絵を描くための「技術」を学ぶ

絵が上手くならない?

最近はpixivなどの投稿型SNSや動画サイト、ボーカロイドや同人即売会など、いわゆるオタクジャンルの影響で、キャラクターなどをはじめ、人物を絵で描くという需要が高まっています。
しかしキャラクター(漫画・アニメ風に描かれた人物)であれ美術的に描かれた人物であれ、人物を上手に描くというのは、多くのふつうの人たちにとっては容易なことではありません。

 

人間を絵で描けといわれたら、とりあえずそれらしきものは描けますが、自分で満足できるほどの品質の絵が描ける人はそれほど多くはないと思います。

 

一般に、絵がうまくなるためには長年にわたる練習を必要とする、と考えられています。
さらにこういった芸術分野に関しては「才能」なるものが重要視され、才能のない人たちはいくら練習してもあまりうまくなれないような言い方がされることが少なくありません。

 

しかしこのような「才能」による偏見は、学校教育で芸術分野があまり重要視されていないことや、芸術スキルを身につけさせるための本格的な教育システムが普及していないことに原因があります。

 

実のところ、芸術スキルを身につけるのは、ごくふつうの人たちにでもできます。ただ多くの人たちはそういう教育システムを受けることができない状況にあります。そのため絵がうまくなりたい人は我流で身につけようと試みますが、我流で高度なスキルを身につけるのは難しいものです。多くの場合、ある程度の限界に達するとそれ以上うまくなりません。

 

 

算数と同じように学ぶ

多くの日本人は、難なく九九の計算ができるようになります。中学になると複雑な代数計算(方程式など)までできるようになり、高校生になると二次方程式や三角関数などの複雑な計算もできるようになります。
これらは私たちが小学生の頃から体系的に教えられ、スキルは長年を持って積み重ねられます。蓄積された勉強の総時間はかなりのものです。

 

これに対し、美術や音楽などの教育は、スキルを身につけさせるという意味では実におろそかにできています。
具体的な「やり方」「技術」はほとんど教えず、ひたすら歌を歌ったり、ただ好きなものを描かせるだけにとどまっていることがほとんどです。
私の学生時代を思い返しても、音楽や美術で何か専門的な技術を正式に学んだ記憶はまったくありません。ただ気に入った歌を歌うとか、気に入った風景を描くとか、そういったものでした。

 

私達が身につけている数学や外国語などの「技術」は、非常に高度なものです。これを小学校のときから専門的な技術を教えず、ただ我流に任せて好きなようにやらせていたらどうなっていたでしょうか?生徒の我流に任せて、そのうち二次方程式の計算ができるようになるでしょうか?

 

我流に任せて放置していても、専門的な技術は身につけることはできません。私達は数学や外国語の技術は持っているのに、芸術分野に関する技術は持っていないことがほとんどです。
考えてみると不思議なものです。どうして芸術分野では専門的な知識や技術を教えないのでしょうか?その理由はともかく、現状では美術に関する複雑な専門技術は、学校では教えてくれません。

 

芸術分野に関しても、本当に上手くなりたかったら専門的な「技術」を学ぶべきです。数学や英語と同じように。
そして技術を学ばない限り、スキルはほとんど上達しません。何も考えずにただ九九の計算を何年やり続けても高度な数学技術が身に付かないのと同じです。

 

スキルの習得は、計画的かつ体系的に行われるべきです。少しでも学習時間を縮めたいのであれば。

 

 

芸術分野は需要がない

学校教育において、芸術分野で専門的スキルの習得がおろそかにされている一つの理由は、芸術スキルの需要があまりないためだと思われます。
需要というのは、仕事における需要です。芸術分野で生計を立てている人は、国内外問わず、股歴史的に見ても非常に少数です。

 

学校教育の一つの重要な目標は、将来的に生計を立てるためのスキルを身につけることにあります。

 

基本的な数学や外国語の知識は、企業で働くビジネスマンにとって非常に重要なスキルになることが多くあります。
新聞を読んで国際問題を考えたり、政治経済などの記事を読んで産業の動向や自社の立ち回りなどを先読みするのに、社会の知識は重要になります。
理科も技術職にとっては必須のスキルになりますし、国語のスキルがないと書類を読むこともできません。

 

これに比べ、音楽や美術のスキルがなくてもたいていのビジネスマンは困りません。会社では絵を描く機会や歌を歌ったり楽器を演奏する機会はほとんどありません。

 

重要度だけ考えれば、芸術分野は明らかに数学や外国語に比べると低いのです。
だから芸術分野の教育がほかの主要科目よりも軽視されるのは当然のことで、これをくつがえしてやたら芸術分野に時間を割くようになれば、生徒たちが将来企業に就職し、ビジネスマンになったときに困ることでしょう。

 

 

美術の「技術」を学ぶ

ビジネス現場では美術のスキルの需要は非常に低いのですが、趣味として学びたいと考えている人は世の中に非常にたくさんいます。
しかしこれらの専門技術を学校で学べないのであれば、自力で学ぶしかありません。そして先に述べたように、専門的技術というのは我流で身につけるのは難しく、できたとしてもかなり無駄な時間を費やします。

 

そこで出来るだけ時間をかけず、学校教育の主要科目と同じように効率的に学ぶ方法の中の一つの方法を、このサイトで提案します。

 

このウェブサイトで描かれていることは、多くの美術技術の一つですが、体系的にまとめることを目標とし、なにより「いわれたとおり勉強すれば誰でも身につけられる」ことを目的にします。
それこそ学校で教えられる数学や英語の授業と同じように、誰でもある程度までは技術が身に付くようにしたいと考えています。