3DCGアニメの問題

3DCGアニメの問題

この章は「絵の描き方」という本編とはあまり関係ありません。余談です。
最近流行り?の3DCGアニメについて、思うところを描いてみたいと思います。

 

3DCGでアニメーションを作ることは、私は一度やったことがあります。そのときの経験を踏まえ、あくまで技術的な観点から、3DCGアニメの長所や欠点などを考えてみたいと思います。
また個人レベル、あるいは趣味のサークルレベルでどれくらいのクオリティのものが作れるか、ということも考えてみたいと思います。

 

 

手書きアニメと3DCGアニメ

テレビで放送されているようなアニメーション作品、いわゆるアニメは、手書きアニメとCGアニメがあります。
これは作画方法で分けられた分類です

 

手書きアニメというのは、輪郭線を引いて色をつけるやりかたです。輪郭線を手で描くので手書きアニメと呼ばれます。

 

CGアニメというのは3DCGを使うアニメで、これは輪郭線を手で引いていくのではありません。
バーチャル3D空間で3Dの人体を作成し、それを動かすことでアニメーションを作り、輪郭はコンピューターに自動計算させて描かせます。このやり方は自力で輪郭線を描く必要はありません。

 

感覚としては、手書きアニメは「たくさん紙に絵を描いて、それらをつなぎ合わせて動いているように見えさせる」やり方です。
3DCGアニメは「人形を作り、動かし、それをカメラで撮影する」感じです。

 

 

なぜ3DCGは絵や動きが不自然に見えるのか

最近(2015年時点)では、テレビで放映されている、いわゆる3DCGアニメ(CGアニメ)の中には、かなり手書きアニメの近い内容にし、あるいは手書きアニメと上手く合成し、自然に見える作品もあります。

 

しかしこれらは企業ががんばって何とかできる、というくらいです。個人でこのようなものを作ることは非常に困難です。
これらの作品は非常に高度なレベルで制作されており、多くの試行錯誤が繰り返されています。

 

それにもかかわらずクオリティに満足できない視聴者は少なくありません。
なぜすべてのアニメを3DCGで製作することができないのでしょうか?

 

 

手書きアニメの「絵の統一性」の問題

日本では歴史的に、手書きアニメが長く続いていました。そして今もずっと続いています。
この手書きアニメには決まった作風があり、まずペンで輪郭が描かれ、次に色がつけられます。

 

アニメの人間で動きを表す場合、いくつかの絵(静止画)を用意し、これらをすばやく交換することで動いているように見せかけます。
これら多数の絵については「統一性」が必要です。「線」「色」「陰影」については統一性がなければ不自然な動きになってしまいます。