6章のまとめ

6章のまとめ

心理療法の専門用語で「無価値・絶望・無力」という問題があります。これは通常使用する意味とは少し異なります。
これがあると、まずどうやってもやる気が出ません。
この問題はまず最初に解決していなければ、習慣を変えることは不可能に近いです。

 

無価値というのは「勉強して何の得があるのかわからない」あるいは「勉強しなかったらどう損するのかわからない」という問題です。
勉強する価値を見出すというのは、実体験の積み重ねでできたものもありますが、単なる情報提供でもかなり変わるものです。

 

勉強してどう得なのかわからなくてやる気が出ないときは、まずはやみくもに勉強しようとするのではなく、社会についての情報をたくさん探し、勉強することでどう得なのか、しないとどう損をするのか調べるようにしましょう。
情報は多ければ多いほどいいです。できるだけたくさんの情報を集めましょう。

 

このサイトでも「社会人の基礎」として社会の情報を出していますが、ほかにも周囲の大人(親、教師、塾の先生など)に聞いてみたり、インターネットでいろんな意見を探すこともできます。

 

自分はもともと勉強の才能がないとか、成績なんか上がるはずがないとか、そういう思い込みがあるとやる気が出ません。これを「絶望」「無力」の状態と呼びます。

 

周囲の誰もそれをやり遂げたことがないと、自分もできないと思い込んでしまいます。
しかしもっとほかの人を調べてみると、やり遂げた人がいます。その人のやり方を真似することで、この状態は抜けられるでしょう。

 

周りの人ができていても、自分はできないと思い込んでいるかもしれません。
思い込みの問題は気分を変えるだけでも治ることがあります。たとえば過去に何かうまくいった時のことを思い出したりすることです。
あるいは勉強する間に少し、自分の得意なことをやって、テンションを上げるというのもいい方法です。

 

できないという思い込みは、過去の「できなかった体験」のときに出来上がったものかもしれません。
その時のことを思い出し、その経験に対する反応を想像の中で肯定的に変えるだけでも、気分が楽になってやる気が出ることもあります。

 

できないという思い込みは、高い目標を設定して、実際やってみてうまくいかないと蓄積されていきます。
まずは簡単な目標を設定し、確実にこなしていくことで自分に自信がついていくでしょう。地味な方法ですが最も有効です。

 

「自分はだめな人間だ」という思い込みは、まるで勉強以外でもすべてにおいて無能力のように聞こえてしまいます。
実際、多くの人は何か得意なことがあるものです。得意でなくても、平均並みでも十分です。
「だめな人間だ」と思い込んでいるようなときや、誰かにこのように言われた時は、まず具体的に何がだめなのかはっきりさせましょう。
そしてそれ以外のことは「だめではない」ことをはっきりさせましょう。
いずれにしても、たった数個の能力が劣っているだけで、まるですべての能力が劣っているかのような思い込みはなくしてしまいましょう。