものは何でも比較すると理解しやすいといいます。まずグーグルの「並び替え」についてみていきます。
インターネットにおける王者「グーグル検索」ですが、まずグーグルという会社は「世界中のあらゆる情報をわかりやすく整理する」という目標を持っています。

 

グーグル検索で「何が上位に表示されるか」は、情報を発信するうえで、発信者にとっても顧客にとっても極めて重要です。
それがどのようにして決められるかという「検索アルゴリズム」は、グーグル社によれば「100万回以上の試行錯誤を経て作られた自動並び替えアルゴリズム」です。
簡単に言うと、世界中のホームページのあらゆる情報をグーグルのコンピューターがかき集め、これらをコンピューターが自動で並び替えるということです。
機械が自動で、というと不安があるかもしれませんが、我々が日々使っている検索エンジンは、少なくともかなり精度が上がっています。10年も前だと、人を集めるだけのために作られたスパムサイト(ページ数が多いが内容のないサイトや、どこか有名なサイトの内容を丸ごと盗んだ内容のサイト)が上位に表示されていて、検索エンジンは使い物にならなかったのが、今ではちゃんと機能しています。

 

最もわかりやすいところでは、どこかの会社名や商品名を入れるとちゃんと検索一位に表示されると思います。
たとえば「ヴィッツ」で検索すると、トヨタのヴィッツのページが検索1位に出てきます。
「ラムダッシュ」で検索すると、パナソニックのラムダッシュというシェーバーが検索1位に表示されます。
検索エンジンが未熟だと、会社名や商品名を入れても上位に表示されなかったりします。

 

その他、企業の商品名やサービスの内容を検索すると、たいてい検索1位に来るでよす。これは簡単なように見えて、ものすごく難しいことです。
われわれが最もほしいと思っている情報を、まず検索上位に表示するため、グーグルは100万回も自動検索の仕方を修正している、という意味です。

 

しかしその「具体的にどのような検索の仕組みになっているか」は不明で、グーグルの秘密のようです。
一部公開されている情報によれば、たとえば情報の量(多いほど有益であるとみなされる)、独創性(ほかのホームページにない独自の情報をたくさん発信していると優遇される)、閲覧者の滞在時間やページ表示時間、離脱までの時間、再来する回数なども見ながら評価しています。
他にもさまざまな点からホームページを評価しており、それらの要素は200を超えるといわれています。極めて複雑な評価方法が取られています。
またこれら評価方法は日々更新されており、昨日の仕組みは今日になっているともう違う、というくらいだそうです。

 

この検索の仕組みは、内容はわからないもののグーグルの「世界中のあらゆる情報をわかりやすく整理する」という目標に基づいて作り変えられているため、情報の発信者は、ただ利用者に有益な情報を提供することに注力しさえすればよい、と言われています。

 

あまりに莫大な量の情報を適切に並び替えるには、人力では不可能であり、コンピューターの力が不可欠になります。
ニコニコ動画ももちろん、誰かが人力でコメント数やマイリスト数を見て「これを上位に表示しよう」とか操作しているわけではありません。
これら莫大な量を扱うための機械的な仕組みを、コンピューターの「アルゴリズム」などと呼びます。
具体的には、それらの作業の多くはコンピューターのプログラミングによってそれを可能にします。

 

歴史的にみてもグーグルは、数々の失敗もしてきましたが、今現在はまさに世界最先端の検索システムを持っており、莫大な情報を自動整理することに関しては、ゆるぎない王者の地位を築いているものと思われます。

 

 

アマゾン(amazon.com)

 

アマゾンは大量の商品を取り扱っていますが、ここでも並べ替えが可能です。
キーワードを入れて検索すると、まずは「キーワードの関する商品」という、よくわからない順番で並び替えられます(おそらくは商品の販売数や評価点などの総合点だと思いますが)

 

しかしこれらを「レビューの評価順」で並び替えることが可能です。

 

レビューというのは、商品を購入した人が商品の評価を下してコメントする欄があり、その評価で並び替えられる、ということです。

 

たとえばどこの店でも売られているような有名な商品でも、質が悪い商品というのがあります。
こういう商品は我々消費者にとっては、避けたいものです。
そういう商品は、販売数こそ多いものの、レビューでの評価は酷評を受けるでしょう。

 

レビューの評価順というのは、レビューの評価点の星の数(1点が最悪で、5点が満点)の、おそらくは平均点で並び替えられているものと思われます。
よってこの順で並び替えたとき、最も上位に来るのは「割合的に高評価した人が多く、悪評価をした人が少ない」商品です。
これによって、知名度はあるが悪い商品を振り分けることができます。

