絶望・無力への対処:自分の能力に従ってできるできないの思い込みができあがる

どのようにして思い込みが出来上がるのか

人間、できないという思い込みがあると、やる気がなくなってそれをやらず、結果として能力が育ちません。

 

まだ何も知らない赤ん坊や子供は、できるとかできないとかは考えずに何でもやろうとします。
この段階はまだいいのですが、繰り返し試してもまったくうまくいかないと、そのうち自分にはできないと思い込むようになります。
反対に、うまくできたことに関しては、以降も「できる」と思えるため、順調に能力を伸ばすことができるようになります。

 

もちろんこれは絶対ではなく、今まで苦手だったことを克服する人もたくさんいます。
しかしそういう人たちも、心のどこかで「やればできるんじゃないか」とか「ひょっとしたらできるかもしれない」と思う地点があった場合が多いです。
最初から終わりまでまったくできないと思い込んでいたが、いつの間にかできるようになっていたということはあまりありません。
特に強制されずに自主的にやる勉強や訓練では、そのうちできるようになるという「希望」があることがモチベーションの継続につながります。

 

できるできないという思いこみは、多くは自分の今までの経験の結果によって作られています。

 

 

テストという格差助長システム

勉強でも何でも、できない状態が続くと悪いスパイラルが起きます。

 

何かというと、最初は何も考えずにやっていたことが、失敗するとできないと思い込み、それによってモチベーションが下がります。
これによってますます練習しなくなり、練習しないために能力が育たずに悪い成績を取る。
それによってさらにできないと思い込み、さらに悪い点数を・・・

 

というふうに、能力が育たないことによってますますやる気を失い、やる気が出ないことで練習をせず、ますます能力が落ちてやる気を失い、というのを繰り返すようになっていきます。

 

反対に、できる人は良い成績によってますますやる気を出し、それでますます練習し、さらに能力を上げていく、というのを繰り返していきます。
テストのように、まったく同じ課題を皆にやらせて成績順位をつけるやり方は、このようにして能力の格差を生み出しやすい仕組みになっています。

 

テストというのは日本語で「試験」です。試験というのは本来、自分の理解度を検査し、確認し、それに応じた対策を取らせることにあります。
他人と比べるためのものではありません。
病院で行われる検査と同じように、自分の中にある問題をはっきりさせ、どのように対策を取れば問題を解決できるか、を考えるのが目的です。

 

したがって本来、テストというのは「みんなで同じものをする」必要はないのです。
各個人の進度に応じ、その進歩具合にふさわしいテストをすべきです。

 

しかし学校や予備校などに所属していれば、テストは強制的にやらされるので、その制度自体を変えてしまうことは不可能です。
それでもテストというのは、決して他人と比べるものではなく、あくまで「自分のわからないところがどこかを調べ、そこを復習するためのもの」だと思ってください。

 

 

「お前は頭が悪い」といわれたら?

さて、学校のテストで成績が悪かったとき、「お前は成績が悪い」「頭が悪い」といわれて、ますます勉強する気になるでしょうか?
確かに、成績の悪い生徒でも「勉強しないと後で大変なことになる」と危機感を募らせ、それによってさらに勉強するようになる人もいるでしょう。
でもこういう人は、「今は成績が悪いけど、頑張ればできる」と思っている人です。
頑張ってもできないと思っている人は、勉強する気にはなれないでしょう。

 

このような叱咤激励は、本人の受け取り方によって効果が変わってきます。
よくよく考えてみると、「お前は頭が悪い」というのは、「お前は今は成績が悪いが頑張れば頭が良くなる」という意味にも取れますし、「お前には勉強できるはずがない。どんなに頑張っても無駄な努力だ」とも受け取れます。どう受け取るかは人によります。

 

「お前は頭が悪い」といういい方は、多くの場合「頑張って勉強できるようになれ」という意味です。
なぜかというと、人というのは本当に期待していないければ、叱ったりはしないからです。
本当に勉強ができないと思っていれば、「勉強しろ」とか「頭が悪いな」ともいいません。何も言いません。

 

しかし受け取る本人はしばしば「お前は勉強しても無駄だ」というふうに受け取ってしまいます。

 

その受け取り方を変えて「勉強して成績を上げてほしい。お前はできる」という意味だということを確認しましょう。
親や教師から「お前は頭が悪いな」といわれたら、こう聞き返すのも一つの手です。

 

「私は頑張れば成績が上がるようになりますか?」

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