人間は信頼している人からより強く影響を受ける

信頼している人からの影響が強い

人間、自分の価値観が誰からも同じくらい影響を受けるというものではありません。
同じように長い間一緒にいても、あまり影響を受けないこともあれば大きく影響を受ける場合もあります。

 

大きく影響を受ける要因というのは、信頼している人とか好きな人とか、あるいは権威のある人です。
言葉で表すと、誠実、楽しい、優しい、気が合う、優秀などという、普通にいう「(その人によって)魅力のある人」に相当します。

 

もう少し詳しく見ていきましょう。

 

 

好きな人・仲のいい人

好きな人というのは、別に単純な恋愛感情のことだけを意味しません。
たとえば普通の子供は、自分のお父さんやお母さんのことが大好きです。そしてお父さんやお母さんの言うことはよく聞きます。
こういう意味での「好き」です。

 

また仲のいい人のいうことは、そうでない人よりもよく聞き入れられます。
まったく無関係の第三者より、仲のいい友達の頼みなどは、ちょっと無理をしてでも聞いてやりたくなるものです。

 

 

誠実・優しい人

まじめで嘘をつかない人は、そうでない人よりも当然よく聞き入れられます。
もし相手が不真面目で、人をだましてばかりいる人なら、その人のいうことは聞きたくありません。
自分に危害を与える可能性がないと思えば、いうことを聞いてもいいと思うものです。

 

 

優秀な人・辛抱強い人・仕事のできる人・頭のいい人

これらは特に会社のような場所だと、非常に重要になります。
会社では当然ですが、仕事のできる人のいうことを聞かないと自分もうまく仕事ができません。

 

よく新入社員が勘違いしやすいのですが、「非常に厳しくて怖いけど仕事ができる上司」と「仕事はできないけれども優しくてしゃべりやすい上司」とでは、どちらに仕事の相談をしたくなるでしょうか?
学生の感覚だと「仕事はできないけど優しい上司」に相談したくなるかもしれないのですが、現実にはそれではだめなのです。
どんなに人柄がよくても、仕事のできない人と一緒にいると自分も仕事ができなくなり、最後には会社を辞めなければならなくなります。
社会人の多くの人たちはそのことがわかっているので、どんなに怖くても仕事のできる人に相談に行きます。
そしてどんなに怖くて厳しくても、会社は仕事のできる人が雰囲気を支配し、それで組織が保たれていきます。

 

会社というのは多くの場合、戦場のようなもので、気を抜くと殺されかねないというくらいの気持ちでやっています。
そういった緊張感のある場では、優しいけれども弱い人より、怖くても強い人が求められます。優しくて弱い人につくと、自分も殺されてしまうからです。

 

このような場では、仕事ができる、優秀であるということが、信頼関係の元になります。
どんなに人柄がよくても、仕事ができなくては信用されません。

 

 

信頼関係について、このサイトで説明した「習慣を変えるための段階」の点から見てみましょう。
習慣を変えるためにはいくつかの段階があることを以前の章で説明していますが、これらの段階を振り返ってみましょう。

 

  • 1.無価値・無力・絶望への対処が済んでいる
  • 2.アドバイザーあるいは周囲の人々との関係が適切である
  • 3.問題の認識と望む結果をはっきりさせる
  • 4.目標を詳細化し、課題とする
  • 5.自分が当事者であるという認識があることを確認
  • 6.習慣を変化させるための技法を実施する

 

これらを満たしてくれるアドバイザーとはどんな人でしょうか?
まとめてみると

 

  • 1→絶望させられない、無力を感じさせない人、強い人、仕事や勉強のできる人でないといけない
  • 2→信用できる、途中で投げ出さない、嘘をつかない、いい加減な気持ちでない、頑張る人
  • 3と4→自分で考え、問題を探れる人、解決への糸口を見つけられる人
  • 5→自分が動ける人、他人のせいにしない人
  • 6→習慣を変える方法について、専門的で技術的なアドバイスができる人

 

ということになります。
これは会社の中でいえば、優秀で誠実、忍耐強く真剣であり、問題解決能力があり、自分で責任が取れ、しかも専門的な知識、能力がある人ということになります。
まるでヒーローのような人です。このようなすごい人が心理カウンセラーの理想形なのですが、どこの職場でも同じように、ここまでできた人はなかなかいません。
確かにこれ、すべての条件を満たすのはとても難しいことですが、しかしできるだけ努力はすべきです。

 

勘違いしやすい点として、ただ優しいだけの人、甘やかしてくれるだけの人と一緒にいても、何も変わりません。
自分が変わるというのは、難しい仕事をすることに似ています。ただ優しいだけの人と一緒にいるくらいなら、鬼のように厳しい上司についたほうがいい成果が出ます。

 

 

信頼関係(ラポール)の構築

心理療法の世界では、こういった要因を総合して信頼関係があるといいます。
信頼関係の構築のことを、心理学の専門用語で「ラポールの構築」と呼びます。ラポールとは信頼関係のことです。

 

そして人間、信頼している人のいうことはよく聞き、信頼していない人のことは聞き入れません。
したがって私たちは、自分が信頼している人からより多く影響を受けているといえます。
自分のものの考え方が、家庭環境がもっとも影響を受ける大きな理由の一つは、家族のことを最も信頼しているからです。

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7章のまとめ
勉強するのに他人は関係なさそうな気がしますが、自分のものの考え方や行動も周囲の人たちとの影響を強く受けています。人間関係についてみていきましょう。
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誰かと協力して勉強しようというとき、あなたがその人に信頼されており、あなたもその人を信頼していなければあまり効果が出ません。
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私たちの価値観(物事の良しあしを判断する基準)は周囲の人々から強い影響を受けており、自分から人々に働きかけることである程度自分の価値観をコントロールできます。
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家庭環境は人の価値観を形成するもっとも重要な環境要因です。子供は親を選べませんが、親の影響が強く子供に作用することは覚えておいて損はないでしょう。
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家族や友人関係では、メンバーの変更(追加されたりいなくなったり)があるとほかのメンバーも全体の均衡を取るために性格が変わったりします。
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自分の周囲で勉強熱心な人がいない場合、もっと勉強熱心な人たちの輪に入ることでその「やる気」をもらうことができます。自分で有利な環境を選んでいきましょう。
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普段から良好な人間関係に恵まれている人は心理的な病気にかからず、ストレスが低いです。勉強に集中できる環境を作るため、周囲との人間関係を大切にしましょう。
伝統的な心理療法のやり方
伝統的な心理療法は相談者の話を聴くことを最重要視していますが、勉強や中毒の治療ではそれだけでなく、行動を促すためのアドバイスが必要です。
心理カウンセラーとしてふさわしい態度
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