自力で勉強することの利点がいくつかあります。効率の点でも悪くない方法です。
先のページで説明したように、まず自制心が身に着くことです。自分で自分をコントロールすることは、生きている限り常に必要になります。
うまくいくとストレスが小さい
これは心理学でよくいわれることなのですが、他人にコントロールされる人生というのは、大変にストレスが溜まります。
自分の身を自分でコントロールできている、ということ自体、精神的に楽なのです。
もちろん、塾にも行かずに放置され、勉強しなければならないと思っているのにいつもやらずに終わる、というようでは、慢性的に敗北感を感じ続け、それがストレスになってしまいます。
自分で決めたことを実行できないと、自分はだめな人間だという感覚に襲われ、ストレスとなります。
が、自分で決めたことを自分でしっかり実行できた時には、自分にとても自信がつきます。
塾で無理やり勉強させられるより、自分で決めた目標通りに勉強するほうが、実はストレスが少ないのです。
無駄がない
塾に行くと、あらかじめ決められたことをやらされます。
でも実は、自分が何をすればもっとも効率がいいか、知っているのは自分だけです。
基本的には勉強というのは、すでに分かっていることや記憶していくことを何度も繰り返してもあまり意味がありません。
わからないことやまだ覚えていないこと、理解していないことをやってこそ、学力は上がります。
自分がどこを理解していないのか、知っているのはもちろん自分だけです。
だから自分で勉強すべき内容をコントロールできるのが、一番効率がいいのです。
ところが塾に行くと、すでに理解していることを何度もやらされることがあります。
生徒に、最も効率のいい課題を個別に出してくれるならいいのですが、そういう塾はあまりありません。
自分で自分の理解力、進度状況を把握していれば、ピンポイントで最も効率の良い内容を選ぶことで、勉強時間が少なくて効率のいいものになります。
逆に言うと、勉強の効率を上げるためには、自分で自分の理解度をしっかり把握し、無駄をなくすこと必要です。
もっともよくないのは、学校での課題がすべて終わらないうちに塾の課題をし、どちらも中途半端なまま復習もせずに放置している状態です。
問題集をやったら、ちゃんと答え合わせをして、間違った場所を復習しないと学力が上がりません。
問題集やテストは、やりっぱなしでは何も新しく頭に入っていません。
もしこういう状態であれば、どちらか一つに絞って最後まで問題なりテストなりをやり遂げたほうがいいでしょう。
あるいは学校の課題がすべて終わらないのなら、塾でその課題の続きをやれればいいのですが、そうはいかないことがほとんどでしょう。