ベースは心理療法

学校や予備校や塾では「勉強の習慣のつけ方」は教えられない

受験のプロといえば、まず思いつくのが予備校でしょう。
予備校の講師は勉強を教えるプロです。それは間違いありません。

 

しかし予備校の先生方は、予備校で勉強を教えるのが専門です。
それ以外の時間については何もしてくれはしません。

 

どうやったら自分は家で勉強できるようになれるのか

 

を指導することに関しては、まったくの素人といえます。

 

仮に大学受験に失敗し、浪人して予備校に通うことになっても、勉強時間は予備校ですべて終わるわけではありません。

 

たとえば朝9時から夜6時まで予備校で勉強して、家に帰ってからも予備校で習った内容を復習したり、内容によっては予習しなければなりません。
予備校の先生といえど、その時間までは面倒を見てくれはしないのです。当然ですが。

 

学校の先生や塾の先生や予備校の先生が、本当にあなたが家で勉強するように指導するなら、まず先生方はあなたの家での行動をチェックするはずです。
毎日自由時間がいくらあって、何をしたのかとか、何時間くらい遊んでいてテレビを見て、どこをどう修正して勉強時間を増やすのかとか、そんなことを指導しなければなりません。
そういうことをしている先生は、私の知る限りではほとんどいません。第一、仕事として大変すぎです。先生方がそこまで生徒の面倒を見ていたら、先生方は夜寝る時間もないくらい働かなければならなくなるでしょう。

 

さらに生徒たちは一人ひとり家に帰ってからすることが違います。家の手伝いをする子もいるし、ゲームが好きな子もいるし、友達とひたすら電話でしゃべっているような子もいます。
それぞれやっていることが違うので、それぞれ違うアドバイスが必要になります。数十人に個別にアドバイスをするなど、大変すぎます。先生にできる仕事ではありません。

 

 

勉強のやる気を出させるプロはいるの?

受験だけでなく、勉強や学問というものが、そもそも自主的な勉強の度合いというのが非常に重要になります。
学校で授業を受ける時間は皆同じなので、単純に考えると、それ以外の時間にどれだけ勉強するかというのは、成績を決めるうえで大きな要因になりそうです。

 

不思議なことに、勉強のやる気を出させる研究、自力で勉強ができるようになる研究というのは、驚くほどなされていません。

 

学校や予備校では、あれほど授業方法が研究されつくされており、カリスマ講師などがテレビの宣伝で出てくるくらいです。
しかしそのような人たちでも、本当に心の底から生徒にやる気を出させ、実際に勉強をさせるように仕向けられるような人はほとんどいません。
これほど卓越したプロでさえ、こと勉強の「やる気」に関しては「さあ勉強しよう!」「今やらないと大変なことになるよ!」「目標を持って!」とか、単純なあおりか、脅しのような文句を使うにすぎません。

 

実際のところそのような言葉を聞いても、一瞬感動してやる気が出たりはしますが、家に帰ればその感動も忘れてしまい、いつものパターンに戻ってしまいます。

 

でもそれは仕方がないのです。学校や予備校の先生たちは、勉強の「内容」を教えるプロなのであって、やる気を起こさせるプロではないからです。

 

「勉強の内容を教える」のと「やる気を引き出させる」のは、まったく別の専門分野なのです。

 

勉強のやる気を引き出すには、まったく別の専門分野の先生の力が必要になるのです。
その一つが、心理療法という分野なのです。

 

 

心理療法とは?

このサイトの内容は、大半が心理療法をベースにしています。

 

心理療法というのは聞き慣れない言葉かもしれません。
一般的には「カウンセリング」とか「セラピー」とか呼ばれるものです。

 

学生であれば、学校に来られるスクールカウンセラーが最も近い内容の職業です。
悩みを持っている生徒の話を聞いてあげたり、不登校の生徒を訪問し、悩みを聞いてあげたりして心を癒し、元気にするのが目的です。

 

その他の働き場所としては、病院が多いです。
現代の病ともいわれるうつ病や統合失調症など、いわゆる「心の病」にかかっている人たちを支援します。
実際の病院では、精神科医とカウンセラーが連携を取って患者の治療に当たることが多いです。

 

このサイトの管理人である私は、大学4年間を臨床心理学科という学科で勉強しました。
臨床心理学科というのは、大まかには心理カウンセラーを養成する学部、といえばわかりやすいと思います。

 

心理療法は歴史的に、主に医療現場を想定して発展してきた分野です。臨床心理学に出てくる歴史的な著名人も、本職が精神科医だった人がたくさんいます。
恐怖症(トラウマ)の治療、嗜癖(中毒)の治療、あるいは行動だけでなく、うつ病のような化学的な問題の、薬物治療と併用した心理的な援助をすることを目的に作られています。

 

中でも特に中毒の治療は、心理的な面だけでなく本人の行動も変えていかなければ治療になりません。
この点においては、習慣を身に着けることに似ています。内面的に満足しただけでは足りないのです。

 

毎日勉強する習慣を身に着けるのも、毎日食べすぎないように注意することも、毎日タバコを吸わないように注意することも、基本的な部分は同じなのです。

 

ほかにも、たとえばあなたが「絵がうまくなりたい」と思っていたとしても、使うことができるかもしれません。
絵の描き方自体はここでは教えられないのですが、「毎日時間を取って絵の練習をする」という習慣を身に着けるには使える技法がたくさんあります。
「絵がうまくなりたいけど、自分は怠け者でちっとも練習していない。何かいい方法はないか」というようなときにも、ぜひ読んでもらいたい内容です。