 

たとえば有名だけど劣悪な商品では、レビューの数ことたくさんつきますが、評価点の平均点は悪いはずです。それはたとえば

 

星5つ 1人
星4つ 3人
星3つ 10人
星2つ 24人
星1つ 245人

 

のような評価になるでしょう。販売数が多くても、平均点は非常に低いものになります。
逆に知名度はないけれども、良い評価の商品は、たとえば

 

 

星5つ 14人
星4つ 2人
星3つ 1人
星2つ 0人
星1つ 0人

 

のような評価になります。
このようにして、アマゾンの評価システムによれば、知名度が低くても良質な商品を見分けることができます。

 

欠点として、あまりにレビュー数が少ないと、わずかな評価が反映されてしまうというこのがあります。
たとえば、それほど良質な商品でなくても、たまたま購入した人がいい商品だと感じ、最高評価をした時などです。それは

 

星5つ 1人
星4つ 0人
星3つ 0人
星2つ 0人
星1つ 0人

 

のようになるでしょうが、もう少しレビュー数が集まれば、実はそれほどいい商品ではなかった、という場合もあり得ます。
それでもわれわれ消費者にとっては、埋もれた良質の商品を発掘しやすい点では、消費者にとっては良好なシステムといえるでしょう。

 

もちろん粗悪な商品を、広告費でゴリ押ししている大企業にとっては、たまったものではないのですが。

 

(これに限らず、どんな検索システムを作ったとしても、損をする人は必ず出てきます。
たとえばグーグル検索のアップデートは、スパムサイトを量産して楽して儲けようとしていた人たちには大打撃になりました。
しかしこれは、閲覧者にとっては歓迎すべき事態です。なのでこういった改良は、健全といえるでしょう。
アマゾンも粗悪品を売りつける業者には大打撃ですが、消費者にとっては歓迎すべき事態なので、健全な変化だと私は思います)

 

 

ニコニコ動画

 

問題のニコニコ動画です。なぜ新参は伸びないのか。
理由ははっきりしています。無名の新しい動画を掘り起こす方法が、何一つ用意されていないからです。
ニコニコ動画はどうやって並べ替えられているでしょうか?
またその並べ替えシステムは、視聴者のニーズに合致しているでしょうか?

 

動画を検索するとき、アマゾンと同じように、並び替える方法がいくつかあります。
しかしこれらはどれをとっても「埋もれている良質の動画」を発掘できるようにはできていません。

 

典型的なのは「マイリスト数」「再生順」です。
このような並び替えをしてしまうと、投稿したばかりで再生数もマイリスト数もほとんどない新参の動画は、決して検索上位には出てきません。

 

しかもこれらは、「とりあえず良質の動画を探したい」ときには極めて有効な並び替え順です。
多くの人がこれら並び替えを使うので、新参の動画は、たとえ非常に良質なものでも無視されてしまいます。

 

「コメントが新しい順」で並び替えることができますが、コメントというのは当然、再生数の多い動画につくものですので、およそ再生数に比例した順番で動画が並ぶだけで、新参の発掘には使えません。

 

「投稿日時が新しい順」というのもあるのですが、これは視聴者側からしてニーズがありません。

 

なぜならニコニコ動画内には無数の駄作が埋もれており、視聴者はこれらを排除したいからです。新しい順より、何らかの形で良質なものから順番に並べてほしいわけです。

 

アマゾンでは「評価順」というのがありました。消費者はこれにより、有名でも悪質な商品を排除することができ、無名でも良質な商品を取り出すことができました。
これは評価の「平均点」で並び替えられているからです。

 

ニコニコ動画でこれに相当するのは「マイリスト順」ですが、マイリストは有名な動画にたくさんついています。
たとえばそれがつまらない、評価に値しない動画だとしても、非常に有名な作者であればそれな入りにマイリスト数がつくものです。

 

これに対し、無名の製作者が非常に良質な動画を作ったとしても、知名度がないために、そもそも見る人がおらず、それに比例してマイリスト数も少なくなります。

 

このような状態であるため、無名の作者はどう頑張っても評価されないわけです。

 

改善案を出すなら、たとえば「再生数÷マイリスト数」の値で並べ替えるなど、要は「再生された数の割にはマイリスト数が多い」などの評価システムを取り入れれば、アマゾンに近づくこともできるでしょう。

 

単純にマイリストとは別に、アマゾンと同じく「評価システム」を取り入れるのも一つの手ですが。

 

 

