9章のまとめ

9章のまとめ

勉強する習慣をつけるため、まずは明日、勉強する時間だけ決めてしまいましょう。
おすすめなのは、今日勉強した時間に10分プラスして明日の勉強時間の目標とします。
一気に勉強時間を増やすと、心理的に負担がかかって失敗します。
計画を確実に実行するためには、少しずつ変化させていくことが大事です。

 

勉強する内容ですが、学校の課題が残っていればまずそれをしてしまいましょう。
いきなり難易度の高すぎる課題を出して挫折しないように注意しましょう。課題は簡単すぎても難しすぎてもいけません。

 

明日勉強する時間を出すために、今日勉強した時間を正確に出さなければなりません。
まず理論上、確保できる時間を出してみます。勉強時間にあてることが可能な、いわゆる自由時間のことです。ちゃんと数字で出しましょう。何時間何分なのか。
健康状態を損なわないようにしてください。特に睡眠時間を削ると、疲労がたまって勉強どころではなくなります。

 

今日の勉強時間を出したら、明日の勉強時間を設定します。今日の時間に10分〜30分くらい足して設定するといいでしょう。

 

計画を確実に達成するコツは、「できるだけストレスなく、少しずつ変化させ、慣れていく」です。

 

目標を立てるときの重要な2つのコツは「明日(あるいは今すぐ)」「何をすればいいか具体的に」わかっていることです。
まず目標の設定期限が、すぐ近くの未来にすることが大事です。「1年後に○○する」とかでは何をしていいかよくわかりません。
さらに具体的に何をすればいいかわかっていることが重要です。「将来医者になる」とか「○○大学に受かる」ではいけません。やはり何をすればいいかわからないからです。
「明日この問題集を頑張ってやる」というのもいけません。「頑張ってやる」では、どこまでやればいいかよくわからないからです。
具体的に、というのは、目標を数字で出すことです。たとえば

 

明日30分勉強する。そしてこの問題集の○問〜○問までやる」というふうに目標を設定してください。

 

数字で課題を出していくことで、「これだけやったら終わり」というのが出せ、それまで耐えられるようになります。

 

やる気を出すだけでは意味がありません。やる気というのは心的な思いの強さのことを意味しているのですが、思いが強くても行動できるとは限りません。

 

やる気が出る = 行動できる

 

と勘違いしないでください。目標というのは

 

1日10分この机に座って勉強し、この問題を1問解く。そして答え合わせをし、間違っていれば解答を見て理解する。それで終わり

 

のように設定します。

 

勉強計画を立てるときは、時間と量を同時に設定します。たとえば「今日は30分で問題を5問解く」のようにです。
もしどれくらいの時間でどれくらい進むかわからない場合、量あるいは時間のどちらかだけ決めて始めるのもいいでしょう。
ただし最終的には時間と量を同時に設定できるようになってください。そうでないと長期計画を立てられません。

 

長期計画を立てるのは、短期(日単位)の計画をこなせるようになってからです。短期の計画がうまくいかない間は、長期の計画を立ててもまず達成できません。

 

その日のノルマをこなせなかった場合、次の日に取り戻せないかがんばってみます。こなせなければすぐに計画を修正します。間違った計画のままだらだら進めても、雪だるま式にノルマが積もって、しまいに途方に暮れることになります。到底達成不可能な目標はすぐに修正すべきです。

 

今から勉強しようとする直前に、時計を見て「今から○時○分まで勉強する。この間問題を○問解く」というふうに、目標を思い出しましょう。それだけでもずいぶんやる気が出ます。

 

長期計画を立てる場合、試験に受かるための情報を十分集めてください。特に資格試験では、受かるためにすべき問題集や勉強時間の指標が決まっていることがあります。これらの情報は長期計画を立てるときに参考にしましょう。

 

勉強する以前に、自分の自由時間が少なすぎて勉強のしようがないことがあります。これに関しては、別のことを他人に任せる、一人に慣れる時間をどこかで確保する、どうでもいいことはやらないなとの対処法があります。
いずれにしても何とかして時間を確保しなければなりません。