再刷り込み(再インプリンティング)で過去の傷を修復する

刷り込みとは?

心理学で、カモの親子の実験があります。
その実験で、赤ちゃんのカモを卵から孵化させたとき、その時に動いていたものを見ると赤ちゃんカモはそれを親として認識する、という結果が出ました。
こういった人生の最初期に経験する本能的な修正が身に着くことを「刷り込みが起こる」というふうに呼びます。

 

転じて、何事でも人生の最初期か、あるいはそれから間もない間は、経験の結果が強烈に心の中に染み付く、というような現象が私たちにも起こります。
そしてそれは、幼い時の経験ほど、後にも長い間影響するといわれています。

 

たとえばとても数学が苦手な人がいて、数学がトラウマのようになっていたとしましょう。
その原因は、もしかすると幼少期に数学のテストをやって、皆の前で恥をかかされたのが原因かもしれません。

 

高校のテストで恥をかかされるのと幼稚園で恥をかかされるのとでは、心の中への傷の食い込み方に大きく差があるといいます。
一般的にこうした恐怖の経験は、幼少の頃ほど心に深く食い込み、長期間にわたって、場合によっては一生影響を及ぼします。

 

 

再刷り込みという方法

これは後で詳しく述べますが、心理療法の一つで「再刷り込み」というものがあります。
簡単にいうと、過去にうまくいった事を思い出し、その「感じ」を、過去にうまくいかなかった時の経験に持ち込む、というものです。

 

私たちの中にある「できない」という思い込みは、割とその経験の最初期に形成されていることが多いです。

 

たとえば水泳が苦手な人は、子供のころに初めて水泳をやらされたとき、無理やり水の中に放り込まれたとか、おぼれかけたとか、ちっとも体が浮かばなかったとか、そういうことが多いものです。
水に対する恐怖というのが、水泳の練習の最初期に形成されることが多いです。

 

心理療法の世界で、何事でも「初体験、あるいはその後のいくつかの体験」が、後の「できるできないの思い込み」に重大な影響をおぼよすことがわかってきています。
その経験は心の底に眠っていて、今の私たちの思い込みにいくらか影響を及ぼしていると考えています。

 

なのでそれを、まずは心の中で過去の体験を修正することで、それ以降にずっと続いていたできないという思い込みは、ある程度修正されるだろうと期待できます。

 

簡単にいうと、過去の「勉強ができなかった」という思い込みができた頃のことを思い出し、「もしそれがうまくできていたら?」と想像するというものです。

 

ただしこのやり方は、どちらかというと「気分を盛り上げる」という効果に近く、具体的な目標を定めたりするものではありません。

 

 

思い込みは経験の後にできる

ある体験の後、うまくいった場合とうまくいかない場合でその後のできるできないの思い込みが変わることがよくあります。
その経験で、うまくいけば「自分はできる」、うまくいかなければ「自分にはできない」という思い込みが形成されることが多いです。

 

これを想像の中で変化させようというのですが、過去にした経験自体は変えることはできません。
過去に起こったことは起こったことで、私たちはそれが事実だと知っています。

 

この方法の趣旨は、過去に起こった悪い経験に対する「反応」を変えることにあります。

 

たとえば過去にテストで悪い点数を取って、親から「お前はだめな人間だな」といわれたとします。
このときまるで自分がすべての能力が劣っている人間だと思ったかもしれませんが、よく考えてみるとその科目で点数が悪かっただけです。
あらゆる科目、あらゆる能力が劣っているというわけではありません。

 

そしてその親はほかの時に、もしかするとあなたに向かって「お前はこれが上手だな」とほめられたことがあるかもしれません。
その時のうれしい感じを、その恐怖の体験の時に想像の中で持っていけば「自分がすべての能力で劣っているわけではない」認識できます。

 

と、これが本来の心理療法でいう再刷り込みのプロセスですが、これは1対1の面接型の心理療法で使われるようなやり方です。
これをそのまま使おうとして、なんだかイメージトレーニングみたいになってしまうと、皆さんにとっては苦痛かもしれません。

 

ここではとりあえず、過去の経験に対する反応を思い出して変えることで、ある程度気分に影響し、できないという絶望感を緩和できる、ということだけ覚えておいてください。

 

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次回の「関西創作交流会(主に自分の作品を見せながら雑談する会)」は9月9日(土)寝屋川市で行います。参加費無料なのでぜひご参加ください。

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