極めつけは「ランキング」です。
ランキングとは、簡単に言えば、「すでに再生数が伸びている有名な動画をさらに有名にするシステム」です。

 

このような並び替えシステムしかないため、有名な動画はずっと有名なままで、無名の動画はずっと無名のままです。
これは新進気鋭の製作者側の士気を削ぐだけでなく、閲覧者からもすでに不満の声が多数出ているようです。

 

なぜならこれらシステムは、有名な動画はずっと有名なままで、新しく面白い動画が出てこないからです。
すでに有名な動画を一通り味わい尽くし、何か新しく面白い動画がないかと期待している視聴者は、退屈でしょうがないわけです。

 

どう並び替えても、結局はいつもいつも同じ動画しか出てきません。ランキングを見ても、いつも同じ動画ばかり、同じ製作者ばかりしか出てきません。

 

 

結論

 

どの検索システムが優れているとか、私が評価を下そうとは思いません。それは思い上がりというものでしょう。
製作者はそれぞれのコンテンツの特徴をよく理解し、自分に合ったところを利用するといいと思います。
本当に有益な情報を提示できる自信があるなら、グーグル検索(ホームページ制作)がいいです。
量も必要なので時間はかかりますが、確かなクオリティが評価されるので、技術や知識を積み重ねてきた人は評価されやすい場です。

 

またグーグルはオリジナルの情報を優遇しているため、ニコニコとは全く逆の方針を持っています。

 

ニコニコ動画のこのような状態、新しいものが出てこない状態を、業界ではよく「新陳代謝が鈍いコンテンツ」などといいます。
私はずっと以前から、なぜニコニコでは東方やボカロがずっと流行し、新しい流行が現れないのか、MADにしても市販のアニメやゲームから取り出すばかりで、ニコニコには完全にオリジナルなものは何一つないではないか、と疑問を持っていました。

 

ニコニコでは、完全オリジナルを製作できるクリエーターがいません。いやもう少しいうと、そういう方は多数おられるのですが、前に出てこないようなシステムになっているのです(pixivやほかのコンテンツも同じ傾向がります)

 

オリジナル作品は制作難易度が高い割に、少しも前に出てこれない。それは「タグ検索」で「オリジナル」を検索する人などほとんどいないからです。ニーズがない。
二次創作が許されている場所なら、二次をやった方が、難易度も低いし有名になれます。
オリジナルの制作はいいことが一つもなし、やる価値がない、となってしまいます。

 

だから私はオリジナルを辞めた。
盗めるんだから盗もうじゃないか。
つまらんこだわりや情熱やプライドなんか捨てちまえ。
そのほうが楽になれるさ。

 

こんな考えの製作者がいてもおかしくはないと思います。

 

事実、オリジナルの作品を作っていた知り合いの方たちが、「仕方ないので東方をやる」のを、たくさん見てきました。
(実は私もオリジナル製作側の人間ですが、少なくともニコニコでオリジナルの作品を発表しようとは思いません。別のところで発表したいと思います。ニコニコはぶっちゃけ、盗んでナンボ、パクってナンボです。自作曲を「歌ってみた」「踊ってみた」とか効率悪いでしょ?ボカロ歌いなさいって)

 

オリジナル作品のすぐれた作品を作れる方には、少なくともここは場違いだということです。
新参のすぐれた動画が評価されないのは、あなたの腕が悪いのではなく、場違いの場を選んでいるからです。

 

商業漫画雑誌でも、新人は最初はニーズがない。仕方ないので有名漫画家と同じ「雑誌」に載せてもらい、無理やり目につくようにします。
それで少しずつ知名度が上がっていきます。ゼロから知名度を上げていくのは商業でさえ困難です。

 

「新参は、何かすでに有名なものにしがみついて、そこから知名度を少しずつ上げていく」のは、何もニコニコや商業雑誌だけではなく、昔からどこにでもあることなのです。そういうのは「下積みの修業時代」などと呼ばれています。

 

その常識を一気に覆したグーグルやアマゾンが例外(というか新しい仕組み)というだけなのです。
しかし私たちは新しい時代に生きています。もはや長い下積みをやって少しずつ知名度を、というのは古臭く見えます。

 

さて、思いついたことを一気にブチまけた感がありますが・・・
製作者の皆様に、何か利益があれば幸いです(利益あるのか?)
(なぜニコナレで発表したの?つまりニコ動とかブロマガは「埋もれる仕組み」になっているのであって・・・どうやったって誰もみねーよ

 

しかし結局、オリジナル作品をどこでどのように発表したらいいかという問題は結論が出せずじまいです。現状、方法が見つかりません。

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