11章のまとめ
あなたの勉強の習慣を変えるために、何か決まった方法をひたすら練習するのではなく、あなたにしかない強みや個性を使いましょう。そのほうがずっと効率がいいです。
現在の日本の教育システムは、一つのやり方(授業)を全員に適用させる形になっています。それぞれ個人の個性にマッチした授業ではないため、人によって内容の吸収効率が異なります。
習慣を変えるための技法を大きく分類すると
- 人間関係を変える
- 場所を変える
- アンカーとスイッシュ
- 生理的状態を変える
- リフレーミング
のようになります。やりやすそうなものからやってみてください。
人によって合う合わないがあるのですが、数打ちゃ当たるというようなものなので、片っ端から試してみてください。
やってみて
- 効果があれば(勉強時間が増えれば)継続
- 何も変わらなければ継続。ほかの方法を追加(しばらく続けてもやはり変わらなければ中止)
- 逆効果なら(勉強時間が減れば)それをやめる
です。これらは律儀に一つずつ試す必要はなく、一度にたくさん併用するとさらに効果が期待できます。
また状況によってはそのまま使えないこともあると思うので、場に応じて柔軟に改変させながら使うといいでしょう。
これらの習慣を変えるための技法は、習慣を変えるための段階
- 1.無価値・無力・絶望への対処が済んでいる
- 2.アドバイザーあるいは周囲の人々との関係が適切である
- 3.問題の認識と望む結果をはっきりさせる
- 4.目標を詳細化し、課題とする
- 5.自分が当事者であるという認識があることを確認
- 6.習慣を変化させるための技法を実施する
のうち、複数の段階にまたがっていることがほとんどです。
自分がこの5段階のうちどこでつまずいるかが分からなくても、とりあえず適当に試していればうまくいくかもしれません。
なのであまり深く考えず、気楽に片っ端から試していくといいでしょう。
「勉強しなさい」といわれただけで勉強ができるようになることもありますが、たいていはすでにほかの段階がすべて終わっており、あと一歩の後押しで行動できるような場合です。このような人は別に叱らなくてもそのうち行動に移せていたでしょう。
叱咤激励の反応自体が個性があります。人によっては反応しやすく、またいくら叱ってもまったく反応しない人もいます。
叱咤激励するときは、いうほうといわれるほうが、よほどお互い信頼関係がない場合でないと、効果を発揮しません。
誰かの習慣を変えるとき、一般的には叱咤激励は効率のいい方法ではありません。