腕と肩甲骨

肩甲骨?鎖骨?

腕はわかりますが「肩甲骨(けんこうこつ)」とはなんでしょうか?
実は腕の付け根の一段階内側に、関節があるわけではないのですが、実質的に関節点となる部分があります。

 

画像:肩甲骨の関節部分のBOX、正面図
肩甲骨の関節部分のBOX、正面図
肩の部分で胸部の上部なのですが、胸部の上下二つの関節とは別に動いています。
上腕の付け根(わき)の、さらに付け根にもう一つ関節があるようなものだと考えてください。

 

自分で実際に動かしてみるとわかりますが、この部分は特に上方向によく曲がり、耳に接することができます。前後にもよく曲がります。
この部分は、前方には「鎖骨」という骨が、背面には「肩甲骨」という骨が埋まっています。この関節を動かすと、これらの骨も一緒に動くので、このBOXを鎖骨とか肩甲骨とか呼ぶわけです。ここでは肩甲骨と呼ぶことにします。

 

具体的な仕組みについては後の美術解剖学の章で説明します。とりあえず今は、この部分にBOXがあるということを覚えておいてください。
この部分は胸部の一部で、たとえば上に動かすとこのようになります。

 

画像:肩甲骨を上に動かしたBOX図。正面図。
肩甲骨を上に動かしたBOX図。正面図。
このBOXは単に胸部の上部なので、特に明確な大きさはありませんが、ここではとりあえず胸部の上部3分の1程度を切り取ってBOXとしましょう。

 

 

上腕・下腕

腕は上腕と下腕に分けられます。上腕とは腕の上のほう、つまり肩から肘までです。
下腕は肘片手首の関節までです。まずは上腕から見ていきましょう。

 

 

上腕・下腕ののBOX

上腕のBOXは、長さが24センチ(4モジュール)、太さはどちらも同じで6.6センチ(1.1モジュール)です。
ただし太さは骨ではなくて筋肉の太さも含めているので、性別や年齢で異なります。とりあえず成人女性の平均では1.1モジュール程度です。
長さに関しては、これは骨の長さに相当するので、男女でほとんど差がありません。

 

下腕のBOXも、BOX自体の長さはすべて同じで、長さ21センチ、太さは6.6センチ程度です。

 

画像:上腕、下腕のBOXと輪郭
上腕、下腕のBOXと輪郭

 

腕の輪郭

腕は円柱のような形をしていますが、場所によって起伏があり、起伏の仕方を間違えるとおかしな絵に見えてしまいます。
腕は回転の構造が複雑で、特に「回旋(ひねり)」の機構が難しく、本格的にポーズを作成して精密に描画するのは、かなり知識が要ります。

 

形状の詳細については美術解剖学の章で説明するとして、今はおよその形状を描く方法を説明します。

 

上腕に関して、まずは付け根の辺り、外側は筋肉によって大きく膨らんでいます。
内側(わきの辺り)は胸の辺りから滑らかにつながっています。

 

とりあえず今は、付け根が太い、ということを覚えておいてください。そのまま肘へ線を引きます。
そして肘の形を描くわけですが、まず肘を曲げた場合、およそモデルから見て「外側から見るととがっている」「内側から見るととがっていない」と覚えておいてください。

 

画像:肘を外側から見た図、内側から見た図。
肘を外側から見た図、内側から見た図。
外側から見ると角が1つで、内側から見ると角が2つあります。

 

肘を過ぎて下腕に入ると、まず下腕の肘付近のあたりは大きく膨らんでいます。
そして手首に近づくにつれて細くなり、手首の太さは側屈方向ではBOX全体の2分の1、前屈方向では3分の1程度まで細くなります。

 

 

肩甲骨の関節点

まずは肩甲骨(鎖骨)の関節点から見ていきましょう。

 

その前に肩甲骨と鎖骨が動く仕組みについてですが、骨そのものが動く力を持っているわけではありません。
力を生み出すのは筋肉で、筋肉の収縮によって部分全体が動かされます。

 

鎖骨や肩甲骨もそれ自体が動く力を持っているわけではないのですが、周辺の筋肉の動きによって引っ張られるように動いています。
ですので「肩甲骨」といっても、肩の周辺の部分を指しているだけであって、骨のみ動くという意味ではありません。

 

肩甲骨の関節点は、首と胸部の関節点と同じです。ここを中心に回転します。

 

画像:肩甲骨の根元の関節点
肩甲骨の根元の関節点
肩甲骨は下方向へは回転しません。上にはかなり上がり、耳に接するまで上がります。
体の前後にも、最高で60度程度曲がります。回旋はありません。

 

 

上腕の関節点

次に上腕の関節点ですが、これは上腕の付け根で、脇の部分です。腕の中心にあります
位置は胸部BOXの側面の、上から6分の1の点です。

 

画像:上腕の関節点
上腕の関節点
下腕の関節点も同様で、肘の真ん中にあります。

 

画像:下腕の関節点
下腕の関節点
位置は簡単なのですが、回転のしかたには注意が必要です。

 

上腕の回転ですが、これは肩甲骨の関節と連動して回るため、注意が必要です。

 

上腕は下方向へは回転しますが、上方向へは水平以上はあまり上がりません。
なので上腕をめいいっぱい上に上げようとした場合に、この関節を回しすぎるとおかしな絵になります。

 

画像:上腕をめいいっぱい上に上げる
上腕をめいいっぱい上に上げる
ただし上腕をめいいっぱい上に上げたときは、上腕の関節も上にいくらか曲がっています。
この部分はやや複雑にできているようです。自分の体でやってみるとわかりますが、手のひらを真下へ向けたまま腕を水平真横へ伸ばし、そのまま肩が耳につくまで腕を上げていくと、途中から曲がらなくなります。しかし手のひらを上に向けて同じことをやると、ちゃんと真上まで腕が曲がります。
なのでとりあえず、上腕関節は上方向へは45度程度は曲がると覚えておけばいいでしょう。

 

逆に上腕を下げるときは、肩甲骨は水平よりは下がりません。肩甲骨は水平のまま、上腕の関節が下へ回転し、腕を下げさせます。

 

画像:上腕を下げる
上腕を下げる
上腕の前後の回転はかなり自由に行われ、肩甲骨の前後と連動する場合もあり、そうでない場合もあります。
大きく運動する場合は肩甲骨と一緒に回って大きな動きができます。そんなに大きな運動をしたくないときは、上腕だけ回ります。

 

肩甲骨は前に突き出し、上腕は後ろへ、というような複雑な動きもできます。

 

 

上腕の回旋と下腕の動き

上腕は回旋(ひねり)も行えますが、これはかなり複雑です。
肘を曲げたまま上腕を回旋させると、下腕が回旋しているように見えるでしょう。

 

実は下腕(肘)は回旋ができません。厳密にいうと、下腕は前屈ができるのみで、側屈も回旋もできません。
腕をひねることができるのは、実は上腕の回旋機能によるものです。

 

腕を回旋させようとして、肘をひねるとおかしな絵になるので注意しましょう。

お知らせ

次回の「関西創作交流会(主に自分の作品を見せながら雑談する会)」は9月9日(土)寝屋川市で行います。参加費無料なのでぜひご参加ください。

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